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記事 21件
  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第18回 2018年の返還記念日デモで考えたこと

    2018-07-24 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 7月1日は、香港の主権がイギリスから中国に返還された記念すべき日でした。2003年と2014年の激動の返還記念日デモを振り返りながら、新しい熱気が生まれつつある2018年のデモの様子を報告します。(翻訳:伯川星矢)
     7月に入りました。今月、最も重要なのが返還記念日デモへの参加です。
     1997年7月1日、香港の主権がイギリスから中国に移りました。この日は、その後の香港の多くの変化を象徴することになります。以降の十数年間で、多くの香港人は民主、自由、法治などの普遍的な価値が、だんだんと衰退していくのを実感することになりました。  1997年以降、香港の団体「民間人権陣線」はその1年で最も注目を集めた議題を取り上げ、返還記念日デモを開催しています。  今年のテーマは「結束一黨專政,拒絕香港淪陷(一党独裁を終わらせよ、香港の陥落を拒否せよ)」です。わたしは去年と同じように、香港衆志の仲間たちや、民間の戦友たちと共にデモに参加しました。

     返還記念日デモの参加人数は、その年の社会の雰囲気を、かなりリアルに反映しています。市民の政治的な訴えや、香港の経済環境、社会政策にも深く関係しています。  過去に一番参加者が多かった年は、2003年と2014年になります。  2003年当時の香港は、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行し、多くの市民と医療関係者が命を落としました。世界の経済環境も悪く、失業率が高い状態でした。  さらに、当時の香港政府は基本法23条(※注1)の制定を進めようとしていました。これは民衆の反対の声を抑え込み、市民の基本人権と自由を侵害する条例です。普段あまり政治に関心がない人でさえ、政府が基本法23条を通して、国家転覆・分裂の罪をデモ参加者に押し付けるやり方に、強い不安と不満を感じることとなりました。さまざまな要素が集まったことで政府の支持率は急激に下がり、デモに参加する人数は、なんと約50万人にも達しました。  強い民意と穏健親中派の反対により、政府は基本法23条を撤回することになりました。
    ※注1:基本法は香港特別行政区内でのみ適用される法律。基本法23条は、国家の分裂や叛乱の扇動、政府の転覆を禁じる法律を、香港特別行政区自らが制定することを定めるほか、海外の政治組織の香港内での活動の禁止、海外の政治組織との接触を禁じる内容となっている。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第17回 重すぎる処罰を課す「公安条例」

    2018-06-20 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 2016年の旧正月、香港の旺角(モンコック)では無許可の屋台を撤去しようとする警察と市民の衝突が起こりました。衝突に参加した人々には、今月重すぎると言える判決が下され、運動家の間では衝撃と落胆が広がっています。(翻訳:伯川星矢)
    今月もまた様々なことが起きた一ヶ月でした。
    ▲6月10日が投票日だった区議員補欠選挙、候補者の李鳳琼氏と


    最近、香港の社会運動家にとって、もっとも衝撃的で、もっとも落胆した出来事がありました。以前、裁判で暴動罪成立の判決を受けたデモ参加者たちが、5月31日付で28から51ヶ月の禁固刑になったのです。2年前の旧正月、警察が突然旺角(モンコック)の路上で食べ物を売っている屋台の取り締まりを始め、周りの市民が警察を阻止しようとしたが、最終的に衝突事件となってしまいました。香港でも珍しいことですが、警察と市民がレンガを投げ合い、さらには警察が空に向けて威嚇射撃をする事態となりました。最終的に、警察は翌日の早朝に屋台の強制退去を完了し、警察と対抗した人々は暴動罪で逮捕されました。そのうちの9人が先日禁固刑となり、1人が更正施設の入所となりました。
    実刑判決の受けた10人のうち、一番若い19歳の莫嘉濤(モック・カートウ)は、実刑51ヶ月という一番重い処罰を受けることとなりました。若者の一番輝かしい青春が、ここで奪われてしまいました。彼らが暴力を振ったのは事実だ、法を犯したのだ、それに見合った判決を受けるのは当然ではないか、と思う人もいるかもしれません。そう結論づける前に、他国と香港の暴動罪の定義と処罰を比べてみましょう。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第16回 スタンフォード大学での講演

