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記事 20件
  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第20回「都市生活者が忘れてしまった時間感覚・位置感覚を取り戻したい!」

    2017-05-19 07:00  
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    チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、まもなく北京で開催される大規模な展覧会での新作から、現在計画中という「森のアート展」についてまで語りました。彷徨いながら、自分すら失うアート体験とは?(構成:中野慧)

    「彷徨(さまよ)って、そして自分すら失う」展覧会
    猪子 この5月から10月までの5ヶ月間、北京で大規模な展覧会をやるから、今回はその紹介をしたいのね。中国語でのタイトルは「花舞森林与未来游乐园」。つまり、花舞森林と、未来の遊園地の展覧会。
    今回初公開の『花の森、埋もれ失いそして生まれる』(以下、『花の森』)が、会場全体を、まるで覆うように花が咲いている。場所によって咲いている花が異なっていて、とある場所では最初は5月の花が咲いているけれど、やがて6月、7月の花になり、逆に手前の空間が5月の花になり……というふうに、空間全体で花の分布が変わっていくの。

    ▲『花の森、埋もれ失いそして生まれる』
    猪子 会場では、『花の森』が全体に展示されているなかに、他の作品が展示されている小さな空間や大きな空間があるの。花の分布は移り変わるから、ある作品の空間に入って、そこから戻ってきたら、景色が変わっているのね。さっきまでは目の前に咲き渡っていたヒマワリが、いまは向こうの方で咲き渡っている、といったような。
    全体の花の分布が動いていくことによって、鑑賞する人は方向感覚を失って森に迷い込んでしまったようになる。まるで彷徨うように、そして彷徨っていくなかで、自分と作品の境界すら失っていく中で、いろいろな作品を見たり体験したりしてほしい、と思っているんだ。
    宇野 なるほど。展示自体をひとつの作品で包み込むって、チームラボの作品では意外と今までやってこなかったよね。複数の作品を同じ空間に展示するもの(『teamLab: Transcending Boundaries』(London, Jan 25 - Mar 11, 2017))はあったけれど。
    猪子 『花の森』が、その他の作品たちをゆるやかに包み込んでいて、鑑賞する人はその世界を彷徨いながら、作品の中に埋もれていくようなかたちにできたらいいな、と思う。
    それと今回のメインになる新作は「Fleeting Flower」シリーズといって、『菊虎』、『牡丹孔雀』、『向日葵鳳凰』、『蓮象』という4つの連作なんだ。

    ▲『菊虎』

    ▲『牡丹孔雀』

    ▲『向日葵鳳凰』

    ▲『蓮象』
    猪子 たとえば『菊虎』は、小さな菊の花がびっしりと咲ていくの。咲いていく菊の花々の中に、虎のイメージが描かれていく。花が咲き渡るにつれ、虎のイメージが明瞭に浮かび上がってくる。そして、花はやがて散るんだけど、それぞれの花は、散る瞬間にそのイメージを固定し、イメージの一部ごと散っていく。散った花とともにイメージの一部は消えんだけど、再び咲いてくる花によってイメージの部分は再び補われて、他の花々とともに、イメージ全体を描き出していくんだ。

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第19回「アートこそが映画に代わる21世紀のグローバルコンテンツになる!」【毎月第1水曜配信】

    2017-04-05 07:00  
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    チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、シンガポールの展示会場へ宇野常寛が訪問し、猪子さんと語り合いました。チームラボのアートが、シンガポールやシリコンバレーで大歓迎されている理由とは。そして、Brexitやトランプ大統領の誕生で”二重の敗北”をした21世紀で、アートに託された希望とは?(構成:稲葉ほたて)

    シンガポールにとってのチームラボとは
    宇野 今回は、チームラボの作品を観にシンガポールへ来ました。まずは(テレビ番組の)『アナザースカイ』で「シンガポール超大好き!」と言っていた猪子さんにとって、シンガポールとは何かについて聞くことから始めようかな。
    猪子 そもそも、チームラボの初めての常設展(期間があるわけではなく常にある展覧会)ができたのが、このアートサイエンス・ミュージアムでの「FUTURE WORLD: WHERE ART MEETS SCIENCE」だったんだよ。ミュージアムから誘っていただいて2016年3月から展示しているんだけど、ずっと大盛況。そういえば、初めてチームラボが参加した国際的なビエンナーレも「シンガポールビエンナーレ2013」だった。今ではシンガポール国立博物館に『Story of the Forest』も恒久展示されてるし、シンガポールとは色々と縁が深いんだよね。

    ▲チームラボは、2016年3月12日から、マリーナベイ・サンズのアートサイエンス・ミュージアム(シンガポール)にて、「FUTURE WORLD: WHERE ART MEETS SCIENCE」を常設展示している。
    宇野 面白いね。それって、シンガポールという国が自分たちのアイデンティティを記述するアートを作ろうとしたときに、チームラボを選んだということでしょ。たとえば昔の日本は西洋のアートを自分たちの文脈に落とし込もうとして、日本の伝統芸術と西洋芸術のハイブリッドを作ろうとしたけど、シンガポールはそういう道も選んでいない。
    猪子 シンガポールは、すでに一人当たりのGDPは日本の1.6倍で、観光客の数も東京よりも多いんだよ。つまり事実上、日本を超えちゃっている国なんだね。国としてたった50年の歴史しかないにも関わらず、観光都市として未来に賭けることで、世界中から新しい価値観で良いものを集めることを合理的に考えてきた国だと思うんだよ。
    宇野 このマリーナベイ・サンズのあの大胆さってさ、この「人工の大地」にいかに自分たちの文化をゼロから創っていくかを考えている人たちの大胆さだと思うんだよね。歴史を一旦切断して、ゼロから自分たちの文化を創っていこうとする気概だよ。
    そして、アートとは常にそういう場所で求められてきたものでもある。たとえば、アメリカが第二次世界大戦後にナチスから奪ってきた美術品を博物館に展示して、ニューヨークをアートの中心地にしようと振る舞ったのなんて、その典型じゃない。彼らは二度の世界大戦を通じて世界の中心になっていったわけだけどその過程で、自分たちが西欧に対して文化史がないことを、どう克服するかを考えるようになったわけ。そして、今のシンガポールも当時のアメリカと同じく、「人工の大地のアイデンティティ」を記述し得るアートを求めているんだと思う。
    猪子 まあ、そこは単純に国際都市として、グローバル競争で勝たなきゃいけないのもあると思うよ。
    ニューヨークやロンドンと同じことを今からやっても勝ち目はないもん。仮にジェフ・クーンズの作品を必死で集めたって、ニューヨークに勝つにはコストが高すぎる。そういう状況で、新しいアーティストにベットすることで、少しでも未来の価値を掴もうとしてるんだと思う。
    宇野 そこはチームラボを歓迎した、シリコンバレーのIT貴族たちも同じだろうね。
    シリコンバレーの人たちも、東海岸的なもの、ニューヨーク的なものをいかに相対化するかという問題に直面して、自らのアイデンティティを象徴するためのアートが必要になった。そのときに、美術館の額縁に飾られて、みんなでしかめ面で眺めるようなアートで自分たちを記述することを選ばなかったわけだよ。

