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記事 14件
  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第15回 日本の書籍はどこへいったのか?世界3番目のブックフェアにて(前編)

    2018-12-06 07:00  
    540pt

    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。アラブ首長国連邦で行われるシャルジャ・ブックフェアは、約200万人が訪れる、世界第三位の規模を誇るブックフェアです。今回は日本がホスト国として招かれましたが、日本の出版文化を広く知らしめるような展示は難しかったようです。
    大規模書籍見本市、シャルジャ・ブックフェアとは?
    皆様は「ブックフェア」というイベントをご存知でしょうか? 出版物の催事セールや展示会のことで、本や書籍の見本市と言えるイベントです。主に出版関係者のためのイベントではありますが、本のバーゲンセールも行われるため、一般の方々が本を買いに来るイベントでもあります。 この本の見本市で、世界最大の規模と言われているのがドイツのフランクフルト・ブックフェアになります。こちらのイベントは5日間、7500社近く展示と28万人の来場者数を誇るイベントになります。それに対して中東において有名なのが、エジプトのカイロ・ブックフェアと、アラブ首長国連邦で行われるシャルジャ・ブックフェアになります。シャルジャという国には馴染みがないかもしれませんが、シャルジャ(シャールジャ)首長国はドバイの北にあるアラブ首長国連邦を構成する首長国の一つで、ドバイのベットタウンとして有名な街です。シャルジャのトップであるスルタン3世首長は学術、文化関連へ注力しており、スルタン3世自身もシャルジャの大学の学長を兼ねているなど、力の入れようを感じられます。
    ▲ドバイの北にあるシャルジャ首長国。東京をドバイとするならシャルジャは埼玉のようなポジション
    ▲ブックフェア初日にご来場されたシャルジャ首長のスルタン3世
    さてこのシャルジャ国際ブックフェアですが、その規模はかなり大きく、近年カイロ・ブックフェアが行われていないこともあり、世界第3位、中東最大規模のブックフェアと呼ぶに相応しい規模になっています。イベントは11月上旬の11日間で、世界77カ国から出版社は1874社、来場者数は238万人と大変大きな規模になっております。この238万人という数字は、入場無料、期間の長さ、再入場カウント、周辺首長国から小学校から高校生までを動員しているといった背景から、これだけの数になっていると考えられます。 現在、このシャルジャに続いて他の首長国、アブダビやアルアインなどもブックフェアを行なっていますが、1982年から継続してブックフェアを行なっているシャルジャには、まだまだ規模と認知度は及ばないのが現状です。
    ▲多くの人が訪れるシャルジャ国際ブックフェアの様子
    名誉招待国、日本がホスト国に任命された2018年
    日本と距離が離れていることや、英語ではなくアラビア語というある種特殊な言語圏で、日本の書籍はほとんど翻訳されていないといった様々な要因があるためか、このシャルジャ国際ブックフェアは残念ながら日本ではほとんど認知されていません。さらに前述のフランクフルト・ブックフェアと時期が被ることから、参加を敬遠されてきたという事情もあります。世界において出版大国の一つである日本ですが、これまではほとんど参加できていなかったのが実情でした。 しかし今年は少々様相が変わり、日本も無関係ではなくなりました。2018年は日本が名誉招待国として招待されることになったからです。去年の名誉招待国は大英帝国イギリスでした。招待されたイギリスは広告会社ブリテッシュ・カウンシルと連携し、多くのイベントを行いました。招待された人々も、英国版ヴォーグ誌前編集長のアレクサンドラ・シュールマン氏、英王室伝記作家のクラウディア・ジョセフ氏、英国人ジャーナリストのサーフラズ・マンズール氏、作家のニール・ムカージー氏、ロンドンブックフェア総責任者のジャック・トーマス氏など、現地や周辺諸国において高名な方々が出席しました。ホスト国であるイギリスはアラブ湾岸諸国に数百万人規模のインド人が住んでいることを把握しており、その層を狙ったイギリス系インド人の作家を招聘したところが見事でした。 さて、今回の日本ですが、シャルジャ政府側が日本を選んだ理由としては、文化や社会の進歩に重要な書籍を展開し、世界的に文化的成果をもたらしている点を評価したためです。中東地域においても三島由紀夫、村上春樹、カズオ・イシグロなどの著名な日本人小説家の作品がアラビア語訳されており、文化分野の育成につながっているというコメントがなされています。 ですが、いざ開催されたシャルジャ国際ブックフェア、不思議なことに今年のオープニングセレモニーで名誉招待国である日本について言及されることはほとんどありませんでした。また日本の総領事の講演や登壇もありませんでした。
    ▲オープニングセレモニー会場、名誉招待国の日本について高官からコメント無し
    これは不思議なことです。今までテーマ国に選ばれた国がこのような対応を受けることはありませんでした。これはなぜでしょうか。その原因を知るためには、この200万人以上が来るイベントで、在ドバイの日本領事館がどのようなパビリオンを展開したのか、という点がそれを解く鍵になるかと思います。
    日本の書籍はどこへいった?日本の文学は鯉とケーキと乳酸菌飲料?
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第14回 日本のホンモノはどこにあるのか?――深刻化する版権無視商品と日本の正規品の所在