    2018-05-29 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 今回は初めて訪れたアメリカで、スタンフォード大学でのイベントに参加しました。官僚との貴重な討論の機会となった本イベントでは、香港に関わる人同士の異なる意見がぶつかり合う場にもなりました。(翻訳:伯川星矢)
    執筆の二週間前に、わたしはアメリカのスタンフォード大学の招待を受けるという幸運に恵まれ、民主主義論の第一人者である政治学者のラリー・ダイアモンド氏、そしてサンフランシスコ在住の香港経済貿易所所長と香港の政治情勢について話し合いました。わたしはアメリカに行くのは初めてで、正直なところ、渡航前はアメリカンサイズの食べ物くらいしかアメリカについてのイメージがありませんでした(笑)。

    十数時間の飛行機に乗ってアメリカに到着すると(成田乗り換えだったので日本のお土産も買いました)、二人のスタンフォード大学の学生が迎えに来てくれました。二人ともスタンフォード大学香港学生の会(Hong Kong Student Association, HKSA)のメンバーです。アメリカの多くの大学では、香港人を主な構成員としたHKSAが組織されています。アメリカで香港人学生同士で知り合う場としての機能はもちろん、彼らはお茶会や、香港のポップスを歌うカラオケなど、香港文化のプロモーションも行っています。今回の香港政治に関するイベントも、スタンフォード大学HKSAの「広東語週」のイベントの一つです。

    わたしが一番驚いたのは、スタンフォード大学のHKSA会長は中華系の方ではなく、アメリカで生まれ育ったペルー人だったということです(一部香港の血が入っているそうです)。スタンフォード大学HKSAは他の大学とは異なり、 香港出身の留学生メンバーは多くありませんでした。会長ほど多文化を背景に持っている例は珍しいのですが、ほとんどの会員が中国系アメリカ人(American-born Chinese, ABC)で、あまり広東語を話せません。それでも、彼らは香港文化を愛し、香港で起こっている出来事にも非常に関心を持っています。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第15回 香港の未来のため、岐路に立つ民主派

    2018-04-03 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。3月11日の補欠選挙出馬無効を言い渡された周庭さんでしたが、急遽民主派の代表として立候補した区諾軒(アウ・ノックヒン)氏の応援活動をすることになりました。同氏の当選、楽観視できない香港の政治状況について、選挙戦を振り返りながら解説します。(翻訳:伯川星矢)
    数日前に立法会の補欠選挙が終了しました。4つの議席のうち、民主派が勝ち取ることができたのはわずか2席でした。「悪くない結果ではないか」と思われる方もいるかもしれません。そこで、今回の補欠選挙の背景について改めてご説明したいと思います。
    1年前、民主派議員6人が全人代の基本法解釈と政府の司法審査により、議員資格剥奪となりました。今回の選挙は、このうちの4つの空席を埋めるために行われました。つまり、これらの議席は本来民主派が2年前の立法会選挙で勝ち取っていたはずのものだったのです。政権が市民の選択を無視して強引な資格剥奪が行ったりしなければ、この6人の議員は今も議事堂の中で政府を観察し、政策の審議に携わっているはずでした。

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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第14回 認められなかった立候補

    2018-02-22 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。3月11日の補欠選挙への出馬を表明していた周庭さんでしたが、その立候補は認められませんでした。政見の審査による出馬無効、香港人が立たされている困難について、周庭さんが語ります。
    今年の3月11日、立法会の補欠選挙が行われます。本来だったら、この時期に様々な選挙活動や、公開討論、ディベートなどでわたしの予定はいっぱいになるはずでした。しかし、政権の不条理、反対意見を持つ者への心の狭さのために、わたしは立候補することができませんでした。

