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田中良紹:メディアはなぜ早期解散はなくなり秋以降の解散と書くのか
2021-05-03 09:224月25日の3つの国政選挙に自民党が全敗した直後、メディアにはこれで早期解散はなくなり、解散は東京五輪後で自民党総裁選前の9月とする見方があふれた。 東京パラリンピックが閉会するのは9月5日、菅総理の自民党総裁任期が切れるのは9月30日だから、その間に解散・総選挙が行われるというのだ。 早期解散がなくなった根拠は、3つの国政選挙全敗の結果、与党は態勢の立て直しに時間がかかる。また新型コロナウイルスの感染再拡大で、早期解散は国民の理解が得られないからだという。 菅総理は東京五輪開催で政権を浮揚させ、総選挙で勝利すれば、自民党総裁選は無投票で続投の流れとなり、現在の危機的状況を乗り切ることができるとメディアは解説する。おそらくそのようなことを言う政治家がいて、それを鵜呑みにした記者が記事を書いている。 しかし私はこの見方に違和感を持つ。なぜならその見方は東京五輪が開催されることを前提にしている。東京五輪が必ず開催されると菅総理は本気で考えているだろうか。考えているとしたら相当のオポチュニストで危機意識の乏しい政治家だ。
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