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記事 51件
  • 「『SAPIO』に出てきた幼稚な逆賊」小林よしのりライジング Vol.211

    2017-02-08 14:00  
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     皇統問題を巡る八木秀次との「激突対論」の後半戦を掲載した、「SAPIO」3月号が発売された。
     その概要は、既にライジングVol.204「いると言い張るカルト信者と会った」
    http://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar1154872
    に書いているが、八木本人の発言が活字になったことで、改めてそのイカれ具合も露わになったと思う。
    「政府はまだ把握していないかもしれませんが、旧宮家のトップクラスが、皇籍復帰の意向を持つ方を把握していると聞いています」
     誰に聞いたんだ? 「旧宮家のトップクラス」って、どこの何者? 証明が一切ない!
    「ご結婚を機に旧宮家の男性を当主とする宮家を創設し、眞子さまや佳子さまが妃殿下となる。これは過去にも例があります」
     男系宮家創設のためだけに、眞子さま、佳子さまを本人のご意思と関わりなく、旧宮家の男性と結婚させる? 呆れかえる。勝手に妄想しているだけなのだ。
     それで、本当にそんなことができるのならさっさと実現しろと迫ったら、八木はこう言う。
    「まあ、政府がちゃんと検討すると思いますよ」
     たちまち「他人事」になってしまうのだ!
     他にもツッコミどころは山ほどあるが、とにかくここまで底抜けのウルトラ馬鹿が、この世に棲息していることが信じられない。こんな発言に、説得力を感じる者などいるのだろうか?
     この「激論」を含む特集のタイトルは「安倍首相は天皇陛下の逆賊か」である。タイトルは大変良い。
     もちろん高森明勅氏の「いまだ『譲位』に反対する者よ 陛下の責任感への感謝はないのか」も非常に良い。
     だが、生前退位に関する他の記事の質は、恐ろしく劣悪だった!
     元TBSワシントン支局長・山口敬之の文章は、完全に陰謀論で書かれたトンデモ文だ。
     何しろこの男、「譲位」ではなく「生前退位」という言葉が使われたことまで 「この耳慣れない言葉に、この問題を巡る官邸と宮内庁、皇族との長年にわたる交渉と軋轢が見え隠れしている」 と勘ぐり、こんなムチャな深読みをする。
    「譲位」という言葉が、「生前退位」という言葉にすり替わっていた。「皇位を譲る」という政治的ニュアンスを極力少なくする為に、「自ら皇位を降りる」という個人的行為に寄せていく工夫が垣間見える。それはひとえに天皇の国政不関与という壁を乗り越える工夫であり、見方を変えればなかなか譲位への動きが始まらない状況に対する皇室並びに宮内庁幹部の苛立ちを映してもいた。
      映してません!!
    「生前退位」は、法学的用語として既に70年以上、憲法の注釈書などで普通に使われてきた言葉だ。
    「譲位」の方が歴史的用語として一般的になじみがあるが、「生前退位」もそれなりの由緒と根拠がある言葉であり、特別な意図のために「工夫」された造語ではない。
     今回は、「退位」は天皇の崩御と一体というのが一般的な認識になっているから、わかりやすくするためにあえて「生前退位」の語が使われただけのことだろう。
     山口は、「譲位」には「政治的ニュアンス」があり、憲法に定められた「天皇の国政不関与という壁」に抵触すると思い込んでいるが、これは完全なる無知である。
  • 「いると言い張るカルト信者と会った」小林よしのりライジング Vol.204

