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記事 24件
  • 地方局、ライヴハウス、ご当地フェス――80年代バンドブームを演出した「周縁の力」(市川哲史×藤谷千明『すべての道はV系に通ず』第4回) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.631 ☆

    2016-06-30 07:00  
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     地方局、ライヴハウス、ご当地フェス――80年代バンドブームを演出した「周縁の力」(市川哲史×藤谷千明『すべての道はV系に通ず』第4回)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.30 vol.631
    http://wakusei2nd.com


    今朝のメルマガは市川哲史さん、藤谷千明さんによる連載『すべての道はV系に通ず』をお届けします。前回(第3回/昨年8月25日配信)から引き続き「地理と文化(V系)の関係」がテーマ。90年代V系ブームを準備した80年代のバンドブーム、そして地方ライヴハウスとメディアの関係について論じます。
    ▼プロフィール
    市川哲史(いちかわ・てつし)
    
1961年岡山生まれ。大学在学中より現在まで「ロッキング・オン」「ロッキング・オンJAPAN」「音楽と人」「オリコンスタイル」「日経エンタテインメント!」などで歯に衣着せぬ個性的な文筆活動を展開。最新刊は『誰も教えてくれなかった本当のポップ・ミュージック論』(シンコーミュージック刊)。
    藤谷千明(ふじたに・ちあき)
    1981年山口生まれ。思春期にヴィジュアル系の洗礼を浴びて現在は若手ヴィジュアル系バンドを中心にインタビューを手がけるフリーライター。執筆媒体は「サイゾー」「Real sound」「ウレぴあ総研」ほか。
    『すべての道はV系に通ず』これまでの配信記事一覧はこちらのリンクから。 
    前回:"YOSHIKI 2.0"としてのEXILE・HIRO――ヤンキー文化とV系(市川哲史×藤谷千明『すべての道はV系に通ず』第3回) 
    ◎司会:編集部
    ◎構成:藤谷千明
    ■ 80年代アンダーグラウンドシーンの胎動
    ――久しぶりの配信になりますが、前回まではヴィジュアル系カルチャーが郊外・地方発ならではの「ヤンキー性」を持っているということについて語ってもらいました。今回は、「地理と文化(V系)の関係」についてさらに掘り下げて整理していければと思います。
    藤谷 まず、市川さんが著書でも書かれているように、例えばX JAPANは千葉、LUNA SEAは神奈川や東京の町田市出身ですが、「東京(23区)」出身じゃない人たちによる文化だからこそ大衆性を獲得して全国区のブームになりえたわけですよね。
    でも、そもそも90年代のヴィジュアル系バンドを育んだ「場所」って、大まかに「ライヴハウス」と、テレビ・ラジオ・雑誌などの「マスメディア」の2つだったということでいいんでしょうか?  私はリアルタイムでは経験していないので、よく分かっていないところがあるんですが。
    市川 まず、前回話したように日本の80年代のアンダーグラウンドな音楽シーンには<メタル(ジャパメタ)>と<パンク(ハードコア・パンク)>という2つの部族がおり、両者は本当に不毛な暴力的抗争を繰り広げておりました。そしてそんな野蛮な不良たちとは距離を置いて、ニューウェイヴの連中が自分たちの居場所をこっそり確保しておったのです。
    ――日本昔ばなしですか(笑)。あの、そのパンクとニュー・ウェイヴって一括りにされてる場合もあればきっちり区別されてる場合もあるんですけれど、この2つの違いや機微ってどういうものだったんですか?
    市川 誤解を怖れずものすごく単純に比較すると<パンク×ニューウェイヴ>は、ヤンキー×オタク、衝動×感性、開放×閉鎖、馬鹿×小利口、みたいな(爆笑)。そもそもは衝動一発の「皆死んじまえ」全否定ロックだったパンクにどうしても体質が合わない文系者たちが、センスと理屈を頼りに始めた一見スマートなパンクが、ニューウェイヴ@ロンドン&NY。だからファッションでもアートでも映画でも文学でもテクノでも、お洒落で頭よさそうに見えるものなら何でも食べちゃう雑食性が武器だった。日本に置き換えれば、ヤンキー的な不良に「絶対なりたくない」けど、とにかく他人とは違うことを「ポップ」にやりたかった草食系かしら。
    で、後のV系との絡みでいえばこの時期に<男なのに化粧>が始まっているわけ。メジャー処だとイエロー・マジック・オーケストラ【1】が1978年頃に出てきて、その後の1982年に坂本龍一と忌野清志郎がコラボした「い・け・な・いルージュマジック」のPVでは化粧した男同士でキスしたりして、やたら話題になる。それで「ああ、バンドの人って化粧するんだ」ということが、世間に一応、どうでもいい情報として潜在的に刷りこまれたわけ。するとニューウェイヴ者がモード系に向かうのをよそに、ハードコア・パンクの連中は動物の示威行為のようにモヒカンとピアスを突き詰めて「人間凶器」的ヴィジュアルを志し、ジャパメタのほうもハノイ・ロックス【2】みたいな洋楽ロックバンドを見て、こっちはとにかく派手でグラマラスな化粧に邁進していったよねぇ。

