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記事 3件
  • 「よーしゃなき【論破祭り】VS.男系固執カルト」小林よしのりライジング Vol.445

    2022-08-23 19:00  
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     皇統の男系派に対する「論破祭り」が、ものすごい盛り上がりとなっている。
     8月12日、『男系固執派の「論破祭り」をせよ!』と題してわしが書いたブログがその出発点で、ここにその理念が凝縮されているので、改めて全文掲載しておこう。
    8月7日放送の「そこまで言って委員会NP」の議論内容を「論破祭り」せよという指令を総合Pに出した。
    笹さんにも言っておいたが、とことん「論破祭り」をやってくれ!
    実名を出して論破するんだ。倉田真由美、山口真由なども容赦せずにガンガンやってほしい。
    我々は今まで「常識と論理」で戦おうとしてきた。
    それで何が変わった?
    男系固執派には「常識と論理」がないが、「狂気」がある。
    女系公認派には「常識と論理」があるが、「狂気」がない。
    そこがダメなんだ!
    戦いは常識ある一般国民とではない。
    敵は一部の男系固執派なのだ。
    メーリスでも論破祭りをせよ!
    「愛子天皇サイト」でも論破祭りせよ!
    『小林よしのりライジング』でも論破祭りする。
    笹幸恵さんはブログで論破祭り、泉美木蘭さんと「淑女我報」で論破祭りせよ!
    答えがいくらでも重なってもいい。
    人によってどうせ語り口は違うんだ。
    大衆に届く簡潔な解答の方がいい。
    これを「東海ゴー宣道場」につなげる。
    「論破祭り」「論破祭り」「論破祭り」「論破祭り」だ!
     男系派はどんな人間であろうと、どんなデタラメな意見だろうと発言をしているから、全体としては「マイノリティー」にすぎないはずなのに、非常に「ノイジー」な存在となっている。
     それに対して 我々は、皇室に関わることなのだから節度をもって行動しようという意識があったものだから、「マジョリティー」であるにもかかわらず、「サイレント」な状態になっていた。
     それでゴー宣道場では高森明勅氏が「サイレント・マジョリティー」から「ボーカル・マジョリティー」になろうと呼びかけ、昨年の衆院選や先月の参院選の選挙期間中には、候補者に対して「愛子天皇をお願いします!」と陳情する運動が、前例のない規模で行われた。
     それは確かに意義があっただろうが、しかしこれもまた非常に節度を保った範囲内の運動であり、しかも今後2年以上は国政選挙も行われない。
     ノイジー・マイノリティーの男系派に打ち勝つには、ここでもうひとつ殻を破る必要があったのである。
     これまで女系公認派は、表立って発言して男系派と戦う人が高森明勅氏とわしくらいしかいない。「多勢に無勢」という思いをしていた。
      だからこそ、「オドレら正気か?」の小規模の「巡業」を増やして、論客として戦える人材を発掘していくしかないとわしは考えていた。
     ところが、「狂気」を解放して男系派を論破せよとブログで呼びかけただけで、これほどの動きが起こるとは思ってもみなかった。
     みんな常識と節度を保って発言を控えていただけで、本当は男系派の暴論・珍論の数々に反論したくてうずうずしていたようだ。
      そしていざ反論を開始してみたら、みんなそれぞれに勉強していたから、たちまち男系派を圧倒し始めてしまったのだ。
      男系固執派は数がいるように見えても、誰も自分の頭では考えておらず、同じ紋切り型の言葉を全員で繰り返しているだけなのに対して、女系公認派はそれぞれが自分の頭で考え、それぞれ自分の言葉で論破している。
     わしは一夜にして幾万の味方を得たような気分だった。
     そしてもうひとつ、「論破祭り」によって男系派の驚くべき実態が次々と晒されるようになったのも、非常に意義のあることだ。
      中でも特に重大な問題が「統一教会」との関係で、驚くべきことに、男系派の主な論客はみんな統一教会系の団体で講演をしていたことが明らかにされた。新田均、櫻井よしこ、八木秀次、中西輝政、大原康男、竹内久美子、小川榮太郎、渡部昇一、そしてもちろん、竹田恒泰もだ。そして、保守系と言われる論壇誌も揃って統一協会の広告塔になっていた。