    2016-12-13 19:05  
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     12月7日、八木秀次と2時間半にわたる、決して交わることのない激論をしてきた。
     その前半は天皇陛下の生前退位、後半は女性・女系天皇についての議論となり、これは「SAPIO」の2月号と3月号に掲載される予定である。
     しかしあれだけの議論を限られた紙面でまとめるのはかなり無理がありそうだし、後半部分が読者の目に触れるのは相当先のことになってしまう。わしは対談して気になったこと、感じたことはすぐ表明しておきたいと思ってしまうので、実にもどかしい。
     以前、対談して思ったことをすぐブログに書いたら、香山リカが「まだ発表されていない対談について発言するのはルール違反だ!」とか言って噛みついてきたことがある。そんなルールが本当にあるのかどうかも知らんが、この「ライジング」なら読者も限定されているから書いてもいいだろう。読者諸君は「SAPIO」が発売されたら、これがどういう記事にまとめられたか確認してみるといい。
     八木はあくまでも「Y染色体」を信奉しており、旧宮家子孫の男系男子国民を皇族にすれば、男系男子限定による皇統維持は可能だと言い張った。
     そこでわしは、そもそも皇族になってもいいという旧宮家系国民男子が実在するのかと問い質した。
     すると八木は、戦後に皇籍離脱した11宮家のうち4家が存続していると言う。竹田恒泰のように、「11宮家」が今もあるかのようなウソを平気で言うよりはまだマシだが、これでは話にならない。
      旧宮家系の男系男子は、確かにどこかにはいる。だがそれだけではダメで、その中に皇族になってもいいという者がいなければならないのだ。
      宇宙人は、必ずどこかにはいる。宇宙には無限の星があるのだから。しかし宇宙人が地球に来ていると言われたら、わしは信じない。いるなら見せてみろと言うしかない。
     それと全く同じことで、皇族になる旧宮家系国民男子がいるのなら、記者会見して見せろとわしは八木に迫った。
     すると八木は、「できない」と言うのだ。
     八木は、記者会見なんかしたらその人をバッシングするだろうとわしに言った。
     バカ言っちゃいけない。わしにその人物の素性を調べる時間なんかあるわけがなく、バッシングなんかやれるはずがない。だが、わしがやらなくても週刊文春がやるだろう。マスコミは必ずその人物の素性を徹底的に洗うはずだ。
  • 「我々は天皇陛下に従うのみである」小林よしのりライジング Vol.203

    2016-12-06 21:40  
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     天皇陛下の生前退位(譲位)について、政府の「有識者会議」による、16人の「学識経験者」に対するヒアリングが終わった。
     このヒアリングに登場した安倍晋三お抱えの言論人をはじめとする、自称保守派の者たちは口を揃えて、天皇陛下の譲位には論じるべき問題が非常に多く、大変な時間がかかると言っている。
     だがそれは、完全なウソである。
     複雑な議論など必要ない。
     論点はたった一つ。そしてその答えは、二つに一つである。
      天皇陛下のご意思に従うのか、刃向かうのか。これだけだ!
      わしは断固として、天皇陛下に従う!
     8月8日のお言葉で、天皇陛下のご意思はもう疑う余地はなくなった。
     陛下は譲位を望まれており、摂政や臨時代行を完全に否定されている。
    そして一代限りの特措法ではなく、皇室典範改正による制度の恒久化をお望みであり、それを平成30年には実現させたいと願っておられる。
     わしはこのご意向に従う。
     逆にこのご意思に従わないということは、たとえどんな理由をつけようとも、ただ天皇陛下に刃向かっているだけである。どんなにもっともらしいことを言おうとも、その者は単なる反逆者である。
     例えば八木秀次は「有識者会議」のヒアリングで、天皇の自由意思による退位を容認すれば「皇位の安定性を一気に揺るがす」と強調し、一代限りの特措法すらも認めず、天皇の退位を完全に否定した。
     天皇陛下のご意思に、真っ向から刃向かったのである!
    そもそも八木は、自分がどれだけ不敬なことを言ったか、わかっているのだろうか?
     八木は、天皇陛下のご意思どおりに譲位を認めたら「皇位の安定性を一気に揺るがす」と言ったのだ。
      つまり八木は、天皇は「皇位の安定性を一気に揺るがす」間違った発言をしたと断言し、 「皇位の安定性」については、天皇よりも自分の考えの方が正しいと言ってのけたのだ!
     よくここまで思い上がることができるものだ。 
     なぜこんなことを平気で言えるのかというと、「皇位の安定性を一気に揺るがす」云々というのは、単なる建前に過ぎないからだ。一切本気ではない発言だから、それが何を意味することになるのか深く考えてもおらず、不敬だということにすら気づいていない。
     八木が譲位に反対している本当の理由は別にある。他の自称保守派も様々な論点があるかのように言い募っているが、それらも同様に全部カムフラージュであり、真の理由はたった一つだ。
      連中の本音は、「女性・女系天皇に道を開くことになるからイヤ!」という、これだけに尽きる。
  • 「ストーカーには治療が必要」小林よしのりライジング Vol.200

