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記事 31件
  • 米国が公にしない外交・安全保障上の真実とは何か

    2013-01-31 08:51  
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     スティーヴン・ウォルトはハーバード大学ケネディ行政大学院教授で、「リアリスト」と呼ばれるグループに属している。米国国際関係学者として、その発言が最も注目されている一人である。 彼は最近「不都合な真実(Some inconvenient truths)を『フォーリン・ポリシー』で発表した。 「通常は、米国は公表しない、しかし、事実である」として記述した論評は米国外交を理解する上で大変参考になる。「米国の公的人物が公に決して述べることのない5つの真実とは次のものである。(1)「我々は決して核兵器をなくするようにはしない」 核兵器を開発した時から歴代米国大統領は軍備縮小(disarmament)に言及してきている。1967年の核不拡散条約も核軍縮を目的としている。さらに著名な政治家たち(George Shultz, William Perry, Sam Nunn, and Henry Ki

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  • 北朝鮮の核兵器開発を止める政策はどうあるべきか

    2013-01-30 07:59  
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    昨日は北朝鮮の核開発の動きを見た。 この中、我々は北朝鮮の核開発の動きにどうしたらよいのであろうか。 今、制裁をすることを模索している。 これが本当に一番良い政策であろうか。北朝鮮の核兵器について考える前に、核戦略そのものを考えてみたい。 キッシンジャー著『核兵器と外交政策』(日本外政学会、五八年)は核戦略について最も代表的な本である。 ここでキッシンジャーは次のように記述している。  ・ 核保有国間の戦争は中小国家であっても、核兵器の使用につながる  ・ 核兵器を有する国はそれを用いずして全面降伏を受け入れることはないであろう、   一方でその生存が直接脅かされていると信ずるとき以外は、戦争の危険を冒す国も      ないとみられる  ・ 無条件降伏を求めないことを明らかにし、どんな紛争も国家の生存の問題を含ま   ない枠を作ることが米国外交の仕事である キッシンジャーの言葉を現在の極

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  • 北朝鮮の核実験の可能性をめぐる動き

    2013-01-29 08:49  
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    北朝鮮が第3回目の核実験を行う可能性が出てきているとの報道がなされている中、現状を取りまとめてみた。 1:現状:(1)北朝鮮の朝鮮中央通信は26日、金正恩第1書記が国家安全・対外部門幹部協議会を招集したと報じた。金第1書記は「実質的で強度の高い国家的重大措置を取る」と述べ、3度目の核実験を強行する意思を示したとみられる(01月27日毎日新聞報道)。 (2)米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は25日、北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場を撮影した23日の衛星写真を公開した。爆発時の放射性物質拡散を防ぐために実験用坑道を封鎖する作業が始まった可能性があると指摘した。分析が正しければ、核実験準備は最終段階にある(01月26日毎日新聞報道)。(3)パネッタ国防長官は記者会見で「彼らには能力がある。現状では明確な証拠("outward indications“)はまだない。我々は北

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  • 驚き・ワシントン・ポスト紙が尖閣諸島の棚上げを主張した

    2013-01-28 07:49  
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    尖閣諸島の棚上げは、1972年の田中・周恩来会談、1978年の園田・鄧小平会談で合意されたものである。 日中双方が、尖閣諸島を自国領土と主張する中で、軍事紛争にしないのが棚上げにする知恵である。 1972年の田中・周恩来会談時、条約課長として直接かかわった(要検証)栗山氏はその後、外務次官、駐米大使をした責任者である。彼は棚上げ合意があったと当時の日本政府は了解していたと昨年発言している。 しかし、日本政府は今日、この歴史的事実すら歪めている。 この歪めに最も貢献した一人が前原外務大臣(当時)である。 この中、驚くことに、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは26日付けの社説で棚上げを主張した。 1月27日NHKニュースは次のように報じた。「ワシントン・ポストの社説は、尖閣諸島を巡る問題について「日本と中国の間でこれまで棚上げされてきたものの、去年9月に日本政府が島を国有化したことで中国

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  • 朝ナマの憲法論議は、今後の論争の先取り(改正は米国隷属を強めることにあり)

    2013-01-27 09:12  
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     憲法改正が現実味を帯びてきた。 今後予想される展開は次のものが想定される。①    自民党は改正の意思を固める、②    自民党政権はまず、参議院選挙で改正勢力の3分の2の確保に全力をあげる、③    本来の目的である憲法9条等は全面に出さない。まず第96条 [改正の手](この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない)を直し、3分の2を過半数にし、容易に憲法改正をできる状況を確保する。④    最大の狙いは憲法9条である26日早朝の朝までナマテレビでの憲法論議は今後生ずる論争の先取りであったと言える。 司会の田原氏は「今まで大手テレビでは憲法改正論議はタブーであった。これがほぼ最初のものになるのでないか」と胸を張った(同席の辻元 清美民主党議員は憲法論議はこれまでも朝ナマでやってきていたと話していた)。 憲法改

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  • ウォルフレン:「小沢が潰されるのは米国従属システムを変えようとするからだ」