      それだったら「保守派」がみんな男尊女卑になっていたのは当然だといえる。統一協会の教義が男尊女卑そのものなのだから。
     統一協会の教義では、韓国が「アダム国」、日本が「エバ国」で、エバの日本はひたすらアダム・韓国に仕え、お金を貢がなければならないことになっている。
      そして「合同結婚式」では、日本人の女は韓国人の一番劣等な男に嫁がされて、奴隷のような扱いをされているのだ。
  • 「ウクライナから台湾へ?」小林よしのりライジング Vol.444

    2022-08-16 16:50  
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      もしもロシアがウクライナ侵略を達成し、国際法秩序の破壊に成功したら、中国は迷わず台湾を侵攻するだろう。だが逆にロシアが失敗したら、中国も一蓮托生となるかもしれない。今は世界史的な分水嶺にある。
     8月2日から3日にかけ、米国の大統領・副大統領に次ぐ「ナンバー3」といわれる下院議長、ナンシー・ペロシが台湾を訪問した。
     これに中国は猛反発、事前には米中首脳会談で習近平国家主席がバイデン大統領に 「火遊びすれば身を焦がす」 と警告した。
     この言い回し、ほとんどマフィアの恫喝だが、ペロシはこれに動じず台湾訪問を実行。中国はその「報復」のように、台湾近海での軍事演習を4日から9日まで行った。
     そしてこれとちょうど時を同じくして3日から5日までの間、カンボジアの首都プノンペンでは、ASEAN関連の国際会議が開催されていた。
     台湾問題に関してASEAN各国の対応は分かれていて、シンガポールやマレーシアなど、米中双方と経済的な結びつきが強い国は「中立」的な態度を取り、カンボジアやラオスなど、中国に経済で大きく依存している国は「台湾や新疆ウイグル自治区、香港などは全て中国の内政問題」として、中国寄りの態度を取っている。
     ウクライナ戦争について、ロシアへの依存度によって各国の態度が変わるのと同じ現象である。
     そんな中、4日に行われた会議で日本の林芳正外相は、中国の軍事演習に「懸念」を示した。
      すると、これに対して中国の王毅国務委員兼外相が激怒。 王は台湾の現状について日本の 「歴史的な責任」 を持ち出し、 「日本には発言する資格がない」 と声を荒らげたという。
     中国外務省も報道官(外務次官補)が記者会見で 「日本は台湾問題で歴史的な罪を負っており、とやかく言う資格はない」 と発言した。
      王毅は4日に予定されていた、対面では1年9カ月ぶりとなる日中外相会談を開始予定の2時間前に急遽キャンセル。
      翌5日の東アジアサミット外相会議では林外相の発言の際、ロシアのラブロフ外相とともに退席した。
     一国の外相が国際会議の席で声を荒げて激怒し、その後にドタキャンだのボイコットだのを繰り返すとは、あまりにも子供じみていて外交的には失態としか思えないが、それほどまでに余裕を失っているようにも見える。
     中国は日本に対しては、居丈高に 「歴史的な責任」 を言いさえすれば勝てると思っているから、今回も 「日本は台湾を植民地にしていたのだから、台湾のことを言う資格はない」 と言えば、日本は黙ると思ったのだろう。
      そして実際に、中国に「歴史カード」を出されたら直ちに平伏する、歴史を全く知らないバカな日本人もいるのだから、始末に悪い。
     そこで今回は、この中国のイチャモンに対して反論しておこう。
     とはいえ、細かい検証などする以前に、いくらなんでも 「台湾を植民地にしていた日本には、台湾のことでモノ申す資格はない」 というのは、呆れるほど見当はずれな言いがかりであることは明白である。
      だったら、ミャンマー(ビルマ)を植民地にしていたイギリスは、現在のミャンマーにおける人権侵害に対して何も言う資格はないのだろうか?  もちろんそんなことはなく、イギリスはミャンマーの軍事政権に制裁措置を行っている。ミャンマーに対しては、なぜか日本政府の方が制裁に消極的なのだが。
     さて、まず強調しておかなければならないことは、 現在の中国=中華人民共和国は、歴史上一度も台湾を国土としたことがないという事実である!
