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2012年11月の記事 5件

週刊『夏野総研』vol.014【規模争いの上にかいた胡座。グローバルキャリアが見落とした日本化】

【規模争いの上にかいた胡座。グローバルキャリアが見落とした日本化】 [ 第二回 ]  もちろん、アメリカ人がデータ通信を全く使わない、ということでない。実は全キャリアがパケットの定額制を行っていた時期も過去にはある。シンプルな機能を持つ端末を所有する人が多い一方、盛んにデータ通信を行うユーザーもいる。アメリカでもiPhoneは大人気だが、そもそもiPhoneを使っている人たちはブラックベリーを使っていたような先進ユーザーが中心。以前は、大手通信キャリアのAT&TやベライゾンもiPhoneを導入後、ドコモのパケ・ホーダイのようなデータの定額制を実施していたが、一部のユーザーがあまりにもデータ通信を使用するため、定額制そのものをやめたほど。いわばデータの使用量は、使う人と使わない人でかなり大きな差があり、両極端な状態。しかも、データ通信を使うユーザーばかりが利用しているのだから、キャリアとしては厳しい。加えて書くのであれば、iPhoneが発売された当初はiPod touchの出荷台数の方が多かったように、Wi-Fi版の需要が実は多い。つまり、アメリカ人はデータ通信そのものではなく、携帯電話でのデータ通信に慣れ親しんでおらず、いわば携帯でのデータ通信はこれからさらに拡大するとも言えるのだ。

週刊『夏野総研』vol.011【日本を教育後進国に貶めた「一律平均主義」と「学歴主義」】

【不都合な日本教育と、新しいゆとり教育】その2  日本経済はバブル崩壊から現在に至るまで「失われた20年」と呼ばれ続けている。また 私は、この教育改革を早急に行わなければいけない理由が大きく分けて2つあると考えている。  1つめの理由は、現在の教育システムが限界をむかえているということだ。文部科学省はこれまで全国どこにいても均一な教育を受けられるという教育方針をとっていた。しかし、日本中を見渡しても全く同じ環境は存在しない。つまり、ある程度の教養以外は、地域差があって当然なのだ。  私の提案する「選択科目制」を実施すれば、身近なプロフェッショナルである地域の方に積極的に講師となってもらうことにより、必然的に地域差が生きることになる。例えば、同じ東京都内でも西葛西にはインド人がたくさん住んでいるし、大久保には韓国人の方がたくさん働いている。彼らを学校に招き午後の授業を手伝ってもらえば、ネイティブの発音でより実践的な外国語の使い方を教わることができるだろう。また異国の文化に触れることで貴重な経験にもなる。これが大久保でヒンディー語を勉強する必要はなく、西葛西で韓国語を勉強する必要もない。その地域特有の文化に触ることが大事なのだ。

週刊『夏野総研』

i-modeを生み出しNTTドコモに一兆円を超える利益もたらすだけでなく、絶対に無理と言われた『ニコニコ動画』を黒字化させた男、夏野剛。そんな男の“頭の中”を唯一覗けるのが、週刊『夏野総研』。ニュースキュレーションに始まり、既存ビジネスの解説や、読者からの質問への回答。最近飲んだワインに至るまで、夏野剛の全てを凝縮してお届けします!  講演に参加しないと聴くことのできない、ニュース&ビジネス情報が4回読めて月額525円。スキルアップを目論むビジネスマンにとって欠かせない存在です! 【発行周期】月4回、毎週金曜日発行予定(各月第5金曜日/GW/盆・年末年始を除く)。臨時号外あり。

著者イメージ

夏野剛

’65年生まれ。NTTドコモ在籍時に’99年に「iモード」、その後「iアプリ」「デコメ」「キッズケータイ」「おサイフケータイ」などの多くのサービスを立ち上げる。 ’05年執行役員、’08年にドコモ退社。現在は慶應大学 政策・メディア研究科の特別招聘教授を務める傍ら、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、グリー、DLEなどの取締役を兼任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバー。 ’09年から’13年までHTMLの標準化機関であるW3Cのアドバイザリーボードメンバーを務める。

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