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【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】ネット依存が心配です。僕はまだ大丈夫ですか?第84号

ネットは1日8時間。無銘のマサフミです。 3月22日に富山市で行われた岡田斗司夫講演『悩みのるつぼ〜おたくの息子に悩んでいます〜デジタル世代の恋愛論』の模様を4回に渡りお届けします。 講演は、岡田斗司夫が参加者の方々から寄せられた相談に、次々と答える形で進みました。 そして参加者の方々も、他の参加者の悩みを一緒に考えていきました。 恋愛、結婚、転職、ネット、引きこもり。この場からどんな回答が生まれたのか。 皆さんも御一緒に「悩みのるつぼ」お考えになってみて下さい。 それではハイライトからどうぞ ************************************ 「新聞などで“ネット依存”問題の記事を見かけますが、これからはネットとどう付き合っていけばいいですか?  ちなみに僕はTwitterを利用しています」  うーん、「新聞などでネット依存問題の記事を見かける」。  「ネットとどう付き合っていいですか?」ですか。  不思議なもんで、電話が普及したからといって、「これからは電話とどう付き合っていけばいいですか?」って質問はあんまり出ないんですよね。  ということは、“ツール”の問題じゃあないんですね。  人間関係が変わっちゃったことに対する不安だと思うんですよ。  この人は、「新聞などでネット依存問題の記事を見かけますが〜」と書いているところから、自分自身の問題化はしてないんですね。  つまり、30代で配達の仕事をしているんですけど、自分自身はネット依存とかそういうふうな問題は特に感じてない。  でも、誰かからそういうことを言われる。  新聞なんかでネット依存が問題とかいうふうに書かれている。  そして、自分はTwitterを利用している。  「ひょっとしたら、ネット依存というのは自分のことかな?」と思う。  時間があったらしょっちゅうTwitter……っていう、「短いメールのやりとり」みたいなものなんですけど。それを見てしまう。  なんかあったら、すぐにTwitterでつぶやいてしまったりする、と。  なんか、Twitterよりさらに頻繁なコミュニケーションの手段として“LINE”っていうのがあるんですけども。  これなんて、僕が大学で教えてるような20歳くらいの子にしてみれば、ホントに一瞬も見るのをやめることができないんですね。  なんでかっていうと、30分くらい「今何してる?」というメッセージに返事をしなかったら、後で「どうしたの? どうしたの? どうしたの?」ってさんざん聞かれて大変だから。  だから、授業中でも「授業を受けてるよ」っていうふうに返さなきゃいけない。  そういうのが今の若い人達の礼儀作法の一部になっている……いや、これを「礼儀作法」と言っちゃったら誤解があるかもわからないんですけども。  そういう人が多いことは多いんです。  では、「そういう人はネット依存なのか?」っていうと、そうじゃなくて。  友達を大事にし過ぎているとも言えるんですね。  ただ単に、使っているツールがネットっぽいだけで。  昔だったら、これって授業中に小さい紙でやりとりをしているだけだったんですね。  じゃあ、授業中に小さい紙でやりとりをしていたからといって、「あなたは“小さい紙依存症”ですか?」っていうふうに言われたら、そんなことはないと思うんですよ。  その為のツールとして、なんとなくスマホを使ったりネットを使ってるから、僕らは十把一絡げにその全てを“ネット依存”と呼んでいるんだけども……というやつで。  あとはもう、もし彼がこの相談をマジでしてきたのだとしたら、「どのくらいしてんの?」っていうふうに聞きますね。  本当に1日に18時間くらい見ているんだったら、「そろそろネット依存かもね」って言うんですけども。  5、6時間くらいだったら、「僕と同じだからそんなに問題ないと思うよ」と言いますね。  その次に、「どれくらいそれに頼っているの?」って聞きます。  