(c) Pascal Grob
暑い夏は、素肌の上から直接着ても心地よい服で過ごしたいもの。そこでおすすめなのが「F-ABRIC」。
というのも、F-ABRICの服は、なんと100%生分解性なのです。つまり、野菜や果物などと同様、土に還して堆肥にすることができるという、これ以上ないほど自然素材な服なのです。
土に還る洋服(c) Oliver Nanzig
その秘密は、エコロジーマインドで有名なスイスの鞄ブランド「FREITAG(フライターグ)」が、5年がかりで開発した、麻・亜麻・ブナが原材料の繊維にあるそう。
原材料となる麻や亜麻にもほとんど農薬を使用していませんが、繊維生成の工程でも、可能な限り化学薬品を使わないようにしているのだとか。
漂白加工をしていない生地はあくまでやさしく、乳幼児の肌をくるむのにも安心な素材。もちろん、染料も天然のものを使用しています。その品質の高さは、OEKO-TEXR Standard 100の保証つき。
FREITAGを立ち上げたダニエル、マーカス・フライターグ兄弟 (c) Lukas
「綿」を使わない理由フランス、ノルマンディの亜麻畑 (c) Freitag
夏向け繊維というと、すぐに頭に浮かぶのは「綿」ですが、フライターグではあえて綿は使っていません。その理由は、綿の栽培には、多くの水と、広大な耕地を必要とすること。また、化学肥料や農薬が多く使われるため、土壌を汚し、栽培する労働者の健康を害するおそれがあること。さらには、綿栽培の労働条件が劣悪であることにあります。
どれをとっても、フライターグのエコロジー精神に反するため、繊維から作ってしまえと開発されたのが、「F-ABRIC」の布地というわけです。
縫製糸からボタンまで徹底したこだわり徹底しているのは、布地だけでなく、縫製糸やラベル、シャツボタン、セルビッチもすべて生分解可能なものを開発してのけたこと。
F-ABRIC用に開発されたボタン、縫糸、セルビッチ (c) Oliver Nanzig
ただひとつの例外は、パンツボタンですが、これも、ネジで簡単に取り外せ、リサイクルできるものを作り出してしまったとのこと。
「F-ABRIC」と名づけられたシリーズは、半袖長袖のTシャツ、ワークシャツ、ズボン、オーバーオールつきスカートに、コンセプトバッグというラインアップ。色はいずれも、オフホワイト、黒、黄土、紺、パステルグリーンなどのベーシックなものばかり。
(c) Oliver Nanzig
布地の耐久性を重視して開発しただけあり、どれもちょっとやそっとのスポーツでは破れず、土に還しさえしなければ、半永久的に使える丈夫さ。
それに加え、湿度・温度の調整機能、自然の抗菌機能も備えている優れものです。日本では、オンラインストアのほか、銀座と渋谷にある「FREITAG」の直営店で取り扱いがあります。
地球にも、作る人にも、着る人にもやさしい布地。まさしく、大地の恵みがそのまま形になったような「F-ABRIC」の洋服たち。暑い夏も、素肌にさらっと身につければ、心地よく過ごせそうな予感がします。
[FREITAG]
(冠ゆき)