-
【無料公開】篠塚恭一:お墓参りは人気のおでかけ先
2013-07-30 08:48「背負って行きますか?」 お嫁さんと久しぶりに故郷の長崎を訪ねた宮崎マサさん。6年ぶりの里帰りは、介護タクシーと飛行機を乗り継いでの旅だった。 旅の目的はお墓参り。 もう無理とあきらめていた夢が叶った感激で目が輝いている。 ところが着いた菩提寺は、舗装もなく傾斜のきつい坂道、長い階段が墓前まで続いていた。車いすを頼りに暮らす宮崎さんにはとても行けそうにない。 「せっかく、ここまで来たのに・・・」 うつむく宮崎さんの姿に車内は気まずい空気が流れた。 東京から同行したトラベルヘルパーは、「あきらめたくないね」と地元ドライバーの顔を見た。 宮崎さんは、毎年この季節にお嫁さんと旅するのを楽しみにしていた。義理の母との旅は仕事で忙しい息子のプレゼントだった。「本当は(息子も)一緒がいい」でも、そんな優しい親孝行の気持ちが嬉しかった。こんな家族になれたら幸せだと周囲も感じたという。 お墓参りは、人気の -
【無料公開】田中良紹:裏切りの結末
2013-07-24 12:57第23回参議院選挙は、選挙をする前から予想されていた通りの結果となった。投票率の低下と与党の圧勝である。昨年末の衆議院選挙とまるで同じ結果だった事は国民の意識が変わっていない事を示している。 メディアの中にはこの選挙を安倍政権の7か月に対する審判と位置付け、選挙で「アベノミクスは支持された」と評する向きもあるが、それはあまりにも短絡的である。アベノミクスは「根拠なき期待感」を国民に抱かせる事には成功したが、実体経済にどのような経済効果をもたらすかはまだ不明である。来年の今頃にならないと国民には実感できないと思う。 大体、政権が交代して新たな政策が打ち出されてもそれが国民生活に影響してくるには時間がかかる。従って政権交代直後に景気が上向いてもそれが新政権の政策によるとは限らない。前の政権の政策効果が現れてきた場合もあれば、海外要因からそうなる場合もある。 安倍総理は「アベノミクスで雇用が60 -
【無料公開】篠塚恭一:カッコよく歳をとりたい ── 高齢者大国の前線から(2)
2013-07-19 10:21シニア世代に向けたエンディングノートづくりの講座が人気になっている。 エンディングノートをつくることで、自分らしい終末を迎えようと考えることが新鮮に感じるという。死をタブーとせず、最期まで「自分らしさ」を追求する好奇心を示す人が増えているようだ。 遺言とは違うエンディングノートは、いわば人生の終わり方を自分自身で決めるライフデザイン。自分が死んだときや、認知症のように意思の疎通ができない病気にかかったときに自分が望むことをあらかじめ記しておく。例えば延命措置を行うか否か、介護が必要になったときはどうかなど、自分の意思を記しておく。財産整理や相続に関する希望、葬儀の出し方など、死んだあとのことも記入できるようになっているが、それまでにどうしてもやっておきたいこと、行っておきた場所など、生前の時間をどう過ごすかを自ら整理、確認することができる。法的効力はないが、「死期の指示書」をつくることで、 -
【結城登美雄の食の歳時記#24】言葉にはしないけれど助けてくれる人がいる場所(中山間地域編・最終回)
2013-07-18 09:15105ptいよいよ中山間地編も最終回を迎えました。前回の「中山間地編・その4」では、来年で20年を迎える「緑のふるさと協力隊」にスポットを当て、新しい若者像を紹介して来ました。では、その若者たちは実際に村に入って、村の暮らしをどのように感じてきたのでしょうか。今回は、結城さんに寄せられた手紙や、村でのエピソードを織り交ぜたお話です。※会員(月額525円)の方は全文購読できます。非会員の方は有料記事(100pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別記事を購読する場合は、ニコニコ動画にログイン後、ニコニコポイント100ptにて購入し御覧ください。ニコニコポイントは500円から購入可)* * * * *
【結城登美雄の食の歳時記#24】言葉にはしないけれど助けてくれる人がいる場所(中山間地域編・最終回)日本の農業は後継者不足ということが盛んに言われていま -
【無料公開】田中良紹:尖閣をあいまいにしたアメリカの狙い
2013-07-09 22:24安倍外交の稚拙さによって、日本は世界から取り残されていくのではと考えてしまう昨今だが、メディアは相変わらず安倍政権を持ち上げ、参議院選挙で安倍総理に白紙委任状を手渡そうとしている。 オバマ大統領に首脳会談を断られたG8サミットで、安倍総理はやっと立ち話にこぎつけたが、中身がないためニュースにならず、総理自身が「オバマ大統領ともろもろの話をした」とフェイスブックに書き込むだけに終わった。ところがNHKは選挙公示の前日に立ち話の映像をスクープ扱いで放送し、二人の良好な関係を国民の意識に植え付けようとした。しかし2週間も前に行われた中身のない映像を選挙前日に流すやり方は民主主義国のメディアではありえない。これを問題視しない日本人の感覚は世界から相手にされなくなる。 アメリカの歴史学者マイケル・シャラーが書いた『「日米関係」とは何だったのか』(草思社)は、占領期から70年代半ばまでを中心に「日米関 -
田中良紹:参院選で何を選ぶか
2013-07-04 23:33第23回参議院選挙がスタートした。安倍総理は被災地である福島市で第一声を上げ、「ねじれを解消しないと復興もスピーディに進まない」と「ねじれの解消」を訴えた。復興が速やかに進まないのは、行政の仕組みや人手不足に大きな問題があり、ねじれとは関係がないと思うのだが、悪い事は何でもねじれのせいにして、与党の過半数確保を図りたい思惑があるようだ。衆参両院で過半数を上回る議席を得れば3年間は選挙をやらずに済む。安倍総理は国民から白紙委任状を手にすることができる。また個人的には6年前の参議院選挙で惨敗し、ねじれを作ったことが惨めな退陣とその後の政権交代につながったので、恨みを晴らしたい思いもある。私怨と白紙委任状、この二つが今回の参議院選挙のポイントだと思う。それを成し遂げるため安倍総理は「アベノミクス」を前面に掲げ、日本経済をデフレから脱却させ、経済成長を実現することが日本の未来につながると主張する。
1 / 1