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第18回「アートによって地方のポテンシャルを引き出したい!」

    2017-03-10 07:00  
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    チームラボ代表・猪子寿之さんの連載〈人類を前に進めたい〉。今回は、福井県やハワイで展示されるチームラボの新作から、日本の地方に秘められたポテンシャルについてまで語っていただきました。「カラス」の更なるアップグレードで到達する「群れ」の表現とは? そして、地方都市だからこそ実現できるアートの可能性とは?(構成:稲葉ほたて)

    「群れ」という秩序なきピース
    猪子 最近は、各地でチームラボの常設展示をつくる機会が少しずつ増えているんだけど、今回はその紹介から始めたいな。まずは3月26日から、福井県永平寺町に新しくできる文化施設「えい坊館」に、作品を常設することになったの。禅の曹洞宗の大本山の永平寺がある町で、曹洞宗はひたすら座禅する。もちろん、座禅ではないのだけれど、作品の空間で、ひたすら座って体験してもらおうと思ってて。16畳程度のこじんまりした空間の壁4面と床に、森美術館で展示した「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく - Light in Space」と同じシリーズになる新しい作品を創って展示しようと思っている。

    ▲「鳥道 - 黙坐 / Bird Road」
    実は、今回は無数の鳥が「群れ」で飛んでるんだよね。これまでは、手付け(手作業の)アニメーションによるカラスと、アルゴリズムによるカラスの2つが混ざっていたんだけれど、今回は全てアルゴリズムで鳥が動いているの。まるで、イワシの群れにマグロが来たときみたいに、鳥の群れは鑑賞者を避けるように飛ぶんだよ。
    宇野 そもそもなんで群れにしようと思ったの?
    猪子 昔から「群れ」そのものに興味があったんだよね。ムクドリの群れの動画があるから、それを見てもらうのがわかりやすいかな。これが、めちゃくちゃヤバい動画なんだよ。今までも作品でよく群れを使っているし。で、今回は、群れにもっとフォーカスを当てて、全体としての意思はなくて、鑑賞者の存在の影響を受けながら、一羽一羽が非常にプリミティブなルールで動くことで、意図のない複雑で美しい線群を空間に描きたかったんだ。

    ▲Flight of the Starlings: Watch This Eerie but Beautiful Phenomenon | Short Film Showcase
    宇野 これはすごいね……。僕、もし時間が有り余ってたらずっとこの動画を見ていられるな。群れ全体が、有機物なのか無機物なのかもよくわからない、巨大な生き物のような動きが素晴らしいね。
    猪子 これは遠くから撮影した映像だけど、この群れの真ん中に、鑑賞者の視点があるような世界をつくりたいんだよね。僕がこの動画に惹かれたのは、群れの密度が変わっていくところなんだよ。密度によって、ムクドリの影である黒色が強く出たり、逆に背景の空の色が見えたりと、どんどん印象が変わっていくじゃん。その動きと色の濃淡が美しいよね。
    宇野 この前の、スクリーントーンの話に近いかもしれないね。西洋の印刷技術をいかに日本的な平面表現の思想でハックするかという試行錯誤の中でスクリーントーンが生まれてきたという話をしたけど、スクリーントーンは密度だけで僕らの色彩感覚を置き換えてるわけだよね。「濃い青だったらこれくらいの密度の点々」というふうに。そこに時間の動きを組み込んだのが、今回の新作のポイントだよね。
    猪子 そうそう。群れの動き自体が、見ていてすごく気持ちがいいんだよね。あと面白いと思ったのは、おのおのの鳥がシンプルなルールで動いているだけなはずなのに、全体で複雑な生き物のように振る舞っているところかなあ。
    宇野 その群れの動きの特徴って、まさにチームラボがつくってきた「秩序なきピース」だもんね。猪子さんが群れに惹かれるのもわかるな。
    でも、今までのチームラボの作品が、人間を動物の群れのように動かしてしまうことによって、ピースが成り立っていくものだとしたら、今回は少し違うと思う。いわばこの自然に発生している「秩序なきピース」のダイナミズムを、いかに人間に味わわせるかに注目している。だから、猪子さんにしては珍しく、鑑賞者が作品に参加するよりというよりは、作品を観ているという印象が強い。
    猪子 確かに。
    宇野 ただ、この群れの動きには、人間の意図と自然現象の中間にあるような、独特の他者性があると思う。気持ち悪さと気持ち良さが混在してるこの感覚って、群れ全体が目的の見えない変なリズムで動いていて、とてもじゃないけどあの群れと対話とかできなさそうなところから来てると思うな。意図を持っているように見えるけど、明らかに自分と同じような思考回路をしているわけじゃない、という感じがする。
    こういう、小さな生き物の群れが一つの巨大な化け物みたいに見えるみたいなモチーフは、宮崎駿がよくアニメーションで再現してるよね。『もののけ姫』でアシタカの腕に呪いとしてつくタタリ神とか、『となりのトトロ』の真っ黒いススワタリとか。あの自然の群れの持つ奇妙な運動性って、誰の意志もない単なる自然現象なんだけれど、人間の目には、ある種の神や悪魔とかの超自然的な意図を持った何かに見えてしまう。たぶんこれって、古くからは特に妖怪の表象として、伝統的に禍々しく描かれてきていることが多い現象だと思うんだよね。
    猪子 あの禍々しさをつくるのには非常に興味があって、でも難しいんだよね。イワシの大群ぐらいだったらできるんだけれど、ちょっとムクドリの禍々しさは研究中だなあ……。でもいくらすごい量だったとしても、桜吹雪には別に禍々しさとか感じないもんね。群れってほどよく意図的に見えながら、理解の範疇を超えてくる”他者”なのかもしれないと思う。そして、そこには、何か、人間がまだ理解していない普遍的原理の存在があるように感じるんだよね。

