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語り処_2022.09.30
2022-09-30 15:30330pt1. ひとことオピニオン
政党政治を機能させ日本の危機を乗り越えよう
いま一番大きな問題は、民主主義への懐疑、政党政治への不信が国民の間で強まってきていることです。 これは日本だけの現象ではなく、つい最近のイタリア 上下院の総選挙にも象徴されるように既存主流政党に対する不満が世界的に見られます。 現在の日本は、かつて「経済一流」と言われた時代と違って産業力、技術力が落ちており、 欧州よりさらに極端に右傾化した 国家主義的な風潮が強くなるような気がしています。同時に、 中国問題が日本には大きくのしかかってきます。尖閣諸島が実効支配されたら日本はどうするのか。 本国内の政治は不安定で、経済も下り坂、そして極東の中国、台湾、朝鮮半島の緊張は高まってきています。そうした中で、日本はオロオロするばかりで何も対処できません。時代は相当危ういところに来ています。そういう難局を乗り越えるためにも、まずは日本の政党政治を鍛え直さなければいけません。だからこそ、私は政権交代が絶対に必要だと主張しています。3年後には、何としても実現させる所存です。
2.季節の話題
僕の郷土に対する夢 達増知事が面白いところに目をつけて、今年8月末に岩手県八幡平市安比高原に全寮制の「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン 」 が開校しました。 広い土地が岩手山の山麓にはあるので、実は僕もこの 安比高原のそばに、 全寮制の中高大学をつくるのが昔からの夢なのです。 それとあとは、 宇宙誕生の謎に迫る巨大な実験施設「 国際リニアコライダー(ILC)」の岩手県誘致です。 安比は教育都市、北上は科学都市にしていきたい、というのが僕の郷土に対する夢です。
3.Q&A
国連中心主義を進めるには
今回のロシア−ウクライナ戦争で、もう国連など役に立たないのではないか、という声が日本でも多数を占めているように思います。国連を頭から否定するのは簡単ですが、では「その代わりにどうするのだ」という問いに、まともに答えられる人はまずいないと思います。 私は長年、国連中心主義を唱えてきましたが、それを 単なる夢物語にしないためには、日本がまず国連憲章の定める「国連常設軍」をつくるべきだと思います。 この 構想は、1993年に出版した私の『日本改造計画』でも述べています。 国連常設軍をつくっても、国連が今すぐ「では預かります」という状況にないのは確かです。しかし、まず日本が世界に先駆けて準備し、「どうぞ預かって下さい」と言えるくらいになれば、他国もやっぱり国連でやるしかないか、という話になっていくのです。まず先鞭をつける人間がいないと、物事は何も始まりません。 当事者間の争いは歯止めが効かなくなり、どんどんエスカレートしていくものです。その時、第三者的役割の国連が、客観的に仲裁役を果たし、かつ武力という実力をもってその紛争や戦争を鎮めるわけです。世界の警察官役をアメリカではなく国連が担い、その警察に日本が部隊を提供する。 ロシアや中国だけでなく、アメリカも国連主導の 平和維持にはあまり 積極的でないという事情もあります。 だからこそ、アメリカを積極的にさせるために、日本が率先して国連常設軍構想を主張していく必要があるのです。 日本こそがいま、第二次世界大戦後の世界秩序の範を垂れるべきです。私は日本の生きる道はそれしかないと思っています。
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語り処_2022.07.29
2022-07-29 20:05330pt1. ひとことオピニオン
立憲民主党は解党的出直しを
このたびの参議院選で立憲民主党が大敗しました。 敗因はズバリ、政策的にも政局的にも、何も国民に訴えるべきものがなかったからです。 民主党の流れを汲む野党の最大の欠点は決断できないことで、野党第一党として何をやりたいのか、国民に何を訴えたいのか、国民になにをしてくれるのかが常に曖昧で、国民にとって非常に分かりづらい、支持しにくい政党になっています。このままでは、 永遠に政権交代ができないどころか、政権交代を目指すことさえしない政治状況になってしまいます。つまり、55年体制どころではない大政翼賛会です。それは未来の国民にとって大きな不幸であり、そうしないためにも、何としても立憲民主党を抜本的に立て直す必要があります。そのためには、 一人でも多くの議員が、自分たちが議会制民主主義の担い手であるという自覚を持つことです。「国家」を形成する「国民」から選ばれた代表として、 国民のため、国家のためにどれほどの大志を持って自分の人生を賭すことができるのか。 そのことを今一度真剣に考えるべきです。同時に、 もっと組織に緊張感を持たせ、議会制における政党として本来持つべき資質と要件を兼ね備えたものにすべきです。 立憲民主党を本来あるべき、当たり前の政党の姿に立て直す。そのことが参院選後の最大の課題です。
