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記事 4件
  • マクガイヤーチャンネル 第116号 【科学で映画を楽しむ法 第4回「『攻殻機動隊』と『シャブ極道』 我々はどこへ行くのか その2」】

    2017-04-24 07:00  
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    さて、今回のブロマガですが、前回の続き、科学で映画を楽しむ法 第4回として、『攻殻機動隊』(と『シャブ極道』)その2について書かせて下さい。
    原作漫画を『攻殻機動隊』
    95年に発表された押井守監督のアニメ映画版を『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
    先日公開されたルパート・サンダース監督の実写映画版を『ゴースト・イン・ザ・シェル』と表記します。
    ●サイバーパンクとしての『攻殻機動隊』
    89~91年に発表された『攻殻機動隊』は、SFとしてそれほど目新しい話では無かった――という話は以前書きましたが、もう一度書きますよ。
    http://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1056869
    「脳を部分的に機械化したサイボーグがネットを介してハッキングし合う」という話はウィリアム・ギブスンやブルース・スターリングなどのサイバーパンク作家が既に書いていましたし、「知的生命体が進化すると生身の身体を捨て去り意識だけ情報だけの存在になるのでは」という話はアーサー・C・クラークが『幼年期の終わり』や『2001年宇宙の旅』で50、60年代から発表済みでした。科学技術や社会システムが発達した世界で、肉体のどこまでが「自分」なのか、「自分」とはいったい何なのか――すなわち実存の問題は、SFというジャンルでいえば(『ブレードランナー』の原作者である)フィリップ・K・ディックが、もっと広い文学という分野でいえばカミュやサルトルといった実存主義作家たちが既に扱ってきたものでした。更にSFでは、「人間とは何か」をテーマとするために、機械のような人間や、人間のような機械(サイボーグやAI)を扱うのはごくごく普通のことでした。
  • マクガイヤーチャンネル 第115号 【科学で映画を楽しむ法 第4回「『攻殻機動隊』と『シャブ極道』 我々はどこへ行くのか その1」】

    2017-04-17 07:00  
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    さて、今回のブロマガですが、科学で映画を楽しむ法 第4回として、『攻殻機動隊』(と『シャブ極道』)について書かせて下さい。
    『攻殻機動隊』は、原作は89年、映画は95年と、どちらも20年以上前に発表された作品です。テクノロジーやサイエンスの面から含めて、散々っぱら色んなところで語られ尽くされたので、今更ここで書くつもりも無かったのですが、状況が変わりました。


    ●実写版『攻殻機動隊』――『ゴースト・イン・ザ・シェル』への違和感
    先週4/7にハリウッド製の実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』が公開されました。

    00年代以降、CGIが発達&チープ化し、「絵に描いた餅をそのまま動かせる(押井守)」ようになりました。漫画やアメコミを実写化する作品も増えてきました。『アベンジャーズ』のような成功作もあれば、『ドラゴンボール』や『進撃の巨人』のように失敗したものもあります。
    日本漫画に限っていえば、失敗作が多いわけです。だから、『ゴースト・イン・ザ・シェル』もそれほど期待していなかったのですが、実際に観てみてびっくりしました。まさかこんな映画が今作られるとは……というくらい、古びた映画だったのですよ。
  • マクガイヤーチャンネル 第114号 【『鉄血のオルフェンズ』がトミノ的にも実録路線的にも素晴らしい3つの理由】

    2017-04-10 07:00  
    216pt
    さて、今回のブロマガですが、先日最終回が放送された『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』について書かせて下さい。
    ニコ生放送でも「実録SFヤクザ映画としての『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』」として解説しましたが、
    話足りなかったことがあるのですよ。
    ●「おまえのブレンパワードの扱い方、イエスだね!」――『オルフェンズ』最高でした――
    自分は現在41歳のおっさんなのですが、他の同世代のおっさんと同じくガンダムが大好きなわけですね。
    ファーストガンダムは幼稚園、『Zガンダム』は小学生の時分、だったので、正直よく分からなかったのですが、その後再放送や映像ソフトで観た際は衝撃を受けました。同年代の例に漏れず、『逆シャア』には手を叩いて喜び、初めてリアルタイムで観たガンダムである『0080』と『Vガンダム』は今でも名作だと思ってます。
    ……そんなおっさんにとって、21世紀に入ってからのガンダムは、コレジャナイ感たっぷりだったわけですよ。
    『SEED』や『SEED DISTINY』がそれまでオワコンだったガンダムというコンテンツを、『アメトーーク』で「ガンダム大好き芸人」なんて番組が可能になるくらいの復活に寄与したことは十二分に理解しているものの、ファーストガンダムや『Z』の引用やオマージュというよりは劣化版と呼びたくなるような内容に、全くついていけなかったわけです。
    その後の『00』や『Gレコ』はそれなりに楽しみましたが、『AGE』には全くついていけませんでした。周りの皆が熱中していた『UC』も、まるでバブル時代のMOF担の接待のような過剰サービスっぷりにゲンナリしました。とにかくもうMSの背後に浮かび上がる「プレッシャー」という名の怨霊スタンドや、それまでに悲劇の死を迎えたキャラクターが最終回にお化けとなって主人公を助ける演出や、最終回に謎のニュータイプ能力を使って敵を光の粉に変えてしまうような「奇跡」は、もう禁止して欲しいです。
  • マクガイヤーチャンネル 第113号 【トヨタの国の『ひるね姫』 後編】

    2017-04-03 07:00  
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    さて、今回のブロマガですが、前回の続き、『ひるね姫』の解説後編になります。。

    ●『ひるね姫』のテーマ
    一昨年、安倍総理は2020 年の東京オリンピックまでに完全自動運転車の実用化を目指すことを発表しました。一方で、これまで書いた通り、日本の自動運転技術は他国に比べて出遅れています。少子高齢化が進み、世代間対立があり、構造的な問題が山積みです。

    神山監督はこれまで(近未来)SFという形を借りて、現実社会の様々な諸問題を作品に反映させてきました。『攻殻SAC』では薬害問題や難民問題、『東のエデン』では高齢化や世代間対立などを中心的なテーマとし、現実と切り結ぶような痛烈な作品を作ってきました。
    その神山監督が、パッと見は日テレがスポンサードするポスト宮崎的でありつつ、その実これまで神山監督が作ってきた映画となんら変わりないテーマを内包した作品を作った――それが『ひるね姫』だったのです。