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記事 6件
  • 週刊『夏野総研』vol.128【Googleに異変アリ!? MVNOやロケット、Google+から見えた“新たな潮流”】

    2015-03-27 08:00  
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    【今月のGoogle】  今回もGoogleに関わるニュースを「すごいGoogle」「さすがGoogle」「Googleの弱点」「Googleの誤算」の4つにジャンル分けし解説。これらを見ていくと、Googleの“2つの潮流”が見えてきた。

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  • 週刊『夏野総研』号外【「スマホでマリオ」が任天堂を復活させる!】(※再掲載)

    2015-03-25 15:40  
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    ▼号外-----------━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                              2015/3/25     夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』                号外         【「スマホでマリオ」が任天堂を復活させる!】(※再掲載)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ※この記事は、2013年12月20日に掲載したビジネスモデル分析の再掲載です。・「スマホでマリオ」が任天堂を復活させる!

     2013年11月に行われた『ドラゴンクエスト』の無料配信キャンペーンは大きな話題となった。これは『ドラゴンクエスト ポータブルアプリ』内で、通常価格500円の『ドラゴンクエストI』を先着100万ダウンロード限定で無料配信するというもの。初日で100万ダウンロードを達成し、あまりの人気ぶりに無料配信期間を延長するほどであった。このように『パズル&ドラゴン』を筆頭に大流行中のスマホのゲーム業界では、ドラクエの例のように往年の人気ゲームがスマホ展開されつつある。 だが、国民的なゲームと言っても過言ではない『ポケットモンスター』や『スーパーマリオ』などの任天堂のゲームがスマホ対応したというニュースは聞かない。ドラクエや『ファイナルファンタジー』が大ヒットするなか、任天堂が自社以外のプラットフォームにコンテンツを提供することはなかった。しかし、スマホやタブレットがDSなどゲーム専用機としての携帯型ゲーム機に取って代わった今、ビジネスモデルの大きな転換は遅かれ早かれしなくてはいけないことになる。 では、任天堂はどのように進化していけばよいのだろうか? 今回は日本のゲーム業界をけん引する任天堂のビジネスモデルについて解説していきたいと思う。 具体的なビジネスモデルの内容に移る前にゲームコンテンツの課金方法について触れておきたい。 コンテンツの購入(課金)は、大きく「都度課金」と「月額課金」に分類することができる。日本の携帯コンテンツの市場は、月額課金で立ち上がったといっても過言ではない。この月額課金のビジネスモデル、「月額300円以内」という設定があったのだが、最初にその理由をゲーム理論的に解説してみたいと思う。 まず、ユーザーの視点。300円という値段はユーザーから見て手頃な価格であるという印象を与えることができる。お試し感覚で登録してみることもでき、サービスを利用することへの敷居は低くなる。加えて、継続課金を止めることは今までプレイしてきたゲームのセーブデータや登録情報が消えてしまうことを意味し、ユーザーはこれを好まない傾向が強い。つまり、退会のリスクを減らすこともできる。結果、多くのユーザーは長期的に課金を続けることになり、一人300円/月という価格設定であっても、その合計金額はまとまった金額となる。また、ユーザー側にとってもいつでも退会できるという安心感を低リスクで得られるのも大きいだろう。 次は、コンテンツプロバイダーの視点から見てみよう。月額課金を行うことで、一定数の退会があったとしても一定の割合での入会もあるので、ベースとしてのユーザー規模が急激に減少することはない。そして、プロモーションを行う度にベースとなるユーザー数は底上げされていく。このように、ユーザー数はキープされ、プロモーションや新サービスによってユーザー数が積み上がっていくことを、業界用語では「ザブトン」と呼ぶ。短期間で見ると、コンテンツプロバイダーにとって300円という価格設定は、「1ヶ月では元が取れないこと」を意味するものの、ライフタイムバリュー(ユーザーが平均何ヶ月で退会するかという値)が10ヶ月ならば、ユーザーは平均で3000円払うということになる。つまり、長い目で見れば大きな利益を得ることも可能になるのだ。ドコモなどのキャリア側にとっても、通信によるトラフィックの増加を見込むことができるのでメリットはとても大きい。 一方の都度課金の場合のビジネスモデルだが、サービスの価格設定の基準となるのは「コスト+プロモーション代÷ユーザー数」である。もし3000円を回収しようと思ったら、1つのゲームを3000円の値付けにしないといけない。ユーザーにとってこの価格は、かなりハードルが高いことであるし、プロモーションを行えば販売数は増えるものの、それは一時的な効果になることも多い。たしかに、売れるときは順調に売上を伸ばすものの、プロモーションには多額のコストがかかってしまう。プロモーションをストップすれば販売数が激減する可能性もあり、自転車操業的な側面も否めない。このように利益のアップダウンが激しいことを金融用語で「ボラティリティ」と呼び、今月は利益ラインに乗ったとしても、来月はどうなるかわからない状況が続くのだ。 反対に月額課金の場合では、ザブトンが積み上がることで一定数のユーザーは存在しており、今月黒字なら来月もほぼ黒字になる可能性が高い。 そして、私が月額課金にこだわった理由がもう一つある。それは、コンテンツプロバイダーが良い意味で緊張感を持つことになるからだ。300円の月額課金を行う場合、より多くの売上を確保するには、ユーザーに少しでも長くサービスを利用してもらう必要がある。つまり、コンテンツやサービスの中身が重要になるので、ユーザーが長く利用しようとするための仕掛けや価値をサービスに織り込むことが必須となってくるのだ。 ユーザーが長く利用するための仕掛けや価値をサービスに織り込むことが必須となる月額課金に比べて、都度課金の場合は、一度売ってしまえば売上は確保できるので、「見かけよくして中身なし」というアプリやサービスも少なくはない。オーバープロモーションも横行している。これらの問題を防ぐために、レビューなどの評価システムがあるものの、アイテムやポイントを提供する代わりに高評価をつけさせたりと、十分に機能していないことも多い。もし月額課金でオーバープロモーションのようなことを行っていたら、ユーザーが離れていくのはわかりきったこと。良い緊張感によって、目先の利益に走ることを防ぎ、結果的にはコンテンツプロバイダーとユーザーがWin-Winの関係を築くことが可能になるのである。