    【1】イエロー・マジック・オーケストラ(YMO):1978年に結成された細野晴臣・高橋幸宏・坂本龍一の3人による音楽グループ。80年代のテクノ / ニュー・ウェーヴのムーブメントを牽引した。アメリカやヨーロッパで受け入れられ、その後に逆輸入のかたちで日本でもヒットを飛ばし、79年には2ndアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』がオリコン・チャートの最高1位にランクインした。
     【2】ハノイ・ロックス(HANOI ROCKS):フィンランド出身のロックバンドで、1980年代前半に活躍。ガンズ・アンド・ローゼズやスキッド・ロウ、日本ではZIGGYなどに影響を与えたと言われる。音楽性は「グラム・ロック」「グラム・メタル」などと言われるもので、長髪にメイク、個性的なファッションも後代のバンドに多大な影響を与えた。


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  • 井上明人『中心をもたない、現象としてのゲームについて』第6回 日常行為としての「ゲーム」を考えるということ【不定期配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.630 ☆

    2016-06-29 07:00  
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    井上明人『中心をもたない、現象としてのゲームについて』第6回 日常行為としての「ゲーム」を考えるということ【不定期配信】 
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.29 vol.630
    http://wakusei2nd.com


    今朝のメルマガは井上明人さんの『中心をもたない、現象としてのゲームについて』の第6回です。今回は、「創発」と「還元」という2つの思考法から、「ゲーム」という概念の読解の可能性を探ります。ノイズを排した思考実験と、雑多な社会全体の現象。この複雑性の両極の中間地点にある「性質α」はいかにして定義できるのか。そのための方法論が明らかにされます。
    ▼執筆者プロフィール
    井上明人(いのうえ・あきと)
    1980年生。関西大学総合情報学部特任准教授、立命館大学先端総合学術研究科非常勤講師。ゲーム研究者。中心テーマはゲームの現象論。2005年慶應義塾大学院 政策・メディア研究科修士課程修了。2005年より同SFC研究所訪問研究員。2007年より国際大学GLOCOM助教。2015年より現職。ゲームの社会応用プロジェクトに多数関っており、震災時にリリースした節電ゲーム#denkimeterでCEDEC AWARD ゲームデザイン部門優秀賞受賞。論文に「遊びとゲームをめぐる試論 ―たとえば、にらめっこはコンピュータ・ゲームになるだろうか」など。単著に『ゲーミフィケーション』(NHK出版,2012)。
    本メルマガで連載中の『中心をもたない、現象としてのゲームについて』配信記事一覧はこちらのリンクから。
    前回:議論手続きとリサーチクエスチョン (井上明人『中心をもたない、現象としてのゲームについて』第5回)【不定期配信】
    2−2.日常行為としての「ゲーム」を考えるということ
    2-2-1.日常行為を考えるうえでの「創発」
     ゲームは日常概念であると同時に、日常行為である。ここでいう「日常行為」とは、カイヨワなどが問題にするような非日常(聖なるもの)と、日常(俗なもの)というような区分としてではなく、心理実験などで問題になるような「日常行為」としての性質である。
     この日常行為を考えるうえで、議論しておきたいのは「創発」の問題だ。創発とは、個別の要素に分解すると、発現しなくなってしまうが、それぞれの要素を組み合わせた時に、はじめて新たな性質αがあらわれることだ。たとえば、人体は、人肉を繋ぎあわせても、人間が生きているという状態が現れるわけではない。多くの複雑な現象は、何かの単純な総和ではなく、相互作用によってはじめてもたらされる性質αが発現した総体として現れている。ゲームを考える時にも、この創発という問題は重要になる。
     具体的に、何が問題なのかを論じていこう。
    2-2-2.創発の何が問題か
     ある学際的な研究会で、被験者の脳の活動測定から選挙行動についての分析をすすめよう、という発表を聞いていたときのことだ[1]。ある政党の選挙CMをみて、そのCMを通じ有権者の反応がどう変わるのか。有権者の脳をfMRIで調べたら何がわかるか、という研究だった。脳神経科学と、社会科学の架橋という方法論的にはとても野心的なテーマだ。
     しかし、発表についてのコメントは非常に手厳しい指摘であふれた。
     「実験室実験をやって、政治意識の何がわかるのか?CMを見せて、仮に30人程度の被験者の意識に変動があったとして、それが一体なんだというのか?」
     これが特に多かった指摘の一つだ。政治に関わる様々な意識は実験室の中で生まれるわけではない。有権者は、幼少期の教育から、現在に至るまでさまざまな情報に接し、思考をめぐらし、議論を重ね、政治的な意思決定を行っている。特に、政治のような問題は、実験室の外側で起こっていることによって引き起こされる影響が極めて大きい。その影響をコントロールできない状態で実験をやっても、あまり説得力のある結論にならないのではないか、ということだ。

