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田中良紹:安倍政権打倒に賭けた小池百合子の勝負手
2017-09-28 09:26民進党の蓮舫代表と稲田防衛大臣が相次いで辞任した。二人の辞任は「遅きに失した」と評価されその資質が問題視されているが、そもそも二人とも政党の代表や防衛大臣になる器ではない。問題は器でない人間にやらせた側の資質にある。それが極めて深刻なのだ。 稲田防衛大臣が誕生したのは1年前の8月3日、第3次安倍内閣の第2次改造による。直前の参議院選挙で自公維3党の議席数が3分の2を超え、安倍政権は衆議院と併せ憲法改正の発議に必要な議席数を確保した。 安倍総理は「未来チャレンジ内閣」と命名し、長期政権と憲法改正を目的とする改造を行った。しかし私は翌4日に「安定を最優先して不安定の種を播いた安倍人事」と題するブログを書き、稲田氏の防衛大臣起用を「不安定の種」だと指摘した。 なぜなら防衛大臣は外務大臣と並び国際関係の渦中に置かれ、稲田氏が自らの思想信条として優先にしてきた歴史認識や靖国参拝は封印を余儀なくされる。右派勢力の期待を担う稲田氏がそれをやり切れるか疑問に思ったからである。
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