    2016-11-08 21:10  
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     今週も引き続きストーカーに関する考察を深めたい。あくまでも特定個人はサンプルであって、「公的」な問題に昇華させねばならない。
     先週号でわしは、ストーカーに対して、 「なぜ絶対にその女に認められなければならないと思い込むのだろうか?あきらめればいいだけじゃないか。無駄な執着をやめればいいだけじゃないか」 と書いた。
     正直に言って、わしには「執着」している相手に拒否されているのに、なぜその「執着」を断ち切れないのか、理解できないのだ。
     相手に興味がある、好意を持つなら、好かれるように努力すればいいし、それで相思相愛にならぬならば、諦めればいい。興味そのものをなくせばいいし、他の相手に興味を移せばいい。
     もし嫌われたならば、こんな恥ずかしいことはない。もう大急ぎで相手の前から去るべきだし、記憶から抹消する勢いで、他のことに打ち込めばいい。他の異性でもいいし、仕事でもいいし、読書でもいいし、スポーツでもいい。
      相手に嫌がられているのに「執着」「粘着」「固着」する者は、わしにとってはひたすら気味が悪い生物に過ぎない。
     当然「101回目のプロポーズ」はストーカーであるし、ヘンタイである。浅野温子は警察に連絡するべきだし、武田鉄矢は刑務所にぶち込まれるべきである。
     かつてわしの女性ファンがストーカーになって仕事場の住所を突き止め、周辺をうろつくようになったが、チーフ広井が発見して警戒し、とうとう仕事場のチャイムを鳴らした時は、広井がわしを隠し、見事に追っ払ってくれた。
     その女性ストーカーは主婦のようだったが、内面に空洞を抱えた気の毒な人だったのかもしれない。だが、福山雅治は家の中まで侵入されたから女性ストーカーも軽く見るわけにはいかないのだろう。
     男のストーカーは同性愛じゃない限り、ストーカーになるときは「憧れ」が「敵意」に転化して「執着」してくる。
     そんな「執着」がわしには全く理解できないのは、子供の頃に教育ではぎ取られてしまったからだ。その経験を以前、漫画に描いたことがある。
     (わしズムVol.1/2002年4月「巻頭言」/『ゴーマニズム宣言EXTRA』収録)
     昔の写真を見ると、子供時代のわしが着ている服はつぎはぎだらけだ。ところが妹はきれいな服を着て写っている。
     どうやらわしの母は、わしは学校の成績もいいし、何度も級長をやっている優秀な子だから、ボロボロの服を着せておいても「世間体」には傷がつかないと思っていたらしい。
    一方で妹には誇れるものがないから、きれいな服を着せ、安月給のくせにオルガンを買い与え、さらにはピアノを買い与えて、世間体を保っていたのだろう。
     ともかくそんなわけで、わしは執着心を持たずに育った。
  • 「ストーカーの気質についての考察」小林よしのりライジング Vol.199