例えば、それがなかったらもう何も出来ないってくらいに、すべての情報をそこから得ているとか。  あとは、「何か食べるたびに“おいしい!”っていうふうにつぶやいたり、誰かの感想読んでる?」っていうふうに聞いて、「あ、そうですね」って言ったら、徐々に「あ、それはネット依存かもね」って言います。  まとめると。  ネット依存かどうかというのは、「どれくらい自分の時間をそれに費やしっちゃっているのか?」っていう、“縦の軸”と。  「どれくらいの頼り方をしているのか?」という“横の軸”で考える。  ここで言う“頼りかた”というのは、例えば、自分がテレビを見ている時に、その番組が面白いかどうかをネットで確かめるようになったら、僕はやや依存症だと思います。  つまり、ネットの判断の方を自分の判断より上位に置いてしまったりする。  なにかごはんを食べに行った時に「おいしいな!」と思ったら、慌ててそのお店の評判をネットで調べて「おいしい!」と書いてあったら安心する、みたいなことで。  ありますよね、僕らの中にも。  ついつい、あるんですよ。自分がおいしいと思ったものが、あとで新聞とかグルメ番組でおいしいっていうふうに言われてたら、すごいうれしくなっちゃうところが。  それはあるんですけども。  それが全部“当たり前”になってしまって、自分の行動の再確認を常にやってしまう。  そして、その確認にネットを使うようになったら、これは依存ですね。  なので、 ネット依存と言われるのは、縦軸・横軸のグラフで言うと、“使う時間”も“頼り方”も高い、右上だけにするんです。  単にいっぱい時間を使っているだけの人は“暇人”です。もしくは貧乏人です。  ネットしかやってないんですから。  実際にどこかに行って遊ぶとか、酒を飲むとかをする金がないからネットをやってる貧乏人か、もしくは暇人のどっちかです。  次に、確認作業をひたすらするという人。  そんなに時間をかけるわけじゃないんだけど、たまにやるだけなんだけど、必ずやっちゃうっていう人。  これも、ただ単に“自分の判断力に自信がないヤツ”です。  逆に、この横軸の左側の人は、自分の考え方に自信がある“オレサマ的なヤツ”ですね。もしくは“ワタクシ女王様的な人”です。   つまり、自分に自信がなく、かつ、ネットにアクセスするために時間を大量に使っている。  この合成状態が発生してはじめて依存と言えるわけです。  この人の言う質問には、遠まわしに「私もネット依存の一種なんですかね?」っていう質問が隠れていると僕は思うんですよ。  この質問文の中には、全く関係ない“2つの文章”があります。 1「新聞にはこのようなことが書かれていますが、ネットとどういうふうに付き合っていけばいいでしょうか?」 2「ちなみに自分はTwitterをやっています」  これは「じゃあ、私はどうなんでしょうね?」ってことを遠まわしに聞いているということなんですね。  それに対する答えとしては、「右上だった場合は危ないよ」です。  この場合の解決法は、「判断をネットに委ねないオレサマになる(横軸を左にズラす)」か、もしくは「時間を具体的に減らす(縦軸を下にズラす)」かのどちらかで構わない。  そういうふうにすればいいだけですから。

【岡田斗司夫のニコ生では言えない話】ネット依存が心配です。僕はまだ大丈夫ですか?第84号
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著者イメージ

岡田斗司夫

作家、評論家 1958年、大阪生まれ。株式会社オタキング代表。FREEex主宰。常に時代の先を読み、ユニークな創造をし続けるクリエイター。アニメ・ゲーム制作会社ガイナックスを創業、社長時にはアニメ『王立宇宙軍オネアミスの翼』『ふしぎの海のナディア』、ゲーム『プリンセス・メーカー』などを手がけ、ブームを巻き起こした。その後、東京大学非常勤講師に就任。作家・評論家活動をはじめる。立教大学やマサチューセッツ工科大学講師、大阪芸術大学客員教授などを歴任。多岐にわたる著作の累計売り上げは250万部を越え、人々は尊敬の意味をこめてオタクの神様「オタキング」と呼ぶ。

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