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記事 3件
  • 高野孟:整合性も普遍性も見えない大阪都構想

    2015-05-21 08:31  
    橋下徹大阪市長の政治生命を決するといって過言でない「大阪都構想」の住民投票を目前にして、朝日新聞・朝日放送の調査では同構想への反対が43%と賛成の33%をかなり大きく上回り、また共同通信の調査でも反対47・8%に対し賛成39・5%で、どうもあと数日でこれを引っ繰り返すのはむずかしそうな形勢である。公明党が住民投票に賛成したので、その分、賛成が増えると予想されたが、朝日調査では公明党支持層の7割以上が反対で、橋下としては完全にアテが外れた格好になった。 橋下は、同構想を理解してもらうには「はしょってしゃべっても1時間かかる」とボヤいているそうだが、そもそも1時間も説明しないと分からないようなものは(安倍の安保法制も同じだが)政治家の提案として落第だ。しかも橋下は、「税金があがる」といった反対派の宣伝にだまされている市民が悪いかのような言い方をしているが、そうではなくて、この構想自体が彼個人の
  • 田中良紹:安倍政治の舞台背景が変わり始めた

    2015-05-20 08:28  
    先週の「フーテン老人世直し録」に58年前の岸訪米と今回の安倍訪米とを比較するブログを書いた。そして最後に「これからの安倍政治は地雷原に向かう」と書いた。地雷に触れるか触れないかはちょっとした違いで起こる。地雷に触れずに切り抜ける事ができるのか、安倍政権の政治力が試されるのはこれからである。安倍総理の祖父岸信介の58年前の訪米は、今回の安倍訪米と比べられないくらいの大歓迎であった。岸総理は米議会で演説しただけでなく、ナショナル・プレス・クラブで講演し、大統領とゴルフをし、メジャー・リーグで始球式をした。歓迎されたのは岸がアメリカにすり寄ったからではない。米軍基地に対する日本国民の反発で基地の存続が危ぶまれていたからである。アメリカは岸を味方に引き入れる必要があった。一方の岸はそこに付け込み差別的な旧安保条約を対等なものに変えようとした。岸の安保改定論には野党も同調していた。ところが2度の国政
  • 田中良紹:連休に硬骨外交官の『回想録』を読み直した

    2015-05-07 11:30  
    安倍総理の訪米で幕を開けた今年のゴールデンウィークに『村田良平回想録』上下巻(ミネルヴァ書房)を読み直した。村田氏は外務事務次官や駐米大使を歴任した大物外交官だが、戦後日本の従属一辺倒外交を批判し、日米核密約の存在を証言した硬骨の外交官として知られる。 また憲法改正や集団的自衛権の行使を認め、中国や韓国に対する謝罪のしすぎを批判した事から安倍総理の外交姿勢に与えた影響を指摘する声もある。