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【第253号】『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で継承されたもの、されなかったもの
2019-12-25 07:00220ptさて、今回のブロマガですが、改めて『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』について書かせて下さい。
エピソード9(EP9)は続3部作(EP7~9)の完結編であるだけでなく、EP1~9までの、9部作の完結編となる映画になる――全ての謎が解明され、全ての伏線が回収され、全てに決着がつく――そのようなことを、コリン・トレボロウの代わりに監督に就いたJ・J・エイブラムスは、早い段階からアナウンスしていました。ルーカスが数十年前から、スターウォーズは9部作であることを公言していたこと、その9部作は3部作を3回繰り返すような構成で作られるであろうことからも、これには納得であり、アナキン、ルークと継承されてきたスカイウォーカー家の血脈がなにがしかの結論を迎えるであろう『スカイウォーカーの夜明け』というサブタイトルにも、これまた納得したものでした。 -
【第252号】富野由悠季の世界展に行ってきました
2019-12-18 07:00220pt -
【第251号】『アナと雪の女王2』に足りない「新しいサーミの女」(後編)
2019-12-11 07:00220ptさて、今回のブロマガですが、前回のブロマガに引き続いて『アナと雪の女王2』について解説させて下さい。
●『アナ雪2』と政治性
『アナ雪2』製作にあたり、ディズニーはサーミ人の代表と契約し、サーミの文化を敬意をもって表現することについて約束したという報道がなされました。この契約には作品に対する文化的コンサルタントや(北)サーミ語吹替版の製作も含まれるようです。これには納得しました。
『モアナと伝説の海』製作時もディズニーのクリエイターたちが実際にミクロネシアの島々を回ってリサーチを行い、作品に活かしたという経緯がありました。『アナ雪2』の「契約」はこの延長線上にあります。「テーマとなる文化の担い手にリサーチを行い、寄り添い、お互いが納得いくような作品を作る」というやり方は、現在のディズニーが考える、文化搾取を可能な限り避けるための方法なのでしょう。 -
【第250号】『アナと雪の女王2』に足りない「新しいサーミの女」(前編)
2019-12-04 07:00220ptさて、今回のブロマガですが、前回の放送の補講というかまとめのようなものとして、『アナと雪の女王2』について解説させて下さい。
●なぜ『アナと雪の女王』は名作だったか
2013年に公開された『アナと雪の女王』は大ヒットしました。そればかりか、批評的な面からも賞賛されました。年を重ねると共に、時代を象徴する名作としての評価が定まっていっていると言っていいでしょう。
なぜこんなにも名作とされたかというと、おそらく、主人公(の一人)であるエルサのキャラクターに誰もが共感できるような多面性があったからです。
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