  • 「安倍マンセーの方々へ」小林よしのりライジング Vol.443

    2022-08-02 16:45  
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     統一協会の話題を、テレビも週刊誌もどんどん扱っている。
     先週の時点では、権力に忖度して沈静化していくのではないかと危惧していたが、統一協会を扱えば視聴率が上がる、部数が伸びるという現象に、もう各局・各誌とも抗えない状態になっているようだ。
     安倍晋三があんなに無惨に殺され、しかもそのことによって安倍と反日・反社会カルトである統一協会の癒着関係が明るみに出されてしまうという事態は、 「安倍マンセー派」 にはとても耐えがたいことだろう。 「私の心の中の美しい安倍晋三を汚さないで!」 みたいな心の叫びが聞こえるようだ。
     そんな、何が何でも安倍のことは美化しておきたい「安倍マンセー派」のために、「月刊WiLL」も「月刊Hanada」も「月刊正論」も、安倍追悼の大特集号を組んでいる。
     そこでの安倍は 「不屈の政治家」 であり、 「稀代のリーダー」 であり 「自由の守護神 」 であり 「日本の宝」 であり…と、賛美、賛美、賛美の嵐である。
      まるで、文鮮明を「メシア」と賛美するかのように。
     もちろん3誌とも安倍と統一協会の関わりなど一切触れず、そればかりか、 銃撃の原因となったのは悪意ある安倍批判を繰り返した「アベガー」(サヨク)のせいだとする記事まで載っている。 「愛する安倍さんの裏にそんな闇があったなんて、そんなこと見たくなーいっ!」 といった状態である。
     メディアでは連日、統一協会と安倍晋三・自民党の癒着関係が報じられているのに、ここは全くの異世界である。現実に対して徹底して目を塞いでいるその様子は、それこそが「信仰」であり「カルト宗教」であるとしか言いようがない。
     そしてこれは信仰であるがゆえに、議論が一切通用しない。
      首相時代の安倍があんなことをした、こんなことをしたといくら具体的に挙げても、「『アベガー』だ!」と言って、一切聞こうともしないのだ。
     統一協会の信者が、 「サタンの言葉だ!」 と言って都合の悪い声に耳を塞ぐのと同じである。
     だが、そんな安倍マンセー教信者にも、決して「『アベガー』だ!」では否定のできないことがある。
     それは、 安倍晋三が 「戦後レジームからの脱却」 を掲げながら、それを全てベタ降りしたことである。
     安倍は第一次政権発足時に 「村山談話」(侵略史観)を踏襲する と言い、 「河野談話」(慰安婦強制連行)を踏襲する と言い、 「東京裁判」に異議を唱える立場にない と言い、ついにこれを撤回することはなかった。
     そして 集団的自衛権の行使容認については、まずアメリカ議会で約束して、それから日本の議会での議論を開始した。
      戦後レジームの根幹は、アジア侵略史観(自虐史観)とアメリカ追従である。 安倍はこれから脱却すると言っておいて、より強化してしまったのだ。
     これは決して否定のできない事実としてあるのだから、絶対に反論のしようがないことである。
      しかもこの上に、統一協会の問題が加わるのだ。
     ジャーナリスト・鈴木エイト氏が公表したリストによれば、統一協会と関係のある国会議員は112人で、うち98人が自民党議員、中でも安倍派が35人に上る。しかも、まだ公になっていない議員は他にもいると考えられるという。
     明らかになっているだけで、自民党の国会議員の4分の1以上が関わっているというのだから、びっくり仰天である。
     しかも、警察組織を管理する立場にある 国家公安委員長までも、統一協会の関連団体が主催するイベントの「京都府実行委員会委員長」を務めていた ことを認めている。全く狂気の沙汰であり、そして それは全て第二次安倍政権発足以降に顕著になったことなのである。
     中でもわしが特に重視しているのは、2013年の参院比例で初当選した元産経新聞記者・ 北村経夫 への選挙協力の件だ。
     統一協会の内部文書には、 安倍から直々に北村を後援してほしいとの依頼があったと記され 、さらに「まだCランクで当選には遠い状況」だった北村を当選させることが「組織の『死活問題』です」と書かれていたという。
     その結果、北村は当選。二期目を目指した2019年の選挙でも、初当選時と同様に盤石な地盤を築けていなかったにもかかわらず、 安倍が選挙直前に慌てて統一協会に支援を依頼し、再選されたといわれている。
     広告塔として利用されていたという程度なら「知らないうちに悪用されていた」なんて言い訳もできなくはないが、 安倍が自ら直々に統一協会(カルト団体)に後援を要請し、票の差配をして当選したとなれば、致命傷ではないか? 
     公明党・創価学会に協力してもらうのが当たり前になって、完全に感覚がマヒしていたのかもしれないが。
     いずれにしても、安倍晋三と統一協会の間には「ズブズブ」程度の言葉では言い表せないくらいの関係性があったのは間違いないし、このままいけばこれからも事実がどんどん明るみに出されるだろう。何しろ30年分の事実が眠っているのだから。
     だが、否定しきれないほどの事実が出てきた時に、自民党・ネトウヨ・安倍マンセー派たちがどうするかは目に見えている。