    ・任天堂復活への大戦略

     さて、本題に移ろう。これまでの任天堂のビジネスモデルは、都度課金型といえる。ポケモンやマリオ、最近では『どうぶつの森』といった魅力的なソフトをパッケージとして販売し、そのプラットフォームをWiiといった自社製のハードウェアに限定することで、莫大な利益を上げてきた。しかし、このビジネスモデルに陰りが出てきたのは前途の通り。DSはもはや大人よりも子供向け端末となっており、我が家のように子供向けにゲーム専用端末よりもスマホやタブレットを買い与えるケースも多い。このように、ハードが売れないということはソフトも売れないということを意味し、従来までのビジネスモデルが成り立たなくなることを物語っているのだ。 では、任天堂はどのようにビジネスモデルを転換すべきか。感のいい人はお気づきだろうが、月額課金だ。用意するのは、任天堂の全ソフト遊び放題の月額1万円のプレミアムプランと、全ソフトのなかから常時1タイトルしかプレイできない月額1000円のライトプランを用意する。キーポイントになるのは、どちらも、DSやWii、スマホなど「ハードを選ばない」という点だ。これに、従来通りのパッケージ販売も加える。
     

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  • 週刊『夏野総研』vol.127【BtoCビジネスの“鉄則”。顧客を「一生離さない」ための仕組みとは】

