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記事 6件
  • 甲斐良治安達太良山麓に奇跡のむらを見た!(その2)

    2006-05-25 13:45  
    53pt
     このむらの水路にイワナがすんでいるということは、それだけそのエサとなる昆虫類が多いということでもある。その昆虫類が多いということは、山が豊かだということでもある。



     Gさんが、むらの入会権を解体し、法人格をもつ森林組合などの管理に移行することに反対したのは、そこに、天然林を伐採させ、スギ、ヒノキの単純林にしてしまおうとする国の意図を感じ取ったからでもある。養蜂家でもあるGさんは、年間を通してさまざまな木の花の咲く天然林があったほうが、ミツバチだけでなく、ほかの昆虫や鳥や獣にとってもよいことを知っていた。


     むらでは、Gさん宅のほかに入会林組合長さん宅、部落会長さん宅にお邪魔したが、どの家でもお茶請けはタラノメやウルイ、ミズなどの山菜類と漬物で、買ったものはほとんどなかった。山が豊かだということは、人の食卓も豊かだということだと思った。

     またむらの水路にイワナがすむということ
  • 甲斐良治:安達太良山麓に奇跡のむらを見た!(その1)

    2006-05-24 13:48  
    53pt


     前回の更新から10日以上がたってしまった。書きたいことはたくさんあったのだが、この間、いろいろなことがありすぎて、おおげさに言えば一種のトランス状態になり、あることを思いついた瞬間には、その数分前に考えていたことがもう思い出せないほどだった(たんに物忘れがひどくなっただけかもしれないが)。
     発端は、5月14日に福島県郡山市I集落の「堰上げ」行事に参加したこと。事前には誘ってくれた「あいあいネット」(いりあい・よりあい・まなびあいネットワーク)の案内で、
    1.年に一回の集落をあげての作業2.朝8時頃から、集落内のいくつかの堰にわかれて堰上げ3.そのとき魚を捕まえ、河原で焼いて宴会。2時過ぎに終了4.堰上げの後は夕方まで各世帯がそれぞれの田んぼに水を引き込む作業
     ということだけわかっていたが、実際に現場に行ってみると、驚きと興奮の連続だった。


     その集落は、新幹線郡山駅から車で1
  • 甲斐良治:結城登美雄さん講演会「おとなのための食育入門」のお誘い

    2006-05-12 13:54  
    53pt




     6月9日、東京・虎ノ門パストラルで結城登美雄さんの講演会が開催されます。
    ――おとなの食育。それは子どもたちの食育を他者にゆだねるのではなく、自らが食の主体になること。そのためには日本の食の現在がもつきわどさ、危うさを見すえることから出発したい。これまでのような「あさきゆめみし」日々の延長にではなく、もう一度、真摯に「食のいろは」から始めていきたい。断ち切られつつある食の環をつなぎ直し、できうれば土に近い場所で向い合いたい(結城登美雄「おとなのための食育入門」増刊現代農業2004年8月号『おとなのための食育入門 環を断ち切る食から環をつなぐ食へ』掲載より)。


     結城さんとはナニモノなのかを一言で表すのは困難きわまりないのですが、本人が名乗っているのは一応「民俗研究家・農業」。「東北のお地蔵さん」と呼ぶ人もいます。
     10数年前までは東北地方最大の広告代理店の経営者でしたが、思
  • 甲斐良治:風水土のしつらい展(大阪・札幌)

    2006-05-11 13:57  




    「灰に還り、灰から生まれる、森羅の回生へ。手仕事が生むアジアの生活は美しい」をテーマに、大阪(大丸梅田店)と札幌(大丸札幌店)で、「風水土のしつらい展」が開催されます。
     企画制作は私がひそかに「ジサマ・ビン・ラディン」と呼んで尊敬している今井俊博さん。

     日本におけるマーケティングの草分け的存在でありながら、「消費者とは生活の放棄者」と言い放ち、
    「明治以降の近代国家形成、とくに第二次大戦後のアメリカナイズのなかで、清潔という衛生概念、脂肪カロリー指向の栄養学、動物性蛋白質摂取(肉食)、 とくに、戦後の消費革命が消費者を無知にした」
    「20世紀は、石油―プラスチックの生活文化、そして今、石油の毒を消し、殺人光線(電磁波等)から解放されることが求められている」
    「モンスーンアジアに豊かな自然素材―これを材料化する技と文化には、発酵、熟成、灰による制御、ミネラルや微生物の活用がある
  • 甲斐良治:入会・総有・全員一致と「むらの弁証法」

    2006-05-09 13:59  
    53pt


     旅先で、ふるさとで、とんでもない「農の哲学者」に出会うことがある。昨年の夏、ふるさと・宮崎の高千穂で初めて出会った農家のSさんもその一人。友人の父親の四十九日法要で同席したのだが、私の仕事を聞きつけ、話しかけてきた。
    「あなたは、『むらの弁証法』をどう思っていなさるか?」
     法要の席でいきなりそんなことを聞かれるとは思っていなかったので、答えに窮していると、「私が、いま一番気にかかっているのは『むらの弁証法』の弱りです」と、続ける。いま75歳で、小学校を卒業するとすぐに農業に従事し、7年前までは出稼ぎをしていて「東京湾のアクアラインの工事にも行きました」というSさんの話を聞いていて、「困ったな。断片的な知識をつなぎ合わせてこんな席で議論を挑まれても……」というのが正直な気持ちだった。


     そのSさんと、今年の3月に宴席で再会することがあり、また話しかけられた。今度は「北海道の花崎皋
  • 甲斐良治:経済的というより祝祭的、「労働」ではなく「助け合い」

    2006-05-06 14:02  
    53pt



    『旅行者の朝食』
     連休中に読んだ本の中では、米原万里さんのエッセイ集『旅行者の朝食』(文春文庫)が面白かった。
     書名の由来となったロシア小咄や、新大陸の「発見」によって旧大陸にもたらされたジャガイモが「悪魔の食いもの」として気味悪がられ、ロシアに受け入れられたのは19世紀も半ばすぎであったこと、それも17世紀にピョートル大帝が「いま朕の目の前で食って見せなければ、その場で打ち首にいたす」と農民たちを脅したり、19世紀初頭の「デカブリストの乱」でシベリアに流刑になった青年将校たちが同地の農民の窮乏を救うため、ジャガイモを栽培し食べた者には金貨を与えるなどしてようやく主食となったことなど、「目からウロコ」の「食と農」の話題の連続だった。


     なかでも「ウォトカを最も美味しく飲める理想的なアルコール比が39度でも41度でもない、40度である」という世界的歴史的大発見をしたのが周期律を