    2018-10-09 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回は、中東で広がる“偽”日本産商品についてです。日本で人気のチーズケーキは、中東にも進出していますが、そっくりな商品が現地企業で作られていたり、日本のオタクグッズの非正規コピー品が大量に流通していたり……。その背景には、日本のライセンス権利者の動きの悪さもあるようです。
    「プルプルのチーズケーキ」戦争
     日本のスイーツは世界のどこでも人気、それは中東の方々が相手でも例外ではありません。  夏休みや秋休みの時期に来日したアラブ人は日本で食べられる甘味の数々を堪能しており、中東の有名人たちが拡散することでその商品は益々有名になります。この中東で有名になった日本製の甘味の数々を、ぜひ自分たちの国でも食べたい、展開したいという声が多くあります。  その声にしっかり答えている日本企業も存在しており、例えば鳥取の寿スピリッツという会社のブランドでアラブ首長国連邦で10店舗近く展開している「YAMANOTE ATELIER」という日本式のパン屋さんは、かの有名なドバイモールの中に店舗を持ち、アラブ人だけでなく世界中の観光客に広く受け入れられています。商品のレベルも高く、今後王道の日本式のパン屋として益々の展開が期待されるブランドです。
    ▲YAMANOTE店舗の写真 多くの女性が日本式パンと共にカフェを楽しんでいる
     このように日本式のパンや甘味も徐々に進出している中で、最近特に目立つものに「プルプルのチーズケーキ」があります。日本でも人気のチーズケーキの「りくろーおじさんのチーズケーキ」「てつおじさんのチーズケーキ」などのブランドをご存知の方もいるのではないでしょうか?  これらのケーキのブランドは今世界中でも大人気で、もちろんアラブ地域においてもその人気は例外ではありません。アラブ人の観光客の人たちが、「りくろーおじさんのチーズケーキ」は大阪周辺だけで売られていることを知らずに東京に来て、『都内のどこに「りくろーおじさん」のお店はあるのか?』という問いかけを過去に私も何度かされたことがあります。  実際に海外進出の引き合いがあるこれらチーズケーキの中で、「てつおじさんのチーズケーキ」は「UNCLE・TETSU」の名前で、サウジアラビア、クウェート、オマーン、カタール、バーレーン、UAE(アラブ首長国連邦)など幅広く展開しています。
    *ポイントなのは通常のチーズケーキや濃厚なチーズケーキではなく「プルプル」であるということですので、この後「プルプル」という言葉が多用されることご容赦ください。
    ▲サウジアラビアのダンマームにあるショッピングモール内の「てつおじさんのチーズケーキ」店舗
    ▲湾岸アラブ諸国で展開する「てつおじさんのチーズケーキ」
    ▲チーズケーキの現地価格は通常版は約900円、チョコレート入り960円
     私もサウジアラビアの店舗を訪問し食べたことがありますが、味は日本で食べたものとは変わらず美味しくいただけました。ですが、全ての企業が進出しているわけではなく、その穴埋めは現地ブランドにより補填されていると言えます。
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第13回 中東とゲームの関係、中東に本当に廃課金ユーザーは多いのか?

