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[沢木毅彦] 裏ビデオが「裏」ビデオではなくなった時代
2014-04-22 01:00220pt沢木毅彦寄稿記事
裏ビデオが「裏」ビデオではなくなった時代
ときどき裏ビデオのAD(助監督)をやらせてもらっている。ギャラは取っ払いで2万。することは2カメのうちの1台を回して濡れ場を撮影することと、男優の不測の事態に備えて卵白で疑似精液を作ること、昼の弁当の注文、ほか雑用全般。ソープ嬢モノだとパケ写真の撮影のとき女優さんの身体にオリーブオイル(エクストラバージン)を塗るのも僕の役目だ。
えっ裏ビデオ撮ったらヤバくね?! ですな、正しくは裏ビデオじゃありません。これらは海外のサイトから配信される無修正物。人気のAV女優の撮りおろしの新作を購入できるんです。これらは違法行為じゃないんです。また、作品をDVDで買うのはもはやナンセンス。今やダウンロード購入の時代なのです。
有名AV女優の裏ビデオ=流出物の歴史は1991年のバブル崩壊から始まった。原因は、AVメーカーの倒産が相次ぎ、社員が金策のために原版を裏ビデオ業者に売ったか、メーカーに金を貸していた業者が債券回収のために持ち出したかのどちらか。
その後、AVプロダクションとAVメーカーは海外の配信サイトに目をつけた。女優たちがそうとは知らされず無修正AVに出演するかたちとなり、その時代にインタビューさせてもらった女優の何人かが「騙されて裏に出されちゃったのよね」と苦笑していた。やがて日本からのアクセスも一般的となり、合法な商品だと女優陣も理解するようになった。
「女の子には海外配信の無修正物だよと説明している。今回はモザイクなしだからギャラも上乗せするからね、と。どこのプロダクションもそうだと思います」(大手モデルプロダクション関係者)。
僕が都内のスタジオで注文した弁当を和気あいあいと食べて撮影した局部丸見えの作品を見たければ、アメリカ合衆国のサイトに会員登録して購入すればいい。おすすめなのは「カリビアンコム」。月額5000円足らずで会員登録ができる。「一本道」も6500円とやや高いが高画質が売りで高評価を得ている。
そして、これらは違法なものではない。日本国内で性器をボカしていないAVを販売したら「わいせつ物陳列罪」か「わいせつ物頒布罪」で逮捕されるが、それは日本での決まりごと。アメリカにはAVを修正する決まりはない。カリビアンコムなどは違法サイトではなく、そういうサイトを僕たちが利用することを取り締まる法律が現状は「ない」のです。
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[藤木TDC]「ビデオ・ザ・ワールド」休刊と裏ビデオ時代の終焉
2013-05-15 01:00220pt藤木TDC 寄稿記事 「ビデオ・ザ・ワールド」休刊と裏ビデオ時代の終焉
「ビデオ・ザ・ワールド」という雑誌がこの連休明けに出た2013年6月号で休刊した。
ネット世代の読者は知ってる人も少なかろうから、まず基本的な情報から書いておこう。
「ビデオ・ザ・ワールド」は1983年から発刊され続けたビデオ情報誌で、とくに裏ビデオとAVの情報と批評に重きをおいた内容だった。80年代後半から90年代にはおそらく10万部以上発行していたのでは? 月刊誌としてはものすごい数字である。
ことに裏ビデオ情報については質量ともに他誌の追随を許さぬレベルの高さで、全国の裏ビデオ販売店には客用のカタログとして同誌が必ず置かれていた。筆者もAV(表ビデオ)分野で86年頃より延々25年近くにわたって寄稿と連載を続けた。
拙著「アダルトビデオ革命史」(幻冬舎新書)は同誌を参考文献として書いたものだし、「アダルトビデオ最尖端」(コアマガジン)は同誌の連載をまとめた書籍だ。業界人の間でどういう受け止め方をされていた雑誌かについては安田理央氏のブログなどを探して読んでもらえば、抱えていた問題点も含めて少し理解していただけるかもしれない。
休刊の理由は、
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