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語り処_2023.06.02
2023-06-02 21:15330pt1. ひとことオピニオン
日本改造は日本の伝統文化と欧米の仕組みの融合で
節目だったとしたら、時を経て現在は、歪んでしまった日本の社会構造を改革する大きな節目に来ていると言えます。
ここで一番重要なことは、外国ではこうだからと欧米の猿真似をして社会構造を変革いくのではなく、日本の伝統や文化を尊重し、それを上手に受け継ぎながら、負の側面を西洋思想の力も借りながら取り除いていくことです。
これは垂直移動が比較的自由な日本の縦型社会構造を基本にしながら、横移動の自由度がある西洋社会の仕組みを取り入れて日本を改造していくということです。
具体的には雇用で言えば、終身雇用制を基本に置きながら一部にジョブ型雇用を取り入れることです。住居で言えば多世代同居による女性の負担に対する給付を考え、また女性の産休についてはたっぷり3年間設けて、その間は何の心配もなく子育てに専念できるようにするなどです。
社会変革と言うと、とかくこれまでの伝統文化を否定し破壊し、欧米の仕組みをそのまま取り入れていけばよいとなりがちです。しかしそうではなく、家族も子育ても雇用も、そして地域社会も中央政界も、長年培ってきた日本の伝統や文化を踏襲していく中で、何が問題なのかを抽出して、それを合理的に改善し、時代に合ったものに作り直していくという発想が大事です。
言葉を変えると、西洋的なものを無批判に受け入れるのではなく、日本で普通に暮らしている人たちの声なき声を掬い上げながら、日本に住む大部分の普通の大衆を守るという視点で日本改造を実現していくことです。まだ遠い道のりですが、私はそれを政治家人生の最後の仕事にしたいと考えています。
2.季節の話題
「あまちゃん 」再放送! 春にはニューヨーク・タイムズで盛岡が取り上げられ話題になりましたが、2013年4月から9月にかけて放送された、NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が、今年4月からBSプレミアム・BS4Kで再放送されました。メインロケ地となった北三陸ではイベンなども開催して、県外からの往来も徐々に増えているようです。岩手が注目されているということで言うと、宮沢賢治没後90年となる今年は、5月のゴールデンウイークに『銀河鉄道の父』が全国公開され、作品としての評価も高いようです。大谷翔平くんだけでなく、岩手がさまざまな角度から取り上げられるのは嬉しいことです。
3.Q&A
「日米関係の日本の自立」 よく日本はアメリカの呪縛から自由になって、真の独立を果たさなければいけないと言われますが、これは話が逆です。日本が米国から自由になるということではなく、まずその前に、日本人が自立しなくてはだめです。そして次に、自立した国民の集合体である日本という国が、国家として自立しなくてはなりません。そのうえで、他国とどう付き合うかを考えていくべきなのです。 日本人が自立していない中で米国との関係を考えても、何のビジョンも思想も哲学もなしに、やれ反米だ嫌米だ、やれ親米だ米国従属だと言葉だけが踊っていくだけです。 日本は、いつまでたっても保育器に入ったままのようなところがあり、その中で平和も経済的繁栄も享受してきたのです。その意識を変えるのは容易ではありませんが、どこかで修正していかないと、遠からず国際社会でどこからも相手にされなくなってしまいます。国際社会で日本が存在感のある国になるためには、まず自立した政治家、自立したリーダーの出現が不可欠です。そういう人たちが範を示すことで、国民も自立していくのです。その結果、日本という国も自立していくことができます。そのうえで、米国をはじめ他国とどう付き合っていくのかを考えていけばよいのです。
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語り処_2023.03.03
2023-03-03 20:55330pt1. ひとことオピニオン
現れよ!憂国の志士たち
小沢一郎政治塾の令和5年冬季集中講義の塾長講義で私の政治理念と政治家としての基本的な考えを少しまとめて話しました。 この塾は 政治家育成だけを目的としたものではなく、 21世紀の日本に対する熱い思いを秘め、「構想力」「説得力」「人間力」「胆力」を鍛えたリーダーたちをなんとしても輩出しいきたいという強い気持ちからスタートしたものです。 私は日本の歴史において、次世代の日本に先鞭をつける大きな変革を成し遂げたリーダーが3人にいると思っています。それは、大化の改新を行った天智天皇と、中世の 政治秩序や権威を破壊し時代を 近世へと動かした織田信長、そして明治維新の原動力となった 薩摩藩 家老の小松帯刀です。
翻って現在、これほど混沌とし閉塞状況に陥っているにもかかわらず、日本をなんとか立て直そうという志をも持ったリーダーたちが現れる兆しが全くありません。今の日本のエリートたちは自分のちっぽけな地位や幸せや金儲けに走って満足してしまい、明治の志士たちが抱いた日本国への危機感や日本を立て直そうという志が皆目ありません。
でも、老子に 「 国家昏乱 、 有忠臣 」 という言葉があるように、国家が今のように乱れてくれば、日本のエリートたちのなかからも、必ずや国を思い大志を抱いた人物が出現すると期待しています。 同時に何事も諦めてしまったらそこで終わってしまうので、他人に期待するだけではなく、私も長年の思いを決して諦めず、いずれ現れるであろう志士たちと手を組み、なんとしても、政権交代という具体的な形をつくって、日本の土俵をつくり直していきたいと思っています。これを掛け声だけに終わらせず、必ずやり遂げる決意でいます。
2.季節の話題
18歳は成人? 少年?