    2015-03-20 08:00  
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    【「売り切り型ビジネス」の終焉!?“AppleにあってSONYにないもの”とは】 [第4回]  冷蔵庫は、長年使い続 けていると家族構成や生活スタイルの変化によって食材の詰め混み具合は大きく変化する。というのも、結婚や子どもが誕生し成長していけば大きな冷蔵庫が必 要になってくるから。では、このようなタイミングで「冷蔵庫の容量が足りなくなってきたな……」と感じているタイミングで新製品のお知らせが来たら? こ れほど効果的なマーケティングはないだろう。このように買い替え需要をピンポイントで掴むことができるのだ。他にも、我が家のように冷凍庫がいつもパンパ ンになっているが、同じような家庭が冷凍庫の容量が大きな製品を紹介されたら思わず買ってしまう人は多いと思われる。

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  • 週刊『夏野総研』vol.126【導入すればSONY大復活も!?「月額課金モデル」が持つ恐るべし破壊力】

    2015-03-13 09:00  
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    【「売り切り型ビジネス」の終焉!?“AppleにあってSONYにないもの”とは】 [第3回]   国内家電メーカーは売り切り型から“月額制”へとビジネスモデルの転換を行うべきだろう。このサービスをテレビで行うとすると、インチ数によって料金は変 化するが、月額3000~5000円、5年毎に最新機種に変更するというモデル。この月額制、5年間かかるコストを計算すると18万円~30万円というこ とになる。この数字を見れば、「買った方がいいのでは?」と思う人もいるだろう。では、どのような付加価値を与えれば有効になるか?

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  • 週刊『夏野総研』vol.125【「高品質化」が仇となる!? 国内家電メーカーに起こる“まさかの悲劇”】

    2015-03-06 08:00  
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    【「売り切り型ビジネス」の終焉!?“AppleにあってSONYにないもの”とは】 [第2回]  TESLAやAppleを見て感じたのは、ハードを販売した後も“継続的にサービスを提供するビジネスモデルが最新トレンドだということ。反対に、ハードやモノを“単純に売り切る”前時代的なビジネスモデルでは成長し続けていくことは難しくなってきた。

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  • 週刊『夏野総研』号外【Androidの次なる一手と、Googleを悩ませ続ける“頭痛の種”】(※再掲載)

