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  • [荒井禎雄]【避妊と性病予防】知っているようで知らないコンドームの基礎知識【後編】

    2014-04-03 01:00  
    荒井禎雄寄稿記事 【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【後編】



     前回の記事でコンドームに関する基礎知識を紹介したが、今回はもう少し具体的に 「コンドームの正しい使い方」 をお教えする。

    ■参考リンク
    【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】
    http://ch.nicovideo.jp/hisada/blomaga/ar496609

    [コンドームの正しい使い方]

    ・ 使用期限を過ぎていないか確認する
     普段は確認したことなどないかもしれないが、実はコンドームにも使用期限がある。 それを超えると、素材の劣化により破れやすくなるなどの不具合が生じる可能性がある。 したがって、どこまで気配りしてくれているか解らないので、ラブホの備え付けをそのまま使うのはちょっと危ない。

    ・ 絶対に財布などには入れない
     コンドームは摩擦や熱に弱いので、 財布など物の出入りの多い場所には入れない こと。 袋越しとはいえコインなどで擦られる内に劣化を招く可能性がある。 またタンスの中にしまう場合は、 防虫剤とは絶対に一緒に入れない こと。 これは一般的な防虫剤にコンドームを劣化させる成分が含まれているため。 ついでに言うと 油性マジックでも超簡単に穴が空く ので、コンドームの袋に油性ペンでメッセージを書く的な遊びは絶対にしないように。

    ・ 2枚重ねは厳禁
     性病や避妊を考えて「より安全に!」 と2~3枚重ねて使うひとがいるが、実はこれも大間違い。 先にも書いたようにコンドームは摩擦に弱いので、2枚重ねたらそれだけ余計な摩擦が増え、破れるリスクが増大する。(性器間でも女性器が充分に潤ってないと危険) 

    ・ 裏表をちゃんと確認する(正しく装着する)
     コンドームには裏と表がある。 商品によって多少の差はあるが、袋から出したら精液だまりを指でつまみ、男性器にあて、そのままスルスルっとスムーズに下げられれば正解。 途中で下ろせなくなったり、何かに引っ掛かるような感覚があったら、裏表を間違っていないか確認すべし。

     ちなみに、精液だまりをつまんで空気を抜く必要があるのだが、これは 「空気が入っていると破裂するから」 ではない。 空気が入っていると、それが行為中に脱着の原因になるからである。 コンドーム自体は内側からの膨張に非常に強く、膨らましてマスクのように頭に被ることすらできる。 もし破けたor穴が空いたという場合は、原因は空気以外にあると考えよう。

    ・一度着けて外したコンドームは捨てる
     上の裏表を間違った場合など、一度外してまた着け直して……と考えるかもしれないが、実はこれもご法度である。 もしかしたら最初に間違って着けた際に何匹か精子が付着したかもしれないので、それを裏表をひっくり返して着け直したら、精子がダイレクトに女性器の中に入ってしまう。 もし何か問題があったら、一度着けたコンドームは捨て、新しいコンドームを正しく着けるように。(性病予防の観点から言うとなおさら)

    ・ 自分の性器に合ったコンドームを探す
     よく見栄を張って大きいサイズのコンドームを買いたがる男がいるのだが、女性器の中で外れるリスクが高まるだけなのでダメ、ゼッタイ。 逆にあまりにも小さすぎるコンドームを着けると、締め付けが強すぎて射精障害などを招く危険がある。 コンドームの方は膨張に関してとても頑丈なので、正しく着ければ破裂したり破れたりといったアクシデントは起きないに等しいが、「人間の身体は血が流れてナンボ」 という点をお忘れなく。 射精障害まではいかずとも、勃起の維持が難しくなる場合も。

     また早漏で悩むあまり 「コンドームを何枚も重ねて刺激を少なく……」 と考える男性もいるが、これも絶対にヤメよう。 上で書いたようにコンドームは1枚ずつ使わねばならないから、刺激を弱めたい場合は薬局など品揃えの良いお店で、なるべく厚手の商品を探すように。(安全には替えられないので、恥ずかしがらず何でも店員に相談すべき)

    ・ 性器vs性器以外でもコンドームを活用しよう
     これは避妊ではなく性病予防のためだが、お互いの性器を口で刺激する場合もコンドームを ”防護シート” として使うことを推奨する。 深く知らない相手との場合は、女性が男性器を口に含む場合など、コンドーム越しの方が安全。 それで怒るような相手なら途中で止めて帰るべき。 また男性が女性器に対して何かする場合も、安全が確認出来ていない相手なのであれば、コンドームを破ってシート状にし、それ越しに舐めたり、指サックのように指にハメたりという方法もある。

     取り急ぎ絶対に必要と思われる基礎知識だけ書いてみたが、これだけ覚えておけばコンドームによる避妊確率は限りなく100%に近づくだろう。 性病予防の場合はコンドームだけでは防ぎ切れないケースがある(例えばディープキスで感染ったとか) ので、不安ならば 「よく知らない相手とは粘膜接触しない」 と心がけておこう。

     現在はこのような性知識を学べる様々な団体が発足しているので、より詳しい情報を知りたい方はそうした団体のWEBサイトを見るとか、無料の勉強会に参加してみると良いかもしれない。