    2018-09-11 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。中東でもゲームは大人気の娯楽。スマホのアプリゲームに多くの人がお金と時間を投じているほか、90年代の日本の名作RPGを強く意識した国産ゲームも開発されているようです。知られざる中東のゲームカルチャーについてレポートします。
    今年の日本の夏も大変暑いですが、中東の夏も40度を超え、場所によっては60度を超える場所もあります。湿度がそこまでないので不快感はないですが、海側の沿岸部に行くと湿気があるのでなかなかきついです。 そして夏の時期は現地の人は外に出ることなく、家でテレビをみるか、ビデオゲームで遊ぶか、インスタグラムやスナップチャット、SNS、そして携帯電話でプレイをするアプリゲームを楽しんで時間を潰したりします。娯楽が今まで少なかった中東では携帯電話による手軽な娯楽が生活の中に溶け込んでいきました。
    ▲中東のゲームショップの様子
    2015年のデータになりますが、約750人の日頃アプリゲームを楽しむサウジアラビア人に調査したデータによると(出典:©Amir・Bozorgzadeh許可取得済み)サウジアラビアで1日に1時間以上アプリゲームを行う層は全体の53%で、さらに1日5時間以上ゲームをする、と答えた層は全体の12%を占めています。
    ▲サウジアラビア人ゲーマーの1日当たりのアプリゲームプレイ時間
    日本でもよく言われますが、ゲームにおいて課金という要素はとても大きなものです。廃課金という言葉がありますが、アラブの課金ユーザーはどのくらい課金しているのでしょうか?
    ▲サウジアラビアゲーマー1ヶ月当たりの課金額データ(1SAR=30JPY)
    グラフ上の「SAR」はサウジアラビアリヤルの略で1SARは日本円で約30円になります。 月々の課金が1500円〜3000円が約61%、3000円〜1万5000円が26%、1万5000円〜3万円が9%、3万円以上が4%となります。 サウジアラビア人もかなりの時間とかなりの額をアプリゲームに費やしていることがわかります。
    ▲サウジアラビアでダウンロードされるジャンル別アプリゲーム
    また人気ジャンル別のダウンロード数では戦略ゲーム、アドベンチャーゲーム、アクションゲームが人気となっています。中東の各国では今までアメリカで作られたアドベンチャー、パズルなどのゲームをそのままプレイし、課金を行なっていました。また人気のタイトルはアラビア語に翻訳されてプレイできるものもあります。このように手軽な娯楽として機能しているアプリゲームですが、そこに目をつけて、近年では中東ユーザー向けの中東オリジナルの作品を作り、自国のゲームで課金ユーザーを囲い込もうとする国産化の動きが出てきました。
    ▲西洋によるアラブ人向けのアプリゲーム例「ARAB EMPIRE」
    UAE産ゲームの草分けの存在、「AFTERWORK GAMES」
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  • 鷹鳥屋明 「中東で一番有名な日本人」 第11回 中東で日本食はどれだけ通用するのだろうか?

    2018-06-26 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回はドバイで開かれている巨大飲食展示会ガルフードから、ユニークな飲食品の数々を紹介。特産のラクダのミルクを使った乳製品や、ハラール認証付きのノンアルコールビール。そして、日本ブースの和茶や和牛の、現地の人々の評判は……?
    中東の大型食品展示イベント、ガルフードとは
    アラブ首長国連邦はドバイで毎年行われている飲食関係の大型展示会で「ガルフード」というイベントがあります。この「ガルフード」は年々その規模も拡大し、世界有数の食品展示会となっており、今年の参加人数は約10万人近くいます。このイベントは中東だけではなくヨーロッパ、アメリカだけではなく東南アジア、中央アジアなど多くの地域の政府、企業が出展を行い自国製品、自社製品の売り込みに努力を行っています。
    このイベントは入場料がかなり高めの金額であり(4日全日で入場料は約2万円)展示会に出展する側の金額もDWTC(ドバイ・ワールド・トレードセンター)の坪単価あたりも高めとなっております。それでも年々の展示会の参加数も増え、同時に集客数も増えています。この「ガルフード」では現地に展開している大型のスーパーのバイヤーだけではなく、王宮や大手レストランのバイヤーたち、さらには海外のバイヤーたちも多く参加をしておりそこへの売り込みに余念がありません。今回の記事はこの大型の展示会イベントの様子を知ってもらうため写真資料を多めに紹介したいと思います。
    ▲ガルフード会場入り口の広告 ▲アメリカ、ドイツ、ブルガリア、、、世界各地の人々が続々と参加
    どんな展示が多いのか、人気なのか
    展示品は穀物、乳製品、飲料、デザート、食肉、調味料、スパイスなど多くのブースがあり各国の特産品がしのぎを削っています。特に中東で需要の高い乳製品やデザート系の展示が目立ちます。
    例えば乳製品では牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなどの多くの商品が展示をされており、これらの商品についてはヨーロッパ特にフランスなどが元々のブランド力があるだけではなく新商品を次々と開発して投入しております。それに負けないように新興国も品質を高め、良い値段で売り込もうと特にトルコや、エジプトなどの国々が売り込もうとする勢いを感じました。スパイスのブースではインドやパキスタン、バングラディシュの会社がスパイスの売り込みに熱心で現地スーパーのバイヤーたちとの会話に余念がありません。
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  • 鷹鳥屋明『中東で一番有名な日本人』第10回 王立!!湾岸アラブ高校〜断行後の日々〜(続編)

