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  • 【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】ファースト信者の岡田が、キリスト教で初代ガンダムを語る 第73号

    2014-02-24 07:00  
    220pt
    「俺のこの手が真っ赤に燃える、勝利をつかめと轟き叫ぶ! 爆熱!ゴッドフィンガァァァーッ!!!」 
     ……すいません、取り乱しました。。ガンダムはGガンダムから観た前田宏樹です。 

     今回も、Gyaoジョッキーより『岡田斗司夫のひとり夜話 2007/9/3』をお送りします。
     なんと岡田斗司夫は、ファースト・ガンダム以外好きじゃないそうです。
    「GガンダムもZガンダムも面白いよ?」そんな声が聞こえてきそうですが、ファースト信者はキリスト信者に通ずるものがあるんだそうな。
     せっかくですから、キリスト教の勉強も兼ねて理由を聞いてみましょう。

     求めよ、さらば与えられん! ハイライトをどうぞ!

    ************************************

       僕は「最初のガンダム以外は好きじゃない」と言った。

      こういう人をファースト信者というそうです。
     Ζガンダムはそれなりの出来だとは思うんですが、最初のガンダムを観た僕にとっては、必要ないと思っちゃいますね。なぜなら、

    ”最初のガンダムに心動かされたからだ” 、と思いますね。

     なんで”最初に見て心動かされたもの”にこだわるのか。

     キリスト教徒の人たちって、当たり前だけど子供の時からキリスト教じゃないですか。でも、ある程度分別がつく年齢になると、もう1回キリスト教に入り直すような時期があるんですね。自分の中で”キリストを救世主と認め、で主を愛することを誓った”という心の動きがあった。


      それを自覚した人は、もう1回キリスト教徒を選びなおすんですよ。この秘跡〈サクラメント〉が、キリスト教にはいくつか瞬間があるんですね。


     例えば結婚。
     これはカソリックだと、神の前でその女の子との関係を誓うってことなんです。日本人が誤解しちゃうのは、神様の前で2人が誓うと思うんですけど、違うんです。
     カソリックにおいての結婚っていうのは、神様の前で、男と女がそれぞれ神に向かって誓うという契約なんですね。2人の間での契約なんて認められないんですよ。

     人間同士の契約は意味がない。なぜなら人間は嘘つきで弱い生物だから約束なんて出来ない。唯一約束が存在するのは神との強い契約においてなんです。
     つまり、キリスト教にもう1回入り直す真面目なキリスト教徒っていうのは、


    「やっぱり俺はキリストを信じるんだ」
    ――という、秘跡〈サクラメント〉が起こるんですよ。


     それと同じように、僕らはアニメを見てると、

    「このアニメについていこう」
    「現実じゃなくて俺はこのガンダムの世界にいたい」
    ――と、心をガっと持っていかれる瞬間がある。それは個人の秘跡〈サクラメント〉なんですね。


     だから、それを他の人間が「いやそのアニメダメだ」って言ってもどうしようもない。
    僕は最初のガンダムを見たので、今更他の人から、


    「ファースト信者だ」
    「昔のことばっかり言ってノスタルジーだ」
    ――と言われても、僕に起こった秘跡〈サクラメント〉は誰にも動かしようがないし、僕自身も動かしようがないんですね。



     テレビで最初のガンダムを観ちゃった。しかも、オンエア中に、「このアニメが打ち切りになるかもしれない」という噂を聞きながら。
     この先がどうなるか分かんない、ひょっとしてジオンが勝つラストになるかもわかんない。いろんなことを友達と話しながら観ていた。

    ――あの瞬間とかを含めてのガンダム体験なわけです。


     それから先のガンダムは、ヒットすることが約束され、お馴染みのキャラクターが出てきて、というニュアンスで観ちゃう。だから、ZやZZはあんまり心から好きになれないんだ、と思いますね。

     イエス・キリスト本人に会ってしまったから、そのあとパウロとかヨハネがキリスト教を教団化しても、「なんかのノリがあわないなあ」みたいなもんだ、と思います。


     Gガンダムもいいかもしれないです。
     でも、さすがにGガンダムを面白がれるほど「俺はまだ酔狂じゃないなあ」と(笑)。
     60歳になったらもう1回見てみようかな。