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 「いまの生活に不満があるわけじゃない。でも、なんとなく物足りない」みたいな感覚に、心当たりがある人は多いんじゃないでしょうか。仕事もそこそこ順調で、そこまで大きな不幸があるわけでもなく、生活も安定している。それなのに、

 

  • もっと良い仕事がある気がする

  • もっと刺激的な人生がある気がする

  • もっと自分に合う何かが、まだ手に入っていない気がする

 

みたいに、なんとなく物足りないなーって感覚が続くパターンですね。このような現象は、現代ではめちゃくちゃ増えていると考えられてまして、いろんな心理学者や社会学者が原因を追求しているところであります。

 

その原因にはいろいろな説が存在するんですが、脳科学の視点からよく言われるのが「日々の物足りなさは、ドーパミンの管理がうまくいってないのが原因じゃない?」という考え方であります。毎度お馴染み脳内の神経伝達物質の1つであるドーパミンが、私たちになんとなく物足りなさを味わせているのではないかって説ですな。

 

 

 

なぜドーパミンが「人生が物足りない」感を生み出すのか?

簡単におさらいしときましょう。ドーパミンというと、一般的には「快楽ホルモン!」「やる気を出す物質!」「幸せを生む脳内麻薬!」みたいに語られることが多いんですが、これは半分正解で半分間違いといった感じです。もうちょい正確に言うと、ドーパミンの働きってのは、

 

  • 「いま持っていないものに価値を感じさせる」

 

ってのがメインになっております。たとえば、

 

  • 「今の仕事も悪くないけど、もっと自分に合う仕事がある気がする」

  • 「このスマホでも十分なのに、新しい機種のほうが満足できそうな気がする」

  • 「いまの人間関係も安定してるけど、もっと刺激的な出会いがある気がする」

  • 「現状は問題ないはずなのに、なぜかこのままで終わりたくない気がする」

 

みたいな感じですな。ここで大事なのは、ドーパミンが「証拠」じゃなく「可能性」に反応してるところで、「本当に良いかどうか?」とか「自分に必要かどうか?」とか、そんなこととはまったく関係がなく、「もしかしたら、今より良いかも?」っていう感覚を引き起こすのが、この物質の最も大きな働きになります。つまり、ドーパミンってのは、やる気や快楽に関わるというよりは、「その先に、今より良い何かがあるぞ!」と私たちを動かすって意味で、「期待」に働きかける物質だと言えましょう。

 

このような物質が発達した理由はシンプルで、昔はこれが最強の生存戦略だったからであります。人類史のほとんどの期間、私たちの先祖が暮らした世界ってのは、「次の食料がいつ手に入るかわからない!」「食料がないまま現状を維持したら死ぬだけだ!」みたいな状況だったわけですよ。たとえば、「いま食料は足りてるけど、このまま同じ場所に居続けたら、次の冬を越せる保証はない……」みたいな状況ですね。このような環境では、新しいものを見たらすぐに調べたり、今より良くなる可能性に賭けてみたりといった性質を持った個体ほど、生き残りやすかったはずなんですよ。

 

だから私たちの脳は、基本的に「満足しないようにできている」し、少しでも改善や成長の可能性があるものに対して、すぐ飛びつくような設計になったわけです。「いまの環境にそこそこ満足できている」とか「とりあえず今日は生き延びられそうだ」みたいな状況が発生した時に、「いや、もっと良い場所があるかもしれないぞ」と不安と期待を同時に煽ってくるんですね。原始の世界で「まあまあ幸せだし、もういいや」とか思っていたら、いつ食料を手に入れられなくなるかもしれず、そんな個体は淘汰されちゃったはずですからね。

 

が、ここで問題になるのが、このような原始時代に作られたドーパミンのシステムが、現代の環境と食い違いを起こしちゃってるところです。現代の環境ってのは、原始時代と比べて食料は余っているし、生命の危険は激減しているし、そのくせSNSや動画サイトで新しい刺激は無限に供給されるし……みたいな感じですからね。にもかかわらず、私たちの脳は、原始時代のままなわけですから、その結果、新しい選択肢が目に入るたびにドーパミンが動き出し、

 

  • SNSを開けば、もっと面白い投稿がある気がする

  • ニュースを追えば、さらに重要な情報を逃している気になる

  • 今の仕事より、良い仕事がある気がする

  • 今の人間関係より、もっと合う誰かがいる気がする

 

みたいな気分が発生し始めるわけです。実際に得られる満足度は低下しているのに、「探し続けたい衝動」だけが止まらないって状態ですな。

 

でもって、このような「もっと何かあるんじゃないか?」って感覚がブーストしまくった結果、現代人に特有の、

 

  • 慢性的な落ち着かなさ

  • 満たされなさ

  • 「このままでいいのか?」という不安

 

が発生しているんだろうと思われるわけですな。いやー、これは誰にでも思い当たるところがあるんじゃないでしょうか。

 

しかも、ここでドーパミンがさらに厄介なのが、こいつは「期待だけは高めるけど、その責任は取らない」って性質も持っているところです。ドーパミンが分泌された脳は「これを手に入れたら、きっと満足できるに違いない!」と思い込むんですが、しかし、いざ目的のものが手に入ってしまうと、スッと効果を失ってしまう性質があるんですね。そのため、いざ目的のものが手に入ったとしても、「思ったほど良くなかったな…」や「すぐ慣れちゃったなー」みたいな気分が生まれ、すぐに「また次が欲しくなったなー」って気持ちに切り替わってしまうわけです。