    2018-05-02 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』、今回は以前の配信で好評だった「王立湾岸アラブ高校」の続編です。カタールへの国交断絶から10ヶ月、湾岸アラブ諸国との関係は緊張を増すばかりです。鷹鳥屋さんが、湾岸アラブ諸国を高校に例えて、中東の情勢をわかりやすく、ユーモアたっぷりに解説します! 
    以前の配信(第二回)で湾岸アラブの状況をわかりやすく説明するためにアラブ諸国を高校に例え、さっぱり分りやすくした解説が好評でしたが、また最近色々な動きがありましたので前回と同じようにさっぱりと単純化したストーリーで湾岸アラブの近況をお届けできればと思います。
    たとえ話で言うならば、、、(前回の復習)
    とある王立湾岸アラブ高校にサウジアラビアとカタールとバーレーンとUAE(アラブ首長国連邦)がいました。彼らは同じ学校のメンバーとして仲良くしていましたが、最近カタールが他校のイランやムスリム同胞団などとこっそりと、時には堂々と遊んでいる姿が目についているのをほかのメンバーは許せませんでした。それに対してUAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアは

    サウジ・UAE「お前とは絶交だわ(国交断絶)。もう同じ飯も食べねえし(貿易停止)、家に遊びに行かねえ!(領空飛行禁止)」

    と強気に出ました。簡単に言いますと、カタールに対する兵糧攻めを行いました。それに対して近くにあった他校の、しかも湾岸アラブ高校のライバルであるイランやトルコが

    イラン・トルコ「おいおい、カタールかわいそうだな、まかせろ! 俺たちが飯食わせてやるぜ!(生鮮食品、乳製品などの緊急輸入)」

    と支援を申し出たことでカタールの台所事情が落ち着き

    カタール「俺周りの友人にハブられても、湾岸でひとりツッパリますけん!」

    とカタールは心に誓うようになった、という状況が前回までになります。
    断交後の王立湾岸アラブ高校
    断交からおよそ10ヶ月以上が過ぎましたが、それまでの間の湾岸アラブ高校の状況はと言いますと

    カタール「どんな状況でも国内はまとまるぜ! カタールはひとおおおつ!!」カタール舎弟「いえええい! 親分ばんざーーーーーーい!!」

    断交による様々な弊害を受けた後でもカタールは内部崩壊することなく、タミーム首長の元、国家運営はしっかりと行われていました。
    しかし断交の影響はなんだかんだ言って生活に影響が出ています。カタールが元々弱かった産業分野、例えば一例をあげますと乳製品についてはその多くを今までサウジアラビアやUAE産などで賄っていましたが、断交後は一切輸入できなくなったため、その多くをトルコやクウェートなどから輸入していました。とは言っても今まで陸路で輸入していたものをガンガン空輸しているのです、いくらトルコの乳製品が安いと言っても輸送コストがかかる分、今までよりも価格が引き上げられました。

    カタール舎弟「親分!俺たちの牛乳がトルコ高校から来るのはありがたいのですが育ち盛りの我々には少し高いですし分量が足りないっス!」カタール「そうかー、、、うーん、牛乳ねえ。どうしたものか。・・・あ!そうか!乳牛を飛ばせばいいのか!!」

    牛乳が足りないならば乳牛を集めればいいじゃないか、とカタールは『空飛ぶ乳牛大作戦』を開始しました。カタール航空のカーゴでヨーロッパ、アイルランド、アメリカなどから数千頭ずつ乳牛を確保して牛乳や乳製品の自国ブランドを強化、育成へと一気に舵を切ることになりました。

    ▲注:ドナドナではない。

    『空飛ぶ乳牛大作戦』により世界中から乳牛がカタールに集まりました。
    このように断交によりかえってカタールは一丸となり、政府の支援のもと、カタールの内需産業は続々と強化され「カタール産を使おう!」と言う名目の下に国産品の展開が着々と進みました。