    2016-11-01 21:20  
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     ストーカーによる悲惨な事件が跡を絶たない。
     東京都目黒区の24歳の女性会社員が殺害された事件では、逮捕された元交際相手の50歳の男は、待ち伏せする際に顔がばれないようにと、ロングヘアーのかつらに大きなマスク、赤いブラウスを着てブラジャーまでつけるという入念な女装をする、異常な粘着性を見せていた。
     ストーカーというと、見知らぬ男が勝手に一人の女性に執着し始めるというパターンを思い浮かべがちだが、 実際には、交際していた相手が別れた途端にストーカー化したというケースが多い。
     そう言うと「そんな男と付き合った被害者も悪かったんじゃないか」と安直に「自己責任論」にされそうだが、そう簡単には言い切れない。
     付き合い始めた頃はごく常識的で、真面目で、優しい人に見えたのに、時間が経つうちに違和感を覚えるようになり、それで別れを切り出したら、たちまちストーカーになるということもよくあるものなのだ。
     女性はやはり信頼する知人の「保証」のある男、「信用」できる男と徐々に付き合うことを勧める。ネットなどで得体の知れない男と知り合って、いきなり深い関係になるような軽率な行動は慎んでおいた方が身のためだろう。
     ストーカーの気質についての解説を読むと、まず 「プライドが高い」 という点を指摘するものが多い。
     例えば、ストーカー対策を請け負う探偵・興信所を紹介するサイトでは、こう説明している。
     ストーカーになってしまうタイプは、自分が大好きでプライドが高く、自分のことを特別な存在だと思っています。自分を良く見せるためには嘘もつき、人から偉いと思われたいがために見栄もはります。
     人の好き嫌いもはっきりしていて、自分を褒めてくれる人は好きで、逆に自分のことを認めない人や従わない人は嫌いと、あくまでも自分が中心でないと気がすまないのです。
     自分の自尊心が傷つけられることにはとても敏感で、他人のミスで自分にささいな被害が及んだだけでも、恐ろしいほどに怒るときがありますので注意して観察しましょう。
     この説明は概ね正しいだろうが、ここで「プライド」という言葉を使うのは正確ではないように思う。真っ当なプライドを持つこと自体は大切だからだ。
      ストーカーの気質は、「プライドが高い」と言うよりも、 「自己承認欲求が強い」 と言うべきだろう。
      とにかく「自己承認欲求」が強くて、自分を特別な存在だと認めてほしいと思っている。だがそれが認められなかったら、認めてくれない相手を憎悪し、異様なまでに執着して、攻撃的になる、それがストーカーである。
     またストーカー気質の人間には、実は赤の他人には「外面が良い」という特徴がある。人によく思われたいという願望が強いからである。
     完璧主義で仕事もできる人が多いが、親しくなった相手には甘えが出て来て、自分勝手に振る舞う。しかしそのような本性は、他人にはわかりにくいから厄介なのである。
    「自己承認欲求」の過剰な「かまってちゃん」には、本当は構ってはいけない、無視しなければならないのだが、最近のストーカー事件の多さを見ていると、現代人の「心の闇」を身近に観察できる例として、ちょっと触れておこうと思う。
  • 「『武士の情け』という日本人の倫理観」小林よしのりライジング Vol.198

