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『人生の質は「細胞エネルギー」で決まる!』の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5,#6)
このシリーズでは、現代人の不調の原因を「細胞エネルギー」という視点から整理しております。要するに、ミトコンドリアの働きが低下すると、体内でうまくエネルギーを作れなくなり、その結果として疲労や肥満、慢性疾患といったさまざまな不調が引き起こされるわけですね。そこで前回は「ミトコンドリアと運動」の話をしましたんで、今回はその続きで「ミトコンドリアを増やす健康刺激」の話をしてみましょう。
「健康刺激」ってなんじゃろな
このシリーズでは、現代人の不調を「ミトコンドリアの機能不全」の問題として見てきたわけです。ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー工場で、こいつがうまく働かないと、人体はエネルギーをちゃんと作れなくなり、その結果、
- 疲れやすい
- 太りやすい
- 炎症が増える
- メンタルが落ちる
- 老化が進む
みたいな問題が起きるんだよーって話であります。
で、今回チェックしたいのは「健康刺激」の観点でして、これは「現代人はミトコンドリアに必要な刺激を失ってるんじゃないの? 」という問題であります。これはパレオチャンネルで過去にやった「コンフォートクライシス」と同じ話なんですけども、ミトコンドリアの面から見てもめっちゃ大事なポイントなので、ここでは新たな視点も交えつつ再チェックしていきましょう。
さて、ご存じのとおり現代生活はめちゃくちゃ快適で、暑ければエアコンをつけ、寒ければ暖房をつけ、腹が減ればコンビニに行き、夜でも照明とスマホで明るく過ごせるわけです。もちろん、快適な生活そのものが悪いわけではなく、寒さで凍えるより暖房があったほうがいいですし、食料不足で苦しむよりスーパーで食材が買えるほうがいいに決まってるわけですが、これは人類史から見れば、かなり異常な環境なんですよね。
ここで問題になるのは、快適さが行きすぎた結果として、私たちの体が本来受けていたはずの「ちょうどいい刺激」まで失ってしまったことであります。「ちょうどいい刺激」ってのは、たとえば、
- 少し寒い
- 少し暑い
- 自然の中を歩く
- 土や植物や動物の微生物に触れる
- ときどき空腹になる
- 体を動かして汗をかく
みたいなものでして、これらは一見すると「不便」や「不快」に見えるものの、実は体にとっては重要なトレーニング刺激になってるんですな。
こいつは「不老長寿メソッド」で取り上げた「ホルミシス」ってやつで、少量のストレスが、体の防御システムを鍛えてくれる現象を意味しております。その代表例は筋トレで、バーベルを持ち上げる行為は筋肉にとってはストレスなんだけど、そのストレスがあるからこそ、体は「次はもっと強くならねば!」と判断し、筋肉や神経を強化してくれるわけです。
これと同じように、寒冷、暑熱、自然、微生物といった刺激も、うまく使えばミトコンドリアや免疫システムに良いプレッシャーをかけてくれるかもしれない……ってのが、今回の話のキモになります。それぞれのポイントをざっと見ておくと、
寒冷刺激:冷水シャワー、寒中水泳、アイスバスなど、近年は「冷たい刺激が健康にいい!」みたいな話が多め。正直、このジャンルは過大評価されている部分も多いんだけど、寒さにさらされた人体が熱産生を行い、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質にも影響を与えるのは間違いないため、健康刺激として働く可能性は高い。さすがに「アイスバスで人生が変わる!」みたいな話は盛りすぎながらも、「少しだけ不快」な冷水シャワーぐらいなら試してもよし。
サウナ:サウナについては、フィンランド系の観察研究を中心に、心血管疾患や死亡率との関連がいろいろ報告されている。もちろん、どれも観察研究なので「サウナに入れば寿命が延びる!」とまでは言えないものの、メカニズムとしては筋が通っている。サウナが軽い運動に近いストレスを発生させるのは確実なので、その結果として血流が改善し、血管内皮機能が刺激される可能性は十分にある。
自然:もはや説明するまでもないものの、自然ってのは複数の刺激に満ちていて、光、空気、地面の感覚、植物の匂い、微生物、音、温度変化などをまとめて与えてくれるのが大きい。いわば自然は、体にとっての「複合刺激パッケージ」なので、自律神経やストレス反応に良い影響を与える可能性がある。
微生物:現代生活で失われた刺激の中でも、かなり重要なのが「微生物との接触」だと思われる。人間の体には、腸内細菌をはじめとして、皮膚、口、鼻などに大量の微生物が住んでいるが、現代生活では抗菌グッズを多用したり、土に触れなかったりといった要素が重なり、微生物の多様性が減りやすくなっている。免疫システムは微生物との接触を通じて教育されるため、幼少期から微生物との接触が少なすぎると、免疫の敵と味方を見分ける力がうまく育たず、アレルギーや自己免疫的な問題につながる可能性がある。
といったあたりがポイントになります。どれもパレオダイエットではおなじみの観点ですが、これはミトコンドリアの機能にも欠かせないわけっすね。
ただし、ここで勘違いして欲しくないのは、「健康刺激は、量を間違えるとただのダメージになる」という点であります。これは筋トレと同じ話で、筋肉への刺激は適量なら筋肉を増やしますが、やりすぎればケガや疲労につながりますからね。寒冷刺激も、適量なら覚醒感や代謝刺激になりますが、やりすぎれば低体温やストレスになっちゃうんで。
なので、ミトコンドリアの活性において狙うべきは「苦行」ではなく、「小さな不快を生活に戻す」ぐらいのスタンスがめっちゃ大事になってきます。体に対して、「まだ環境に適応する必要があるぞ」と軽く思い出させるぐらいが、細胞エネルギーを取り戻す最適なラインになりますんで、そこはお間違えなく。
今日からできる「健康刺激」の入れ方
では、細胞エネルギーを取り戻すには、どうすればいいのか? その基本的なガイドラインについては過去の「不快の科学」シリーズで述べたので、ここでは繰り返しません。より手軽に細胞エネルギーを取り戻したいのであれば、
人生の質は「細胞エネルギー」で決まる!#6「ミトコンドリアを刺激するベストな運動メニューとは?」

『人生の質は「細胞エネルギー」で決まる!』の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5)
このシリーズでは、現代人の不調の原因を「細胞エネルギー」という視点から整理しております。要するに、ミトコンドリアの働きが低下すると、体内でうまくエネルギーを作れなくなり、その結果として疲労や肥満、慢性疾患といったさまざまな不調が引き起こされるわけですね。そこで前回は「時間の乱れ」の話をしましたんで、今回はその続きで「ミトコンドリアを増やす運動」の話をしてみましょう。
そもそもなぜ運動は素晴らしいのか、説明できます?