    ▲カタール産牛乳「BALADNA」。カタール産であることを強くアピール。
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  • 鷹鳥屋明『中東で一番有名な日本人』第9回 グローバルビレッジに見る中東の勢力図

    2018-03-29 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』、今回はドバイで万博のような雰囲気を味わえる「グローバルビレッジ」はご紹介します。中東での勢力の縮図を表すかのように世界中の国のブースがひしめき合うなか、日本のブースはというと……?
    ミニ万博、グローバルビレッジとは?
    日本では2020年に東京オリンピックが行われることが話題になっていますが、中東で2020年というとドバイ万博の話題が取り上げられます。2018年を迎えた今年から徐々に万博に向けてのドバイ政府や企業も具体的な動きが出てきており、それに連動して日本の企業も徐々に動きが出てきているのを現地に感じます。この2020年に行われるドバイ万博はアラブ首長国連邦初の国際万博であり、同国としては東京オリンピックより力を注いでいると言えます。そんな2年後のドバイ万博前に万博の雰囲気を楽しめる空間がドバイにあります。
    その名も「グローバルビレッジ」というテーマパークです。簡単に言いますとこのテーマパークは開催期間中に毎日万博の雰囲気を味わうことができる空間と言えます。(野外テーマパークのため夏季は閉園する)

    ▲グローバルビレッジ入り口
    このテーマパークについては今まで現地にいる方などによる簡単に紹介記事がたくさんありますが、今回は密度高めに行っても行かなくても楽しめるように詳しく紹介をすることと合わせて、このグローバルビレッジ内での日本のプレゼンスの現状を感じていただければと思います。
    このグローバルビレッジはドバイランドというドバイの中心部からバスもしくはタクシーでおおよそ30分ほどの距離にある巨大なテーマパークになります。その歴史は実はかなり古く、1995年企画され1996年にドバイ中心部のクリークサイドに小規模な国別のキオスクが集まった簡単なものから参加国が次々と増え、ワフィ・シティの近くに移転してさらに規模を拡大し、現在の住所に移転しました。現在の規模は160万m2という膨大な敷地に、ある程度作られたブースに、ある程度のデコレーションを行い、それぞれの国別のパビリオンとして機能させています。開催年度により参加国に毎年変動がありますが、ここ最近は毎年コンスタントに60〜70カ国のパビリオンが作られています。
    入場料はわずか15ディルハム(450円)ほどですので実に安いと言えます。会場は夕方の4時から夜の11時くらいまでと日が沈んでから賑わうという中東の活動時間の特徴を顕著に捉えていると言えます。

    このグローバルビレッジ内にてそれぞれの国別パビリオンに見るだけで、それぞれの国がドバイの中でどのような立ち位置なのか、どういうものを売り込もうとしているのかを学ぶことができるだけではなく、現地企業の実験場やマーケティングの場として機能している側面もあることから、テストマーケティングの場としては大変面白い空間と言えます。このグローバルビレッジの内情についてレポートしますと、まずドバイの周辺諸国のアラブ諸国のブースは実はそこまで盛況とは言えません。なぜならドバイで日常買えるものはだいたい周辺国で手に入るものと同じものばかりであり、パビリオン内で売っているものは日常買っているもの、見ているものとあまり代わり映えのないものだから、という事情があります。ただ日本人からするとなかなか行くことのできないサウジアラビアやクウェート、バーレーンの国々のブースは魅力的であると言えます。

    ▲日本人には見慣れない女性用のニカーブ、ヒジャブの販売店
    今なかなか行けない地域の物産の数々
    行けない国、という点ですと例えば今内戦で入国がほぼ不可能なイエメンブースではイエメンの伝統的な民族衣装や銀細工などの販売に合わせて多数の蜂蜜屋さんが鎬を削っておりシドルハニー、マウンテンハニーなど様々な蜂蜜を販売しております。ただ残念ながらイエメンの蜂蜜は砂糖添加された水増しされたものが多く、本物の天然の蜂蜜を手に入れるのはイエメン人でも難しいと言われています。また、コムハニーと言われる巣蜜そのものも販売されていますが、その多くは実はトルコやハンガリー産だったりします。ご存知の方もいるかもしれませんが砂糖添加の蜂蜜は簡単な分析ではわからないほど年々加工の手段が巧妙になっており真贋を見分けることは相当難しいですが、舌に自信がある方はぜひお試しいただければと思います。