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  • 落合陽一自身が読み解く『魔法の世紀』 第5回 コンピューテーショナル・フィールドがもたらす世界の変容(毎月第4火曜配信『魔法使いの研究室』)☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.629 ☆

    2016-06-28 12:00  
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    落合陽一自身が読み解く『魔法の世紀』 第5回 コンピューテーショナル・フィールドがもたらす世界の変容(毎月第4火曜配信『魔法使いの研究室』)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.28 vol.629
    http://wakusei2nd.com


    今朝の「魔法使いの研究室」では、『魔法の世紀』の第5章「コンピューテーショナル・フィールド 」を取り上げます。科学技術が世界を覆い社会が再魔術化したことで、モノとしてのコンピュータから〈場としてのコンピュータ〉が重要性を増しています。AIやIoTが隆盛しつつある今、「コンピューテーショナル・フィールド」を考えることは、人間の感覚や世界の捉え方の再定義、ひいては人間知性の脱構築へつながると説きます。
    ▼『魔法の世紀』第5章の紹介
    「第5章 コンピューテーショナル・フィールド」では、人類史におけるメディアの進化の過程を、独自の視点から読み解きます。洞窟壁画から土器、パピルス、カンバス――メディアの可搬性が向上する一方で、東西の文化圏では屏風や噴水、庭園といった、それぞれの文化を象徴するアートが発達します。それを〈フレームレート〉と〈エーテル速度〉という基準によって、〈動〉のメディアと〈静〉のメディアに分類。そこから、物体と情報を統合する〈場〉のアイディア、つまり「コンピューテーショナル・フィールド」の概念を導き出します。

    【発売中!】落合陽一著『魔法の世紀』(PLANETS)
    ☆「映像の世紀」から「魔法の世紀」へ。研究者にしてメディアアーティストの落合さんが、この世界の変化の本質を、テクノロジーとアートの両面から語ります。
    (紙)/(電子)
    取り扱い書店リストはこちらから。
    ▼プロフィール
    落合陽一(おちあい・よういち)

    1987年東京生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程を飛び級で修了し、2015年より筑波大学に着任。コンピュータとアナログなテクノロジーを組み合わせ、新しい作品を次々と生み出し「現代の魔法使い」と称される。研究室ではデジタルとアナログ、リアルとバーチャルの区別を越えた新たな人間と計算機の関係性である「デジタルネイチャー」を目指し研究に従事している。
    音響浮揚の計算機制御によるグラフィクス形成技術「ピクシーダスト」が経済産業省「Innovative Technologies賞」受賞,その他国内外で受賞多数。

    『魔法使いの研究室』これまでの連載はこちらのリンクから。
    前回:落合陽一自身が読み解く『魔法の世紀』第4回〈表層〉と〈深層〉の魔術的融合(毎月第4火曜配信『魔法使いの研究室』) 
    ▼放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/1458301532
    放送日:2016年3月9日
    ◎構成:長谷川リョー

    ◼︎ユビキタス、IoT、そしてコンピューテーショナル・フィールド
    今日取り上げるのは、『魔法の世紀』第5章「コンピューテーショナル・フィールド」です。
    2016年現在、世の中には〈楽観的シンギュラリティ〉の風潮があると思っています。Google傘下のボストン・ダイナミクス社が開発した二足歩行ロボット「アトラス」が雪原を闊歩したり、Googleの人工知能「アルファ碁」に人間のトップ棋士が負けたり、テクノロジーにまつわる大きなニュースがいくつもありました。
    こうした変化がある中、今後30年でどんな変化が起きていくのでしょうか。僕はやがてデジタルネイチャーが訪れ、人間が脱構築されていくと思います。