    立候補申込書提出後の1月27日の午前、わたしは政府選挙主任から「立候補申請を認められない」という旨のメール連絡を受けました。つまり、わたしは選挙に出ることができないということです。選挙主任はメールのなかで拒否理由を十数行述べていました。そこにはわたしの所属する政治関連組織が香港衆志であることが理由として挙げられていました。香港衆志は「民主自決」を志す政党であり、「香港独立」に関しては住民投票によって民意を問うべきだと主張をしています。そのため、わたしが「心から基本法(第一条『香港特別行政区は中華人民共和国の不可分の部分である』)を遵守するとは思えない」ことを理由に、立候補を認めることができないということでした。その後、更に香港独立を主張したことある2人の立候補者が出馬不可となりました。

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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第13回 わたしが補欠選立候補を決意するまで

    2018-01-24 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。3月11日の補欠選挙への出馬を正式に表明した周庭さん。その決意をするまでには様々な葛藤がありました。(翻訳:伯川星矢)
    2018年になりました。まずは新年のご挨拶をさせていただきます。みなさん、あけましておめでとうございます。昨年の12月、わたしは今年の3月11日に行われる立法会選挙香港島区への出馬を「前向きに検討する」と発表しました。そのときから、わたしとわたしのチームは休む間もなく様々な準備活動や宣伝活動、公約の準備などを進めてきました。この原稿を書き始めた今日はすでに1月10日、あと3日で選挙出馬を発表し、正式に選挙戦へ突入することになります。
    今思い返してみると、「選挙出馬」はわたしにとって手が届くはずのないものでした。正直なところ、わたしは自分が選挙に出ることはあまり考えたことはなかったのです。これまでネイサン・ロー立法会議員事務所の政策研究補佐として働いていましたが、まさか自分が議事堂に立ち、議会戦争の最前線に立つと思いませんでした。去年の8月のわたしの戦友の収監をきっかけに、この考えは変わることになりました。
    わたしは考えました。今この険しい政治情勢の中、わたしは自分たちの政党のために何ができるのか。わたしは香港の民主活動に何ができるのか。どうしたら刑務所にいる戦友たちの負担を減らせるのだろうか。そこで心の奥底から湧き上がった選択肢は「選挙に出る」ことでした。ネイサン・ローを含む6人の民主派議員が議員資格剥奪となり、補欠選挙が目前でした。わたしの戦友で2人が禁固刑になり、被選挙権が5年間剥奪となりました(編注:香港では条例により、3ヶ月以上の実刑判決を受けた場合はその後5年間議員選挙に立候補できない)。戦友たちとこれまでやってきたことを発展させるため、これまで民主派が目指してきた議会方式を継続させるためにも、わたしはこれまでした中で一番の覚悟を持って、一番大きな決断を下さなければなりませんでした。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第12回 3月11日の補欠選挙へ向けて/ストラスブールでの国際フォーラム

    2017-12-12 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。先日、来年3月の補欠選挙への立候補を前向きに検討していると表明した周庭さんが、その心境を語りながら、先月のストラスブールでの国際フォーラムを振り返り、国際的なつながりを深める意義について考えます。(翻訳:伯川星矢) 
    3月11日の補欠選挙へ向けて
    12月4日の夜、わたしはFacebookで来年行われる香港島区の立法会補欠選挙への立候補を前向きに検討することを発表しました。この補欠選挙は、香港政府による民主派議員の議員資格剥奪に端を発するものです。わたしが立候補しようとしている選挙区は、先日香港衆志の主席ネイサン・ローが解任された議席です。
    今回の選挙戦は候補者同士の争いではなく、陣営・政治理念の争いになるでしょう。議員は資格剥奪で解任される事態が起こり、意を唱える人は監獄へ送られ、立法会はもはや全人代のものになりつつあるこの険しい時代です。そこでも、香港人は選択をしなければなりません。政府を監督できる議会を求めるのか、それとも非民主かつ高圧的な政府が統治する社会を求めるのか。全身全霊で市民の権利を守る議員を選ぶのか、それとも中国の利益を優先するあやつり人形を選ぶのか。
    選挙は来年の3月11日。これからは厳しい戦いとなりますが、命を賭けてこの戦いに挑みます。
    フランス・ストラスブールでの国際フォーラム
    先月、わたしはフランスのストラスブールに向かいました。
     