    ▲蜂蜜を瓶詰めするイエメン人とポリタンクに積まれているイエメン蜂蜜
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第8回 中東湾岸恋愛事情

    2018-01-25 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。中東の人たちはどうやって恋愛をして、結婚をするのか。アラブ流のナンパの方法から、結婚式の様子、離婚に至るまで、謎に包まれた中東の恋愛事情を鷹鳥屋さんが実例を挙げながら解説します!
    前回、中東で有名なボディビル選手権の話をした際に現地の男女間の性差について少しだけ言及しましたが、改革開放政策の進む中東で現地の人がどのような恋愛をしてどうやって結婚しているのか、という謎に包まれた部分についてぜひ知りたいという声がありましたので、この2ヶ月の間に7人のアラブ人から告白された私が知る限りのエピソードと近年の変化についてお話したいと思います。
    湾岸アラブの伝統的な結婚式、初顔合わせ
    元々湾岸アラブにおける歴史的な結婚は親同士が決める、部族同士で決めるものであり、江戸〜明治時代の日本を想像していただければ良いかと思います。基本的にお見合いがほとんどで、結婚式もしくはその後で行われる顔合わせの儀式をするまでは、男女はお互いの素顔を知りません。伝統的には御簾越しに男女が対面の椅子に座り、御簾をあげてお互い初めてそこで顔を合わせる、という儀式もあったようです。例えるならば結婚式のベールをあげるまでお互いの顔がわからない状況、という言い方が正しいでしょうか。ちなみに湾岸の結婚式では刀を持って曲に合わせて輪になって踊ってご飯を食べて(大皿を囲み、みんなでガツガツ食べます)、飲んで(コーヒーを)騒ぎます。もちろん新郎の祝う場は男子のみで女子禁制、新婦の祝う場は女子のみで男子禁制という空間になります。レパント地方(レバノン、シリア、パレスチナなど)と呼ばれる女性がある程度自由な場所ですと結婚式は男女合同で行います。
    ▲皆で踊って
    ▲歌って
    ▲結婚式の料理をガツガツ食べます
    筆者も結婚式に何度か呼ばれ参加して剣舞のやり方もマスターしてきました。ちなみに剣舞についてはサウジでは刀身を上に突き上げるモーションが多いのに対して、カタールでは刀を平にして上下に動かし、UAEのアル・アインでは刀を持たず皆で肩を組み足のステップを激しく踊る、など地域によって剣舞や踊りはバラバラなため、実際に参加してみて勉強して慣れていくしかありません。
    ▲結婚する友人とそのお父様
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」 第7回 スポーツ業界、ボディビル業界必見!ようこそ中東筋肉祭り「超アラブ兄貴」の世界へ

    2017-12-27 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。先月にクウェートで行われた「WAWAN CLASSIC 2017」というボディビル選手権に招待され、筋骨隆々の選手たちを間近で見てきたという鷹鳥屋さん。珍しいイベントの様子を、写真入りでレポートしていただきました。
    タイトルからなかなか激しいですが、今回中東にてなかなか珍しいイベントに呼ばれたのでそのご紹介をしたいと思います。
    先月、中東の大手プロテイン・スポーツジムを運営しているWAWAN(ワワン)グループのイベントにご招待をいただき、クウェートへ行くことになりました。
    最初は何のイベントだろう?と思ったのですが、聞いてみて驚いたことに中東で一番大きなボディビル選手権のイベントに特別ゲストとして来てほしい、という内容でした。
    なぜ身長168cm、体重62kg程度の中肉中背の私が呼ばれたのかはひとまず置いておきまして、皆様ご存知のように中東ではジェンダーの面ではまだまだ「男は男らしく、女は女らしく」という意識が強い地域と言えます。それもあって、男性の筋トレは現地ではなかなか盛んであると言えます。そこで今回は、中東最大級のボディビル選手権のご紹介を通して筋肉の写真を多めに、現地の筋肉事情をお伝えできればと思います。