「運動は健康にいい」って話は、さすがに聞き飽きた感がありますが、じゃあ「何がどう良くなるのか?」と聞かれると、意外とぼんやりしてる人も多いはず。運動が良い理由は複数ありまして、インスリン感受性の改善や慢性炎症の低下など複数のメカニズムが存在しますが、こと細胞エネルギーの観点からいうと、
- 運動はミトコンドリアを増やすから素晴らしいのだ!
って結論になります。運動というと、世間では「カロリーを消費してくれるから良い」みたいなことを言いがちなんだけど、実際の研究で確認されているメリットのなかで最も大きいのは、運動によって細胞のエネルギーが増えるってポイントなんですね。
前回までで見てきたとおり、現代人の不調の多くは、
- 疲れやすい
- 太りやすい
- 集中力が続かない
みたいな「なんとなく不調」に集約されるわけですが、これらの原因について、昨今の細胞エネルギー理論から一言でまとめると、
- 「なんとなく不調」の原因はミトコンドリアの機能低下だ!
って感じになります。繰り返しになりますが、細胞の発電所がうまく働かないと、体全体のパフォーマンスがじわじわ落ちていくってことですね。
で、ここで重要なのは、
- ミトコンドリアは「使わないと減る」
- 逆に「使うと増える」
という性質を持っているところで、ミトコンドリアってのは筋肉と同じようなもので、刺激を与えれば増えるし、放っておけば衰えるものなんですよ。つまり、運動をしないと、
- 運動しない →
- 細胞のエネルギー工場が減る →
- さらに動けなくなる
という負のループに入りやすくなっちゃうわけですな。実際のところ、運動でミトコンドリアが増えるってデータはめっちゃありまして、過去の代表的な研究(R)では、
- 有酸素運動でミトコンドリア密度が増加する
- HIITでも同様の増加が確認されている
- トレーニング開始後、数週間でミトコンドリアの増加が確認されている
のように報告されてたりします。これは運動をするしかないですな。
これは専門的には「ミトコンドリア生合成」と呼ばれる現象で、このプロセスの中核になるのがPGC-1α(ピージーシーワンアルファ)ってタンパク質であります。こいつはミトコンドリアを増やすスイッチみたいな存在で、私たちが運動をしてエネルギーが足りない状態になると、これによってPGC-1αが活性化してミトコンドリアが増えるって流れになってるんですな。
で、このスイッチをオンにすることがわかっているのが、
- 有酸素運動
- HIIT(高強度インターバル)
- 筋トレ
の3つでして、要するに体に「ちょっとキツい刺激」を与えたときに、ミトコンドリアの増設スイッチがオンになるのだと覚えておけば問題ありません。
では、ベストな運動ってどんな感じなの?
ここでよくある疑問が、「ミトコンドリアを増やすためには、どんな運動がベストなの? 有酸素? HIIT?」みたいなものです。いわば「発電所を増やすには長く動くべきか、短く追い込むべきか」みたいな疑問ですな。
これは判断が難しい問題ですけども、ざっくり言えば「すべてやるのが理想」であります。というのも、運動の種類によって、ミトコンドリアに効くメカニズムが違ってきますんで。

『努力してるのに成長しない人の共通点、それは「コーチャビリティ」の無さ』の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5,#6)
このシリーズでは、「なぜ同じ努力をしても結果に差が出るのか?」という問題を、科学的な視点からチェックしております。コーチをつけても伸びる人と伸びない人の違いは何か?みたいなポイントですね。
そこで、前回は成長が早い人の第五の特徴である「フィードバック受容」を深掘りしたんで、今回はその第六の特徴である「フィードバック実行」をチェックしてみましょう。
簡単におさらいすると、「フィードバック実行」ってのは、受け取ったアドバイスや改善点を、実際の行動に落とし込み、継続的に試しながら自分のパフォーマンスに反映していく能力のことです。これがコーチャビリティに欠かせないのは当然で、どれだけ正しい知識や優れたアドバイスを持っていたとしても、それを実際の行動に移さなければパフォーマンスは1ミリも変わりませんからね。“理解しているだけの人”と“何も知らない人”のあいだに差はほとんど生まれませんから。
ということで、ここでは「フィードバック実行」の改善に効く手法を、いくつか取り上げておきましょう。
鈴木祐
1976年生まれ。新宿区在住のライター/編集者。パレオダイエットにくわしい人。普段はチャイナ服ではありません。ライター歴は18年ぐらい。科学の知見を自分のカラダで試していくのが趣味で仕事。
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