食卓は、ひとが一期一会を共にする場。そういうおもいがいつもずっと胸にある。食卓につくことは、じぶんの人生の席につくこと。ひとがじぶんの日々にもつ人生のテーブルが、食卓だ。かんがえてみれば、人生はつまるところ、だれと食卓を共にするかということではないだろうか。
(長田弘『食卓一期一会』/晶文社 P196より引用)
私にとって、食べるという行為は単に肉体にエネルギーを補給するために食物を咀嚼し、消化する、という単純なものではありません。そのテーブルの上にある、エネルギーのようなもの。それも一緒に自分のなかに取りこむものだと思っています。つまり、自分をつくる行為が食べるということ。
だから、だれと、どんなふうに食卓を囲むか。これは人生における一大事。一生にできる食事の回数には限りがあります。1日3食食べたとして、1年で1095回、人生80年とすれば一生で87600回。そのひとつひとつの食事を大切にすることは、自分を大切にすることなんじゃないかなと思うのです。
有機栽培のものや有名シェフが作る高級なものを、怒りながら、もしくは悲しみながら食べるのなら、それがたとえジャンクフードであっても、楽しい気持ちで食べるほうを選びたいと思うのです。
今日食べたもの:じゃがいものガレット最近我が家のブームはじゃがいものガレット。細く刻んだじゃがいもに塩と小麦粉少しを振りかけて混ぜたら、フライパンで焼くだけ。これは、いつもパートナーがつくってくれます。火加減やいちどに焼く量によって微妙に味が変わるのがおもしろいところだそう。外がカリッとしていてすこしじゃがいもの食感が残るくらいが私たちの好み。
私の担当はケチャップとスープ。ケチャップは市販のものを買ってもいいのですが、そんなに頻繁に使わないので、トマトの水煮にローリエ、クローブ、シナモン、ヒン、きび砂糖、ココナッツビネガーをくわえて煮込んで手づくりします。1日以上寝かせた方がおいしいので、前もって作っておくのがおすすめです。
この日のスープは数種類の野菜(冷蔵庫に残っていたもの)の生姜入りスープ。適当な大きさに切った野菜とみじん切りにした生姜をオリーブオイルで炒めてから水で煮て、食感が残る程度にブレンダーにかけます。酒粕と味噌、塩、豆乳で味を調えて完成です。
[食卓一期一会]