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第17回「光と音楽の一体化で、〈身体的な知〉を開拓したい」

    2017-02-07 07:00  
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    今回は、2016年に海外で極めて高い評価を得たチームラボの作品群や、年末年始にかけて大阪で開催した『Music Festival, teamLab Jungle』などを振り返ります。光と音楽が一体化したアートで得られる、新しい「身体的知」の可能性とは?(構成:稲葉ほたて)


    海外メディアでの評価が超ハンパない!
    猪子 今回は、ちょっと2016年の振り返りから始めてもいいかな? というのも、年末年始に、世界中のメディアがチームラボのことをすごくピックアップしてくれたんだよね。
    特に、『DMM.プラネッツ Art by teamLab』をたくさん評価してもらった。CNNの「2016's most visually inspiring moments」という記事では、トップに取り上げられたんだよ。すごいでしょ!



    ▲”2016's most visually inspiring moments”(CNN, December 30, 2016)


    宇野 だから前にも言ったじゃん。猪子さんは『シン・ゴジラ』にも『ポケモンGO』にも負けてないって。
    猪子 他にもたくさんあるんだよ。建築やデザインで世界的に有名なヨーロッパの『Frame』では、「Events readers’ choice: top projects of 2016」という記事でも2番目に選ばれたり、世界的に巨大なデザインメディア『designboom』の「TOP 10 art exhibitions of 2016」でも取り上げてもらったんだ。

    ▲”Events readers’ choice: top projects of 2016”(Frame, December 28, 2016)

    ▲”TOP 10 art exhibitions of 2016”(designboom, December 08, 2016)
    あの『THE WALL STREET JOURNAL』では、「The Top Selfie-Worthy Museum Shows of 2017」という記事で、いまロンドンで開催中の展示会『teamLab: Transcending Boundaries』が、草間彌生さんや村上隆さんと並んで選ばれてる。これは、ロンドンで発行される雑誌版の表紙も飾るんだよね。

    ▲”The Top Selfie-Worthy Museum Shows of 2017”(THE WALL STREET JOURNAL, January 9, 2017)
    そしてチームラボとしては、『WIDEWALLS』というスイスのアート誌の「10 MOST INSPIRING ARTIST COLLECTIVES WORKING TODAY」でトップに掲載されて、しかも、同誌の「10 FAMOUS INSTALLATION ARTISTS WHOSE WORK YOU HAVE TO KNOW」にも選ばれたんだよね。他に選ばれているのがオラファー・エリアソン、草間彌生さん、艾未未(アイ・ウェイウェイ)、クリストとめちゃくちゃすごいメンツなんだよ。クリストは島の周りにピンク色の布をかける作品で有名なんだけど、僕たちが小学生の頃から教科書に載ってたような人なんだよ。たぶん見たことあると思う。

    ▲”10 MOST INSPIRING ARTIST COLLECTIVES WORKING TODAY”(WIDEWALLS)

    ▲”10 FAMOUS INSTALLATION ARTISTS WHOSE WORK YOU HAVE TO KNOW”(WIDEWALLS)
    宇野 あるある。布をかける映像とか見たよ。
    猪子 あとは、世界を代表するクオリティペーパーでもあるフランスの『Le Monde』。ここでは、パリで展示した作品『Forest of Resonating Lamps - One Stroke』を、ジェームズ・タレルと一緒に取り上げてもらった。

    ▲”Les habits neufs de la lumière”(Le Monde, 28.12.2016)
    そして、『NATIONAL GEOGRAPHIC』のスペイン版では、シンガポール国立博物館に展示している『Story of the Forest』が取り上げられた。

    ▲”La historia de los bosques”(NATIONAL GEOGRAPHIC EN ESPANOL, 2016-12-21)
    ……というわけで、著名なメディアばかりで、ちょっとすごいでしょ?
    宇野 僕は日々の言動からわかっているつもりだけど、猪子さんはこの勢いで日本からいなくなるつもりなんでしょ?
    猪子 いやいや……。でも、世界を代表するようなメディアから支持されるのはやっぱり嬉しいね。
    光と音で身体ごと没入する『Music Festival, teamLab Jungle』
    猪子 今回は、前々回の連載で話題にあがった『Music Festival, teamLab Jungle』を年末年始に大阪で開催したので、それについて話したいな。

    ▲チームラボは、2016年12月24日から2017年1月9日にかけて、大阪の堂島リバーフォーラムにて『大阪芸術大学新設アートサイエンス学科 presents Music Festival, teamLab Jungle』を開催。
    この空間は「Body Immersive」という、身体ごとアートの中に没入するコンセプトの最新作品群の展覧会にあたるの。表面的には音楽フェスを装っていて、流れ続ける音楽に身を任せながら、作品に没入することができる。同時に会場では、大量のムービングライトを使った光の「線」の動きで空間を再構成したり、立体物を生成する「Light Sculpture – Line」という新しいコンセプトの作品群が次々に連続して現れるんだ。光でできてるから、その空間や立体物に、参加者がより身体ごと没入する。
    今回は、時間帯によって「昼フェス」と「夜フェス」という2種類の公演があって。「昼フェス」は50分間、「夜フェス」は70分間、それぞれのコンセプトに合わせて、音楽が鳴りっぱなしでいろんな作品が展開されていくんだ。
    【昼フェスの動画】

    https://www.youtube.com/watch?v=_GNvCbC4uaM
    【夜フェスの動画】

    https://www.youtube.com/watch?v=25H-7vruuQA
    特に「夜フェス」で展開した『Light Vortex』、『Light Cave』、『Light Shell』は、「Light Sculpture – Line」という新しいコンセプトが明確に表現された作品で、空間全体が作り変えられたり、巨大な立体物を空間に感じる感覚が、圧巻だよ。