    2016-10-26 16:20  
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     蓮舫の二重国籍問題が、まだくすぶっている。
     二重国籍は、法的には何の問題もないということはライジングVol.193で詳述したとおりだ。(http://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar1107347)
     ただし法的には問題ないといっても政治家が、しかも閣僚を経験し、現在は野党第一党の代表で、首相を目指すという人物が二重国籍では問題だというのは、一応正論と言えば正論ではある。
     しかし、すでに蓮舫が国籍を日本一国に決定して、手続きを済ませたのなら、この問題にいつまでもこだわって延々と責め続けているネット内の言論は、異常としか言いようがない。
     特にこの問題の火付け役となったウェブサイト「アゴラ」の池田信夫と八幡和郎はほとんどストーカー状態で、しつこく女一人に粘着しまくっている。
     この異様な執念はどこから来るのかといえば、基本的に民進党が大嫌いで、党首を潰してやりたいという負の欲望からでしかないだろう。実はわしはもっと意地悪く見ていて、彼らの顔が悪すぎて、モテなかったためにストーカーになったのだろうと思ってたりする。
     彼らは、ひたすら自民党の味方、権力の味方なのだ。もともと「強きを助け、弱きをくじく」という性質の連中であり、特に今は安倍政権が強いから、なおのこと強力な権力にすり寄って媚びていたいのだろう。
    「違う、ただ正論を述べているだけ」と言い張ったところで、結果として安倍政権という権力に得になる効果だけを発揮しているのは間違いない。
      わしは、権力が肥大しすぎることには警戒感を持つ。
     民主制の危うさを回避するために、権力が独裁に向かうことを回避するために、バランスを保たないといけないという警戒心は、持っていようとわしは思っている。
      実際、庶民もそう思っており、だからこそ世論調査では蓮舫代表に「期待する」と答える人が50%を超えているのだろう。
     自民党の独裁に任せておいても怖い、民進党に対抗勢力になってもらった方がいい、それなら民進党の中に他にもう人材がいないから、蓮舫の新鮮さに期待しておこうと考え、二重国籍問題を大ごととは捉えていない。
     この一般的感覚がある限り、二重国籍問題でこれ以上蓮舫がダメージを受けることはないだろう。
     これは 「武士の情け」 というものだ。
     本来、日本には日本独自の倫理観、道徳律のようなものがあったはずで、その中には「武士の情け」というものがあった。
     圧倒的に弱い側に不利なことが出てきた時には、「武士の情け」で見逃そうという感覚が働くのだ。これは極めて状況に依るものであって、権力の側、強者の側の不正には適応されない。
     あくまでも「情け」だから、弱い方に適用しなければならないルール感覚である。だから歴史感覚を有する庶民は、蓮舫に「武士の情け」というルールを適用して、片目を瞑っているのだろうと考えられる。
      世の中には「近代的な法」のルールだけで、正しいか、正しくないかを判断できない例がある。
     その一例としてわしが蓮舫の件から連想したのが、わし自身の小学生の時のエピソードだ。
     知らない人もいるだろうから、ここに掲載しておこう。
  • 「竹田恒泰氏の黒い噂、竹田研究財団ナンバー2逮捕」小林よしのりライジング Vol.197

    2016-10-18 22:50  
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     すでにゴー宣道場ブログ(その1・その2・その3)で報じたが、 竹田恒泰氏が代表を務める団体「竹田研究会」の幹事長で、「一般財団法人竹田研究財団」の常務理事でもある 前山亜杜武(まえやまあとむ) という人物が、平成28年9月27日、国の助成金4700万円を詐取した容疑で東京地検特捜部に逮捕された。 脱税の疑いがあり、国税局もマークしていたようだ。
     特捜が動くには規模の小さな事件だが、前山容疑者は政財界を含む多数の著名人、グレーゾーンすれすれのビジネスを生業とする人物らとの交流があり、また、反社会的勢力と認定される団体との関係も囁かれている。
     友人に誘われ前山容疑者主催のパーティーに参加したというAさんに話を聞くと、 「有名人が普通にいて驚いた。ただ、パーティーで知り合った人から、後日、胡散臭い情報商材を販売する人物を紹介された。自分のセミナーを受講すれば確実に儲かると言われた」 。また、前山の周辺を知るBさんからは、 「前山は全身“絵入り”。竹田研究会で伊勢神宮へ行き、全員が川で禊をするときも、彼だけは服を脱がずに見ているだけ」 という話も寄せられた。

    公式サイトに掲載されていたプロフィール。グループ10社で42億円(平成26年度)を売り上げていた。
     摘発されたのは、「AT&BROTHERS GROUP」傘下の「日本スマートハウジング(旧日本電機サービス)」で、家庭用太陽光発電システムやメガソーラーを販売・施工する会社だ。
     ちなみにこの会社、2012年に エネルギー学者の飯田哲也氏と顧問契約 を結び、 「自然エネルギーの第一人者、飯田哲也先生からお墨付きを得ました♥」 と言わんばかりのプレスリリースを発表している。この頃の飯田氏は、《原発ゼロ》を掲げた維新・橋下徹氏のブレーンだった。ところが橋下氏は、なぜか《原発推進》の石原慎太郎氏と結託。なんだこりゃと眺めているうちに、たちまち公約を撤回し、詐欺師のように手のひらを返して飯田氏を批判しはじめたのだった……。
     橋下氏に裏切られた飯田氏は、今度は詐欺師・前山の企業顧問に。どんな役割を担っていたのかはわからないが、およそ一年後、ツイッターにこんな発言を投稿している。

