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語り処_2020.11.28
2020-11-28 20:30330pt今回のオピニオンは、臨時国会における菅首相の実質的な答弁拒否に対して、国会運営面で野党は審議を中断させるという、大胆な手法を採ってもよいのではないかという提言です。もちろん、議論を前提とする議会において野党が審議中断・拒否をすることは決して王道ではないですが、議会で野党は言いっぱなし、政府は言いたいことだけ言いいあとは採決、ということでは国会が不毛な場に終わってしまいます。国民主権かつ民主主義の象徴的の場である国会で、首相が答弁拒否すると言うのは由々しき問題で、この実態を多くの国民に知らしめ、またマスコミを覚醒させるためにも、「敢えて」審議拒否という乱暴を働く必要があるのではないかという大胆な提言です。
季節の話題は10月まで盛岡で行われていた「新渡戸稲造展」の話をきっかけに、開明的であることと日本の伝統や文化の上に立つという、一見矛盾しているようにみえるこの立ち位置こそが日本の国づくりを考える際に必要なのだと説きます。「温故知新」とは、まさに、故きを温ね、改めるべき所は改め、新しきを知ることだと。保守本流の政治家としての真骨頂をさらりと述べています。
そして Q & A は米大統領選とその後の世界構造の変化について。トランプ大統領は素直に潔く負けを認めるべきである、と同時に米国民の半数近くが彼に投票したのもまた事実であることを忘れてはならないと。この背景にあるのは、中間層の崩壊、経済格差の拡大、白人の減少による人種対立の激化等々、簡単に埋めることができない米国内の大きな亀裂で、実は形は多少違えど、日本も同じ状況だと。バイデン大統領になっても米国がこの深い亀裂と分断を埋めるのは容易ではなく、単に景気を良くすれば済むという話ではない。しかし、財務長官に前FRB議長のジャネット・イエレン氏を起用するという方針を固めたとされ、これは大胆な財政政策を実施するというシグナルでないかと。そして、パクス・アメリカーナが壊れてきたいま、世界の構造変化がおきているが、歴史を振り返ると、それを後押しするのが今回のパンデミックではないかとも。
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