    ▲『Light Vortex』(夜フェスのみ)

    https://www.youtube.com/watch?v=OT9hwZkqhgw

    ▲『Light Cave』(夜フェスのみ)

    https://www.youtube.com/watch?v=AFllss5NGLs
    ▲『Light Shell』(夜フェスのみ)

    https://www.youtube.com/watch?v=SvMxVMggezI
    最初はみんな結構呆然としてるんだけど、だんだん踊り始めるんだよね。特に「昼フェス」は子どもに楽しんでほしいというコンセプトだったから、子どもたちがすごくはしゃいだりして。「踊る」という、超身体的な状態になりながらアートを体験できる、特別な空間にしたかったんだ。美術館だとどうしても頭を使って作品を認識しながら鑑賞してしまうけど、それとは異なる、身体的なアートの知覚体験をしてほしかったんだよね。
    宇野 僕、この「光を点ではなく、線として用いる」ということと、これが「音楽フェス」であることは、一見別のことのようだけど、両方とも同じコンセプトに基づいていると思うんだよね。
    たとえば、光の点の集合でできた作品『Crystal Universe』では、スマホを操作することでインタラクティブなことをしたり、要するに鑑賞者がアクションを起こすことによって、猪子さんのいう「モノのような空間」に入り込んでしまう快楽が発生する。
    それに対してこの『Music Festival, teamLab Jungle』は、「光の線」で立体物が構成されることによって、自分たちがアクションしなくても勝手に空間が動的に変化して、鑑賞者の身体を作品に没入させてくれる。猪子さんがどう考えているかはわからないけれど、僕には人間の意識ではなく無意識にアプローチする後者のほうがより直接的に「身体的なアートの知覚体験」を呼び起こしているように見えるね。
    猪子 ただ、シーン(作品)によっては自分たちがアクションを起こす作品もあるよ。そこで、自分も音楽及び空間(作品)に参加している感を感じてもらいたかったんだよね。
    たとえば『Light Chords』では、光の弦に触ると弦が跳ね返ったり、音が鳴ったりするし、『奏でる図形』とかは、壁に投影される図形を触ると、インタラクティブに反応するようになっているんだ。そして『奏でるトランポリン』という作品は、トランポリンを飛ぶと音が鳴る。遊んでるだけで、結果的にみんなで一緒に空間全体の音楽を作るようにしたかったんだよ。

    ▲『Light Chords』(夜フェスのみ)

    https://www.youtube.com/watch?v=bSkMr1NGNl0


    ▲『奏でる図形』(昼フェス、夜フェス共通)

    ▲『奏でるトランポリン』(昼フェス、夜フェス共通)
    でも宇野さんの言うとおり、美術館では自分の時間配分で作品を観ていくけど、今回の『Music Festival, teamLab Jungle』は、ひとつの空間に対して音楽によって「作品のタイムライン」が決まっている。だから自分で何かをすることで空間に没入するというより、流れる時間の方に身を任せることで、受動的に作品に没入できるんだと思う。
    宇野 そう。美術館の作品は究極的にはどの順番で観ても良いし、鑑賞する時間も、観る側がコントロールできる。だけど音楽は時間芸術だから、聴く側は絶対に時間をコントロールできないんだよね。そうした制約があることによって、人間の頭脳的な知の発動を抑えて、身体的な知に寄せることに成功していると思う。
    もっと言うと、立体物でも絵画でも、鑑賞者が時間の主導権を握ってると、絶対に“自意識的”な没入になってしまう。だって、「観たくなくなったら離れればいいや」みたいなことを、常に考えてしまう可能性もあるじゃない?
    だから、時間をコントロールする自由を奪われることによって初めて、身体的な知を発動させることができる。鳴っている音楽に対して打ち返すこと、インタラクティブな装置を経由して介入することはできても、音楽の時間の流れそのものは絶対に変化させることができない。そうすると必然的に、その参加は作品との調和的なアプローチになっていくと思うんだよね。
    そもそも従来の美術館の「鑑賞物と鑑賞者」を分ける構造自体が、原理的に、鑑賞者から鑑賞物への支配的なアプローチによる没入しかできないようにさせているよね。猪子さんも作品を販売しているけど、コレクターたちは究極的にはその鑑賞物を自分のモノにしたいわけで、それは支配的なアプローチを促す。
    それに対して『Music Festival, teamLab Jungle』は、音楽の「鑑賞者が時間の主導権を握れない」という性質を上手く利用して、「鑑賞物と鑑賞者」という関係を破壊している。
    猪子 たしかに。最初はただ、踊っているような状態でアート的な体験をしてもらいたいという気持ちで始めたんだけど、その調和的なアプローチを目指して、無意識で音楽を選びとっていたのかもしれないね。
    音楽による「秩序がなくともピースは成り立つ」
    猪子 途中、『Throw in the Moon』という、投げ込まれた球体に、光の線が追従する作品があって、それから最後に、光の線が追従してものすごく輝くミラーボールが乗った神輿で会場を練り歩く、『Carry in the Sun』という作品がある。なんだか人類にとって宗教が始まる瞬間を垣間見ている気持ちになった(笑)。

    ▲『Throw in the Moon』(昼フェス、夜フェス共通)

    https://www.youtube.com/watch?v=xw90ietgDOg

    ▲『Carry in the Sun』(昼フェス、夜フェス共通)

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第16回「アートによって、世界の境界をとりはらいたい!」【毎月第1水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.767 ☆

    2017-01-11 07:00  
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    猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第16回「アートによって、世界の境界をとりはらいたい!」【毎月第1水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2017.1.11 vol.767
    http://wakusei2nd.com


