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記事 6件
  • 「『政治分野の男女共同参画推進法』は必要」小林よしのりライジング Vol.205

    2016-12-20 21:15  
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     自民、公明、日本維新の会の3党は12月9日、「 政治分野における男女共同参画推進法案」 を衆議院に提出した。
     これは国政や地方議会への女性の政治参加を促し、選挙では男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に求めるものだ。
     現在、女性の国会議員の割合の世界平均は、約22%。
      ところが、日本の女性国会議員は衆参合わせて11.6%。これはIPU(列国議会同盟)によるランキングでは、189か国中147位である。
     なお、両院制の国では下院のみを集計したランキングもあるのだが、日本で下院にあたる衆議院の女性割合は9.5%で、こちらだと153位まで沈む。
     いくら「女性活躍推進」などと言ったって、政治の現状がこれでは掛け声倒れになるのは必至で、まずは政治分野における男女共同参画を推進しようというのだろう。
     この法案は、当初は超党派の議員連盟で国会に提出する動きがあった。
    議連は2015年2月に発足、民主党の中川正春が会長、自民党の野田聖子が幹事長を務め、同年8月に骨子案をまとめた。そして、2016年5月の国会提出を目指して、一度は与野党で大筋合意に至っていた。
      ところが提出直前の国会会期末、自民党内の部会で異論が噴出し、提出できなくなった。 そのため民進、共産、生活、社民の野党4党のみで国会閉会前日の5月30日に衆院に法案を提出したが成立せず、継続審議となった。
     この法案は 「国政選挙の候補者は、できる限り男女同数をめざす」 となっていたが、 自民党からは「同数」ではなく「均等」にすべきだという強い異論が出たという。
    「同数」と「均等」では大して違わないような気もするが、「同数をめざす」と「均等をめざす」だと、やはり後者の方が目標の緩い表現だろう。少しでも男女平等は遠ざけたいという、自民党の意識が透けて見える。
      自民、公明、維新の3党は対案として、 「均等をめざす」 とする法案をこの秋の臨時国会に提出しようと検討していた。
      ところがこれもまた自民党内で紛糾した。
     11月の合同会議では、西田昌司参院議員が 「女性の社会進出で、社会全体が豊かになっているとは思えない。もっと根本的な議論をしてほしい」 、山谷えり子参院議員が 「法律をつくることで、かえって男女の対立が生じてしまうのでは」 と反対を唱え、他にも 「能力のある人は自力ではい上がる」「政党が自ら努力する話」 などと異論が噴出し、 法案の了承は見送りになった。
     12月7日の党首討論では、民進の蓮舫代表が安倍首相に 「『輝く女性』と言ったのなら、党内をまとめてくださいよ」 と自民の対応を批判。
      そうしてようやく自民党も法案提出となったわけだが、総務会で法案を了承する際には「反対だ!」との怒号が飛び交ったという。
     今後は既に法案を提出している野党4党とも協議に入るようだが、今国会での成立の見通しは立っていない。
     12月16日の産経新聞オピニオン欄「ニッポンの議論」は、賛成派の野田聖子と、反対派の西田昌司へのインタビューを両論併記で載せた。
  • 「いると言い張るカルト信者と会った」小林よしのりライジング Vol.204

    2016-12-13 19:05  
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     12月7日、八木秀次と2時間半にわたる、決して交わることのない激論をしてきた。
     その前半は天皇陛下の生前退位、後半は女性・女系天皇についての議論となり、これは「SAPIO」の2月号と3月号に掲載される予定である。
