誰かにひどいことを言われて悲しい思いをしたり、幸せな人をみると嫉妬してしまったり。そんなときは決まって、このツラい気持ちから逃れたいと思います。そんなときに役立つ、苦しみがウソみたいに消えてしまうマジックのような解決方法がありました。
"ありのまま"を見ればツラさは消えるそれはズバリ、ものごとの「ありのままを見る」ということです。書籍『自分を変える気づきの瞑想法』には、このような文がありました。
「しかし人間はどれほどものごとをありのままに見ていないことでしょうか。「こうあってほしい」という自分のフィルターを通してみているのです。嫌いだと思ったら何でも悪く見えます。好きなものは何でもすばらしく見えます。「ありのまま」でなく、「我がまま」に見ているのです」 (「自分を変える気づきの瞑想法」P.32より引用)
では我がままに見るのと、ツライ気持ちとはどのような関係があるのでしょうか。 苦しみの原因は思考
同書では、苦しみの原因は事実を否定することとだと説いています。否定するのは思考です。つまり、思考が苦しみを生み出しているわけです。たとえば誰かにひどいことを言われた場合、ありのままで見れば「誰かが~と言った」ということになります。そこに「ひどいことを」と付け加えた時点で、我がままな見かたになるということです。
心のトレーニングには瞑想事実に思考を付け加えると、それは真実ではなくなります。思考を消せば、苦しみもマジックのように消えてしまうのです。
そしてそのマジックを使いこなすには、考える余地を与えないくらい勢いよく、すき間なく行う実況中継のような瞑想の練習がよいそうです。たとえば「座っている」「感じている」「音が聴こえる」などに集中する。
この瞑想を続けると「観察能力が高まり、精神的な力がついて、心が成長する」と書かれています。思い込みをなくして物をみる素晴らしさを実感できるのですね。
日常生活でもツライ気持ちが沸いてきたときは、即実況してみます。たとえば「今座っている」など。気持ちではなく今の状況に集中するだけで、苦しむ暇がなくなります。これは便利なマジックではないでしょうか。
[自分を変える気づきの瞑想法]
出版社:サンガ
著者:アルボムッレ スマナサーラ
photo by Thinkstock/Getty Images
(知恵子)