    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第16回です。今回のテーマは、今年1月25日からロンドンで開催される個展「teamLab:Transcending Boundaries」について。そこで発表される、スクリーントーンに着想を得た新作と鳥山明の意外な関係とは? そして「境界のない世界」をテーマにしたアートを、いまこのタイミングにロンドンで発表することの意味について、語っていただきました。
    ▼プロフィール
    猪子寿之(いのこ・としゆき)

    1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
    47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet」、5時間待ち以上となった「DMM.プラネッツ Art by teamLab」など。2月からシリコンバレー、イスタンブールでの個展を開催中。また3月からシンガポール、8月から韓国で巨大な常設展開催中。今後、ロンドンや北京、台湾などで開催予定。

    http://www.team-lab.net
    ◎構成:稲葉ほたて
    本メルマガで連載中の『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』配信記事一覧はこちらのリンクから。

    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第15回「アートの力で、歴史に人間をつなげたい!」

    ◼ロンドンで開催する「境界のない」展示会
    猪子 今年の1月25日から3月11日にかけて、ロンドンで「teamLab: Transcending Boundaries」という展示をやるんだけど、今日はその話をしたいんだよね。去年、同じタイトルの個展を表参道でやったんだけど、今回はクオリティもだいぶ上げて、もっと「境界のない世界」というテーマを強く押し出したものになってる。たくさん作品があるんだけど、その作品の間には境界がないの。

    ▲チームラボは、2017年1月25日から3月11日まで、PACE LONDONにて「teamLab: Transcending Boundaries」を開催。
    宇野 これは以前に表参道で展示した作品のアップデート? あの作品の境界を無視して……。
    猪子 そう! 作品同士の間を、容赦なく蝶が行き来するんだよ(笑)。たとえば、人がいると、そこに花が咲いていく作品があるんだけど、花が咲いたら蝶が集まってきたり、そこに水の作品が流れてくれば花が散ったりしていく。蝶と花と水の作品、それからディスプレイのいくつかの作品が、それぞれ独立しつつ、境界が曖昧な世界になってるんだよ。
    宇野 展覧会全体としては、どんなものがあるの?
    猪子 会場には部屋が三つあって、いま語ったような作品たちが展示してあるメインの部屋と、二つめは、『Dark Waves』という作品の部屋、そして三つめに『Flowers Bloom on People』という作品を展示した部屋がある。
    表参道で実験的に展示した作品をだいぶアップグレードした『Flowers Bloom on People』は、空間には何もない真っ暗な部屋なんだけど、人が部屋に入ってじっとしていると、人の体に花が咲いていき、やがては足元の床に広がっていく。近くに別の人がいると足元の花々が他の人々の花々とが繋がっていくんだ。

    ▲『Flowers Bloom on People』
    宇野 今回は、他者と繋がるようになってるんだね。
    猪子 そして、シリコンバレーで展示した『Black Waves』の新しいシリーズである『Dark Waves』。これは暗い波をあらわした作品なんだけど、今、イギリスは世界に対して再び境界をつくろうとしてるから、太古からの境界の象徴として、海の作品を展示した。

    ▲『Dark Waves』

    https://www.youtube.com/watch?v=8F8x_kbAaDI
    猪子 最後に、メインの部屋では『境界のない群蝶、儚い命』、『憑依する滝、Transcending Boundaries』、『花と人、Transcending Boundaries - A Whole Year per Hour』、『円相』、『The Void』、『Impermanent Life』という、全く違うコンセプトの作品たちが同じ空間に展示されている。それぞれ独立しているけれども、それぞれの作品の境界が曖昧になっているんだよ。

    ▲『境界のない群蝶、儚い命』

    ▲『憑依する滝、Transcending Boundaries』

    ▲『花と人、Transcending Boundaries - A Whole Year per Hour』

    ▲『円相』

    ▲『The Void』
    ◼スクリーントーンの概念を更新!? 新作での試み
    猪子 全く新しい作品もやるんだよね。ただこれ、超マニアックなビジュアル実験としてつくったものなんだ(笑)。

    ▲『Impermanent Life』

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第15回「アートの力で、歴史に人間をつなげたい!」【毎月第1水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.749 ☆

    2016-12-07 07:00  
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    猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第15回「アートの力で、歴史に人間をつなげたい!」【毎月第1水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.12.7 vol.749
    http://wakusei2nd.com


    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第15回です。今回は、猪子さんが地元・徳島市で、自然や街をそのままアートにしたという「デジタイズド・ネイチャー」シリーズの新作と、シンガポール国立博物館で展示される「デジタルな自然」を作り上げた新作について語っていただきました。都市の自然や歴史と人前の関係に、アートはどのようにアプローチできるのか? 「ブラタモリ」や『Pokemon GO』と比較しながら考えました。最後に、大阪で開催する新しいミュージックフェスについての情報も!
    ▼プロフィール
    猪子寿之(いのこ・としゆき)

    1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
    47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet」、5時間待ち以上となった「DMM.プラネッツ Art by teamLab」など。2月からシリコンバレー、イスタンブールでの個展を開催中。また3月からシンガポール、8月から韓国で巨大な常設展開催中。今後、ロンドンや北京、台湾などで開催予定。

    http://www.team-lab.net
    ◎構成:稲葉ほたて
    本メルマガで連載中の『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』配信記事一覧はこちらのリンクから。

    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第14回「アートの力で、人間が気づけない自然の美しさを可視化したい!」

    ■地元・徳島での『徳島ライトシティアートナイト - チームラボ 光る川と光る森』
    猪子 前回の連載で、「とりつかれたようにデジタイズド・ネイチャーの作品をつくっている」という話をしたけれど、今回はその延長で、街をまるごとデジタル化するアート作品を、地元・徳島でつくったんだよね。
    3年に1回のペースで「徳島LEDアートフェスティバル」というアートの祭典をやっているんだけど、その3回目にあたる今回はチームラボがメインで関わることになったんだよね。
    宇野 徳島における猪子さんの権力を感じるね(笑)。
    猪子 いやいや(笑)。徳島には青色LEDでノーベル物理学賞をとった中村修二さんが在籍していた日亜化学っていう世界的にLEDを製造している会社もある関係で、地元を盛り上げる意味も込めて、LEDを使って街を光のアートに包み込む作品をつくったんだよ。