      また顧問かい! しかもまた詐欺だよ! 
     うーむ。しかし、よく連続で騙されまくる人だなあ。 「先生、顧問になって下さいよぉ」 って持ち上げられて喜ぶんだろうな。橋下氏に騙され、前山に騙され、竹田恒泰氏の「宮さま詐欺」に騙され、とうとう竹田研究会にご入信……。 《脱・原・発》の文字 しか見ていないから、こうなる。
     今思えば、竹田氏が《脱原発》を主張していたのは、前山が太陽光発電システムの販売をしていたからだろう。もし前山の会社が原子力関連だったら、原発推進の“トップ論客”だったはずだ。
    ◆「竹田研究会」とは?
     そもそも、「竹田研究会」とはなんなのか?
     公式サイトによると、 《「日本を楽しく学ぶ場所」を提供することを趣旨とし、竹田恒泰を講師として、国で定期的な連続講座を開催》 とある。国史や時事問題、日本の伝統、皇室にかかわる講義を行っているらしい。1回3~4時間程度、料金は会員2000円、非会員3000円、学生無料。逮捕された前山幹事長の手腕は相当凄かったようで、数年で急成長して全国17か所に支部、会員は2万8000人という話もある。会員登録は無料だからだと思うが。

    竹田恒泰氏による講義が、全国各地で毎月5~6回のペースで開催されている。
    ●お笑いライブのような講演で魅了
     そして、この竹田氏の講義の評判が、すこぶる良いのである。『AERA』が慶應義塾大学で行われた講義の様子を取り上げているので紹介しておく。
     一貫して《尊皇》をテーマにしており、 「天皇は神の子孫です。私たちはみんな、神の子孫なんです」「日本の特徴は、君民一体という点にあるんです」 などと語るが、厳かさはなく、巧みな話術で約250人の満員の会場は絶えず笑いが起こり、雰囲気はお笑い芸人のライブに近いという。
    「日本人ってすごい、という気持ちになるんです」
     慶應大での研究会で時折、iPadを指で叩いてメモを取っていた都内の女性会社員Aさん(33)は、竹田研究会についてそう話す。きっかけは昨年末、「面白い会に行ってきた」と言って、知人が見せてくれたメモだった。
    《「あけましておめでとうございます」は、何かがめでたいからではなく、ハレの状態をつくるために言う》《日の出に起きて、日の入りに床につくのが日本の伝統的な生活。大晦日も、日が沈んだときが新年と考えられていた。だから、暗くなったら「おめでとうございます」と言っていい》
      誰からも聞いたことがなかった話に、知的好奇心が刺激された。ふだん自分が何げなくしてきたことの「意味」を教えられた気がした。 実際に足を運んだ研究会は「期待以上でした」。君主と臣民が争った歴史をもつ国が多い中、日本では2600年近く天皇と国民が戦ったことがないと聞き、 日本人の精神性の高さを誇りに感じた。 天皇はいつの時代も大変な努力をして国民の幸せを祈っていると言われ、 自分が大事にされている感覚に包まれた。
    「 竹田先生のお話を聞くと、自己肯定感を覚える。 同時に自分の姿勢が正されるような気がします」
    『AERA』2013年10月7日号「お笑いライブ感覚? 尊皇を説く竹田研究会が人気」より
     たった3時間程度の講義で、言葉巧みに「日本人の素晴らしさ」を説き、知的好奇心を刺激し、自己肯定感を与えてしまう。ただ日本人というだけで、自分に誇りを持つような精神状態に仕上げてしまう。会場でお土産販売している竹田氏の書籍やDVDなどはポンポン売れるそうだ。ある編集者は、同じ本の6冊パックが 「飛ぶように売れて、感激の瞬間!」 と言っていた。