少し前の話になりますが、今年の成人式をどうするか各自治体は相当頭を悩ませました。 そもそも 、成人の日は以前は1月15日で、これは武士の 「元服の儀」に由来しています。それがいつの間にか、ハッピーマンデーとして1月第二月曜日になってしまいました。しかも、 昨年民法が改正され18歳で選挙権もあり、契約も自分の意思でできるようになりましたが、飲酒や喫煙、ギャンブル解禁は20歳です。 刑事事件についても引き続き少年法が適用され、18歳は成人なのか少年なのか何とも中途半端です。 時代の変遷とともに変わっていかなければならないことはたくさんあるので、僕は変わることを否定しませんが、変えるなら中途半端にではなく徹底して変えたほうがよいと思います。同時に僕は決して復古主義者ではありませんが、昭和天皇の誕生日をみどりの日としたり、紀元節を建国記念の日などとするのは考えものだと思います。日本の過去に闇雲に蓋をするのではなく、ときには日本の伝統文化をきちんと振り返り、今のある地点を確認する作業も必要です。そのためにも、暦の謂れはある程度大事にしていったほうがいいように思います。
3.Q&A
少子化問題の解決策
岸田首相は「 異次元の少子化対策」などといいますが、 本気で日本の少子化を憂いているとは思えません。木原官房副長官のコメントに代表されるように、現政権はあまりにも政治をなめており、国民をバカにしています。このままにしておけば、本当に日本は沈没してしまうのではないでしょうか。 少子化対策ではまず、雇用問題を是正する必要があります。以前は非正規雇用は10%程度でしたが、この40年間で3倍以上も増えました。正社員と非正規雇用者との間では生涯年収で1億円以上の差があると言われます。50歳男性の未婚率は正社員で2割、非正規雇用者では6割にも達し、これが少子化率を高めていると言えます。正規雇用と非正規雇用との賃金格差をなくし、非正規雇用者に対しても正社員と同等の社会保険や福利厚生を受ける権利を付与すべきです。同時に、法整備を行い全従業員に対する非正規雇用者の割合は各企業で10%以内に抑えるべきです。また終身雇用制についても、日本の縦社会構造を考えると、一部を欧米のように能力主義にしながら終身雇用制を基本にしたほうが従業員、会社ともに安定するのではないでしょうか。
子ども手当は所得制限なしで全ての子どもを対象に支給すべきです。 児童扶養手当も、 未婚のひとり親だろうが全ての子どもに支給し、加えて給付金の さらなる拡充も必要です。ひとり親に対する長期の育児休暇も法整備していかなくてはなりません。要は子どもを産み育てるためのさまざまな選択肢を整えていくべきなのです。
教育に関しては高校生までを義務教育とし完全無償化にするとともに、先生の待遇も改善して公教育の質的向上を図るべきだというのが私の持論です。教育は国家の礎ですから、大学も無償化していくべきでしょう。 戦後の個人主義の中で日本でも大家族を否定する風潮が主流ですが、ドイツでは 「多世代の家 」が考案され、 幅広い世代の人たちが相互に助け合いながら生活していく というモデルもあります。日本では昔からこうしたことは当たり前だったのですから、3世代同居や4世代同居の復活もそろそろ考えてもよいのではないでしょうか。 その場合、昔の住まいとは違うプライバシーを考えた多世代交流型の新しい3世帯住宅や4世帯住宅を研究することも必要です。また、多世代同居では中心になる女性が どうしても外に働きにいけず、専業主婦をしていく場合も考えられますので、 その時は本来の仕事をして得られる給与の代わりとして、月額10万円程度の手当を出すというのもひとつの方法だと思います。
最期にもう一つ重要なのは、国土の有効利用です。日本は狭い国土なのに何でも東京一極集中で、国土の利用効率が非常に悪いといえます。必要ならば政府機能や首都を移転するなど大胆な改革を行う中で、地方分権を推進していき、 日本全土を合理的かつ有効的に活用し、どこに住んでも雇用があり、同じサービスが受けられるようにしていくことも必要です。
このように考えていくと、現在の自民党政権が築き上げてきた格差を是正し、歪な社会構造を変えていくこと、そのこと自体がそのまま少子化対策に になるのです 。 少子化対策の基本はまず自民党政権を変えることだと思います。
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語り処_2022.06.18
2022-06-18 16:17330pt1. ひとことオピニオン
「日本の良さの復活」こそが真の争点