    ▲『徳島ライトシティアートナイト チームラボ☆光る川と光る森』
    2016年12月16日から12月25日にかけて、徳島市中心部にて開催。
    宇野 徳島かあ。学生の頃旅行で行ったっきりだなあ。あんまり印象なかったけど……。
    猪子 いやいや! 実は徳島って、市内に138つも川がある、めちゃくちゃ川が多い「水都」なんだよ。昔はしょっちゅう洪水が起きていたらしくて、僕のおばあちゃんとかは、家中が水浸しになった話とか、隣の文具屋の紙がダメになったみたいな話を、超嬉しそうに話したりするんだよね(笑)。
    そんな洪水にもめげず、地元市民は川をものすごく愛しているの。昔、那賀川というところにダムを作ろうという計画があったんだけど、30年以上地元市民が反対し続けて、全国的にも有名な、建設事業を中止した例になったりしたんだよね。
    今回作品をつくったのは、徳島駅のある中心市街地なんだけど、ここにはそんな川がまさに交差しまくっていて、「ひょうたん島」と呼ばれる巨大な中州になってるんだよ。

    ▲「ひょうたん島」の景色(出典)
    宇野 完全に川に囲まれているんだ。
    猪子 その真ん中には徳島中央公園があって、さらにその真ん中には、室町時代から明治がはじまるまで城があった城山があって、その城跡の山が全国でも超珍しい、市街地にある原生林なんだよね。原生林自体がすごく珍しいのに市街地にある原生林ってのはほぼないと思うんだ。野鳥が80種類いたり、樹齢600年の、「竜王さんのクス」というRPGに出てきそうな名前のクスノキとかがある。ちなみに、ここのふもとには僕の通っていた小学校があって、月に1回は、この山の上の城跡で朝会をしていたんだよ(笑)。

    ▲「竜王さんのクス」と呼ばれる古木。推定樹齢600年。(出典)
    猪子 今回、これらの川と森につくった作品は、フェス全体の「シンボルアート作品」という位置づけになってる。川に浮かんだ球体や森の木が、近くを通った人の存在や動きに反応してインタラクティブに光って、まわりに連続的に呼応して広がっていくようになってるんだよね。

    ▲『呼応する球体のゆらめく川』(新町川水際公園にて)

    ▲『城跡の山の呼応する森』(徳島中央公園にて)

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第14回「アートの力で、人間が気づけない自然の美しさを可視化したい!」【毎月第1水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.724 ☆

    2016-11-02 07:00  
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    猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第14回「アートの力で、人間が気づけない自然の美しさを可視化したい!」【毎月第1水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.11.1 vol.724
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    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第14回です。今回は、猪子さんが最近取り憑かれたように作品づくりに挑んでいるという、「デジタイズド・ネイチャー」シリーズの新作について語っていただきました。猪子さんが「今までの人生で見た中で一番感動した」とまでいう、山奥の秘境で生まれた作品も登場。「リアルな自然」と「デジタルな自然」が融合する「デジタイズド・ネイチャー」とは? そして、アートが介入することで初めて人間が知覚できる”時間性”とは?
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    猪子寿之(いのこ・としゆき)

    1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
    47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet」、5時間待ち以上となった「DMM.プラネッツ Art by teamLab」など。2月からシリコンバレー、イスタンブールでの個展を開催中。また3月からシンガポール、8月から韓国で巨大な常設展開催中。今後、ロンドンや北京、台湾などで開催予定。

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    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第13回「ロジックがわからなくても“居心地の良い世界”をつくりたい!」

    ■ 故郷・徳島の秘境につくった新作
    猪子 徳島県の山奥に、「大歩危・小歩危」と呼ばれている渓谷があるんだけど、今日はそこで発表した新作の話をしたいな。
    これはこの連載で前にも触れた、「デジタイズド・ネイチャー」という自然そのものをアートにするプロジェクトなんだけど、今このシリーズの作品をつくりまくっているんだよね。で、今回作品をつくった場所は、日本三大秘境にもなっている祖谷(いや)という地域の一部なんだけど、そこがもう、すっごい美しい場所なの!

    ▲夏の「大歩危」の風景(画像出典)
    宇野 へえ、本当に美しい場所だね。普通に観光に行きたいな……(笑)。
    猪子 この祖谷の里というのは、壇ノ浦で自決したはずの平教経と安徳天皇がひっそり逃れて平家再興の望みをつないだという伝説がある土地なんだよね。
    あともうひとつ、祖谷には「かずら橋」という、いかにもすぐ壊れそうな橋があるんだよ。この橋は、いつ源氏が来ても大丈夫なように原始的なつくりにしたという説があるんだよね。

    ▲「かずら橋」(画像出典)
    宇野 そもそも猪子さんは、なんでこんな山奥で作品をつくろうと思ったの?
    猪子 去年、阿波踊りで徳島に行ったのがきっかけだったんだよね。徳島には、人間よりもかかしの数が圧倒的に多い、通称「祖谷かかし村」というヤバい村があるんだけど、そこにどうしても行きたくて、そこに行く途中にこの大歩危小歩危を通ったの。それでこの場所で作品をつくりたいと思ったんだけど、いざやろうと思ったら、いろんな許可がすごく難しかった(笑)。それで、最終的には川岸に土地を持っている人にお願いして、イベント会場もプロジェクター設置用の場所も全て私有地を使わせてもらったんだよね。
    それが、今回の新作『溪谷に咲く花、流れ込む滝 - 大歩危小歩危』という作品なんだ。川には花の映像を、崖の部分には滝の映像を写したりもしたんだよ。

