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記事 4件
  • マクガイヤーチャンネル 第64号 【おれの童貞時代その2】

    2016-04-25 07:00  
    220pt
    おはようございます。大忙しなマクガイヤーです。
    昨日まで御蔵島に小旅行に行っていたのですが、リアル仕事での文章作成と小旅行が重なると何もできないというのが分かりました。このブロマガも旅行の帰りの船内で書きましたよ。 
    さて、前回の続きです。
     
    大学のサークル勧誘といえば、大声で新入生に声をかけまくり、あの手この手で人を入れようとするというのが定番です。当然でしょう。新入部員がゼロだったら、存続が危ぶまれるのですから。
    しかし、そのダイビングサークルは雰囲気が違いました。ブースに先輩らしき人がいることはいるのですが、だらだらしていて、誰にも声をかけようとしないのです。声をかけられなくても話を聞く気満々の自分には関係ない話ですが、他のサークルとは明らかに異なる雰囲気が気になりました。
    意を決してブースに座り、「ダイビングに興味があるので話をきかせてください」と切り出します。すると、若干ゲイっぽい男の先輩――S先輩が以下のようなことを説明してくれました。
    ・うちのサークルは文化部連盟に所属しているけれど、本質は体育会系であること
    ・週一回の海練、週一回のプール練、週一回の知識講習――計週三回の活動に必ず参加すること。
    ・前期はスキンダイビング(素潜り)の練習をし、タンクを背負ったスキューバ・ダイビングをやるのは後期からであること。
    ・夏に大島、春に沖縄に合宿に行く。前者は十数万、後者は二十数万円かかる。前年度は西表島に行った。合宿が終わってから、各自様々な島に遊びに行ったりバイトに行ったりする。
    ・スキューバダイビングの機材一式を購入するには、どんなに安い品を選んでも約10万円ほどかかる。
    ・肉体的・金銭的に負担が大きい。また、数年前に死人が出たので、今度事故をおこしたら廃部になる。
    ・今の時代、こんなキツい練習をしなくても、ショップに入って金を払えば楽しくダイビングのライセンスがとれる。
    ・以上の理由から、こちらから新入生に声をかけて勧誘することはしない。やる気のある奴だけ入ってほしい。
  • マクガイヤーチャンネル 第63号 【『青春100キロ』とおれの童貞時代その1】

    2016-04-18 07:00  
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    こんにちは。映画を観ている途中に椅子が揺れて、アワアワしていたマクガイヤーです。
    数年前に閉館した銀座シネパトスという映画館は地下にあり、横を地下鉄銀座線が通ると場内に唸り声のような音が鳴り響いていました。それと同じように、劇場の前をダンプでも通っているのだろうか――などと思いながら映画を観ていたのですが、まさか1000キロも離れている熊本で大地震が起きていたとは……
    このブロマガをお読みの方の中にも、もしかすると被災された方もおられるかもしれません。心よりお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な生活が戻りますよう、みなさんの御無事をお祈りしております。
    さて、今回のブロマガです。
    地震が起こった時、なにを観ていたかというと、『青春100キロ』という映画を観ていたのですよ。
    渋谷に映画製作・配給会社であるアップリンクが運営している、小さな映画館があります。
    どれくらい小さいかというと、普通の雑居ビルの一室に市販の椅子を40個くらい並べた、試写室のような映画館です。http://www.uplink.co.jp/info/floorguide/
    シネコンに比べたら実に小ぢんまりした映画館なのですが、音響や画質が悪いわけではりません。そして、シネコンでは上映されそうにない映画や、シネコンではすぐに公開終了になってしまった名作を上映しているのですよ(特に例年年末年始に開催されている「見逃した映画特集」にはお世話になりました)。
    ちょっと前も、すっかり見逃していた『孤高の遠吠』という静岡県のヤンキー映画を堪能しました。いや、面白かった。
    で、『孤高の遠吠』の上映前に色々な映画の予告編がかかり、どれもこれも面白そうという夢のような状態だったのですが、その中で最も興味を惹かれたのが平野勝之監督の『青春100キロ』です。
    平野勝之といえば、『わくわく不倫旅行』や『由美香』といった、AVの流れを汲むドキュメンタリーで有名な映画監督です。特に、5年前に庵野秀明が初の実写映画プロデューサーを務めた『監督失格』は話題になりました。自分も何かで殴られたような衝撃を受けたことを覚えています。
    その平野勝之監督5年ぶりの新作映画です。しかも、主演というかフィーチャーされるのは、恵比寿マスカッツのメンバーであり『キス我慢選手権 THE MOVIE2』での好演も印象的だった(http://d.hatena.ne.jp/macgyer/20150328)上原亜衣というではありませんか。
    これは観にいかなければ!
    ということで仕事が終わるや否や、劇場に向かいました。や、初日はチケットが売り切れてしまい、ネット予約して出直したので、二回向かったことになるのですが。
    『青春100キロ』は、一言でいうと、上原亜衣に生中出しするために素人男性が100キロ走るという映画でした。
    https://www.youtube.com/watch?v=y3POEpxXlyo
    この春、上原亜衣はAV女優を引退するそうです。引退に合わせて、100人の素人男性が「孕ませ隊」と「守り隊」に分かれて鬼ごっこをし、「孕ませ隊」に捕まえられると生中出しされるという狂った企画が山梨の廃墟っぽいところで行われます(驚くべきことに、これは2回目だそうです)。募集した素人男性の中に、相手の目をみてきちんと話す(そういう人は珍しかったそうです)ケイくんという若者がいました。そして、ケイくんはマラソンを趣味としています。東京から山梨の山中湖そばにある撮影現場まで約100キロ……そんなわけで、「東京から山梨まで、二日間かけて100キロを完走できたら上原亜衣に生中出しできる!」という企画が急遽立ち上がったそうです。
    平野監督含めたスタッフ3名にこの企画の話が伝わったのは撮影のわずか4日前だそうです。長年AV業界で働いてきて、40歳オーバーの彼らには、「100キロ走ってでも、一回も合ったことの無い女(上原亜衣)に生中出ししたい!」という思いに感情移入できるわけがありません。頭の中にあるのは「どうすればこの作品が面白くなるのか?」という思いだけで、それらは、きちんと口から、時には字幕スーパーとして出てきます。
    だからといって、ケイくんのことを馬鹿にするわけでもありません。ケイくんはあまり口数の多くない大人しい若者なのですが、とあるトラブルが起きても山梨に辿りつくことを諦めないケイくんの意志の強さ――性欲と言葉にできない何かが入り混じったようなもの――に自分たちと同じものをみたのか、はたまた断絶の果てにある感情移入か、 だんだんと作り手と対象との間の距離感の変化がしていくさまが、本作の見所の一つとなっています。
    また、ケイくんはマラソンを趣味としていて、以前にフルマラソン(42.195キロ)を完走したこともあり、初日の走り出しは安定感たっぷりです。しかし、二日目は初日のダメージが残り、また峠を越えなければならないこともあり、とても辛そうです。苦痛に喘ぎながら走るケイくんの横を、笑顔で「下りを楽しみます!」とチャリンコで駆け抜ける平野監督の笑顔も本作の魅力です。どんな状況でも楽しむことを忘れない、AV業界人の逞しさにはっとなりました。
  • マクガイヤーチャンネル 第62号 【乙武洋匡の人間宣言】