     しかしあれだけの議論を限られた紙面でまとめるのはかなり無理がありそうだし、後半部分が読者の目に触れるのは相当先のことになってしまう。わしは対談して気になったこと、感じたことはすぐ表明しておきたいと思ってしまうので、実にもどかしい。
     以前、対談して思ったことをすぐブログに書いたら、香山リカが「まだ発表されていない対談について発言するのはルール違反だ!」とか言って噛みついてきたことがある。そんなルールが本当にあるのかどうかも知らんが、この「ライジング」なら読者も限定されているから書いてもいいだろう。読者諸君は「SAPIO」が発売されたら、これがどういう記事にまとめられたか確認してみるといい。
     八木はあくまでも「Y染色体」を信奉しており、旧宮家子孫の男系男子国民を皇族にすれば、男系男子限定による皇統維持は可能だと言い張った。
     そこでわしは、そもそも皇族になってもいいという旧宮家系国民男子が実在するのかと問い質した。
     すると八木は、戦後に皇籍離脱した11宮家のうち4家が存続していると言う。竹田恒泰のように、「11宮家」が今もあるかのようなウソを平気で言うよりはまだマシだが、これでは話にならない。
      旧宮家系の男系男子は、確かにどこかにはいる。だがそれだけではダメで、その中に皇族になってもいいという者がいなければならないのだ。
      宇宙人は、必ずどこかにはいる。宇宙には無限の星があるのだから。しかし宇宙人が地球に来ていると言われたら、わしは信じない。いるなら見せてみろと言うしかない。
     それと全く同じことで、皇族になる旧宮家系国民男子がいるのなら、記者会見して見せろとわしは八木に迫った。
     すると八木は、「できない」と言うのだ。
     八木は、記者会見なんかしたらその人をバッシングするだろうとわしに言った。
     バカ言っちゃいけない。わしにその人物の素性を調べる時間なんかあるわけがなく、バッシングなんかやれるはずがない。だが、わしがやらなくても週刊文春がやるだろう。マスコミは必ずその人物の素性を徹底的に洗うはずだ。
  • 「我々は天皇陛下に従うのみである」小林よしのりライジング Vol.203

    2016-12-06 21:40  
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     天皇陛下の生前退位(譲位)について、政府の「有識者会議」による、16人の「学識経験者」に対するヒアリングが終わった。
     このヒアリングに登場した安倍晋三お抱えの言論人をはじめとする、自称保守派の者たちは口を揃えて、天皇陛下の譲位には論じるべき問題が非常に多く、大変な時間がかかると言っている。
     だがそれは、完全なウソである。
     複雑な議論など必要ない。
     論点はたった一つ。そしてその答えは、二つに一つである。
      天皇陛下のご意思に従うのか、刃向かうのか。これだけだ!
      わしは断固として、天皇陛下に従う!
     8月8日のお言葉で、天皇陛下のご意思はもう疑う余地はなくなった。
     陛下は譲位を望まれており、摂政や臨時代行を完全に否定されている。
    そして一代限りの特措法ではなく、皇室典範改正による制度の恒久化をお望みであり、それを平成30年には実現させたいと願っておられる。
     わしはこのご意向に従う。
     逆にこのご意思に従わないということは、たとえどんな理由をつけようとも、ただ天皇陛下に刃向かっているだけである。どんなにもっともらしいことを言おうとも、その者は単なる反逆者である。
     例えば八木秀次は「有識者会議」のヒアリングで、天皇の自由意思による退位を容認すれば「皇位の安定性を一気に揺るがす」と強調し、一代限りの特措法すらも認めず、天皇の退位を完全に否定した。
     天皇陛下のご意思に、真っ向から刃向かったのである!
    そもそも八木は、自分がどれだけ不敬なことを言ったか、わかっているのだろうか?
     八木は、天皇陛下のご意思どおりに譲位を認めたら「皇位の安定性を一気に揺るがす」と言ったのだ。
      つまり八木は、天皇は「皇位の安定性を一気に揺るがす」間違った発言をしたと断言し、 「皇位の安定性」については、天皇よりも自分の考えの方が正しいと言ってのけたのだ!