    ▲チームラボは、10月8日〜10月10日にかけて、小歩危峡  白川橋付近にて『溪谷に咲く花、流れ込む滝 - 大歩危小歩危』の展示会を開催。
    【展示会の詳細】
    【作品解説】
    【YouTube動画】
    宇野 そりゃ国有地でやるなら許可取りだけで大変だもんね(笑)。
    猪子 もう大変でさ、車とかも置けないから、徳島市内から汽車で1時間半近くかかる阿波池田というところまで来てもらって、そこから会場までバスを出したの。
    だから、1日で来れる人数はマックスで600人まで(笑)。でも、タクシーで来る人がいたりとか、近所のホテルが自主的にバスを出したりなんかもしたから、こんな辺境の山奥でやったのに3日間で2500人くらい来てくれたんだよね。

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第13回「ロジックがわからなくても“居心地の良い世界”をつくりたい!」【毎月第1水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.704 ☆

    2016-10-05 07:00  
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    猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第13回「ロジックがわからなくても“居心地の良い世界”をつくりたい!」【毎月第1水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.5 vol.704
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    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第13回です。今回は、「パリが居心地よかった!」という猪子さんが、現地で発表した新作について解説します。“動的であることを前提とした空間のありよう”を模索したその作品が、「世界に関与している実感」を得やすくなった理由とは。そして森美術館の新作『カラス』や下鴨神社の『呼応する木々』などの作品と比較する中でみえた、“世界に対しての感度”が鑑賞者に与える影響とは――?
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    猪子寿之(いのこ・としゆき)

    1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
    47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet」、5時間待ち以上となった「DMM.プラネッツ Art by teamLab」など。2月からシリコンバレー、イスタンブールでの個展を開催中。また3月からシンガポール、8月から韓国で巨大な常設展開催中。今後、ロンドンや北京、台湾などで開催予定。

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    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第12回「自分と〈世界〉を一体化させたい!」【毎月第1水曜配信】

    ■リオデジャネイロ・オリンピック閉会式の感想
    宇野 この間、リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式があったけど、ぶっちゃけ猪子さんはどう思った?
    猪子 ほぼ100パーセントに近い民意を得られてて、すごいと思った。
    宇野 俺はね、まずは「最適解、つまりベストのものが出てきたな」と素直に思った。だって本来だったら、もっと事故ってもおかしくない状況だったわけじゃない。
    猪子 そうだね。
    宇野 ただ、その一方で、あのクロージングの出来のよさって、今の日本の限界がすごく低い地点にあることを露呈させてもいるんだよね。
    だって、あそこで使われた「ドラえもん」「キャプテン翼」「ハローキティ」「マリオ」って、主に80〜90年代のノスタルジーでしかないわけでしょ。まあ、南米で人気のあるネタを選んだのだろうけど、つまり同時にアレは、バブル前後の一番良かった頃の日本の魅力を最大公約数的に見せるということが、今の日本の精一杯だったとも言える。
    もちろん、あのスタッフたちは100パーセントの力を出し切ったと思うんだけど、それでも「あれがベストだった」というのは、今の日本が未来のビジョンを描けないことを逆説的に証明してしまっていると思う。
    猪子 ザハの新国立競技場案(以下、ザハ案)をみんなでつぶして、世界ではなくて、民主主義的に日本の全員が喜ぶものが正解になる。ソフトバンクのCMの犬とか、ああいうものがみんな好きだよね。
    宇野 だからさ、ここは猪子さんが「俺は未来をもっと見せたい」って言うべきなんじゃないの(笑)?
    だって、あの完成度って、未来を見せることを最初から諦めることで、初めて成り立ってるわけじゃない。でも、「すでに好きなものを確かめる」ということの先に進まないと、未来はない。俺としては、猪子さんと一緒にオリンピックの本も作ったわけで、オリンピックは猪子寿之に関わって欲しい。
    【参考】

    ▲『PLANETS vol.9 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』では、猪子寿之&チームラボPresents「参加型オリンピック計画」と題して、開会式や競技中継など、様々な提案を行っている。

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第12回「自分と〈世界〉を一体化させたい!」【毎月第1水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.684 ☆

    2016-09-07 07:00  
    540pt

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    猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第12回「自分と〈世界〉を一体化させたい!」【毎月第1水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.9.7 vol.684
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    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第12回です。今回は『Pokemon GO』や『シン・ゴジラ』などのヒットコンテンツを分析しながら、チームラボ作品がいかにしてそれらの作品と闘えるかについて話しました。新作『カラス』や表参道の展示を通じて考えた、「展示方法」と「作品」の概念の拡張とは――?
    ▼プロフィール
    猪子寿之(いのこ・としゆき)

    1977年、徳島市出身。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。チームラボは、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート・サイエンス・テクノロジー・クリエイティビティの境界を曖昧にしながら活動している。
    47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet」など。2月からシリコンバレー「teamLab: Living Digital Space and Future Parks」、イスタンブール「Borusan Contemporary」、5月はバンコク「Central World」、また3月からシンガポールで巨大な常設展「FUTURE WORLD: WHERE ART MEETS SCIENCE」開催中。

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    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第11回「身体でアートへ没入し、世界との境界を無くせ!」

    ■ジョン・ハンケと猪子寿之の違い
    宇野 猪子さん、『Pokemon GO』やってる? 僕はまだレベル8くらいで止まっているんだけど。
    猪子 いや、リリースされた直後は超やってたんだけどね……。宇部市ときわ公園で「呼応する森」という展示をしてて、ちょうどその出張中に始めたの。

    ▲山口県宇部市ときわ公園で開催された「呼応する森」
    宇部市って彫刻が多い街なんだけど、『Pokemon GO』をやっていると「あ、こんなところに彫刻が!」という発見がたくさんあってすごく楽しかった。それで、東京に帰ってきてからもその勢いでやっていたんだけど、よくよく考えたら俺の東京の生活って自宅と会社の往復ばかりで、本当につまらないわけ(笑)。もはや『Pokemon GO』がつまらないのか俺の人生がつまらないのか……という問題に直面してしまったわけだよ。
    宇野 俺は『Ingress』のときもハマってたんだけど、やっぱり2〜3か月でやめちゃったんだよね。奇しくも『Ingress』のおかげで「こういうものに気をつけて歩くと面白いスポットが見つけられる」という散歩のコツがわかってきて、要するにゲームという支援装置が要らなくなってしまったんだよね。
    でも、『Ingress』と『Pokemon GO』を作った元Google副社長のジョン・ハンケは「ゲームの力で人を外で歩かせることが目的なんだ」というようなことを言ってて、両作ともそれ自体は達成されてはいるんだよ。