2.季節の話題
秋からの活動に備えてリフレッシュ 参院背で大敗して、また出直しで、新たな険しい道を進んでいかなければなりません。 しかし、どのような困難に直面しようとも、私は理想の実現を目指し絶対に諦めません。「もう二大政党制の時代ではない」「もはや、政権交代は無理ではないか」「小選挙区制は失敗だった」・・・、周囲からいろいろな声が聞こえてきます。それでも私は自ら成し遂げようとする政治の実現に向け、断じてくじけることはありません。秋からの活動に備えて夏にリフレッシュし、再び政権交代を目指し、活動してまいります。
3.Q&A
安倍元首相襲撃事件が意味するもの
投票まであと2日という選挙戦最終盤に安倍元首相が襲撃されました。 今回の容疑者の動機がどうであれ、行われたことは民主主義に対する明らかな挑戦あり、冒涜なのです。 ところが、立憲民主党本部から「戦闘止め」と、選挙運動中止の司令が出ました。その時私は地元岩手に入っていましたが、こういう時にこそ政治家は有権者に向かって話さなければいけない、私は一人でもやる、とマイクを握りました。 本当に真剣に国を思う気持ちがあるのなら、国家の危機にこそ「今こそ民主主義の危機だ。議会制民主主義、政党政治の危機だ」と言わなければいけないのです。 しかし、実際は党派を超えて「大政翼賛」となり、みんな黙り込んでしまいました。それでは戦前の昭和史と同じだと思います。選挙期間中に政治家が思考を停止してしまい、うわべだけのお悔やみを言って取り繕っていたのでは、民主主義を全うしようとしている主権者に対しても失礼なことです。
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語り処_2022.03.27
2022-03-27 20:25330pt1. ひとことオピニオン
日本という国の佇まいをどうするかを示そう
日本の政治状況はあまりにも停滞しすぎており、野党第一党に至ってはその存在すら国民に意識されなくなってきている。
このままでは、本当に日本の政界から「野党」が消えてなくなり、議会は大政翼賛会となって、政党政治を基本とした議会制民主主義は崩壊してしまう。
そのためには、野党第一党が政治の基本に立ち返り「確かな野党」に生まれ変わることだ。政治というのは、第一義的には最大多数の最大幸福を追求するもので特別な少数にスポットを当てる政策は、政治の直接的な役割ではない。
政治の役割はまず、当たり前の日常を送っている「不特定多数の庶民」の命と生活をしっかり守ることで、それをが結果としてマイノリティの人たちにも良い政治になっていくはずだ。
小泉・安倍政権のトリクルダウンという考え方は、本当に日本人の心を貧しくしてしまった。新自由主義を進めることにより全てを市場化し競争社会にすることで、人々は助け合うことより競うあうことを優先し、その結果一人ひとりが孤立していった。
私が考える経済政策とは、一人ひとりが誇りを持って生きることができ、その上でお互いに助け合い、いたわりあう社会を築いていくことだ。
大企業が大儲けをしてそれが滴り落ちてくるのを待つというお恵み頂戴的な分かち合いではなく、全てを公に頼る分かち合いでもない。つまり、自立した分かち合いだ。
この分かち合う気持ちや 親切心は日本人がもともと日常的に道徳面や倫理面などあらゆるところで持っていた美徳であり、心の豊かさだ。ところがいま、新自由主義の浸透により、人々は利己的にならざるを得なくなり、日本人の美徳とされてきたものが全て失われてしまった。
私がいう経済政策とはテクニカルな経済政策を指すのではない。まずこれからの日本をどういう国にするのかという理念を掲げ、それを実現するために国家予算をどのように使っていくのかという大方針を示していくことを意味している。
コロナがあり、戦争があり、世界は本当に変わってしまう。そういうときに、政治はジェンダー平等やパリテ(男女同数)を掲げるその前に、日本人のお互いに親切に助け合い、心豊かに生きていこうとする、その気持ちを取り戻すための基本的な政策を掲げるべきだ。
