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高野孟:ホルムズ海峡の機雷除去に集団的自衛権を発動の錯乱
2015-02-24 12:17安倍政権の集団的自衛権容認論は、いよいよ錯乱気味となっている。安倍晋三首相は16日の衆院本会議の答弁で、ホルムズ海峡に機雷がまかれた場合「わが国が武力攻撃を受けたのと同様に深刻、重大な被害が及ぶ」ことは明らかで、「わが国の存立が脅かされ国民の生命が根底から覆される明白な危険がある場合などとした集団的自衛権行使の新3要件に当たる」と明言した。 しかし、第1に、これはいったい誰に対する集団的自衛権の発動なのか。言うまでもなく集団的自衛権とは、軍事同盟関係にある同盟国が武力攻撃を受けた場合に、自国は攻撃されていなくてもそれを我が事と思って一緒に戦う権利である。日本の同盟国は米国のみであり、米国艦が機雷除去作戦を実施するから参加しろと言って来た場合には自衛隊が出て行くことはありうるが、米国がいなければ、集団的自衛権の名目で出て行くことはできない。 第2に、佐藤優が指摘しているように、ホルムズ海峡の -
【2.20 20:00〜公開!】高野孟の時事談義2015「ウクライナ停戦合意」
2015-02-18 08:38ジャーナリストでTHE JOURNAL主宰の高野孟さんが政治や国際情勢、最近の地方の動きなどを話す「時事談義」してもらいます。今回は停戦合意のあったウクライナについて語ってくれました。当日に限り無料公開します。翌日以降は、毎月540円お支払いいただいている会員のみなさま(またはチケット購入者/216pt)のみの視聴になります。みなさん、どうぞお楽しみに!【20時になると以下のリンクから視聴可能になります!】http://www.nicovideo.jp/watch/1424217346《撮影・放送:THE JOURNAL編集部》【過去のほろ酔い談義】■【本日1.13 20:00〜公開!】新春特別放送 高野孟のほろ酔い談義2015http://ch.nicovideo.jp/ch711/blomaga/ar703813■高野孟のほろ酔い談義・年末スペシャル──21世紀最初の10年が終わった( -
田中良紹:自己陶酔に浸るだけの総理の施政方針演説
2015-02-16 08:27例年は通常国会の冒頭で行われてきた施政方針演説が、国会召集から2週間以上も遅れて2月12日に行われた。当初、安倍総理は国会の冒頭で所信表明演説を行い、さらに補正予算を成立させてから施政方針演説を行うダブル演説を計画していた。しかしそれでは予算審議の日程に狂いが生ずると自民党が抵抗して断念させたという。 国会日程の進め方を考えずに自己アピールだけを考える総理と自民党との間にすきま風がある事を伺わせるエピソードである。しかしそのことは安倍総理が自己アピールに力を入れなければならない事情がある事も示している。それは安倍政権を支えているのが「世論の支持率」しかない事を安倍総理とその周辺は知っているのである。 -
高野孟:米国の対テロ作戦への参加が極秘に検討開始されていた
2015-02-11 08:26安倍晋三首相は2日の参院予算委員会での答弁で、「イスラム国」に対する有志国連合の「空爆に参加することはあり得ない」し「後方支援も考えていない」と明言したが、1月25日のNHK日曜討論では「国連の決議がある場合も、ない場合も、後方支援であれば憲法上は可能だ」と言っていた。1日早朝に人質殺害の悲報が入って、さすがにトーンダウンせざるを得なかったのだろうし、またこれから始まる集団的自衛権の議論で野党に攻撃材料を与えまいとする考慮も働いたのだろうが、安倍の本音はあくまでNHK発言にある。実は安倍は昨年12月に、「米国が対イスラム国の軍事作戦に助力を求めてくることも考えられる。その場合に何が出来るか検討せよ」と直接指令を出し、官邸に外務省と防衛省の担当部局を集めて極秘に検討を開始させている。結論は聞かなくても分かっていて、この状況で日本が後方支援であれ何であれ中東地域に自衛隊を送れば、日本がますます -
田原総一朗:ISILによる日本人人質事件で考えた、ジャーナリストの使命と「自己責任論」の先にある危険な風潮
2015-02-10 11:29先日、僕が司会をしている「朝まで生テレビ!」で、ISILについて、とことん議論をした。ISILとは、「イラクとレバントのイスラム国」の頭文字をつなげたもの。いわゆるイスラム過激派組織「イスラム国」のことだ。 彼らは日本人を人質にとって、死刑囚との身柄交換などを要求、脅迫をしていた。そして非常に残念なことに、結果はたいへん厳しいものとなった。 では「戦後レジーム」とは何か。大きく分けて4つある、と僕は思っている。ひとつめは極東軍事裁判、いわゆる東京裁判の否定である。 -
「いいでしょ、義足で」──2月14日パシフィコ横浜に義足のヴィーナスが集う
2015-02-09 14:37カメラ関連企業が一同に集うアジア最大級の総合展示会「CP+2015」が2月12日からパシフィコ横浜で開催される。世界各国の企業が最新機種を展示する中、注目されているイベントがある。ポスターの写真は実際に肌を黒く塗って撮影したという… 「いいでしょ、義足で」 こんなキャッチフレーズを掲げるのは、ハッセルブラッドのブースで開催されるファッションショーのイベントだ。「魅力があり輝いている彼女達をストレートに発信し世の中に拡散させていくことで、一般の人たちが障害者に対して持っているネガティブな先入観を取っ払う」とショーのコンセプトを語るのは、企画した写真家の越智貴雄(おち・たかお)さんだ。 越智さんは昨年、義足の女性をモデルにした写真集「切断ヴィーナス」を発売し、新聞やテレビなどにも取り上げられ注目を浴びた。今回はそこに登場していたモデルたちが写真集を飛び出し、ファッションショーをするという、ユニ -
高野孟:「アウト・オブ・コントロール」の汚染水地獄に陥りつつある福島第1 原発
2015-02-05 08:21東京電力の広瀬直己社長が23日、福島第1原発構内の地上タンクに保管している高濃度の放射能汚染水の浄化について、14年度内に全量を処理するという目標達成を断念すると表明した。安倍晋三首相が13年9月、東京五輪招致のためのプレゼンテーションで世界に向かって「福島第1原発事故はアンダー・コントロール」と宣言したが、実際にはその当時、汚染水は何らコントロールされておらず、「嘘つき!」という批判が内外で噴出した。そのため、後追いで安倍が東電に「早く何とかしろ」と強く指示したものの、トラブルが相次いで作業が遅れていた。広瀬社長は「約束が果たせずに申し訳ない。何とか5月末までに」と言ったが、実際にはそれも何の目途も立っておらず、希望的観測にすぎない。このままでは「安倍は世界を欺いて五輪を東京に持ってきた」と言われかねない大ピンチに陥りつつある。 この日、広瀬社長が言及したのは、地上タンクにこれまで汲み上
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