 

このプロセスが何度も繰り返されると、私たちは「成功しても満足できないじゃないか!」「達成しても虚しいだけじゃないか!」って感覚が当たり前になり、いよいよ人生が物足りなくなっていくんですな。いかに脳の仕様だとはいえ、実に難しい問題だと申しましょう。

 

 

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その悪癖、もしかしたら自然に治るかもよ?」の続きです!(#1,#2)

 

このシリーズでは、依存症の世界でよく見かける「自然回復」って現象をもとに、「悪癖が自然に改善しちゃう人は何が違うのか?」ってのを深掘りしております。「なんとなく酒がやめられたなー」とか「気づいたらタバコを吸う量が減ったなー」みたいな体験をした人たちのデータを参考にしながら、私たちの悪癖を改善するヒントを得ようってことですな。

 

というわけで、前回は「自然回復がうまくいく人の特徴」って現象の存在について学んでみましたんで、今回は「自然と悪癖をやめられる人に共通する“3つの特徴”」から「環境を変えてうまく悪癖を断ち切るには」をチェックしてみましょう。

 

 

 

 

悪癖自然回復フィックス1.環境を変える

まず最初に、「自然と悪癖をやめられる人」のいちばん大事な前提を確認しておきましょう。それは、

 

「我慢するぞ!」とがんばるのではなく、「やらなくて済む環境にいるから自然とやらなくなった」

 

ってことでした。みんな精神論じゃなくて、実際には「気づいたら合わなくなっていた!」って状況が自然に発生したか、もしくはそういう状況を自分で設計していったわけですな。

 

これは当然の結論でして、心理学では昔から、

 

  • 行動は「性格」ではなく「状況」に強く左右される

  • 意志力は、気分・疲労・睡眠・ストレスによって簡単に低下する

 

ってのが何度も確認されてますからね。実際のところ、

 

  • 自制心が強い人ほど「我慢していない時間」が長い

  • 自制心が弱い人ほど「我慢し続ける環境」に身を置いている

 

というデータ(R)もありますんで、とりあえず環境を設計するのが悪癖対策のファーストステップになるわけですな。

 

 

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ひさびさに重金属の話をしましょう。このブロマガでたびたび言ってるとおり、私たちが普段口にする一部の食品やサプリには鉛やカドミウム、ヒ素のような有毒な重金属がふくまれてまして、こいつが溜まると健康に大ダメージがあるんですな。

 

ざっくりどんな問題が起きるのかと言いますと、

 

  • 鉛の健康リスク:子どもや乳児は、鉛をちょっとだけ摂取しただけでも神経の発達や認知機能に悪影響を及ぼす可能性が大。そのため、妊娠中の人ほど鉛には注意であります。また成人の場合は、ちょっと高いぐらいのレベルの鉛でも、血圧上昇、貧血、神経系や生殖系への悪影響を引き起こすことが知られております。基本、鉛に「安全な量」は存在しないとされてるんですが、多くの食品に含まれてるんで、なかなか難しい問題っすね。

 

  • カドミウムの健康リスク:カドミウムは「発がん性」の物質で、腎臓に大きなダメージを与える他、骨をボロボロにすることが知られております。しかも、カドミウムは生物学的半減期が10~35年もあるんで、どんどん体内に蓄積しちゃうのが困ったもの。成人のカドミウムの平均的な1日摂取量は約4.6マイクログラムでして、おそらく多くの人はカドミウムが蓄積されてないと考えられますが、できるだけ体内に貯めないに越したことはないですな(R)。また、亜鉛、鉄、カルシウムが足りてない人は、カドミウムでよりダメージを受けやすいとも言われてるんで、こちらも注意っすね(R)。

 

  • ヒ素の健康リスク:ヒ素は慢性的に摂取すると、皮膚障害(色素沈着や角化症)や末梢神経障害を引き起こすほか、肺がん・膀胱がん・皮膚がんなど複数のがんリスクを高めることが知られております。とくに問題なのが「無機ヒ素」で、これは米や一部の穀類、飲料水などから摂取されやすく、長期的な曝露によって心血管疾患や糖尿病リスクが上昇する可能性も指摘されております。こちらもカドミウム同様、コツコツ蓄積していくタイプなので、日常的な摂取量をできるだけ下げたいところですな。

 

  • 水銀の健康リスク:水銀は主に神経系にダメージを与える重金属でして、記憶力や注意力の低下、手足のしびれ、運動機能の異常などを引き起こすことがあります。特に胎児や乳児の脳発達への悪影響が問題視されており、妊婦が高水銀の魚(マグロ類など)を頻繁に食べると、胎児の神経発達に悪影響を及ぼす可能性が高まるとされています。成人でも慢性的に摂取すると、神経障害や心血管系への悪影響が出ることがあり、こちらも油断ならん重金属であります。

 

ということで、全体としては、重金属が体内にたまると、神経系・腎臓・骨・心血管系・生殖機能・認知機能などにあらゆる問題が起きるわけでして、こうなるといかに普段から健康な生活をしていたとしても、せっかくの努力が無駄になりかねないんですよね。恐ろしい……。

 

 
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著者イメージ

鈴木祐

1976年生まれ。新宿区在住のライター/編集者。パレオダイエットにくわしい人。普段はチャイナ服ではありません。ライター歴は18年ぐらい。科学の知見を自分のカラダで試していくのが趣味で仕事。

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