    ▲中東筋肉重量級の1枚

    ▲WAWAN筋肉社員
    WAWANグループはクウェートに本社を置き、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタールなど湾岸アラブ諸国に幅広くプロテインやスポーツジムを展開する企業です。会社規模はかなり大きく、世界最高峰のボディビル選手権で5連覇の伝説のボディビルダー、ロニー・コールマンの事務所と提携し商品を中東で販売しています。他にもアメリカ、イギリスなど多くのブランドと組むだけでなく独自のブレンドで作った自社プロテインの販売も行っています。最近特に力を入れているのが中東独自のテイストのプロテインで、ナツメヤシ(デーツ)を使用したのプロテインや、アラビックコーヒー味のプロテインを開発するなど、研究開発に余念がなく、さらには低カロリー高タンパクのヘルシーなレストラン経営やフードサービスまで幅広く行う企業です。
    代表のアデル・ワワン氏は元警察官で、現職のときに様々な軍隊や警察のトレーニングを受けていましたが、脚の怪我から引退、その後実業家としての活動をスタートされました。クウェート市内の小さなプロテイン・スポーツ器具店から事業を始め、今では国内外に何十店舗もの拠点を持つ企業に育て上げた方です。

    ▲中央アデル社長とWAWANメンバー写真
    ここの社員の皆さまもかなりぶっ飛んでいらっしゃり、バーレーンの担当社員は私が日本人だとわかると
    「俺、ポケモンGO大好きなんだ!今もコンプリート目指して頑張っているんだよ!でもクウェートってポケモンスポットが少ないから、ひたすら走って卵を孵化させているんだ!」
    と爽やかな笑顔でポケモンGOのアプリを見せてくれます。
    そんな彼のトータルのランニング記録は1105kmを超えており、孵化させた卵の数は1200個近くと色々桁数がおかしかったです。
    「ポケモンは筋肉で集めるんだよな!!」
    そんな彼はカイリキーが好きだそうです。そんな脳筋な……いや、素敵な社員がたくさんいる会社のようです。



    ▲筋肉でポケモンを集めるWAWANバーレーン社員写真
    今回招待していただいたイベントの正式名称は「WAWAN CLASSIC 2017」という名前で会場はクウェートシティ南部のクラウンプラザホテルの大会場貸切で行われ、選手権は軽量級、重量級以外にも様々な部門が設けられています。重量級の優勝賞金は現金のドル札で約500万円、二等は300万円となかなか金額の大きいイベントと言えます。
    本年度はボディビル選手権だけでなく、間に総合格闘技の試合が9試合入るというかなり濃い内容をわずか1日の中で行う、なかなかすごいスケジュールでした。では、中東の筋肉をじっくりご覧ください。

    ▲汗とプロテインの香りが漂う会場エントランス
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第6回 今サウジアラビアで何がおきているのか?

    2017-11-16 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今月、サウジアラビアで汚職対策委員会が、11人の王子や現職閣僚らを拘束しました。日本ではその一人、著名投資家のアルワリード王子の豪華な生活に報道の焦点が当たっていますが、鷹鳥屋さんはもっと重要なことがあると語ります。なぜ王子たちが拘束されているのか、没収された資産はどうなるのか、鷹鳥屋さんがサウジアラビアの今を伝えます。
     前回はサウジアラビアのエンターテイメント産業のこれからについてお話しました。さらにその前は働くサウジアラビアの若者について話していましたが、常に問題になっていたのは「石油価格の低迷が進む今、国家歳入が落ち込んでいて国家財政的に厳しい」という部分でした。  ですが、皆様も最近のニュースでご存知のように、ある意味で「埋蔵金」と呼べるところから財源を確保するのではないか、というニュースが世界を駆け巡りました。11月5日にサウジアラビアのサルマン国王の息子のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(以下、ムハンマド皇太子)がアルワリード・ビン・タラール王子(以下、アルワリード王子)を含む11人の王子や、政府の閣僚、高官らを一斉に拘束しました。日本の各メディアでは、この中で特に有名なアルワリード王子について、その資産家・投資家としての豪華な生活について特集をしていました。しかし、他にもっと重要なことを伝えなければいけないと思い、今回は急遽前々から準備していた『中東ボディビル選手権最前線』 から内容を変更してこのニュースについて書くことにしました。
    サウジアラビア王族早見表(作:鷹鳥屋)©Al-Arabiya, ©Al-Sharq, ©John B. Philby
    アルワリード王子とは?メディアの語らぬ奥の奥まで
     今回の件で、日本のメディアでは知名度が高く資産家としても有名なアルワリード王子についてよく取り上げられています。しかし、なぜアルワリード王子の資産だけが公開されているのかという点、彼がなぜサウジアラビア政府の人間ではなく私企業のトップというビジネスマンになったか、ということについては伝えられていません。  その説明をするためには、まず彼の父親であるタラール王子について話さなければなりません。タラール王子は初代国王のアブドルアジーズ国王の21番目の息子でありながら、その妻はレバノン系の女性でした。そしてナセル大統領統治下のエジプトに滞在し共産主義に染まり、通称「赤い王子」という名前も持つ方です。この方は一部の王族たちと共に「自由王子運動」というサウジアラビアの体制批判運動を起こしたことから、後に王位継承権を返上し官職にも付かず、現在は政治の表舞台には出ていません。 ▲タラール・ビン・アブドルアジーズ王子、アルワリード王子と面影が似ています■PLANETSチャンネルの月額会員になると…・入会月以降の記事を読むことができるようになります。・PLANETSチャンネルの生放送や動画アーカイブが視聴できます。
     