    2013-01-26 10:25  
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    ウォルフレンと昨日ニコニコ生で対談した。 私が聞き役、ウォルフレンが答える。間に通訳が入るので、少し間延びするが、いや、凄い外国人がいたものだ。どの質問をしても的確な答えが返ってくる。 『日本/権力構造の謎』(1990年)や1994年の『人間を幸福にしない日本というシステム』は何十万部という単位で売れている。総数300万部以上という。 ウォルフレンの日本での注目度はかってほどではない。では彼の指摘は色あせたか。決してそうではない。管首相、野田首相の対米べったりの姿勢を厳しく批判している。 ウォルフレンの発言が陳腐化したのでない。かつて日本社会の権力機構内部に、警告を発するウォルフレンに耳をかす層が存在した。今はそれを完全に無視することにより、ウォルフレンの発言を抹殺しようとする動きとなった。 ウォルフレンの本に『人物破壊』(『誰が小沢一郎を殺すのか』の改題)がある。人物破壊とは、「標的を

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  • 『ビブリア古書堂の事件手帳』の読後感想

    2013-01-25 07:39  
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    『ビブリア古書堂の事件手帳』を読んで、「寅さん映画にはまった」という感想である。 映画史上、大作は山のようにある。込められたメッセージが深淵な先品も多い。しかし、映画館で映画を見ている時、文句なく寅さん映画は面白い。筋はこう展開するだろうなと予測すると、大筋そのような流れになる。そしてほっとする。そして所どころ新しい展開を見せて、山田監督はうまいなーと感心する。 『ビブリア古書堂の事件手帳』シリーズもそういう感じがする。 うまいのである。 寅さんシリーズで何か貴重な人生訓を得たかというとそう多くはないかもしれない。同じように『ビブリア古書堂の事件手帳』で何か貴重な人生訓を得たかというとそうでもない。ただ、本を読んでいる時は無性に楽しいのである。 『ビブリア古書堂の事件手帳』の凄い所は、事件は実に他愛もないものである。推理小説であれば予想外の殺人事件がでて、日常簡単に起こらない特殊な出来事

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  • テロ戦争は米国の仕掛けで増大しているのです。

    2013-01-24 12:18  
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     アルジェリアのテロがありました。ここで世界の中で、戦争とテロがどのような趨勢を持っているか見てみたいと思います。 最も重要な点はテロは9・11まで減少の傾向にありました。その後米国は「アメリカのイメージに合った国際秩序形成」に動きました。アルジェリアのテロを含め、契機は米国の政策にあります。(以下は発刊予定『これから世界はどうなるか: 米国衰退と日本』より抜粋したものです)世界で戦争はどのように起きているのでしょうか。先ず、国同士の戦争は大幅に低下しています。更にテロ行為も、重要なことは、9/11米国同時多発以前は明確に減少していたのです。 私達は、現在でも戦争はしばしば発生すると思っています。 でも現実は違うのです。世界は戦争を起こさないように動いています。 米国メリランド大学(University of Maryland)の国際開発危機管理センター(The Center for I

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  • 「アメリカの時代」は終わるのか、終わらないのか、

    2013-01-23 08:47  
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     (発刊予定『これから世界はどうなるか: 米国衰退と日本』より) 今米国では政治家の間でも、学者の間でも議論されているのです。  「アメリカの時代は終わるのか、終わらないのか」、これは2012年大統領選挙のテーマになりました。きっかけは2012年のオバマ大統領の一般教書演説です。 「米国が衰退の過程にあるとか、米国の影響力に陰りがあるという者がいたら、その人間は何を喋っているか知らない人間だ。  それは世界の指導者達から聞こえてくるメッセージではない。各地でアメリカへの評価はいつの時代よりも高い。勿論世界は変化している。我々はずべてを支配出来ない。しかし米国は世界の中で欠くことの出来ない国である」 オバマ大統領は「米国が衰退の過程にある」ということはないと言っているのですが、選挙の時には揚げ足とりがしばしば起こります。 共和党の大統領候補ロムニーは攻撃します。「我々の大統領は、アメリカは衰

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  • 検証すれば、アルジェリア人質事件は起こるべくして起こった事件

    2013-01-22 07:44  
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     多くの人は、何故こうした事件が今突然起こったか、不思議に思われるであろう。 しかし、この人質事件は起こるべくして起こったのである。 事件直後、犯人側は次の動きを示した。(1)「国際テロ組織アルカイダ系イスラム武装組織の指導者モフタール・ベルモフタール司令官が20日、モーリタニアのANI通信を通じ犯行声明を出した。声明は、同司令官が率いる「イスラム聖戦士血盟団」の40人程度のメンバーが同プラントの制圧を企てたが、アルジェリア軍が反撃したため人質多数が死亡したと指摘。隣国マリの内戦に介入している諸国に対してさらなる攻撃を実行すると警告した」(1月21日ウオール・ストリート・ジャーナル)(2) [犯行声明を出したグループは、モーリタニアの通信社「ヌアクショット通信」に新たな声明を送り、「マリ北部への攻撃をやめなければ、アルジェリアやフランスなどの国々は人質の命に対する責任を取らなければならな

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