信頼される野党とは、日本という国の佇まいをどうするのか、それを示すことができる政党のことだ。
2.季節の話題
岩手三題
3月10日には日本橋髙島屋で開催されていた「大いわて展」に行ってきました。お土産に牡蠣のオイル漬けや筋子、うに、そして海鮮丼弁当を回、岩手三昧を満喫しました。
翌11日には 釜石市で開催された釜石市主催の「東日本大震災犠牲者追悼式」に出席し 、「心の復興」完遂のため引き続き全力で取り組んでいくことを固く誓ってきました。
東日本大震災から11年目を迎え、 地元の人たちもみんな一生懸命明るく頑張っており、復興もかなり力強く進んでいますが、それに追い打ちをかけるように、長引くコロナ禍が地元の産業や観光を停滞させています。一人ひとりの顔に心からの笑顔が戻るまで、これからも微力ながら全力で取り組んでいこうと思っています。
そして18日には 岩手県沖を震源とする強い地震があり県北を中心に被害が出ましたので翌日に地元に向かいました。地元奥州市の江刺玉里にある農作物選果施設などを視察しましたが、機械が傾いた程度で幸いに大きな被害がなくホッとしました。
東京も揺れました。自宅は新しい方の棟でも70年前に建ったもので、古いほうはもう100年になります。幸いに今回の地震で特に壊れたところはありませんでしたが、普段から戸や雨戸はガタピシしていますし、雨漏りはあるわでたいへんです。床もふわふわだしね。でも、なかなか潰れない。それは、僕も同じです(笑)。
3.Q&A
国連問題と日本の安全保障 今回のウクライナ戦争は、私たちに2つのことを突きつけている。
一つは国際連合加盟国の一員として、日本はどう振る舞うべきかということで、もう一つは、主権国家としての日本の安全保障をどう考えるかということだ。そして、この二つの問題は実は表裏一体の関係にある。
今回の戦争で、 国連中心主義の最大の欠点が示されてしまったといえる。これは私が一貫して主張してきたことだが、国連という主権を超えた組織を国際社会の中心に据え、それをみんなが認め合うことでしか国際社会の平和を保つことはできない。
そのためにも、国連が確実に機能するように大改革していかなければならない。具体的には、国連安保理の 常任 理事国のうちのどこかが拒否権を行使し機能しないのなら、代わって 国連の 緊急特別会合 の議決を国連の最終意思とするというものだ。
そして国連決議がなされれば、国連の 集団安全保障により 多国籍軍が結成され、侵略した国の軍隊を追い払うことで戦争を終結させることができる。集団安全保障による国連軍は アメリカ一国や NATO、日米同盟などに頼るより戦争終結に対しはるかに正当性があり、国際平和を保つにはこの考えを現実的なものにする以外ない。
そのための国連改革に向け、日本は先頭に立ってあらゆる努力をしていくべきだ。ただ、日本がいくら国連改革を主張しても、「日本だけは国連軍に参加しません」というのでは、誰も日本のいうことをまともに聞こうとしない。
そういう意味で、ウクライナ戦争が私たち日本人に突きつけたもう一つの「日本の安全保障」のなかで、とりわけ日本は自衛戦争のための軍隊や武力行使をどう考えるのかということが重要になる。
現在ウクライナは強大なロシアの軍隊に立ち向かっている。アフガンがその典型的な例だが、どんな大国で強力な軍隊を持っていても、ひとたび民衆を敵に回したら勝つのはそう簡単なことではない。それは攻め込む側にとって四方八方が適だらけになるからだ。
ところが、日本人の多くは、今回のウクライナ戦争でも一般人の命が大切だから早く降参したほうが良いという考えのようだ。自らの手で自国を守るという気概がないのなら領土とは、国家の主権とは、近代国家とは、そして国民主権とは一体何なのかということになる。
国民が自国など守りたくない、いざとなれば逃げてどこかよその国で暮らしたっていいのだとなれば、「ネイション」は成立しない。
中立を標榜していればどこからも攻めてこない、平和を唱えていれば平和が来ると考えるのはあまりにもナイーブな考えだ。平和と自由を得るためには、自らもそれなりの代償を払わなければならないというのが私の考えで、これは国際的な常識ではないだろうか。
私は日本の安全保障を考えるうえで、自衛のための徴兵制についても大いに議論すべきだと思っている。永世中立国として有名なスイスは国民の意思で国民皆兵制を選び、それゆえヒトラーも踏み込めなかったと言われるほどの強靭な軍事力を持ち、それが自国の平和を保っている。
