1年の計は元旦にあり、と言うように、この季節はお金の使い方を見直すのに適した季節。2015年のお財布計画を考えてみるのはいかがでしょうか。「お金の参考書」として紹介したいのは、暮しの手帖編集長・松浦弥太郎氏による『松浦弥太郎の新しいお金術』です。
お金を心地よく使うには?最初に伝えたいのは、この本は節約ハウツー本でも、お金の増やし方を提案している本でもないということ。むしろ、お金と肩を並べ、暮らし、上手に使っていく。そうするための具体的なアドバイスを、松浦さん自身のお財布事情と共に紹介する、とても親近感のわく内容となっています。
例えばこんな一節が。
僕らがあたりまえのように大切にしている、「友達とのつきあいかた」を「お金さんとのつきあいかた」に置き換えれば、うまくいくと思うのです。
(『松浦弥太郎の新しいお金術』より引用)
松浦さんは、誰にでも簡単にできる方法として、お金にさん付けをして、お金さんと呼ぶことを勧めています。「考えてみると、お金と友達はよく似ています。(略)友達に恵まれれば、人生が豊かになります」とあるように、お金と肩を並べ、お互いが心地よいと感じる使い方をしてあげることが、新しいお金術の一歩なのです。
買い物をする前に、持ち物チェックを!「お金さん」と仲良くなるための具体的な方法がたくさん書かれていますが、私が実践したいと思ったのは、とてもシンプルなアイディア。
やり方はごく簡単で、自宅であたりを見回す。これだけでいいのです。(略) スプーン1本から「この家でいちばんの高級品」に至るまで、いったい自分がどれだけのものを所有しているか、改めて点検しましょう。そうしたもののために使われたことを、お金さんは、喜んでいるでしょうか。
(『松浦弥太郎の新しいお金術』より引用)
浪費か、それとも意味のある買い物なのか。それは値段だけでは決められないものです。たとえ千円のものでも、お金さんが悲しむような使い方をしたら意味はない。その代わり、高価なものでも毎日が豊かになるなら、それは素敵な使い方をしたと言えるのだと、この本は教えてくれます。買い物をする前に、自分の持ち物をよく観察し、それが手元にやってくる価値を考えながら、お金さんを使っていきたいものですね。
[『松浦弥太郎の新しいお金術』]
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