     よくここまで思い上がることができるものだ。 
     なぜこんなことを平気で言えるのかというと、「皇位の安定性を一気に揺るがす」云々というのは、単なる建前に過ぎないからだ。一切本気ではない発言だから、それが何を意味することになるのか深く考えてもおらず、不敬だということにすら気づいていない。
     八木が譲位に反対している本当の理由は別にある。他の自称保守派も様々な論点があるかのように言い募っているが、それらも同様に全部カムフラージュであり、真の理由はたった一つだ。
      連中の本音は、「女性・女系天皇に道を開くことになるからイヤ!」という、これだけに尽きる。
  • 「危うかったTPP協定の正体」小林よしのりライジング Vol.202

    2016-11-22 17:45  
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     先週号では、来年発足するトランプ米政権がTPPを完全に葬り去ることができるか、それとも「言うだけ番長」に終わるかという疑問を呈したが、答えはたちまち出た。
      昨日(11月21日)トランプは動画メッセージを発表、公約通り就任初日にTPP(環太平洋連携協定)を離脱すると明言した。
     TPPは署名12か国の合計GDPの85%以上となる、6か国以上が批准しなければ発効しない。署名国GDPの60%を占める米国が批准しなければ絶対に発効しないので、これでTPPもご破算である。
     すっかり恥さらしな結果となったのは安倍晋三首相である。
     そもそもまだ就任もしていない次期大統領に会いに行くこと自体が異例で、それも当選からわずか1週間後という超スピードですっ飛んで行ったのは、異常と言ってもいいほどだ。
     安倍は会見で「トランプ次期大統領」ではなく「トランプ大統領」と連呼している。現大統領のオバマにも失礼だし、外交上も相当非常識なのだが、そんなことにも気づかないほど舞い上がっていたのだ。
     非公式会談だったためその内容は明らかにされていないが、 安倍は「自由貿易の重要さ」を説き、TPPを離脱しないよう説得したらしい。
     そして笑顔で握手を交わしておべっかを使いまくり、「トランプ氏は信頼できるリーダーだ」とまで言ったのだが、その「信頼」はたった3日で裏切られたわけだ。
     結局、安倍は自己宣伝の上手いトランプに利用されただけだった。トランプに対してまだ先進国のリーダー達が、やや距離を置いて様子見をしている中で、日本の首相がわざわざやってきて「トランプ氏は信頼できるリーダーだ」と発言したのは、かなりの効果があっただろう。
     その一方で、今回安倍がトランプから引き出したものは何ひとつなかったのだ。安倍とトランプでは、ほとんど子供と大人ほどの違いに見える。
      安倍はトランプとの会談後、ペルーのリマで開幕したAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でも「自由貿易の重要性」を熱弁しまくった。
     その努力もひとまず水泡に帰することとなったのだが、もしTPPが発効していたらどういうことになっていたのか、検証しておくことは今後のためにも重要である。
     日本の政治家や官僚が、どこまで国を売ろうとするのか、こいつらがいかに警戒しなければならない人間であるかは、知っておかなければならない。
     TPPに先行するケースとして参考になるのは、米国、カナダ、メキシコの3カ国間で1994年に発効した NAFTA(北米自由貿易協定) だ。
     メキシコの主食はトウモロコシ粉のパン・トルティーヤで、メキシコのトウモロコシは日本のコメのようなものである。
      メキシコ国内では 「NAFTAに参加すればトルティーヤが安くなる」 と宣伝され、当初、国民の多くはこれに賛成していた。
     NAFTAの発効により、アメリカからの輸入トウモロコシが激増、さらにトルティーヤを加工・販売するアメリカ資本の食品企業が入ってきて、確かに一時的にトルティーヤは安くなった。
      だが、地域に密着していた従来の中小のトルティーヤの店はことごとく潰れ、メキシコのトウモロコシ農家は壊滅した。
      そうなるとトルティーヤの値段は釣り上げられ、ついにはNAFTA発効前の8倍にまでなったという。
      米国は食糧を「武器」とみなしており、国内の農業に補助金をつけて大増産させ、安価で大量輸出して相手国の農業を壊滅させ、生殺与奪の権を奪うという戦略を繰り広げているのだ。
  • 「トランプは『暴言王』か『言うだけ番長』か?」小林よしのりライジング Vol.201

    2016-11-15 17:35  
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     ドナルド・トランプは、ヘイトスピーチをがなり立て、セクハラやり放題の馬鹿オヤジという雰囲気なので、これが自国のリーダーだったら、そりゃあ残念だろう。
     けれどもアメリカ大統領なのだからザマミロと思っておけばいい。
     ブッシュ大統領のときも酷い単細胞な奴がなったなあと思ってたら、たちまちアフガン・イラク戦争にのめり込んで、米国の国力を著しく弱めてしまった。
     そのせいでオバマ大統領は「もう世界の警察官ではない」と言わざるを得ず、世界中の紛争に介入できなくなってしまった。米国は「内向き」になってしまったのだ。
