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記事 5件
  • マクガイヤーチャンネル 第147号 【科学で映画を楽しむ法 第5回「『大長編ドラえもん』と科学 藤子・F・不二雄とSF その9 『のび太とガラパ星から来た男』あるいは『のび太の未来の想い出』」後編】

    2017-11-29 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第5回として書いている「『大長編ドラえもん』と科学」のまとめ後編になります。
    (前回から続けてお読み下さい)
    ●人生をやりなおしたい
    もう一つは、人生をやりなおしたいという欲望の発露です。
    藤子・F・不二雄は、どこからみても成功者です。
    『オバケのQ太郎』のみならず『ドラえもん』というメガヒット作品を二つも持ち、幾つもの作品がアニメ化・映画化され、世界中の子供たちが作品を読んでいます。
    にもかかわらず、Fが描くSF短編には、タイムマシンやパラレルワールドといったSF的ガジェットを使って、人生をやりなおしたいという話が多いのです。
  • マクガイヤーチャンネル 第146号 【科学で映画を楽しむ法 第5回「『大長編ドラえもん』と科学 藤子・F・不二雄とSF その9 『のび太とガラパ星から来た男』あるいは『のび太の未来の想い出』」前編】

    2017-11-22 07:00  
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    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第5回として書いている「『大長編ドラえもん』と科学」のまとめのようなものを書かせて下さい。
    ●その後の「大長編ドラえもん」
    第16作『のび太と銀河超特急』は、『銀河鉄道の夜』や「テーマパーク」をモチーフとし、西部劇やメルヘンの世界まで取り入れたものの、どこか寄せ集め感の強い作品でした。
    第17作『のび太のねじ巻き都市冒険記』の執筆途中に、藤子・F・不二雄は亡くなりました。Fによるペン入れは3ページのみであり、遺されたネームや原案を用いて残りのページが描きあげられました。話が進むほどに明らかにFの手によるものとは思えないテンポの異なるコマ割りを目にすることとなり、(むぎわらしんたろう先生には申し訳ないのですが)藤子・F・不二雄のファンであればあるほど最後まで読み通すのが難しい作品です。
  • マクガイヤーチャンネル 第145号 【『マイティ・ソー バトルロイヤル』におけるジャック・カービーと神のコンテンツ化】

    2017-11-15 07:00  
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    さて、今回のブロマガですが、前回のニコ生放送「ハルクとソーとアメコミ翻訳の現場」の補足というか、補講のようなことについて書かせて下さい。
    ●コメディへのジャンル変更
    『マイティ・ソー バトルロイヤル』が、めちゃくちゃ面白かったわけですよ。
    マーベル・シネマティック・ユニバース略してMCU映画は、戦略として他のジャンル映画を大いに参考にする……というか、アメコミヒーロー映画のふりをしてその実は戦争映画だったりコメディ映画だったりを作っています。
  • マクガイヤーチャンネル 第144号 【科学で映画を楽しむ法 第5回「『大長編ドラえもん』と科学 藤子・F・不二雄とSF その8 『のび太の創世日記』後編】

    2017-11-08 07:00  
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    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第5回として書いている「『大長編ドラえもん』と科学」『のび太の創世日記』についての後編です。
    (基本的に、藤子・F・不二雄が100%コントロールしていると思しき原作漫画版についての解説になります)。
    (前回から引き続きお読み下さい)
    ●藤子・F・不二雄と「創世記」テーマ
    それは、「創世記」テーマに対するこだわりです。
    宇宙や地球のはじまり、生命や人間や文明の誕生……そういったものをテーマとした作品が多いのです。手塚治虫にとっての『ファウスト』や、石森章太郎にとっての「新人類」のように、藤子・F・不二雄は「創世記」を何度もテーマとしているのです。藤子・F・不二雄自身も、創世記をライフワークだと公言しています。
    旧約聖書の創世記を持ち出しつつSF的視点から語ることが多い(というかほとんど)のは、映画とSFに造詣が深いことが関係しているのでしょう。
  • マクガイヤーチャンネル 第143号 【科学で映画を楽しむ法 第5回「『大長編ドラえもん』と科学 藤子・F・不二雄とSF その8 『のび太の創世日記』前編】

    2017-11-01 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第5回として書いている「『大長編ドラえもん』と科学」『のび太の創世日記』についてです。
    (基本的に、藤子・F・不二雄が100%コントロールしていると思しき原作漫画版についての解説になります)。
    ●後期『大長編ドラえもん』随一の異色作
    『大長編ドラえもん』がシリーズとして歴史を重ねていくにあたって、二つの「敵」がありました。
    一つは、藤子・F・不二雄の体調不良です。86年と92年の癌の発症と治療以降、クオリティ低下は誰の目からみても明らかになりました。
    もう一つはマンネリズムです。恐竜時代、宇宙(とみせかけた西部劇世界)、ロストワールド、海底、魔界……と様々な世界を冒険してきたドラえもんたちですが、秘境や魔境のバリエーションには限度があります。10作を越えれば、話の展開にも行き詰っていくものです。そもそも、『大長編ドラえもん』が下敷きとする元ネタのバリエーションも有限なのです。