    そうした世界になる前に、コンピュータやツールの捉え方がだいぶ変わってくるのではないか、具体的にどのように変わっていくのかについて説明しているのが今章「コンピューテーショナル・フィールド」です。実は僕の博士論文のタイトルが『Graphics by Computational Acoustic Field』で、この中に出てくるのが、まさしく「コンピューテーショナル・フィールド」という考え方なのです。
    なぜ、これを主題に論文を書いたのか。「IoT(モノのインターネット)」と盛んに言われるように、今の時代におけるコンピューティングは圧倒的にユビキタスであり、同時に二次元平面上のコミュニケーションが成熟してきました。
    例えば、マーク・ワイザーが1991年に書いた論文『The Computer for the 21st Century』を参照してみましょう。高度に無線網が発達した世界では、パソコンでメモを取っている人もいれば、タブレットのようなものを使っている人もいる。一方で、紙のノートを使っている人もいる。要は、デバイスの種類に囚われずに、人々がコンピューティングを行うようになるということを、ワイザーは90年代の時点で予期していたわけです。
    この論文から25年の時を経て、視覚・聴覚のコミュニケーションは成熟化しました。我々は、その次の段階に進まないといけない。それは二次元の次は三次元というような、次元が一つ上がるだけの話ではなく、まったく別の方法で考えないといけないのではないかということです。
    ◼︎コンピュータ以前から人間はデータとの関わりを考えてきた
    ここで一度、コンピュータ以前の世界を振り返っておきます。
    例えば、モールス信号はコンピュータが生まれるはるか前からありましたが、コンピュータがないと制御できなかったり、データとして保存することはできませんでした。
    それが1960年代になると、人々は身体とデータの違いを意識し始めました。人間とデータは、いかなる関わりを持っているのだろうか。この頃に構想されていたことが、技術の発展によって、今ようやく実現できるようになってきたのです。ここが一つ面白いポイントですね。
    今年の1月から5月にかけて、ロンドンで「Electronic Superhighway (2016 – 1966)」という展示会が行われました。すごく良い展覧会でしたよ。「エレクトロニック・スーパーハイウェイ」という言葉もすごく面白い。ここで展示されていたのが、ナム・ジュン・パイクの「エレクトロニック・スーパーハイウェイ」という作品です。これは1994年に公開されたのですが、この概念をナム・ジュン・パイクが提唱したのは1974年のことで、ニュー・エレクトロニック・スーパーハイウェイというものを作れば、人類全体が新しい段階へ進むための跳ね台になるのではないか、と言っていたわけですね。これはビデオアートの父であるナム・ジュン・パイクが、インターネット登場以前に構想していたインターネットに他ならないわけです。


    ▲Electronic Superhighway - Nam June Paik
    (画像出典)
    人類は「電信」という技術を手に入れたことで「運搬」を超越しました。物流を超越して、電気信号だけでやりとりが行えるようになったのはすごく大きい。やがて、相互に電信関係になることで、人間それ自体も変わっていくのではないかということをみんな考え始めたんですね。

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  • EU離脱「決定」の報道は間違い!? ここからが英国政治の真骨頂(橘宏樹『現役官僚の滞英日記』特別号外)☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.628 ☆

    2016-06-28 07:00  
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    EU離脱「決定」の報道は間違い!?ここからが英国政治の真骨頂(橘宏樹『現役官僚の滞英日記』特別号外)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.28 vol.628
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    6月23日、イギリスでEU離脱を問う国民投票が行われ離脱支持が多数となり、内外のメディアで議論が百出しています。そこで今回のメルマガでは『現役官僚の滞英日記』の橘宏樹さんに緊急寄稿をお願いし、離脱決定後のイギリス政治の動きについて展望していただきました。
    ▼プロフィール
    橘宏樹(たちばな・ひろき)
    官庁勤務。2014年夏より2年間、政府派遣により英国留学中。官庁勤務のかたわら、NPO法人ZESDA(http://zesda.jp/)等の活動にも参加。趣味はアニメ鑑賞、ピアノ、サッカー等。
    本メルマガで連載中の橘宏樹『現役官僚の滞英日記』これまでの配信記事一覧はこちらのリンクから。
    ※本稿の内容(過去記事も含む)に関して、皆様からのご質問や、今後取材して欲しいことを受け付けたいと思います。こちらのフォームまたはTwitter(@ZESDA_NPO)にお寄せいただければ、できるかぎりお応えしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    こんにちは。イギリスの橘です。多くの方もご存知の通り、この6月23日、英国のEU離脱をめぐる国民投票が実施され、「離脱」という結果が出ました。直後のオクスフォード、ロンドンの雰囲気は、「最後の最後では合理的な判断をすると信じていたのに、英国の理性のレベルが下がってしまった」とでもいうような失望感でしょんぼりしているようでした。知り合いの会社ではショックで休んだ人もいたとか。キャメロン首相も辞意を表明しました。他の地域のことはよくわかりません。もしかしたらお祭り騒ぎなのかもしれません。離脱派の勝因は一言で言うと、地方・高齢・低所得・低学歴層が多過ぎる移民に対して抱く不満・不安が本当に強かった、ということだと思われます。残留派のキャンペーンは、この層を切り崩せなかったどころかむしろ反感を買い、浮動票をも離脱に傾けさせてしまったのではないかと思われます。特に都市部の残留派票の伸びがかなり低調でした(ロンドンでも残留への投票は60%に過ぎませんでした)。
    もしも、移民の家族が病院に長い行列をつくっているのが目につかず、ロンドンはじめ都市の住宅不足などの問題がもっと改善されていたら、基本的に彼らは外国人に寛容ですから、都市部の離脱支持がもっと低かった可能性が高いと思います。
    現在、テレビでもほぼ一日中討論番組が組まれ、時々刻々とニュースが飛び込んでいる状況です。日本でも特に円高とアベノミクスへの悪影響と参議院選を中心に、すでに各種議論が百家争鳴の状況だと思います。
    そうしたなかで見落とされがちな重要なポイントを、取り急ぎ4点に絞って緊急寄稿をさせていただきたいと思います。なにぶん、各種資料検分の時間が取れていない、現地肌感覚重視である点はご容赦ください。