今回は争点なき選挙戦と言われているように、与野党の対立軸がいまひとつはっきりしません。しかしながら、岸田首相の掲げる「新しい資本主義」の正体が、小泉・安倍政権で行われてきた新自由主義の延長線上にあることははっきりしました。このまま自民党中心の政治が続いていけば、国民はますます疲弊し、本当に日本は存続の危機を迎えることになると思います。今回の参議院選挙後に、野党は本気になってもう一度体制を立て直し、次の衆院総選挙で何としても政権を奪還しなければいけません。 さまざまなデータを見ると、日本はあらゆる部分で世界から遅れをとっています。私はこうした問題の根本にあるのは、日本的なものはすべて良くない、国際化の潮流から外れているということで、何でもかんでも破壊してきたことにあると思います。特に、構造改革・規制撤廃という名目で日本社会の土台を破壊してきた政治の責任は重いと思います。日本が失ったものの中で特に大きいのは、終身雇用制と中小企業の技術力です。この2つは日本の成長と底力の原動力でした。温故知新ではないですが、いま行うべきことは日本的な良さをもう一度確認し、それを今の時代に合わせて復活させ、社会の安定と安心を図っていくことです。その土台をつくった上で自由競争を取り入れ、みんなで力を合わせていけば、必ず活力に満ちた日本を取り戻すことができます。実は、そのビジョンと実行力の有無こそが、今度の参院選と次の総選挙の本当の争点なのだ、と私は考えています。
2.季節の話題
参院選後は瓶生ウニを肴に祝杯をあげたい!
初夏の岩手名物のひとつに「瓶生ウニ」があります。これは採れたての生ウニを牛乳瓶に詰めただけのものですが、初夏から8月初旬にかけての三陸の風物詩です。私もその「瓶生ウニ」を時々お土産にいただきますが、ものすごく美味しいです。でも、ウニの一番美味しい食べ方は、獲ってきたばかりのものを海水でサッと洗って浜で食べるやり方です。私がまだ議員になりたての若い頃は、選挙になると選挙区内を駆けずり回りました。海岸線での選挙運動は、みんな浜に出て家にいないので、私も浜辺まで降りて行くのです。そうすると、「ちょっと食ってけ」と、獲れたてのウニをその場で殻から外して海水で軽く洗って出してくれるのです。それが本当に旨い、すごく美味しい。参院選がもうすぐ始まりますが、岩手県をはじめ、目標を同じくする同志が各地からたくさん出ています。全員が当選して、ぜひ瓶生ウニを肴に祝杯をあげたいですね。それを楽しみにして、選挙戦を頑張ろうと思います。
3.Q&A
ロシア−ウクライナ戦争後のアジア
今回のロシア−ウクライナ戦争で感じるのは、日本では愛国心やナショナリズムというものが、どこか歪んで屈折して受け止められているのではないということです。そもそも、近代国民国家は市民がつくったものであり、日本という国は自民党のものでもなければ、政府のものでもなく、私たち国民のものです。そうであるならば、その日本が他国から攻められた時、「自衛でも戦争は嫌だから、侵略されるままにしておきましょう」「さっさと外国に逃げましょう」というのもおかしな話です。私は、自分たちがつくった国や地域を誇りに思い、愛し、守ろうとするのは自然なことで、国を守ったり戦争をするのは政治家と軍隊だけで私たちは無関係だ、と考えている人たちの気持ちがよくわかりません。いま日本人の我々に問われているのは、ロシアが北海道に居住するアイヌ民族は自分たちの祖先なのに迫害されていると言って攻めてきたら、北朝鮮が日本にいる同胞を救うと言って攻めてきたら、中国が尖閣は我々の領土だと言って攻めてきたら、さっさと明け渡してしまうのかということだと思います。一方、ロシア−ウクライナ戦争後のアジアですが、中国にロシアが擦り寄り、そこに原油や兵器の輸入でロシアと結びつきの強いインド、そして一帯一路で中国と関係の深いASEAN諸国や中東が加わって緩やかな経済圏を築いていくのではないでしょうか。この勢力は決して盤石なものではありませんが、なかなか手強いものになっていくと考えられます。アジアにおいては、途上国は経済発展が最優先ですから、何事も決めるのに時間がかかる民主主義より、多少乱暴でも決断が早い専制主義を選んでいく可能性が高いと思います。中国の一帯一路が成功するとは限りませんが、アジアを巡っては「環太平洋パートナーシップ(TPP)」や「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」に加え、今回米国が提唱した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」などさまざまな枠組みが入り乱れ、米中対立がより深刻化し、混沌としていくのではないでしょうか。
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