数年前に比べて、日本でも数多くのアートフェスティバルや国際芸術祭が開催されるようになりました。美術館のなかだけではなく、大自然を舞台にしたものなど種類もさまざま。そんな中、この夏、初めて開かれる現代アートの国際展があります。
「ヨコハマトリエンナーレ2014」の創造界隈拠点連携プログラムとして開催、8月1日(金)からスタートする「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014」は、 "障害をもつ人びと"と"多様な分野のプロフェッショナル"の協働から生まれる現代アートの国際展。
時間をかけて実験と挑戦を繰り返しながら、新しい表現を生み出していきます。
テーマは「ファーストコンタクト」sing a sewing 参考画像
発表される作品もバリエーション豊か。例えば、振動や超低周波などを使用して触覚と聴覚など異なる感覚がクロスするような作品を生み出す真鍋大度+石橋素+照岡正樹+堤修一は聴覚障害のダンサー SOUL FAMILYとの共同作業で、触覚デバイスを使った作品「Music for the deaf」のショートデモンストレーションを発表。
ファッションブランド「ミナ ペルホネン(mina perhonen)」デザイナーの皆川明さんは、同ブランドの生地に障害者地域活動ホームの人びとが刺繍を施し、アート性に富んだプロダクトへと転換するプロジェクトを発表。
<参考画像> Mikhail Karikis Children of Unquiet, 2013-2014
また、障害のある人とない人による4日間の集中ワークショップが行われたり、パリ在住のアーティスト、イザベル・ボワノは、天然灰汁発酵建ての製法を用い藍染め製品を作っている徳島県の障害者施設と協働し、日本原風景をモチーフとした商品を開発したりと、国籍やジャンルを超え、たくさんのアーティストが参加します。
本当にやさしい街とは?<参考画像>目【め】 FICTIONAL SCAPER / 2013
会場案内や広告活動など、運営に関する業務や、どうやったら安心して会場までアクセスできるのか、楽しく鑑賞できるのかといった仕組みまでも、障害のある人とない人とが一緒に行うのだそう。誰でも参加ができ、誰にでもやさしい街をめざせる。まさに理想的な形です。
もはやアートを超えて、住みやすい街づくりや、体が不自由な人にとってのやさしい社会についても考えるきっかけになる「ヨコハマ・パラトリエンナーレ」。
障害をもつ人びととさまざまな分野のプロフェッショナルたちが出会ったことによって生まれる新しい芸術。
そんなアートが、今、横浜から世界に発信されようとしています。
[ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014] 2014 http://www.paratriennale.net
【テ ー マ】first contact -はじめてに出会える場所-
【会 期】8月1日(金)~11 月3日(月・祝) コア期間8月1日(金)~9月7日(日)
【会 場】象の鼻テラス (横浜市中区海岸通1丁目)