    ▲黄昏に沈む国会議事堂
    ■感情的な衆愚なのか、民主主義の危機なのか
    この残留支持層の「基盤」(離脱支持52%のうち、感覚的には20%程度)は確かに、UKIP(英国独立党)や保守党右派を支持してきたような、いわゆる右翼的で排外主義的な層かもしれません。しかし、各種世論調査の経緯を見るに、勝敗を分けた残りの数十%程度は、どちらかというとリベラルな人も含む浮動票で、ぎりぎりまで悩んで投じられた判断なのではないかと感じています。
    確かに、報道されるかぎり、離脱派のリーダーたちの論調は感情的で主権にこだわった内容だった印象が強いです。しかし最後の最後で離脱に投じられた浮動票は、むしろ経済生活上の不満を主な要因にしていたように思われます。
    英国内で「エリート(残留派)と大衆(離脱派)の間の断絶が広がっている」という指摘をよく見かけますが、むしろ離脱派の中でも、リーダーと大衆の判断基準は異なっていたのではないかと思うわけです。「保守党キャメロン政権は、移民の制限、住宅増築等の問題を解決すると言ってきた。なのに、全然生活は改善しない。もう我慢できない」という意識が強かったのではないでしょうか。
    そして、終盤になり残留派が焦って、社会的な地位の高い人々の残留支持表明を積み上げれば積み上げるほど、「そりゃ、あんたら金持ちエリートは仕事も住む場所もあるんでしょうよ!」と、むしろ反感を強めたように思います。ゆえに、イギリス経済がEUの恩恵を受けて成り立っていることは重々承知しながらも、最後の最後で自分達の生活に実害が出ていることを重く見て欲しいという悲鳴、エスタブリッシュはそれをわかってくれてないようだから不満の声をしっかり上げておいたほうが良い、と考えたのではないかと思われるわけです。

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  • 月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」6月20日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.627 ☆

    2016-06-27 18:00  
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    2016.6.27 vol.627
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    大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!

    ▲先週の放送はこちらからご覧いただけます!

    ■オープニングトーク
    宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。そして松岡茉優さん、今夜も生放送、本当にお疲れさまでした。ドラマ『水族館ガール』、見ましたよ。もう最高でした! 夏のイベントもやりましょうね。月曜の「AVALON」と月曜の「THE HANGOUT」だけでコラボして、僕と松岡さんの2人だけの世界をリスナーのみんなに見せつけるという、そういうイベントが僕は理想かなと思います。これが本当に「1歩理想に近づく」というやつですよ。やはり「AVALON」の理想を実現するために、僕も微力ながら、力を貸そうと思っていますので、ぜひイベントの件も前向きにご検討ください。
    ということで、今日はちょっと真面目な話から始めたいと思います。正直、僕はいまテレビとの付き合い方を、ちょっと考え直そうかなと思っているんですよ。知っている方も多いかと思いますが、僕が毎週木曜日に出ている朝の情報番組「スッキリ!!」で先週、舛添都知事の辞任問題を扱ったんですね。この問題は、前にも話したかもしれないけれど、正直言って僕はひどい話だと思うんですよ。舛添都知事が不適切に使用したお金って、どんなに多く見積もったとしても、1000万円もいかないですよね。しかも公金横領とかではなくて、税金由来のお金とはいえ、一応、自分の懐に入ったお金を遣っていたわけじゃないですか。まあそもそもこれが問題なんですけれども、何に遣うのか特に規定がないお金なわけです。それなのに、ここまで騒ぐのはどうなのかな、というのが僕の正直な感想なんですよ。

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  • 吉田尚記×宇野常寛『新しい地図の見つけ方』最終回 地図を描くルール(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」)☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.625 ☆

