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記事 4件
  • 甲斐良治:「半商品」で暴力的市場経済を空洞化する

    2007-03-24 14:26  
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    フリーランスの哲学者・内山節さんが、いまから10年近く前、こんなことを語っていた。



    「私はこれからは、農業にかぎらず、どんな分野でも、商品を半商品に変えていく関係づくりをしていったほうが面白いと思っています。そのことによっ て、暴力的な力を持っている今日の市場経済を、内部から空洞化させていくことができたら、私たちは今日の市場経済の支配から大分自由になることができるでしょう」(1998年「農村文化運動148」)
    内山さんは、「半商品」の概念を、1992年に92歳で亡くなった明治生まれの経済社会学者・渡植彦太郎氏に教えられたという。
    「彼は私と会うと、よくこう言っておりました。『明治の人間は、町に半商品が沢山あった時代を知っている。それが明治の人間の強みだ』と」
    「半商品」とは、商品として流通はしているが、それをつくる過程や生産者と消費者との関係では、「よりよいものをより安く」というよう
  • 甲斐良治:高円寺一揆・素人の乱

    2007-03-17 14:47  
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    先週、今週と、とんでもなくアッパレな若者たちに会った。




    元日の朝日新聞1面「ロストジェネレーション」第1回、そして今発売中の「論座」4月号の巻頭をにぎわせている高円寺「素人の乱」の若者たちである。 本当は以前に紹介した「『丸山真男』をひっぱたきたい」へのオジサン世代の反論・忠告を読んでみたくて「論座」を買ったのだが、その反論・忠告はまあだい たい「想定の範囲内」(ただし鶴見俊輔氏インタビューは逆の意味で想定外。ITのわかる世代ではないのだから、前半部分は編集部でカットしてあげたらよ かったのに……)。
    ところが巻頭の雨宮処凛、小丸朋恵(編集部)、毛利嘉孝の各氏らがそろって論じている「素人の乱」ときたら……
    「貧乏人大反乱集団の行動は、あまりにばかばかしく、そして楽しい。今、非常に多くの若者は貧乏だが、それで楽しく生きている人は少ない。しかし、開き直ってしまえばこんなにも面白い地平が
  • 甲斐良治:田んぼを、米を、農家を、あきらめない

    2007-03-05 17:24  
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    米の値段は下がりに下がり、東北では、いま農家手取り60㎏1万3000円ていど。さらにこの4月から実施される国の農政改革では、所得補償の対象となる水田面積4ヘクタール以上の「担い手農家」はこの町の620軒の農家のうちたったの5軒! 町は年間85万人もが訪れる温泉の町だけど、このまま耕す人がいなくなれば、温泉街をとりまく農村風景も荒廃すると、旅館の主たちまで巻き込んではじまったのが宮城県大崎市旧鳴子町の「鳴子の米プロジェクト」。その発表会である「春の鄙(ひな)の祭り」が昨日開催されたので、行ってきました。
    読者のみなさんは、いま食べているごはん一膳の値段や、それと同じ値段でどれだけのほかの食べものが買えるかをご存知でしょうか?
    写真は、発表会会場に展示されていた「ごはん一膳分の値段で買える身近な食べもの」
    たとえば1俵(60㎏)24000円の米であれば、一膳(約60g)は約24円(1俵で
  • 甲斐良治:パトリアのための食の祭典、地産地消、食育、弁当の日

    2007-03-03 17:38  
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    2月はどういうわけか、「食の旅」の連続でした。



    2月11日(日)は、千葉県鴨川市での「かもがわ食の祭典」と「食文化フォーラム」へ。会場は鴨川駅から車で15分ほどのところにある城西大学観光学部キャンパス。同キャンパスは、「太平洋デッキ」からの眺望が「ちば眺望百景」に選ばれたほどの見晴らしのよい高台にあります。会場に到着すると鴨川市と同大学共催の鴨川朝市の第1回目も開催中。山にも海にも恵まれた鴨川だけあって、魅力的な山の幸、海の幸がズラリ! 1杯2000円のタカアシガニ、同じく2000円のヒラメなど、クーラー持参でなかったことが悔やまれました。

    なかには、すでに完売の店も。イワシを加工した「ひしこ押し寿司」「海の餃子」の店でしたが、人気急上昇中だとか。開発した金高さんはふしぎな人で、本業はビルメンテナンス会社の社長さん。

    ほかにもデザイナー兼天然酵母パン屋さんの宮下さん夫妻、本業は民