    今年のWorld Forum for Democracyに招待していただく幸運に恵まれ、世界各地の社会運動組織や政党の代表、メディア関係者たちと、民主主義・政党運営・メディア運営などの意見交換を行うことになったのです。香港からストラスブールの宿泊先のホテルへ行くためには、まず飛行機でパリへ行き、それから電車に乗って、さらにトラム乗り換える必要がありました。ところが、トラムを降りてからSIMカードが不調でWiFiが見つからず、Google Mapを使うことができなくて、道に迷ってしまいました。ホテルは駅から5分ほどの距離だったはずなのですが、最初に降りた駅からずいぶん離れてしまい、一つ先の駅まで歩いてしまいました。どうしようもなく、周りの人たちに聞くことにしました。

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  • ジョシュア・ウォン×周庭「香港返還20周年・民主のゆくえ」質疑応答編(御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記)【毎月第3水曜配信】

    2017-11-15 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。今回は2017年6月14日に東京大学駒場キャンパスで行われた講演「香港返還20周年・民主のゆくえ」の質疑応答編をお送りします。会場からの質問に答えながら、香港人としての民主を目指す思いを語ります。(構成・翻訳:伯川星矢) ※文中の役職は、講演当時のものです。 ※この記事の前編はこちら・後編はこちら
    政党を作るという決断、正しいことをしていると信じて
    倉田 大変興味を持ったことがありますので、私からいくつか質問をしたいと思います。学生運動は学生が卒業すると終わってしまうから、それを永続的にするために政党を作るという選択をしたというお話がありました。ただ、まだジョシュアくんも周庭さんも、現役の学生であり、立法会議員のネイサン・ローさんも学生です。私たち日本人から見て現役の学生が政党を作るというのはなかなか想像ができないことです。お金もかかるし、ものすごいマンパワーも必要なり、勉強の時間も犠牲にしなければならない。実際ネイサンも留年をしているようですね(笑)。また、学民思潮のようなインターネット上で広がった組織を、実体のある組織にしていくというのも大変な努力が必要だと思います。そのなかでなぜ政党を作るという選択肢にいたったのかお聞きしたいです。 なぜ、香港に他にある既存の政党に入るという選択にならなかったのか。また、日本で若者が活躍していたSEALDsは政党を作るよりもすでにある政党と協力することを選びましたが、お二人はなぜ今ある政党と協力するのではなく、自分たちの政党を作るという方向性に行ったのでしょうか。その選択の理由を教えてください。
    周庭 どうして既存の政党に加入しなかったかというと、わたしたちの代表となるべき政党がなかったからです。公民的なことを目指す政党はあっても「民族自決」を主張する政党はありません。私とジョシュアが学民思潮に所属していたときに解散を検討したこともありました。でも、政治活動を続けたい人も多くいました。学連もありますが、首席を務められるのは一年だけです。だから、自分たちの政党か必要でした。倉田 雨傘運動のあとに民主派という伝統的な集団に加えて、自決派、本土派と呼ばれるような様々なグループが出てきて、複雑な状況になっていますね。それぞれのグループ・主張の間にどのような違いがありますか。周庭 民主派、自決派、本土派の違いには日本の政治環境とは異なる難しさがあると思います。まず、保守的民主派は親北京派と深い関係にあるがゆえに「一国二制度を守る」と主張しています。わたしたちの目指す「自決」とは香港市民が自ら未来を決めるということを意味しています。住民投票という方法を使って自分たちの未来を決められる状態が、民主自決です。香港にはその権利がありません。中国政府がそれを望んでいないからです。中国政府は一国二制度を主張する一方、同時にその破壊を進めています。
     本土派は「中国」と「香港」は違う個体だと主張していて、中国大陸から来る人々に対しても厳しい態度を取っています。わたしたちは香港に来た人は歓迎しますから、その辺りの考え方が違います。実は本土派はまとまっていなくて、去年も内部分裂していました。本土派で一番有名なのは青年新政です。議席を取り消された議員が2名所属しているのは、この青年新政です。まさか何万票もの得票で選出された議員がこういうふうになるとは……。こんな不公平なこと、日本では想像ができないと思います。倉田 これからのDemosistoには大きく3つの路線があるということでした。議会での活動、国際社会とのつながり、あとは街頭での抗議活動。このなかでも街頭での抗議活動を当初から重要視されていましたが、それには恐らく社会の人々を駆りだすような状況が必要だと思います。政府の対応に左右される面もありますね。例えば雨傘運動に関して言えば、2014年9月28日に政府が催涙弾を撃つ対応を行い、これは結果的に非常に多くの人がこの運動に参加するきっかけとなりました。つまり、今の梁振英行政長官がタカ派であるということが影響していると思います。  もうすぐ7月1日が来て、行政長官がキャリー・ラムになります。現状支持率も上がっているように見え、そうなると今度からは街頭にたくさんの人を動員するのは難しいのではないかとも思えます。それでも香港での抗議活動は続くと思いますか?
    周庭 まもなく7月1日になり、非民主的な制度で選出された新しい行政長官が生まれますが、新旧の行政長官ともに中国にコントロールされている人ですから、わたしたちにとって大した違いはありません。キャリー・ラムはソフトな路線でいこうとしていますが、政策などはやはり中国共産党の態度次第になると思います。今度習近平が来訪するので、そのときのスピーチから彼の態度と意向も推測できると思います。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第11回 議員資格剥奪・収監・反権威主義運動【毎月第3水曜配信】

