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2013年11月の記事 34件

【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】僕と契約して『魔法少女まどか☆マギカ』を観てよ!第60号

僕の名前は無銘のマサフミ。面白い話を聞きたくないかい? 2012年10月の『岡田斗司夫の「まどか☆マギカ劇場版」を金払って観たから言いたいこと言うよ!』から前編をお届けするよ。 でもこの話を楽しむためには、『魔法少女まどか☆マギカ』のテレビ版を観るか、劇場版『始まりの物語』『永遠の物語』の2作品を観るか、そのどちらかが必要になるんだ。 今なら劇場公開中の『叛逆の物語』も続けて楽しめるようになるからね。急いだほうがいい。 岡田斗司夫の目頭も熱くさせた、可愛らしくて健気な少女が魔女に立ち向かう、愛と勇気の物語。 だから僕と契約して、『魔法少女まどか☆マギカ』を観てよ! ************************************ 映画館からこっちに来る時に、うちのメンバーで、映像の監督を本職でやっている“監督のヒロキ”っていうやつと話してたんだよ。 「まどマギは“芝居場”を作って、そこでセリフで語ってる」って話をね。   芝居場っていうのは何かっていうと、キャラクターがものすごくイイコトを言いそうな瞬間の事なんだよな。  で、『まどか☆マギカ』って、それを作るのがすごく上手いんだけども。  でも、その芝居場を作った時に、必ず“引き”の絵、ロングの絵になって、デザインっぽい処理をするんだよ。  で、「それは、ちょい逃げだよね」って話をしていたんだ。 「エヴァはその辺、正々堂々としてる」っていうか(笑)  まどか☆マギカが“テレビアニメっぽい”のに比べて、『エヴァンゲリオン』って“アニメ映画っぽい”っていうのかな?  映像で語ろうとしちゃうんだ。  だから、セリフが芝居場のクライマックスに来ずに、芝居を映像で魅せようとしているんだけども。  対して、 まどか☆マギカはセリフで魅せようとしている。  これは映画を作ろうとしている人間からすると逃げとも言えるんだけども。  その代わり、どんな良い事があるかと言うと、ものを作る人間から伝えようとする時の“確実度”が格段に違うんだよ。  エヴァって解釈の幅があるじゃん。  あれ、なんでかっていうと、作っている人間が本当は何が言いたいのかよく分かんないから。  アスカとかレイとかシンジが言っているのは、それぞれのキャラクターが思い込んでいるセリフを言っているだけで。  だから、それを見ている俺らは、頭の中で映像と総合して、作り手が何を言おうとしているのかというのを“作らなきゃ”いけないんだけども。 『まどか☆マギカ』はポイントポイントで、まあ丁寧にセリフでドーンと言ってくれるんだ。  だから、ブレがないので、まどか☆マギカは泣けるんだよ。  ここが最大の差な。  エヴァって泣けないんだよな。  エヴァを見て泣いている人も多いんだけども、泣いている人は泣いている理由がちゃんと言えないんだよ。  でも、まどか☆マギカの泣ける理由っていうのは、泣いている理由がキチンと言えるんだよ。  で、それは『おおかみこどもの雨と雪』と同じで、俺はあまり好きじゃないんだよな。 「映画なんだからもっと意味不明に、泣かせるんだったら意味不明の泣かせ方をしろよ!」って思うんだけども。  そうやればやるほど、なんかね、伝わんなくなっちゃうんだよね。「この映画がなんなのか」ってことが(笑) 「芸術と娯楽」(コメント)  っていうふうに、今、コメントでフォローしてくれいる人がいたんだけども。 『エヴァンゲリオン』が“芸術”の方に寄っちゃった作品だとすれば、たぶん、劇場版はね、更に芸術に寄ってって、更に泣けない話になっていく。  だから、エヴァって見たらショックを受ける映画なんだよ。   で、『まどか☆マギカ』って、「実にいい涙を流せる!」っていうふうになっちゃって。  その分、泣きたい人にはすごい良いよね。  俺みたいに、そういう事情を知ってて、こんな感想を持っている人間ですら、今日、劇場版を見て、不覚にも3回ぐらい目頭が熱くなって。 「いかんいかんいかん!」、「いい加減にしろ、俺!」とか思って。  必死で抑えてたんだよ(笑) 「泣いた?」(コメント)  泣いたんじゃない! “目頭が熱くなっただけ”だよ!  風邪だからかもわかんねえじゃん。 「年取ると涙腺が」(コメント)  って、失礼な。

【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】僕と契約して『魔法少女まどか☆マギカ』を観てよ!第60号
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著者イメージ

岡田斗司夫

作家、評論家 1958年、大阪生まれ。株式会社オタキング代表。FREEex主宰。常に時代の先を読み、ユニークな創造をし続けるクリエイター。アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを創業、社長時にはアニメ『王立宇宙軍オネアミスの翼』『ふしぎの海のナディア』、ゲーム『プリンセス・メーカー』などを手がけ、ブームを巻き起こした。その後、東京大学非常勤講師に就任。作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を越え、人々は尊敬の意味をこめてオタクの神様「オタキング」と呼ぶ。

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