    ▲『Ingress』プレイ画面
    【参考】
    宇宙の果てでも得られない日常生活の冒険――Ingressの運営思想をナイアンティック・ラボ川島優志に聞く ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.246 ☆
    猪子 でも、その後が続かないってことだよね。『Pokemon GO』はひたすらアイテムやポケモンをとるのみで、街とか全く見なくなっちゃった。周りを見ていても、みんな途中からAR機能は切っているしね。
    宇野 へー、僕はまだ切っていないけどね。あのビジュアルはやっぱりいいと思うから。
    猪子 それは珍しいね。結局ゲームって、ある種の報酬制度を使った中毒性でできていると思うんだけど、それが目的化しちゃうとパチンコと一緒でひたすらその報酬を求めるのみになっちゃうんだよ。ただの中毒患者としてやらされてる感じで、今はプレイするのが嫌だもん(笑)。
    宇野 ただ、まずは世界中のゲームとか全くやったことのないおばちゃんとかにARゲームをやらせるということが彼らの目的だったと思うんだよ。『Ingress』は敷居が高くて、暇なインテリしかやってなかったけれど、『Pokemon GO』でその敷居を下げることには成功したとは思う。この先、封印していた機能もどんどん解放されるだろうしね。プレイヤー同士のモンスター交換とか。
    なんで『Pokemon GO』の話をしたかというと、最近のチームラボの作品って、ジョン・ハンケとは違うかたちで、テクノロジーの力を使って「人間が世界を眺める視線」に介入していると思うんだよね。
    猪子 どういうこと……?

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第11回「身体でアートへ没入し、世界との境界を無くせ!」【毎月第1水曜配信】☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.658 ☆

    2016-08-03 07:00  
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    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第11回です。今回は、この夏公開のチームラボの作品を次々に見ながら、猪子さんの最近の問題意識の主題を探ります。作品の中で境界を消滅させようとしたとき、それでも私たちの頭の中で働いてしまう境界をめぐる想像力。それをいかにして猪子さんは「破壊」しているのでしょうか――。
    ▼プロフィール
    猪子寿之(いのこ・としゆき)
    1977年、徳島市出身。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。チームラボは、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート・サイエンス・テクノロジー・クリエイティビティの境界を曖昧にしながら活動している。
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    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第10回「〈外部〉のない世界へ!」
    ■DMM.プラネッツはバカでかい!
    猪子 いまハンパない展示をしてるんだよね。
    実は、フジテレビの「お台場みんなの夢大陸2016」で、DMM.comとコラボした「DMM.プラネッツ Art by teamLab」というのをやっているんだよ。3000平米の完全閉鎖の巨大テントを立てて、そこで4作品だけ展示する。もう二度とこんなすごいことはできないかもしれない(笑)。
    宇野 僕も内覧会で体験したけれど、文句なしにすごかったね。規模的にもそうだけど、内容的にもこれってチームラボがこの2、3年やってきたことの集大成だと思うよ。

    ▲7月16日から8月31日まで、チームラボは、フジ「お台場みんなの夢大陸2016」DMM.プラネッツ Art by teamLabにて、超巨大なデジタルアート作品群を展示している。
    猪子 このテントに入るときまずは、靴をぬいで、みんな裸足になってもらうんだよね。テントの中は、迷路みたいになっていてその中に作品が展示されている。
    最初に通るのは、「やわらかいブラックホール - あなたの身体は空間であり、空間は他者の身体である」(以下、「ブラックホール」)という作品。ふわふわで、とてもやわらかい素材のうえを、まるで沈み込みながら歩いていく。

    ▲「やわらかいブラックホール - あなたの身体は空間であり、空間は他者の身体である」

    「人が触れることができるところのすべてが、沈み込むほど、やわらかい空間。空間は真暗で、床と壁の境目はない。人々が作品空間に入ると、空間自体が、人々の身体の重さに影響を受け変化する。そして、人々の身体は、変化する空間に影響を受ける。人々は、互いに作品空間を通して、それぞれの影響を受け合う。
    あなたの身体は空間を変化させ、そして、その空間は他者の身体を変化させる。」

    宇野 入るといきなりこれだもんね(笑)。みんな面食らうと思うのだけど、実はこの時点で、猪子さんが観客に通常とは異なる論理で構成された空間と、あたらしい他者像を体験させようとしていることが宣言されているわけだね。
    猪子 そう。この「ブラックホール」の後に続く3作品についても、アプローチは違うにしろ、同じコンセプトを持っていて、アート作品そのものの中に身体で完全に没入してもらいたいと思っているんだ。これまでは、絵画や彫刻に代表されるように、作品と人間には境界があって、境界がある上で、対峙して鑑賞していたと思うんだ。空間型のインスタレーションは、作品を体験をするけれども、やはり人間がいる場所は空間だったと思う。でも、今回は、作品そのものに、身体ごと没入していくという体験にしたかった。でも、現代人は、頭が全てみたいになっているでしょ? テレビやスマートフォンも頭で理解してわかったつもりになっているし、そもそも自然界にはない硬い平面で構成された都市で生活していると、身体を忘れてしまう。だから、エントランスで裸足になって、水の中を通って、この全くちゃんと歩けない、全身を使わないと転んでしまう空間を通ることで、無意識に、無理やり身体を思い出してもらおうと思ったんだ。人間は、しょせん、身体の塊であると。
    さらに「Crystal Universe」という作品を、2015年に銀座(ポーラ ミュージアム アネックス)で展示したときの約6倍の大きさにして、「Wander through the Crystal Universe」という名前で展示しているんだよ。
    宇野 ああ、あの作品は絶対に広い方がいいね。あの作品はさ、それこそ宇宙のようにどこまで奥行きがあるかわからない空間に入り込んでしまったかのような錯覚を、観客の脳に与えることが大事だからね。

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