    2015-03-01 00:00  
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    ▼号外-----------━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                              2015/3/1     夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』                号外  【Androidの次なる一手と、Googleを悩ませ続ける“頭痛の種”】(※再掲載)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今や押しも押されもせぬ巨大IT企業となったGoogle。12個のニュースをピックアップし、「すごいGoogle」、「やっぱりGoogle」、「Googleの誤算」、「Googleの弱点」の4つにジャンル分け。強みやポテンシャル、将来的な不安材料などを分析してみた。…………………………【すごいGoogle】 さっそく“Googleらしい”ニュースが流れてきた。『Google 1日の総検索数は約30億クエリ、1年で1兆超え』(http://goo.gl/Ifsylq)だ。世界のネット人口が約29億人とされている今、ネットを使う人々が1日に1回アクセスしている計算ということになる。これは凄まじい数字と言える。 Googleは元来、検索サービスを通じて“世界中の情報を再整理する”というポリシーを持ってきた。情報の再整理には言葉の壁を取り除くことも含まれており、事実、Chromeの翻訳を使えば「言葉の意味がわかる」程度にまでなっている。これが2014年までのGoogleだった。2015年からは「意味がわかる」からさらに進化し、「コミュニケーションができる」、つまり自然言語にシフトしてきたと感じるのだ。そう、『ほんやくコンニャク実現か、グーグルが同時翻訳アプリを発表』(http://goo.gl/fQu0La)である。Googleは最新のテクノロジーに敏感に反応し提供してきた企業。そういう意味では、空想の存在だった『ほんやくコンニャク』の実現が目前に迫っている可能性はかなり高い。 Googleはテクノロジーを使い、社会に大きく貢献している。その意思は、『グーグルがゲノム解析を支援:自閉症研究などと提携』(http://goo.gl/lSrGcG)と『Googleが世界の海を監視することで「違法漁業」の実態が明らかに!』(http://goo.gl/zmstHR)を見れば一目瞭然。特に先天的な病気の解明には、ゲノム解析がきわめて役立つこと、そしてゲノム解析には巨大なコンピューティングパワーが欠かせないことがわかってきた。その中でGoogleは「世界一のビッグスポンサー」になったわけだ。 違法漁業監視もしかりである。Google Earthは将来的に衛星から受け取ったデータをリアルタイムで表示されるようになるだろう。違法漁業だけでなく、交通情報の入手や違法な森林伐採なども取り締まれることになる。以前は、限られた人間しかアクセスできなかった情報がGoogle Mapsやストリートビューによって誰でも手に入るようになっている。STAP細胞論文の写真盗用を見ぬいたのもネット上の一般人だ。今後は、「関心のある個人」の力がさらに強くなっていくということ。そんな時代の幕開けを意味するニュースである。 あくまで噂レベルだが、テスラに搭載された17インチのタッチスクリーンのOSはAndroidと言われている。実際に使ってみてわかったのは、自動車産業は全世界的にIT音痴ということ。なぜなら、「先進的」といわれるテスラのタッチスクリーンも既存の技術をパッケージしたに過ぎない。加えて、車速や車がいた位置などを「プローブ情報」というが、自動車会社はプローブ情報の共有に閉塞的だったりする。『米グーグル、自動車に直接搭載する「アンドロイド」開発へ』(http://goo.gl/00nTde)というニュースは、その状況を打破する狼煙かもしれない。Androidを搭載するとなれば、プローブ情報の共有は前提だ。しかも、GPSや加速度センサーを応用すればよりリアルな統計データを得ることが可能になる。適正な保険料率を設定することもできるので、『なんとGoogleが自動車保険を販売予定、「保険」業界へ進出か?』(http://goo.gl/TkucY4)という動きにも合点がいく。自動車保険の計算方法すら変えようとしているGoogle。これこそ社会イノベーションだ。…………………………【やっぱりGoogle】『グーグル、3.5GHz帯の開放をFCCに働きかけ 安価なネット接続サービス実現が狙い』(http://goo.gl/DSMd5h)という記事があったが、電波解放などの働きかけは、元来通信会社が行ってきたこと。直接的な利益を得ないIT企業は行ってこなかった。つまり、このGoogleの動きは「Googleの影響力」を象徴するような出来事と言える。しかし、電波帯を解放したからといってGoogleは通信サービスに参入するとは思えない。なぜなら、Googleの規模感に合わない“つまらないビジネス”であるからだ。最近では、「Googleは世界征服する気だ」という言葉を耳にする機会も増えてきたが、当のGoogleは世界征服など眼中にはない。一貫して「自社サービスの使い勝手が上がれば、利用者が増え成功する」というスタンス。ビジネスモデルは後回しという考え方だ。 そんなGoogleが乗り出そうとしてるのが「格安スマホ」。先進国で高級スマホの需要が強くなる一方で、途上国では依然として安価なスマホ中心。世界的に市場が二極化しているわけだが、その状態に手を打つために『米グーグル「Android One」、新たに3つのアジア市場への参入を正式表明』(http://goo.gl/n0QEpf)、『Googleの組立スマホ「Project Ara」、プエルトリコで年内発売へ』(http://goo.gl/HkpFS2)を発表したわけだ。普通のメーカーならAndroid Oneのような低価格端末を作って終わりだろう。しかし、組み立て式であれば、極端にいえばカメラすらない端末も販売できるためより低価格にできる。この発想は「さすが」と言わざるを得ない。…………………………【Googleの弱点】 低価格スマホで途上国市場を狙うGoogle。Googleの強みは「サービスを全世界で展開できる」ことである。それは、IT化が極端に進んでいた日本市場をも飲み込んだ。ところが、1国の人口が10億人を超える中国とインドの場合、話は別だ。国内だけで世界トップレベルの規模を誇るマーケットがあるため、ガラパゴス化でも十分にスケールが保てる。『Gmailが中国全土で使用不能?当局によるネット規制の強化か』(http://goo.gl/63juuJ)という出来事もあったが、中国は過去に対立があり、すでに失ったマーケット。そこでインドなのだが、インドで打った手の様子がどうもおかしい。 

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