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岡田斗司夫のニコ生では言えない話 告白から恋愛に流れるなんて、時代遅れじゃないですか? 第86号

告白するのも、されるのも縁のない無銘のマサフミです。 岡田斗司夫講演『悩みのるつぼ~おたくの息子に悩んでいます~デジタル世代の恋愛論』も3回目になりました。 「告白」って言われてみると仰々しい響きですね。 「love」を「恋愛」と訳し、北村透谷が「恋愛は人世の秘鑰(ひやく)なり、恋愛ありて後人世あり」とまで記してから120年、愛の告白とはロマンチック・ラブの信仰告白でもあるのでしょう。 振られるのが怖いのは信仰が足りないようです。 でも現代はアイドルに夢中な人も多いです。アイドルは振り向きませんね。ただ一人には振り向かないともわかっている。大勢でならば信仰が続けられるということでしょうか。 告白するとは、一人だけでも信仰を続ける、教祖になるほどの信仰があるということかもしれません。 それではハイライトからどうぞ。 ************************************ 「告白から恋愛に流れるという傾向が時代遅れだと思うのですが、どう思いますか?」  “告白”っていう概念、日本人にしかないそうですよ。  だから、時代遅れかどうかっていう以前に、「告白っていう考え方自体が、おそらく20世紀の終わりから21世紀のはじめ辺りに、日本国というローカルな場所で流行った恋愛儀式みたいなもんだ」と思うんですけれども。  ただ、そういうのは理屈であって。  現に、女の人にしてみたら「ちゃんと告白してくれないと始まらない」という考え方があるんです。  まあ、この質問を書いているのが、男性か女性か、よくわからないんですけれども。  僕が、大学で学生の恋愛相談に乗るときは。   まず、男子生徒に対しては「ダメでもいいから、どんどん告白しろ!」って言っています。  次に、女子生徒には「もう、男からは告白しないと思ってあきらめろ!」と言います。  というのも、本当に最近は男子から告白をしないんですよ。  最近の男子が語る恋愛行動パターンっていうのは、「いかに女子の方から自分に告白するように仕向けるのか?」というもので。  こういうことばっかり言うんですね。  女の子はそれにヤキモキして、「いつ告白してくれるんだろう?」っていうふうに考えるんですけども。  その“待ち”の戦略を大学生活でやっちゃうとですね、貴重な1年2年っていう時間が潰れていって、結果“なあなあの関係”になるだけなんですね。  だから、 女子に言ってるのは、「もう、そんな面倒くさいことは考えないで、自分から告白しろ!」と。  「自分から告白して、それでもウジウジ言ってるような男はもう捨てて、次の男に行け!」と。  まるで男に対するように言ってるんです。  対して、 男性に言ってるのは、「彼女が出来ないって言ってるヤツは、とりあえず今日中に一人目に告白しろ!」と。  「週に平均3回告白していったら、だいたいなんとかなる!」ってことですね。  なんとかなるってのは単なる確率論で、別に「そういうふうにやって行くと、だんだん上手くなる」とか、そうじゃないんですけども。  とりあえず、「いいな」と思ってる女の子には、「俺と付き合わない?」って言うような“クセ”を付ける。  そうでもしない限り、男なのに告白しないとか、まず自分の態度を自分からオープンしないって特徴はなくならないんですね。  今の若い人は子供の頃から「消費者である」という事が、あまりにも当たり前になっていて。  その結果、「何かを支払う時とは、必ず何かを手に入れるアテがある時である」っていう、この“経済的なバランス感覚”が完全に身についてしまっているんです。  これは、何年か前の本で“内田樹”さんも、「あらゆることが経済交換・等価交換の儀式になった」と仰っていたことなんですけども。  最近の男性が告白する時ってのは、“必ず行けそうな時”だけなんです。  「俺が告白という恥ずかしい事をやるからには、お前の方がイエスという交換物を差し出してくれるという確証がないとダメだ!」ってなっちゃってるんですね。  なので、男性の方からなかなか告白しない。  これが分かってるんだから、「女子の方から告白しなさいよ」なんですけども。  「告白から恋愛に流れるという傾向が時代遅れだと思うんですが、どう思われますか?」っていうのに関しては。   時代遅れじゃなくって、今の若い男性は告白というストレスにも耐えられなくなってるんですね。  なので、相手のことを好きだと思ったら、女の人は自分から告白するように、つまり、もうちょっと“男前”になった方が手っ取り早いです。       男性の場合は男性の場合で、もうちょっとですね、“無神経”になる方が手っ取り早いです。  つまり、「フラれたらどうしよう」とか、「恥ずかしい」とか考えるんじゃなくって。  「もう俺はフラれる存在だよ!」って思っておいて、週3人ぐらいに告白した方が、絶対に手っ取り早いんです。  “手っ取り早い”ってだけで言えば。  もちろん、「それが本当の恋愛か?」と聞かれると、「いえいえ」と答えますよ。  だけど、“本当の恋愛”は何かというと、こういう事を3、4年繰り返していく間に自分の中でだんだん見つけるものであって。   「1回目とか2回目の恋愛で、本当の恋愛なんかに行きつこうなどと思うなっ!」 っていうのが、恋愛に関する、僕のオッサンっぽい考え方です。  やりとりとか、失敗とか、何人と知り合ったかがある中で、自分で見つけていったり、揃っていったりするものであって。  「しょっぱなから成功間違いなしのものを掴もうとするなよ!」っていうことを、今の若い人全般に対して思っています。

岡田斗司夫のニコ生では言えない話 告白から恋愛に流れるなんて、時代遅れじゃないですか? 第86号
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著者イメージ

岡田斗司夫

作家、評論家 1958年、大阪生まれ。株式会社オタキング代表。FREEex主宰。常に時代の先を読み、ユニークな創造をし続けるクリエイター。アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを創業、社長時にはアニメ『王立宇宙軍オネアミスの翼』『ふしぎの海のナディア』、ゲーム『プリンセス・メーカー』などを手がけ、ブームを巻き起こした。その後、東京大学非常勤講師に就任。作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を越え、人々は尊敬の意味をこめてオタクの神様「オタキング」と呼ぶ。

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