    2016-04-11 07:00  
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    こんにちは。そろそろ花粉が落ち着いてきたので若干すごしやすくなってきたマクガイヤーです。
    結局『ファークライ プライマル』を買ってしまいました。自分は屈強な裸の男が暴れる映画やゲームが大好きでして、石器時代を舞台にした本作は実に面白いのですが、だんだんと作業感が出てきまして、『Fallout4』のプレイに出戻ることを考えております。同じ「オープンワールド」と銘打っていても色々あるんですね。
    さて、今回のブロマガですが、遅すぎる時々ネタについて書かせて下さい。
    聡明なる皆さんは既にご存知かもしれませんが、今、地球は異星人の侵略により平和を脅かされている状態にあります。
    その名をセンテンススプリング星人というのです。
    センテンススプリング星人の存在が確認されたのは1959年のことでした。以後、約50年にわたり、彼らは、「ロス疑惑事件」、「ゲーム脳事件」、「ヤマタク変態行為事件」等々を通して、我々地球人の平和を脅かしてきたのです。特に、「センテンススプリング砲」と呼ばれる大量破壊兵器の開発と装備に成功した本年は、「ベッキー・ゲス不倫疑惑」、「甘利明経済再生大臣金銭授受疑惑」、「育休議員こと宮崎謙介衆議院議員の不倫疑惑」、「巨人イケメン若手選手野球賭博事件」、「ホラッチョ・ショーンKの学歴詐称事件」……と、我々を恐怖のどん底に叩き落すような大攻勢を仕掛けてきています。
  • マクガイヤーチャンネル 第61号 【何故風呂場でセックスするのか? あるいはスーパーマンの子孫存続に関する考察】

    2016-04-04 07:00  
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    こんにちは。放送が終わってほっと一息ついてるマクガイヤーです。
    まだ『Fallout4』をクリアしてないけど、『ファークライ プライマル』を買うべきかどうか悩んでおります。初回限定特典でマンモスに変身して大暴れできるってなんやねん! 気になりすぎるわ!!
    さて、今回のブロマガですが、前回のニコ生の補講っぽいことを書かせて下さい。
    放送でしっかりと言うのを忘れてしまったのですが、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は 実に「なう」が詰まっている――「いま」という時代を反映している――映画です。
    本作は『マン・オブ・スティール』の続編なのですが、『ダークナイト・リターンズ』でブルース・ウェイン少年がバットマンとして覚醒する有名なシーンをそのまま映像化した後、前作のクライマックスに続きます。スーパーマンとゾッド将軍がニューヨークで高層ビルをなぎ倒しつつドツき合うシーンです。
    あれだけビルが壊されたにも関わらず、『マン・オブ・スティール』では、まるで被害者など一人もいなかったような描写でした。しかし、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』では、やっぱり死人はいたのです。それもバットマンの知人――会社の部下が死んでいたのです……というシーンとして語りなおされます。今にも倒壊せんとするビルから沢山の人が逃げ出す中、部下を助けようと、人波に逆らって一人ビルに向かって走りだすシーンは、911にて倒壊せんとするWTCビルに向かって走り出す消防士たちの再現です。貧富の差を解消しようとテロを起こしてニューヨーク市民を殺したテロリストが悪なのか、長年中東の石油利権を握り続けてきたアメリカ政府が悪なのか、何が正義で何が悪なのか分からない世の中で、彼ら消防士たちは唯一「911に立ち向かったヒーロー」と呼ばれました。
    そんなヒーローが「1%も敵になる可能性があるなら、それは敵だ」という、まるきりドナルド・トランプのテロに対する主張みたいな台詞を口にして、スーパーマンを殺そうとするわけです。それも、クリプトナイトを盗んだり、と、全力で殺そうとします。
    廃墟となった町をうろつくブルースが、主人を失って彷徨う馬(ニューヨーク市警にはアメリカの都市の中でも最大級の騎馬部隊があります)をみつけるのもいい描写です。映画において馬というものは「高貴さ」、「自由」、「美」……そして「アメリカ」の象徴です。それらが失われてしまった――という意味なわけです。『ジャーヘッド』でも同じようなシーンがありましたね。