中 国が尖閣諸島を実効支配した時、日本はどうするのか。日本の領土の一部などどうなってもいい、自衛戦争をするくらいなら尖閣諸島などあげてしまえということになるのか。そうなると、次は沖縄だ、北海道だ・・・、ということに確実になっていく。
敵が責めてきたとき、自らの手で国土や家族を守るという、そういう毅然とした心構えが日本人にあるのか。今回のウクライナ戦争をきっかけに、私は日本の安全保障をどうしていくのか、そろそろ核心に踏み込んだ「タブーなき議論」をしていくべきときだと思う。
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語り処_2022.02.27
2022-02-27 20:20330pt1. ひとことオピニオン
世界は「秩序なき時代」に入った
今回のことを目にして、人類はこういう歴史をまた繰り返すのかと暗澹たる気持ちになると同時に、本当にやったのかという驚きの気持ちも隠せません。 戦争はまだ起きたばかりで現在進行形のため今後どうなるか余談は許しませんが私は少し長い目でみれば、これはロシアにとって、決してよいことではないと思います。今回のことが容認されるなら、「武力」をもってして何をやっても構わないということになってしまいます。 背景にどういう理由があろうとも、国際ルールを無視して軍事行動により他国の主権を侵害することがまかり通るのであれば、歴史の針を逆回転させていくことになります。 プーチン大統領は今回のことを、クリミア併合のときから画策していたのだと思います。国際社会は ウクライナの領土とされているクリミア半島がロシアに侵略されるのを阻止できず事実上容認してきました。そうしたある種の宥和政策が今回の戦争を招いたともいえます。 プーチン大統領は演説の中で「ロシアは核保有国の一つだ。われわれに攻撃を加えれば不幸な結果となるのは明らかだ」という趣旨のことも言っています。本来なら自由民主主義陣営は「そんなことしたら、こちらも徹底して戦う」と毅然とした態度を示すべきなのです。 しかし、その代表格である米国が何も言えない弱腰なわけですから、ロシアはますます増長してプーチン大統領はやりたい放題になるのは当たり前です。人類の歴史は平和なときよりも戦時のほうが長く、常に殺し合いの連続でした。 世界は第二次世界大戦を終え、双方に大きな犠牲が出たことで、いい加減にこうした不毛な争いに終止符を打とうということで国際連合を発足させたはずです。ですから、私は日本が国際社会に復帰し国連に加盟したときから一貫して、国連の機能を強化しなければいけないと言ってきました。 今回のように 安全保障理事会 常任理事国のうちの一国が当事者になった場合、国連は完全に機能不全となってしまいます。こういうときは国連総会で決議し、それを尊重して国連として行動を起こしていくべきだというのが私の主張です。 その中には、経済封鎖だけでなく、国連軍による派兵も当然含まれます。そういう連帯を図っていかないと、武力に勝るものはないと各国が武装独立に走り、世界は武力競争になっていくのは目に見えています。 今回の最大の問題点は、自由民主主義陣営のリーダーである米国が弱腰だということです。こういう横暴に対しては、リーダーを中心にみんなが結束して阻止しなければいけないのです。そのための民主主義であり、国連であり、国際的連帯のはずです。 現在ではまだ不確定要素が非常に多くありますが、秩序なき道義なき時代に歴史は後戻りしてしまったといえます。大変な時代に突入したことは間違いありません。
2.季節の話題
小松 帯刀のお墓をつくり直したい
260年以上続いた幕藩体制に終止符を打ち、1871年(明治4年)7月に「廃藩置県」が発令されて昨年で150年になりました岩手県に関しては1872年1月に「盛岡県」から「岩手県」に名前が変わったため、今年が「岩手県」誕生150周年となります。 日本は黒船の来航により開国し、早急に近代国家の体制をつくらねばなりませんでした。そのため明治政府は日本という国を一つにまとめるため廃藩置県を行い中央集権化急ぎました。 このとき初めて、日本に中央集権国家が生まれたと言われます。しかし、実は明治を遡ること1200年以上前の645年に、 日本は初めて統一政権・律令国家をつくっています。大化の改新です もちろん近代国家か否かという違いはありますが、ある意味でそれをまたやり直したのが明治維新です。この明治維新絵でたいへんな活躍をしたのが小松 帯刀です。 彼は明治維新直後に36歳の若さでて病死したため、同じ薩摩出身の西郷隆盛や大久保利通のほうが有名ですが、薩長同盟や大政奉還などの幕末政局を事実上動かした中心人物です。 