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【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】ファースト信者の岡田が、キリスト教で初代ガンダムを語る 第73号

「俺のこの手が真っ赤に燃える、勝利をつかめと轟き叫ぶ! 爆熱!ゴッドフィンガァァァーッ!!!」   ……すいません、取り乱しました。。ガンダムはGガンダムから観た前田宏樹です。   今回も、Gyaoジョッキーより『岡田斗司夫のひとり夜話 2007/9/3』をお送りします。  なんと岡田斗司夫は、ファースト・ガンダム以外好きじゃないそうです。 「GガンダムもZガンダムも面白いよ?」そんな声が聞こえてきそうですが、ファースト信者はキリスト信者に通ずるものがあるんだそうな。  せっかくですから、キリスト教の勉強も兼ねて理由を聞いてみましょう。  求めよ、さらば与えられん! ハイライトをどうぞ! ************************************    僕は「最初のガンダム以外は好きじゃない」と言った。   こういう人をファースト信者というそうです。  Ζガンダムはそれなりの出来だとは思うんですが、最初のガンダムを観た僕にとっては、必要ないと思っちゃいますね。なぜなら、 ”最初のガンダムに心動かされたからだ” 、と思いますね。  なんで”最初に見て心動かされたもの”にこだわるのか。  キリスト教徒の人たちって、当たり前だけど子供の時からキリスト教じゃないですか。でも、ある程度分別がつく年齢になると、もう1回キリスト教に入り直すような時期があるんですね。自分の中で”キリストを救世主と認め、で主を愛することを誓った”という心の動きがあった。   それを自覚した人は、もう1回キリスト教徒を選びなおすんですよ。この秘跡〈サクラメント〉が、キリスト教にはいくつか瞬間があるんですね。  例えば結婚。  これはカソリックだと、神の前でその女の子との関係を誓うってことなんです。日本人が誤解しちゃうのは、神様の前で2人が誓うと思うんですけど、違うんです。  カソリックにおいての結婚っていうのは、神様の前で、男と女がそれぞれ神に向かって誓うという契約なんですね。2人の間での契約なんて認められないんですよ。  人間同士の契約は意味がない。なぜなら人間は嘘つきで弱い生物だから約束なんて出来ない。唯一約束が存在するのは神との強い契約においてなんです。  つまり、キリスト教にもう1回入り直す真面目なキリスト教徒っていうのは、 「やっぱり俺はキリストを信じるんだ」 ――という、秘跡〈サクラメント〉が起こるんですよ。  それと同じように、僕らはアニメを見てると、 「このアニメについていこう」 「現実じゃなくて俺はこのガンダムの世界にいたい」 ――と、心をガっと持っていかれる瞬間がある。それは個人の秘跡〈サクラメント〉なんですね。  だから、それを他の人間が「いやそのアニメダメだ」って言ってもどうしようもない。 僕は最初のガンダムを見たので、今更他の人から、 「ファースト信者だ」 「昔のことばっかり言ってノスタルジーだ」 ――と言われても、僕に起こった秘跡〈サクラメント〉は誰にも動かしようがないし、僕自身も動かしようがないんですね。  テレビで最初のガンダムを観ちゃった。しかも、オンエア中に、「このアニメが打ち切りになるかもしれない」という噂を聞きながら。  この先がどうなるか分かんない、ひょっとしてジオンが勝つラストになるかもわかんない。いろんなことを友達と話しながら観ていた。 ――あの瞬間とかを含めてのガンダム体験なわけです。  それから先のガンダムは、ヒットすることが約束され、お馴染みのキャラクターが出てきて、というニュアンスで観ちゃう。だから、ZやZZはあんまり心から好きになれないんだ、と思いますね。  イエス・キリスト本人に会ってしまったから、そのあとパウロとかヨハネがキリスト教を教団化しても、「なんかのノリがあわないなあ」みたいなもんだ、と思います。  Gガンダムもいいかもしれないです。  でも、さすがにGガンダムを面白がれるほど「俺はまだ酔狂じゃないなあ」と(笑)。  60歳になったらもう1回見てみようかな。

【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】ファースト信者の岡田が、キリスト教で初代ガンダムを語る 第73号
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岡田斗司夫

作家、評論家 1958年、大阪生まれ。株式会社オタキング代表。FREEex主宰。常に時代の先を読み、ユニークな創造をし続けるクリエイター。アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを創業、社長時にはアニメ『王立宇宙軍オネアミスの翼』『ふしぎの海のナディア』、ゲーム『プリンセス・メーカー』などを手がけ、ブームを巻き起こした。その後、東京大学非常勤講師に就任。作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を越え、人々は尊敬の意味をこめてオタクの神様「オタキング」と呼ぶ。

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