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「Newtype」で振り返るオタク文化の30年、そして「2020年以降」の文化のゆくえ――KADOKAWA代表取締役専務・井上伸一郎インタビュー☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.198 ☆
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「Newtype」で振り返るオタク文化の30年、そして「2020年以降」の文化のゆくえ――KADOKAWA代表取締役専務・井上伸一郎インタビュー☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.198 ☆

2014-11-11 07:00

    「Newtype」で振り返るオタク文化の30年、
    そして「2020年以降」の文化のゆくえ
    ――KADOKAWA代表取締役専務・井上伸一郎インタビュー
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2014.11.11 vol.198

    これまで10回以上に渡ってお届けしてきた「PLANETS vol.9(特集:東京2020)」連続インタビューシリーズ。今回はなんと! 「Newtype」の創刊などに携わった伝説のアニメ雑誌編集者で、現在は株式会社KADOKAWA代表取締役専務を務める井上伸一郎さんにお話を伺ってきました。「PLANETS vol.9」の目玉企画のひとつである、オリンピックの裏で開催される文化祭=「2020年の夏休み計画」から、「Newtype」で振り返るオタクの30年史まで、盛り沢山でお届けします。

    ▼これまでにお届けしてきた「PLANETS vol.9(東京2020)」関連記事はこちらから。

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    ▼プロフィール
    井上伸一郎(いのうえ・しんいちろう)
    株式会社KADOKAWA代表取締役専務。1959年東京生まれ。87年4月㈱ザテレビジョン入社。アニメ雑誌『月刊ニュータイプ』の創刊に副編集長として参加。以後、女性情報誌『Chou Chou』漫画雑誌
    『月刊少年エース』等の創刊編集長などを歴任。07年1月㈱角川書店 代表取締役社長に就任。13年4月㈱角川グループホールディングス(現 ㈱KADOKAWA)代表取締役専務に就任し現在に至る。
     
    ◎聞き手 : 宇野常寛/構成 : 有田シュン
     
     
    「2020年」は、今まで作ってきたものをうまく壊せる楽しい機会にしたい
     
    宇野 そもそも「裏オリンピック」の企画を思いついた時に真っ先に相談した相手が何を隠そう井上さんでした。そういった経緯もあり、井上さんには「PLANETS Vol.9」掲載予定の座談会に出席していただいていますが、今回はそちらを補足する形でお話を伺いたいと思います。まず、2020年のオリンピックは、正直に言ってコンテンツ業界が直接的にかかわるような性質のものではないと思うのですが、KADOKAWAという会社、そして井上さんとしてはどういうものとして捉えているのでしょうか。

    井上 これはすごく難しい話ですね(苦笑)。まず東京の歴史について振り返ると、関東大震災で一度大きく傷つき、東京大空襲でもう一回焼け野原になった後、昭和39年の東京オリンピックで再構築されたという経緯があります。また、当時オリンピックに向けて作られた都市の仕組みは、たとえば首都高のあり方なども含めて、いまだにまだ生き続けています。それに対して2020年の東京オリンピックは、オリンピックという大きなイベントを介して日本人の精神的な何かをリセットするというか、一度見つめ直してみるいい機会なのかなと思っています。「新しい国立競技場みたいな大きな建築物を作ってどうするんだ」と批判する声も上がっていますが、私としては設計図を見た時に「こんなでっかいものを作ってどうするんだ」と思いつつ、純粋にワクワクもしたんです。これが完成したら2020年に日本の状況が変わったという一つの象徴になるし、東京の風景自体もガラッと変わりますから。というのも、私個人としては怪獣映画が非常に好きなので……。

    宇野 ぜひ、そういうお話をお願いします(笑)。

    井上 私が最初に怪獣映画を見たのは幼稚園の頃なんですが、都市が破壊されるシーンがすごく面白かったんです。特に印象に残っているのが小学一年生の時に見た『大怪獣ガメラ』(1965)。クライマックスで、東京都心部の破壊シーンがあって、一度全てがまっさらになるという絵面がすごく好きでした。だからいまだに怪獣には山の中じゃなくて都市で戦ってほしいと思っているんです。別に破壊願望があるわけじゃないけど(笑)、どこかでいろんなものをリセットしたいという願望の表れだと思います。そんなわけで、2020年は今まで作ってきたものをうまく壊せる機会になればいいと思います。

    だから最初に宇野さんに話を聞いた時は非常に面白いなと思いました。その時点では体育祭に対するカウンターとしての文化祭みたいなもの、というイメージを持っていたのですが、その一方でオリンピックというのは単純に色々な人に東京へ来てもらうための装置でしかなくて、来てもらった以上は他の部分でも楽しんでほしいなと思いました。実際に競技を見ている時間なんて、せいぜい1日の中の3~4時間でしょう。だったら、それ以外の20時間をどう過ごしてもらうかを提案した方が、東京に来てくれた人にとっても楽しいはずです。来て楽しんでもらう以上は、今あるオタク文化をきちんと見て、触れて、あるいは持ち帰って広めてもらうという機会にぜひしたい。その準備を今から少しずつ始めたいなとも思っています。

    宇野 井上さんの最近のお仕事で印象的だったのが、2011年に東京国際アニメフェアに対抗してアニメコンテンツエキスポというイベントを企画したことです(震災の影響で開催は2012年に延期となった)。当時は都条例との絡みで大きな注目を集めましたが、僕があの時に思ったのは、コンテンツを持っている会社とファンコミュニティが呼吸を合わせたら、あれぐらいの短い準備期間でイベントができてしまうということなんです。その上で、ああいったかたちでオタク業界のファンがもっと集まることのできるイベントができるんじゃないかと思うんです。

    その一つにコミケがあるわけですが、ただ、もう図体が大きくなりすぎて自由度があまりなくなっているという現状があります。例えばもうちょっとカジュアルなアニメファンが集まれるようなイベントが、もう一つ二つあってもいいと思うんですよね。それは僕がアイドルが好きだから余計に思うんですけど、音楽産業はもう5~6年ぐらい前からイベント商売にシフトしていて、今や「ロッキング・オン」なんてほぼフェス運営会社になっている。アニメも今後ソフトビジネスが崩壊していく中で、どこかのタイミングでみんなで集まってお祭り的に消費する、という側面を作っていくことが大事なんじゃないでしょうか。

    井上 まったくその通りで、実はこの10月からKADOKAWAの中にアニメイベント専門の部署を新設したんです。そのイベントにはステージイベントと人が集まるイベントの二つがあって、とにかくライブ(生)をより充実させていこうという意図があります。さらにもう一つ、私の脳内では、まったく誰も見たことのないようなイベントというものをやれないかと考えています。まだどんなものかは言えないんですけど(笑)。

    宇野 え、本当ですか? ちょっとヒントをいただけませんか?

    井上 これを作ったら、まだ誰もやったことのない世界初のコンテンツになるだろうと思っています。 
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