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2015年1月の記事 9件

高野孟:農協を潰せば農業がよくなるという妄言の裏にあるもの

11日投開票の佐賀県知事選で、自公両党が推した樋渡啓祐前武雄市長が大差で敗れ、自民党県議の過半数はじめ県内市町村長、それに農協が担ぎ出した元総務官僚の山口祥義が勝利した。マスコミはこぞって「農協改革難しくなる」(朝日)「農協改革慎重論も、自民火消し図る」(毎日)などと、「自民対農協」の構図でこの結果を解説しているが、旧知の地元記者に聞くとちょっと違う。「確かに、JA佐賀は全農会長も出している大拠点で、それが山口に付いたのは大きいが、選挙戦では別に農協改革が争点になったわけではないし、それが多くの県民の関心事であるわけでもない。むしろ、菅義偉官房長官が地元の意見を聞かずに上から命令して候補者を決めたやり方、それで候補者になった樋渡がまた、やり手の“改革派”ではあるけれども、上から目線もはなはだしい強引な行政手法や暴言癖で有名な人物だったので、とくに市町村長たちは県政が大混乱に陥るんじゃないかと心配した。結局、中央直結で、国の意向を県民にどんどん押し付けるような“上から知事”がいいか、県民の意見をよく聞いて政策を決める“下から知事”がいいか、という選択だったんでしょう」。

高野孟:農協を潰せば農業がよくなるという妄言の裏にあるもの

高野孟:知事選で勝てないのに中央政治は安倍一強のアブノーマル

11日投開票の佐賀県知事選で、自公両党が推した樋渡啓祐前武雄市長が大差で敗れ、自民党県議の過半数はじめ県内市町村長、それに農協が担ぎ出した元総務官僚の山口祥義が勝利した。マスコミはこぞって「農協改革難しくなる」(朝日)「農協改革慎重論も、自民火消し図る」(毎日)などと、「自民対農協」の構図でこの結果を解説しているが、旧知の地元記者に聞くとちょっと違う。「確かに、JA佐賀は全農会長も出している大拠点で、それが山口に付いたのは大きいが、選挙戦では別に農協改革が争点になったわけではないし、それが多くの県民の関心事であるわけでもない。むしろ、菅義偉官房長官が地元の意見を聞かずに上から命令して候補者を決めたやり方、それで候補者になった樋渡がまた、やり手の“改革派”ではあるけれども、上から目線もはなはだしい強引な行政手法や暴言癖で有名な人物だったので、とくに市町村長たちは県政が大混乱に陥るんじゃないかと心配した。結局、中央直結で、国の意向を県民にどんどん押し付けるような“上から知事”がいいか、県民の意見をよく聞いて政策を決める“下から知事”がいいか、という選択だったんでしょう」。

高野孟:知事選で勝てないのに中央政治は安倍一強のアブノーマル

篠塚恭一:身動き取れない地方での足 ── 高齢者大国の前線から(14)

私達の暮らしに欠かすことができない生活交通にかかわる法案が、昨年「交通政策基本法」として国会で可決されました。少子高齢化社会や環境への配慮、さらに観光立国への国際対応などその内容は広範にわたっていますが、目的は国民生活の安定向上および国民経済の健全な発展を図るとありました。 東京で働き週末は田舎で過ごすという、いわゆる二地点居住をはじめて十年になります。地方で暮らす年寄りは、夜の8時を過ぎれば床に入るのが習慣で、都会に働く者には暮らしの違いに戸惑うこともあるのですが、一方で便利ではありますが仕事ばかりの都会暮らしから少し距離を置くことは、心身のストレスを和らげ、休み明けには仕事の効率が上がっているのに気づかされます。 こうした暮らしをはじめた頃は、老親もまだ70歳代だったので、多少帰りが遅くなっても駅まで5kmの道のりを車で迎えに出てくれました。しかし、歳を重ねるにつれ、夜の運転を嫌うようになり、最近は日中でも周囲が車で出かけることを心配するようになりました。どこにでもあることですが車社会の地方に暮らす年寄りは、こうして徐々に生活圏が狭くなり、外出の機会が減ることで社会との接点を失い、だんだんと身体も弱っていくのがわかる気がします。

篠塚恭一:身動き取れない地方での足 ── 高齢者大国の前線から(14)
THE JOURNAL

2008年9月に創設され、月間数百万ページビューを出してきた独立系メディア《THE JOURNAL》が「ニコニコ」で再出発!テキストと映像、音声を駆使した情報をお届けします。

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THE JOURNAL編集部

活動フィールドを政治、社会、国際から地域、農林漁業にまで広げて日々奮闘中。著書に『震災以降 東日本大震災レポート』(三一書房)、『自由報道協会が追った3.11』(共著・扶桑社)ほか。

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