     トランプがヘイトスピーチをがなり立てるので、戦争を起こすと思ってる馬鹿が日本のサヨク知識人には多いが、トランプはオバマより「内向き」で米国ファーストなのだから、むやみに戦争なんかするわけがない。
     それどころか在日米軍まで本音では撤退させたいと思ってるので、安倍政権はあわてているのである。
     トランプの政治的主張に限って言えば、日本にとっては素晴らしく都合がいいのだから、「隠れトランプ支持」だったわしは、彼が「まとも」にならないことだけを祈っている。
    「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」
    「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦犯だ」
    「メキシコとの国境に『万里の長城』を建設し、メキシコにその費用を払わせる」
     これらがトランプの暴言の一例として挙げられるが、メキシコとの間の国境は、わしとしては気持ちは分かる。国境が陸続きの国の混乱は日本人には分からないだろう。
     だが、他にも人種差別的なヘイトスピーチや、女性差別意識を露わにしているが、まさかここまで暴言を乱発しても、当選するとは思わなかった。よっぽど格差社会の犠牲者たちの不満が膨張していたのだろう。
     ヒラリーは富裕層の代表で、体制側・エリート側、既得権益者の側に立つだけで、オバマ政権が変えられなかったものをヒラリーが変えられるはずがないという判断は全く正しい。
     自由貿易の犠牲になって崩壊しつつある中産階級や、ブルーカラーのアメリカ人も 「TPP」 を恐れているのだ。せめて 「TPP脱退」 だけでもやってくれればトランプ大統領誕生は日本にとっては天の助けである。
     もっとも、アメリカ在住のコラムニスト・町山智浩氏は、そんなトランプの発言について、以前から 「これはすべて演技なんです。ウケるから言っているだけです」 と断言していた。
  • 「EU離脱の国民投票の結果は天の配剤である」小林よしのりライジング Vol.183

    2016-07-05 20:15  
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     どこもかしこも、イギリスのEU離脱を非難する論調一色になっている。
     曰く、イギリス人は誰もまさか国民投票で離脱派が勝つとは思いもせず、面白半分で離脱に投票した人たちがいて、みんな後悔している。
     曰く、離脱が決まってからネットの「EUとは?」の検索が飛躍的に伸びた。
     曰く、離脱派は離脱が決まったら公約を撤回し始めた。
     曰く、国民投票のやり直しを求めるオンライン署名が400万を突破した…。
     中には、今後の日本経済にも深刻な影響が及ぶ可能性があると脅す者もいる。例えば6月30日「我々の年金にも影響が…英EU離脱でリーマン級危機!?」と題して放送した、テレビ朝日・羽鳥慎一モーニングショーの「そもそも総研」である。
     同番組では、最悪の場合EU解体によって日本のGDPが2~3%マイナスとなり、平均株価9000円台の可能性もあるといい、そして、株価が下がれば年金積立金の運用にも大幅な損失が出て、大打撃を受けると煽っていた。
      だが、そもそも株価が下がって打撃を受けるのは、EUに進出しているグローバル企業だろう。 それは一般国民の生活にそんなに影響することだろうか?
      日本に中小企業は385万社もあり、日本の全企業数の99.7%を占める。
     だが中小企業庁によれば、下請け企業は製造業で約4万9千社、サービス業で約5万9千社だという。
     ということは、 残りの374万余の中小企業は下請けではなく、グローバル企業の影響を受けてはいないわけだ。 これらの企業が内需で頑張っていけば、EUがどうなろうと、我々庶民の生活には何の影響もない。
      そもそも日本の輸出依存度は11.4%にすぎず、日本は内需で成り立っている国である。それなのに、国の政策がグローバル企業優先になっているのがおかしいのだ。
     また年金の問題は一昨年、安倍政権が株価押し上げと円安促進のために、独立法人GPIFによる年金積立金の運用を、株式に重点をおくように変更したことがそもそもの間違いである
     これについては当時から、年金は確実な運用をするのが当然であって、バクチにぶっ込むなんてもってのほかだと、ゴー宣道場のブログでも再三指摘してきた。
      年金が打撃を受けたなら、それは年金積立金を株に注ぎこんだ安倍政権の責任であって、イギリスのEU離脱のせいに転嫁してはいけない。
     これでは「そもそも総研」も安倍政権に媚び、スポンサーのグローバル企業に媚びているのかと疑念を持ってしまう。
     誰も彼もが、EUは理想であり、成功しなければならないものなのだということを前提にして話をしている。
      だがわしは、ずっと以前からEUは「バベルの塔」だと言い、EUはいずれ崩壊するだろうと言ってきた。
      歴史も文化も経済力もそれぞれに全く異なる国々を、単一の経済共同圏に統合しようという極めて人工的・設計主義的な試みには完全に無理があり、こんなものは破綻するに決まっているのだ。
     今度も予言は当たると、わしは確信している。
     だから、今からEU崩壊に備えて対策を打っておかなければ危ないと警告しているのだ。
      フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッドが言っているように、EUの正体は「ドイツ帝国」である。