  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第5回 中東でエンタメ大国は生まれるのか?

    2017-10-25 07:00  
    540pt

    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。若年層の多い中東では、年々アニメや漫画、ゲームの人気が高まっています。5〜6万人を動員するというドバイコミコンを筆頭にイベントも乱立していますが、「中東クオリティ」のトラブルが起こることも多くあり……。延期を重ねるイベント、準備体制が「マイナス」のワークショップ、いっこうにできあがらないアニメ、それに翻弄される日本企業の様子まで、鷹鳥屋さんに詳細に語っていただきます。
     前回は石油依存型の経済から脱却し、石油産業以外の産業を興そうと努力をするサウジアラビアの現状とサウジアラビアの若者が以前よりは勤勉に働きつつある近年の流れについてお話しました。今回は今後、中東各国が発展させようとしている様々な産業の中で特に注目すべき産業、日本も深く関わることになるでしょう、エンターテイメント産業にフォーカスを当てたお話をさせていただきたいと思います。それと合わせてエンターテイメント産業を活発化させて「エンタメ大国」を目指す中東各国の現状についてご紹介、さらにこの「エンタメ大国」の担い手が人口の多くを占める若年層たちを盛り上げるために行っている投資やイベントの様子についてお話させていただければと思います。
    ▲政府主催イベントで『まどマギ』について語る女性スピーカーと聴衆
    乱立する中東アニメ・漫画イベント戦国時代
     近年、中東の各国ではアニメ、漫画系のイベントが乱立しています。小規模なイベントから大規模なイベントまで行われており特にこの2〜3年の間に中東の様々なイベント会場で行われ吸収、合併、解散など動きが激しくなっております。 ある意味、エンタメ系イベントの戦国時代と申しますか、激しい競争が行われています。一番大きなものはドバイコミコンで3日間に5〜6万人近くの来場者数を誇ります。この後の表以外にも水面下で動いているイベントなども多数存在しており、11月のコミコン・アラビアや12月の日本村イベントなど小規模、中規模のものは除いて大規模なものをピックアップしてみました。
    ▲乱立する中東各地のアニメ、漫画イベントの一例(10月以降の内容は仮予定)
     現状ではアラブ首長国連邦がその利便性と会場の融通性、展示物、販売物の規制の緩さ(展示物や販売物の肌の露出の問題など)によりリードをしていますが、皆ドバイコミコンに対抗してより良い集客のためにクウェートやサウジアラビア、カタール、アブダビでは有名なアーティストを呼ぶべく、招致合戦を活発化させております。ただ同時にその裏で、例えばこれは某北アフリカのイベントなのですが、肌の露出が多いコスプレイベントを反イスラム的と考えるイスラム過激派がイベントを中止させるため主催者の一人を拉致する、などという事件が起きています。主催者は後ほど無事解放されました。今までの保守的な文化と開放的な文化とのせめぎ合いのトラブルもそこそこ聞きますが、やはり中東各国の多数派を占めるのは若年層であり、この層はゲームやアニメに対して親和性が高いため徐々に受け入れられており、年々この種の規制が緩くなっているという印象を受けます。戒律などで女性の肌の露出が厳しいサウジアラビアでも去年のサウジコミコンではコスプレゾーンを男女それぞれのゾーンを完全に区切ることでこれらの問題に対処しています。
    ▲中東一の来場者数を誇るドバイコミコン会場(DWTC) ▲アブダビ開催のアニメイベントの広告に集まる観客 ▲ドーハで日本のアイドルに笑顔のカタール人©「みちのく仙台ORI☆姫隊」 ▲クウェートのアニメイベント内のコスプレ大会の様子■PLANETSチャンネルの月額会員になると…
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