    2016-06-24 07:00  
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    吉田尚記×宇野常寛『新しい地図の見つけ方』最終回 地図を描くルール(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.24 vol.625
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    本日は、吉田尚記さんと宇野常寛の対談『新しい地図の見つけ方』の最終回をお届けします。究極の娯楽は人を助けることであり、アイドルオタクにはその感覚があるのではないかと話す吉田さん。インターネットの発達により情報の供給が過剰になったことで「推す」という回路が壊れかけている現在に、「新しい地図」を描くための方法を語り合いました。(初出:「ダ・ヴィンチ」2016年5月号(KADOKAWA/メディアファクトリー))
    毎週金曜配信中! 「宇野常寛の対話と講義録」配信記事一覧はこちらのリンクから。
    ▼対談者プロフィール
    吉田尚記(よしだ・ひさのり)
    1975年12月12日東京・銀座生まれ。ニッポン放送アナウンサー。2012年、『ミュ〜コミ+プラス』(毎週月〜木曜24時00分〜24時53分)のパーソナリティとして、第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞。「マンガ大賞」発起人。著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)が累計12万部を超えるベストセラーに。マンガ、アニメ、アイドル、落語やSNSに関してのオーソリティとして各方面で幅広く活動し、年間100本近くのアニメイベントの司会を担当している。自身がアイコンとなったカルチャー情報サイト「yoppy」も展開中(http://www.yoppy.tokyo/)。
    ◎取材・文:臺代裕夢
    前回:吉田尚記×宇野常寛『新しい地図の見つけ方』第5回 新時代の衣食住
    吉田 予防医学研究者の石川善樹さんとお話をさせていただいたとき、「世界でいちばん楽しいのは誰だ」っていう話題が出たんです。脳内の、楽しいときに活性化する部分が、どのぐらい活発になっているのかをMRIで測定できるんですが、最高値を叩きだしたのがチベットの禅僧だそうです。そのとき彼が想像していたのは、「すごく報われない人がいて、それを助けている自分」なんですって。人間が気持ちよくなるエンターテインメントの究極が、人を助けることだっていうのは、夢がありますよね。人間は根源的に、群れ生物だと思うんです。そう考えると、群れをポジティブな方向に導く行動に、いちばん気持ちいい部分が埋め込まれていても不思議はないなと。僕と宇野さんに共通するものでいうと、アイドルオタクにはちょっとその感覚がある気がします。
    宇野 よっぴー(吉田さん)が昔言ってたよね。「うちの娘とアイドルではアイドルのほうが面白い」って(笑)。あれはけっこう本質を突いていると思っていて、自分の家族とか友人を大切にするというのはある意味当たり前のことで、すごく正しいんだけど面白くはない。自分とまったく関係ない人間の人生を応援するからこそ、そこに面白さが発生する。古い話になってしまうけど、2012年に小林よしのりさんたちと『AKB48白熱論争』(幻冬舎刊)という本を出して、その帯に「人はみな、誰かを推すために生きている」と書かれたのね。これは対談中に僕が口にした言葉なんだけど、キャッチコピー的に良いことを言おうとしたわけではなくて、もともと社会は誰かを推すことによって成り立ってきたと思っているの。例えば宗教的な権威であるこの人を推そうとかね。士族社会とか部族社会のようなものからステップアップするためには、推すことの快楽が不可欠なんだよ。だけど残念ながら最近は、その「推す」という回路が壊れかけている。インターネットの発達によって情報の供給が過剰になりすぎて、逆に自分のことしか考えられなくなっている人が多くなっている気がする。

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  • 加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage ☆ 第1回『デッドプール』『シング・ストリート 未来へのうた』【毎月第4木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.624 ☆

    2016-06-23 07:00  
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    加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage第1回『デッドプール』『シング・ストリート 未来へのうた』【毎月第4木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.23 vol.624
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    今朝のメルマガは、加藤るみさんの新連載『加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage』をお届けします。第1回で取り上げるのは、アメコミにハマり中のるみさんイチオシの『デッドプール』、ダブリンの若者たちの音楽に賭ける青春に胸が熱くなる『シング・ストリート 未来へのうた』です。
    ▼執筆者プロフィール
    加藤るみ(かとう・るみ)
    1995年3月9日生まれ。岐阜県出身。サンミュージックプロダクション所属のタレント。映画鑑賞をはじめ、釣り、世界遺産、料理、カメラ、アニメと多趣味を活かしてマルチに活躍中。インターネットラジオK'z Station『おしゃべりやってま~すRevolution』にレギュラー出演中。雑誌『つり情報』でコラムを連載中。7月9日には『マリンフェスタ2016』で一日艇長を務める。

    お久しぶりです、加藤るみです。
    今回、私のコラムでは初めて「アメコミ映画」をご紹介します♪
    私はここ最近「アメコミ映画」を頻繁にチェックするようになり、今猛勉強中なのです!
    ミニシアター系の映画の沼から、また新しい沼へと足を踏み入れてしまいました(笑)
    最初は、「マーベルとかDCって何ですか?」っていう感じだった私も、いろんな作品を観ていくにつれてだんだんアメコミ映画の奥の深さに興味が湧いてきて、
    今では、新作が発表される度に映画レビューアプリの「Filmarks」でクリップをつけるほどです(^-^)
    今回は、そんな私がみなさんにオススメしたい作品『デッドプール』について語りたいと思います。
    そしてもうひとつ!
    以前に紹介した『はじまりのうた』の監督の新作『シング・ストリート 未来へのうた』についても、前のめり気味にご紹介します!
    以上、2作品を濃厚にギュギュッとお届けします!