    2017-10-18 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港では民主派議員の議員資格が剥奪され、著名な若手活動家たちに禁固刑が言い渡されるなど、大きな変化が起こっています。民主を目指し活動する周庭さんが、改めて香港の未来について考えます。(翻訳:伯川星矢)
     わたしが書いた文章を掲載するのはとても久しぶりとなってしまいました。前回はブラック・バウヒニア行動と返還記念日デモのお話をしました。7月1日の返還記念日から今日までの間で、香港の政治情勢はまた大きく変わってしまいました(恐らく日本でも同じですが)。今回は、この変化についてお話をしたいと思います。
    民主派議員の議員資格剥奪
     まず7月14日、香港の最高裁判所は香港衆志のネイサン・ローを含む4人の民主派議員の議員資格剥奪の判決を下しました。この件についてあまり詳しくない読者もいるかもしれませんので、簡単に説明したいと思います。昨年の10月、香港の律政司は「香港独立」を主張する二人の立法会議員が就任する際の宣誓内容に不備があると称し、議員資格の有効性について司法審査を要請しました。11月、全人代は基本法の内容に対して解釈権を行使しました(実際は解釈のみではなく新たな制限を設けており、実質的には改正でした)。12月、香港政府はさらに4人の民主派議員の議員資格の有効性について司法審査を要請しました。その結果、現在合計6人の民主派議員の資格が剥奪となりました。
    ▲雨傘運動3年集会の様子■PLANETSチャンネルの月額会員になると…
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  • ジョシュア・ウォン×周庭「香港返還20周年・民主のゆくえ」後編(御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記)【毎月第3水曜配信】