    【リプロダクティブヘルス・ライツ】(Reproductive Health and Rights)
    http://www.weblio.jp/content/%E3%83%AA%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%84
    ※より詳しく知りたい方はこの単語で調べてみてください

    [性の健康について学べる団体の一例]
    ・API-Net(エイズ予防財団) http://api-net.jfap.or.jp/index.html
    ・SWASH http://swashweb.sakura.ne.jp/
    ・JASH(日本性の健康協会) http://www.npojash.org/
    ・Link-R http://www.link-r.org/

     最後に、前回の [コンドームのデメリット] の項で ”使う相手がいない” に該当してしまった方に全力で伝えたいことがある。

     こうした性に関する基礎知識や女性の身体への気遣いについて 「ちゃんと勉強して知っている」 ということが、コンドームを使う相手との出会いに繋がる可能性がある。 「このひとは顔はこうだし体型もああだし収入もそうだし、だけどちゃんと私の身体を気遣ってくれる」 と感じ取って貰えたら、思わぬ金星を挙げられるかもしれない。 よって、今の時点では必要ない情報だったとしても、明るい未来のために予習だけはしておこう。



    (文:荒井禎雄)
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    [Frameチャンネル]
    http://ch.nicovideo.jp/frame
    新宿歌舞伎町のBAR『Frame』で夜ごと繰り広げられるアングラ&フェティッシュワールドを、ニコニコユーザーの皆様に覗き見して頂くチャンネル。『TOKYO BREAKING NEWS』の執筆陣(草下シンヤ・荒井禎雄)らによる 「勝手に公開編集会議」 を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、ぜひご参加ください。

     
  • [荒井禎雄]【避妊と性病予防】知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】

    2014-04-02 01:00  
    220pt
    荒井禎雄寄稿記事 【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】
     つい数日前のことだが、コンドームに替わる新型避妊具に関するニュースがネットで話題になった。 なんでもこの避妊具は、避妊や性病予防用の薬剤を入れたチューブをリング状にしたもので、性交中にその薬剤が溶け出すのだという。



    ■参考リンク (Techinsightより一部引用)
    コンドーム要らずの時代に? HIV・性感染症予防、避妊すべてOKの避妊具に期待
    http://japan.techinsight.jp/2014/03/yokote2014030614180.html

     この避妊具を開発した米イリノイ州「ノースウェスタン大学」のパトリック・カイザー教授は、同避妊具の効果にますます自信満々な様子だが、多くの専門家らは数年にわたる調査がさらに必要だと見ている。HIV撲滅チャリティイベントで知られる「テレンス・ヒギンズ・トラスト(Terrence Higgins Trust)」のジェイソン・ウォーリナー氏も、「避妊具の新たなる幕開けには大歓迎だが、皆さんにはやはり、コンドームの着用が一番だとアドバイスしたいです」と慎重。具体的な商品化はまだ先のことになりそうだが、教授は「貧しく避妊具の入手が困難なために性感染症やAIDSの罹患率が非常に高い、サハラ砂漠以南の国々の女性をこれで救いたい」と話し、一刻も早い商品化に意欲を見せている。



     今回引用元とさせて頂いた記事にもあるように、現時点では 「コンドームを超える安全・安価を両立した避妊具はない」 と断言できる。 もしこの技術が実用化され、安全が立証でき、また安価に製造することが可能になれば、世の男性からすれば嬉しい時代が訪れるだろう。 なんせ 「生中出しなのに妊娠させない! 病気にもならない!」 となれば、男目線ではとても都合が良い。

     だが、現時点では使っている薬剤の副作用や、どこまでの性病に対応できるのかといった点が疑わしく、実際に日本国内に入って来るまでには相当な時間がかかるはずだ。 仮に日本でも買えるようになったとしても、しばらくの間はとんでもなく高額な商品になるだろう。

     また使っている薬剤について具体的に指摘すると、まず避妊目的としてレボノルゲストレル(卵胞ホルモンと黄体ホルモンを混ぜたもの=いわゆるピル) を使用しているのだが、これは薬の飲み合わせなどに注意しないと女性の身体に強い副作用が出てしまう可能性がある。 

    中でも血栓症は特に怖いので、心臓や血管に問題のある女性に対しては絶対に使ってはならない。 これ以外にも性病予防用の薬剤が何種類も含まれるだろうから、「より安全」 を目指せば目指すほど使用する薬剤が増え、副作用の危険が高まってしまう。 ということは、その時のお相手に対して 「これこれこういう物を使いたいんだけど、薬やアレルギーは平気?」 と聞くことが絶対条件となるだろう。

     そうした問題点を解決し、一刻も早く実用化してくれることを願いつつ、今回は今現在の避妊具の王者であるコンドームについての基礎知識を勉強してみよう。 これを読めば 「しばらくはコンドームに頼るしかないよなあ……」 と感じるはずだ。

    [コンドームのメリット]
    (1) 大量生産しているので安く、入手しやすい
    (2) 避妊率が高い(100%ではない)
    (3) 性病予防に効果的
    (4) 副作用が殆どない
    (5) サイズ・形などのバリエーションが豊富