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  • 『サイレントマジョリティー』ーーポンコツ少女たちが演じきった硬派な世界観と、秋元康詞の巧みさ(藤川大祐×宇野常寛)【月刊カルチャー時評 毎月第4水曜配信】☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.623 ☆

    2016-06-22 07:00  
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    『サイレントマジョリティー』ーーポンコツ少女たちが演じきった硬派な世界観と、秋元康詞の巧みさ(藤川大祐×宇野常寛)【月刊カルチャー時評 毎月第4水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.22 vol.623
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    今朝のメルマガは、欅坂46のデビューシングル『サイレントマジョリティー』をめぐる藤川大祐さんと宇野常寛の対談をお届けします。YoutubeでMVの再生回数1000万回を超えた同曲と欅坂46のすごさはどこにあるのかを語りました。(初出:「サイゾー」2016年6月号(サイゾー))


    (出典)
    ▼作品紹介
    『サイレントマジョリティー』
    発売/4月6日 発売/ソニーレコーズ
    アイドルグループ・欅坂46のデビューシングル。グループは現在20人(+アンダーメンバー1人)。
    ▼対談者プロフィール
    藤川大祐 (ふじかわ・だいすけ)
    1965年生まれ。千葉大学教育学部教授。メディアリテラシー、ディベート等を含めた新しい授業づくりを研究している。編集長を務める『授業づくりネットワーク』では「AKB48の体験的学校論」というコーナーを設けている。
    ◎構成:増田 優
    『月刊カルチャー時評』過去の配信記事一覧はこちらのリンクから。
    藤川 最初に欅坂46(以下、欅坂)の文脈的な位置づけを簡単に整理しておくと、まずAKB48の公式ライバルとして2011年に乃木坂46(以下、乃木坂)が誕生して、その流れを汲む新しいプロジェクトとして15年に生まれたのが欅坂です。オーディションの結果発表が乃木坂と同じ8月21日で(乃木坂は11年8月21日)、『乃木坂ってどこ?』と同様に『欅って、書けない?』【1】という冠番組がテレビ東京系の深夜で始まり、オーディション発表の翌春にCDデビューをし──と、乃木坂の足跡を追うように進んできている。そしてグループとしての基本的なフォーマットも乃木坂のそれに従っている。だから欅坂の話をする前に、乃木坂の話をしておきましょう。
     48グループと46グループのコンセプトの最大の違いは、構造なのか個人なのか、というところだと思います。48グループは私から見ると、構造、つまり仕組みが面白いんですね。一人ひとりのメンバーの能力というよりは、仕組みの中で各自ががんばる姿を見せている。乃木坂も最初はそうだったんですが、一方で「乃木坂らしさ」というのがずっとキーワードとしてあった。生駒(里奈)さんのAKB兼任【2】が終わった15年夏のライブの課題がまさに「乃木坂らしさとは何か?」で、そのあたりから明らかに48グループとは違う路線を探し始めた。そこで出てきたのが、一人ひとりのメンバーがもともと持っているものを活かす方向だった。仕掛けて面白くするのではなく、個性を活かすために楽曲をつくったりファッションモデルをやったり、という方向に転換したわけです。それが言ってみれば乃木坂フォーマットで、これを欅坂は引き継いでいる。

    【1】『欅って、書けない?』放送/テレビ東京にて、15年10月~:MCに土田晃之・澤部佑(ハライチ)を迎え、欅坂メンバーがトークや企画に挑戦する冠番組。
    【2】生駒さんのAKB兼任:乃木坂の1期生でありセンターの生駒は、14年の「AKB48グループ大組閣祭り」以降AKB48チームBと兼任で活動していた。15年5月で終了。

    宇野 これを言うのは非常に勇気がいるけど、グループ単位で考えた時に、今乃木坂は女子アイドルの中で一番強いですよね。実質的な訴求力という点において、もちろん絶対量はAKBなんですけど、10周年を越えて今難しい時期にいるのに対して、乃木坂は量こそ劣るけれど勢いがすごい。1期生の中心メンバーは非常に脂が乗っていて、背後には逸材だらけの2期生が控えている。09~10年頃のAKBと同等か、それ以上の戦闘力があるんじゃないか。
     その理由のひとつが、程よい遠さだと思う。AKB以降のライブアイドルは基本的にファンとの近さと、エンゲージメントの巧みさを競うようになっていった。乃木坂はその中で、ユーザーとの距離を直接的に近づけてくれる握手会だけを残して、戦略的にメディアアイドルへの回帰を果たした。これだけライブアイドルがあふれている中で、真逆の打ち出し方をすることで非常に輝いて見えるようになった。しかもメディアといってもいわゆるテレビバラエティ的なものとも距離が離れていて、モデル的な、言ってしまうと“お嬢さん”的な距離感でやっている。その結果出てきたある種のコンサバ感もいい方向に作用していて、音楽や映像などの各種表現もコンセプチュアルにコントロールできていると思う。
     そしてその乃木坂の流れを受けた欅坂がどんな路線で出てくるのか、固唾を呑んで見守っていたら、デビュー曲「サイレントマジョリティー」で「こう来たか!」とかなり驚かされました。