    2017-09-20 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。今回は2017年6月14日に東京大学駒場キャンパスで行われた講演「香港返還20周年・民主のゆくえ」の内容をお届けします。香港で民主活動をしているジョシュア・ウォンさんと周庭さんが、雨傘運動後の活動について語りました。(構成・翻訳:伯川星矢)
    ※文中の役職は、講演当時のものです。
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    雨傘運動を終えての失望と、民主活動の危険性
    ジョシュア ここからは雨傘運動が終わった後のお話をしたいと思います。雨傘が終わったあと、香港人の間には失望感がありました。民主を実現するのは非常に難しいことなのではないか、という疑問も出始めていました。  ご存知の方も多いかとは思いますが、中国政府を批判する本を販売したとして銅鑼湾書店の店主さんや関係者の方たちが、昨年相次いで中国中央政府に拉致・拘束されるという事件が起きました。そして今年の1月末頃に、親中派であるビジネスマンが中央政府の内部闘争に巻き込まれ、香港のホテルで拉致されるという事件も起きました。  かつての香港は最低限の安全が保たれていると思われていましたが、これらの一連の出来事によって、香港は安全ではないのだと思い知らされました。去年までだったら、香港にいればとりあえずは安全だと僕自身も思っていましたし、中国側に立っている人物だったらなおさら問題ないと言えたはずなのですが、親中派のビジネスマンまでもが拉致されたことにより、その考えは誤りなのだと痛感しました。移民をしたり、もしくは外国籍を持って香港に住んでいるのならば、大丈夫だと思っている香港人も多くいたことでしょう。しかし、実際に拉致されたのは、イギリスやスウェーデンなどの外国籍を持っている人たちでした。香港は安全だという考えは間違いかもしれない、そう思いながら活動をしなければならない。これは、活動を行う上で、かつてと今との大きな違いです。  皆さん、想像してみて下さい。香港の繁華街にある、とても豪華なホテル。そこで突然人がいなくなり、拉致される。そして香港政府の目から逃れて、国境線を潜り抜け、中国大陸へと連れていかれる。そういったことが今、香港で起きているのです。一連の事件では、一国二制度がありながら、中国の中央政府関係者が香港で中国の法律を執行したということになります。このような大事件がありながらも、果たして一国二制度は機能していると言えるのでしょうか? 香港ではもはや、最低限の安全すら守られていないというのが現状です。  さらに民主制度に基づく選挙で選出された議員が資格を剥奪されるという事態も起こっています。香港では、立法会(日本の国会にあたる)の議員が就任する際には「香港は中国の一部」と定めた香港の基本法(日本の憲法にあたる)を遵守するという定型の宣誓文を読むことになっています。しかし、 基本法の解釈権を持つ中国の全人代は、故意に法定通りでない宣言をしたとして、反中派の議員たちの宣誓無効を言い渡しました。  中国と香港の政治制度は異なり、香港は三権分立がある法治社会です。それにもかかわらず、中央政府が「気に入らないから」というだけで、香港の法律を「解釈」してその議員を追放してしまいました。こんなにもあっさりと議員資格が剥奪になるのかと驚くほどです。選挙で3万から5万得票を得て、民選議員になった人であっても、行政長官と中央政府に気に入られなければ議員資格剥奪となるということになります。今の行政長官が当選したときの票数はわずか689票です(編注:香港の行政長官選挙では約1200人の選挙委員のみが選挙権を持つ/参考:「香港返還20周年・民主のゆくえ」前編)。そんな行政長官が、民衆から数万票を獲得した民選議員よりもはるかに大きい権力を持っているのです。  今のところ、香港独立を主張する2人の民選議員が立法会から追放されました。そして今、民主派で公民的不服従を主張する議員4人が議員資格をめぐる裁判にかけられています。その中のひとりが、香港衆志の主席でもある、ネイサン・ローです。今はまだ議員ですが、突然来週裁判の結果が出て、議員ではなくなるということもあり得ますし、ここにいる私たちふたりも議員のアシスタントとしての職を失うことにもなります。その上、政府との裁判なので、もしここで負けたら約200万香港ドル、日本円で言うと約2500~3000万円もの裁判費用を支払いしなければならなくなります。(編注:講演後の7月14日、ネイサン・ロー氏ら4人の議員資格を剥奪するという決定が下された。その後、ネイサン・ロー氏、ジョシュア・ウォン氏ら雨傘運動のリーダーは、違法な集会への参加や扇動をしたとして実刑判決を受けた) 
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