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  • 田中良紹:コロナ禍で喪いつつあるレガシーを「9月入学」で取り戻すのか?

    2020-05-04 10:53  
    新型コロナウイルスで国民に我慢を押し付ける一方、日本経済を確実に落ち込ませる「緊急事態宣言」の先行きが分からぬ時に、地方自治体の首長から「9月入学」の話が出てきた。長年取材をしてきた私の勘では、誰かが後ろで糸を引いている。 欧米に合わせ「9月入学」の方が良いという議論は昔からあった。「9月入学」が多い欧米の国々に留学する学生にとって日本の「4月入学」は都合が悪い。グローバリズムの時代にそぐわないという議論である。その是非はいろいろあろうが、その話がなぜ今出てきたかというところで、私は「ショック・ドクトリン」を思い出す。 「ショック・ドクトリン」とは、新自由主義経済の教祖ミルトン・フリードマンの「真の改革は危機によってのみ可能となる」という主張を指す。カナダ人のジャーナリスト、ナオミ・クラインが名付けた。日本語訳は「惨事便乗型資本主義政策」という。