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  • 粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』第7回「特別編:成長期のプロデューサーの「7割主義」仕事術――レシピブログプロデューサー・久永千恵インタビュー」【毎月第3火曜配信】☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.622 ☆

    2016-06-21 07:00  
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    粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』第7回「特別編:成長期のプロデューサーの「7割主義」仕事術――レシピブログプロデューサー・久永千恵インタビュー」【毎月第3火曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.21 vol.622
    http://wakusei2nd.com


    本日は、アイランド株式会社代表の粟飯原理咲さんによる連載『ライフスタイルメディアのつくりかた』の第7回をお届けします。今回はレシピブログ三代目編集長の久永千恵さんに登場していただき、黎明期のプロデューサーとはまた違う「成長期のプロデューサー」の役割とは何かを話していただきました。

    ▼プロフィール
    粟飯原理咲(あいはら・りさ)
    アイランド株式会社代表取締役。国立筑波大学卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社先端ビジネス開発センタ勤務、株式会社リクルート次世代事業開発室・事業統括マネジメント室勤務、総合情報サイト「All About」マーケティングプランナー職を経て、2003年7月より現職。同社にて「おとりよせネット」「レシピブログ」「朝時間.jp」などの人気サイトや、キッチン付きイベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」などを運営する。美味しいものに目がない食いしん坊&行くとついつい長居してしまう本屋好き。
    ◎構成:稲葉ほたて
    本メルマガで連載中の『ライフスタイルメディアのつくりかた』配信記事一覧はこちらのリンクから。
    前回:「場所への共感は時間を超えるーー「黎明期」以降のメディア運営」(粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』第6回)
    アイランド代表の粟飯原理咲です。今回は、再びインタビューの形式で送り届けてみたいと思います。
    今回お呼びしたのは、レシピブログの現プロデューサー・久永千恵さん。前回、この連載でインタビューした川杉弘恵さんが黎明期のプロデューサーなら、彼女はこの連載で前回書いた「黎明期以降」のサービス運営で大きな役割を果たした「成長期のプロデューサー」です。
    彼女のプロデューサー就任後、レシピブログのPV数は7倍に。このサービスの成長は、まさに久永千恵さんの仕事スタイルが大きかったように思います。今回はアイランドで「7割主義」なんて呼ばれることもある彼女の仕事のスタイルを聞くことで、成長期のプロデューサーの役割について考えてみたいと思います。
    粟飯原理咲(以下、粟飯原) 以前も、「7割主義」という形で、カフェグローブさんで千恵ちゃんのインタビューを掲載いただいたことがありましたね。
    (参考)仕事の完成度を上げるのは「7割主義」/レシピブログプロデューサー久永千恵さん
    久永千恵(以下、久永) そうでしたね(笑)。
    粟飯原 「7割主義」というのは、とにかく7割の力でどんどん多くの仕事を進めていくスタイルなんです。前回のインタビューでご紹介した、川杉ちゃんの言わば「12割主義」と、どちらとも本当にすごいことだなと思っています。「12割主義」も、「7割主義」も多くの人にはなかなか出来ないことなんです。
    個人的には、サイトが大きくなるにつれ、「7割主義」が威力を発してくるなあと。
    私なんかは、やはり“創業者”タイプというか、つい何かを決めるときに「この機能は残した方が……」なんて思ってしまいがちだし、基本的には何でもかんでもやりたくなってしまう(笑)。でも、千恵ちゃんは「やらない」という選択をするのが本当に上手なんだよね。そして、ものすごいスピードで、まさに「7割」の力で大量のトライアンドエラーを回していく。

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  • 渋谷ヒカリエで、イケダハヤト×石川涼×馬場正尊×宇野常寛×吉田尚記が東京再開発の未来を考えるトークショー開催!☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 号外 ☆

    2016-06-20 15:00  

    渋谷ヒカリエで、イケダハヤト×石川涼×馬場正尊×宇野常寛×吉田尚記が東京再開発の未来を考えるトークショー開催!
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.6.20 号外
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    【イベントのお知らせ】
    きたる7月1日(金)19時から渋谷ヒカリエにて、
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    今回は、東京の街にゆかりの深い、
    もしくは、むしろ地方に可能性を見出した、
    豪華ゲストを迎えることができました。

    1人目は、ゼロ年代のギャル男・お兄系ブームをリードしたファッションブ