その早すぎる死で維新後の活躍が果たせなかったことを惜しみ、「幻の宰相」とさえ呼ばれていると地元出身の人に聞いたことがあります。 僕は彼がいなかったら明治維新は実現できなかったのではないかとさえ思っています。 大久保利通、坂本龍馬、西郷隆盛、木戸 孝允、 井上馨や伊藤博文 ・・・。とにかく、明治維新で活躍する人々を育て、それらの人たちをつなげていったのが 小松 帯刀です。 その小松 帯刀の墓参りに以前行ってきました。 明治の廃仏毀釈で小松家の菩提寺は廃寺となり跡地の一角に 小松家歴代の墓が集められ所狭しと並べられています。その中のひとつに 小松 帯刀の墓もあるのですが、 あれだけの功績を残した人にしてはあまりにも寂しい。 からもし地元の人も望んでくれて、僕に少し時間的余裕ができたら、ぜひ 小松 帯刀の功績に相応しい お墓につくり直したいと思っています。
3.Q&A ウクライナ戦争と台湾有事
今回のプーチン大統領のふるまい、そしてそれに対する国際社会の反応を習近平国家主席は冷静に観察していると思います。 プーチン大統領の一線を越えた行動に対して欧米が何もできないとなれば、台湾のためにも米国が戦うことはありえないでしょう。また、日本の尖閣や沖縄についても同様だと思います。そういう 米国の本心を見透かしたら、中国もそう遠からぬうちに、ロシアと同じようなことをしてくる可能性があると私はみます。 現在の中国は多くの内政問題を抱え、経済的にも不動産バブルが弾け、国民に不満が高まっています。そういうなかで、2期10年までとされていた国家主席の任期制限を撤廃し、不文律の「68歳定年」も無視して3期目を目指す習近平国家主席にとって、対外問題に国民の目をそらすことは大きなメリットがあります。私は習近平国家主席が決断するのも、そう遠くないような気がします。 その場合、沖縄には米軍が駐留していますし、中国も当面は日本を直接的には刺激したくないので、日本を牽制する意味で台湾の金門島などの離れ小島に目をつけてくるのではないでしょうか。 中国は尖閣諸島を台湾の一部と規定しており、台湾有事がそのまま尖閣有事、さらには沖縄有事へと発展してくる可能性があります。ずばり中国が尖閣を実効支配したらどうなるか。日本は相当困難な立場に追いやられると思います。 そのとき、日本の世論はどうなるのでしょうか。「日本は平和主義だから、憲法9条があるから勘弁してください」と白旗をあげることになるのか、それとも民族派の意識が強くなるのか。日本人の心の中には反中思想が根強くあり、私はどちらかというとそれが歪んだナショナリズムに高まっていくのではないかと危惧しています。 今回のウクライナ問題では、日本国民はまだ直接一撃を食らっていないのでボーッとしていますが、尖閣有事で覚醒すると、今度は一転してパニック状態になってしまう可能性もあります。 いずれにしろ米国は当てにならないのですから、日本政府の責任は重大です。しかし、今の岸田政権では頭の中が真っ白になって何もできないでしょう。おそらく、全て容認して「尖閣諸島を差し上げます」ということになってしまうのではないでしょうか。その体でいくと、沖縄も、九州も差し上げます。ロシアが攻めてくれば北海道は差し上げますという話にもなりかねません。 こういう乱世になると、中国だけでなく北朝鮮も何かしてくる可能性があります。中国、北朝鮮、ロシアと、日本周辺はきな臭い状況がしばらく続くのではないでしょうか。
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語り処_2020.08.28
2020-08-28 21:15330pt小沢一郎が長年訴えてきた「野党の総結集」がようやく一つの形になり、3度目の政権交代が可能な態勢が整いました。8月28日、安倍首相が辞職を表明しましたが、自民党に代わる政権の受け皿づくりが何とか間に合った形です。今回のオピニオンでは、結集新党がめざす「国民政権」のアウトラインについて語ります。 Q & A では米中新冷戦と東アジアの安定についての読者の質問に答えます。戦争という最悪の事態がすぐに起きる可能性が低いとしても、中国内部で様々な矛盾が露呈していく中で米中冷戦は膠着状態が続くとし、そうした中で日本は自国の民主主義を確かなものにして、しっかりした国家基板をつくった上で、安倍外交ができなかった近隣諸国とのタフな交渉をしていくべきだとしています。季節の話題では、岩手県民の郷土愛の強さと県人の粘り強さの秘密について考えます。
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