    同じ本を6冊包んで藁で縛り、サインを入れたセット。1円も割引はないが、売れる。
     もちろんこの講義では、すっかり竹田氏に魅了され、自己肯定感を得た参加者たちの脳髄に、 『男系継承絶対』の理屈や、『旧宮家の皇籍復帰説』 なども吹き込まれていく。
    「旧皇族」という肩書が詐称であることも知らずに――。
    ●早朝5時にふんどし締めて川に浸かる
  • 「タネと畑というトンデモ説の正体」小林よしのりライジング Vol.196

    2016-10-11 21:05  
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     先週は「女性の活躍で圧勝した『朝ナマ』の議論」と題して、9月30日深夜の「朝まで生テレビ! 激論!象徴天皇と日本の未来」における、弁護士の萩谷麻衣子さんと、国際政治学者の三浦瑠麗さんの発言を中心にまとめた。
     だがその議論にはもう一人「女性」が参加していた。皇位の男系継承固執を主張した、「次世代の党」前衆議院議員、杉田水脈(みお)氏である。
     今回は、その杉田氏の意見を検証してみよう。
    杉田「男系継承っていうものは、今までずっと続いてきたもので、これは、私はちゃんと尊重すべきだと思っておりまして、このまま続けていくべきだと思っています。
    その理由といたしまして、この男系継承というのは、実は、よく女性差別だと、この間も国連の女性差別撤廃委員会でそういうことを触れられたというような問題もあるんですけれども、女性差別だと言われるんですが、実はこれは男性を排除してきたのであって、女性差別ではない」
     さっそく竹田恒泰のコピペである。
     最も尊い「天皇」になれるのは男性だけ、女性はダメ、女系はもっとダメと言ってるのだから、女性差別に決まっているではないか。 
    杉田「結局、日本女性は、誰でもプリンセスにはなれるんですよ。だけれども、男性は、皇室に入ることは出来ないわけですね、男系でつないで…」
     プリンセスという言い方は美しいが、実態は「産む機械」に過ぎない。しかも「男子を産む機械」ではないか。
     男性は「産む機械」の役割りが果たせないから、必要ではないというだけのことだ。
    杉田「それで、これは何かというとやはり私は、男性の野心、本能的野心を食い止める歯止めだったんじゃないかと思ってます。というのは、結局、男性はね、よく聞くのは本能的に、自分のタネを子々孫々残したいという方はたくさんいらっしゃいますけど、女性でそういうことを言う方いらっしゃらないですよね」
     男性は野心がある、つまり主体性を持っている。
     女性は安心、野心がない、主体性がないという考え方を無意識に信じているが、これも男尊女卑である。
    杉田「そこは、私は男性と女性の違いだと思っています。これはほんとに本能的な違いだと思ってまして、渡部昇一先生なんかは、男性はタネで女は、あの、女性は畑だとおっしゃるんですけれども、」
     おっと、今度は渡部昇一のコピペである。
     わしはここで、思わず「それアホだよ! アホ!」と馬鹿にしてしまった。
    杉田「でもそれは渡部昇一先生だけがおっしゃっているわけではなくて、江戸時代なんかの子供向けの図鑑なんかに、そういう人体とかをちゃんと男性と女性の違いというのを図解した中にも、そういった記載がちゃんとあるんですね」
     あまりにもバカバカしい。わしはここで、稲の種子は、種子の中に雄しべと雌しべが入っていて自家受粉される、畑は関係ない、理科で習うことだと、手っ取り早い説明で言ってしまったが、実は正確ではない。
     あとで正確な知識を書こう。
  • 「女性の活躍で圧勝した『朝ナマ』の議論」小林よしのりライジング Vol.195

    2016-10-04 19:45  
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     9月30日深夜、「激論!象徴天皇と日本の未来」をテーマに行われた『朝まで生テレビ!』に出演した。
     先月に引き続き2か月連続の天皇をめぐる討論になるが、今回は向かい側に「Y染色体カルト」のツートップ、八木秀次と竹田恒泰がそろい踏みである。
     どうなることかと思ったが、相変わらず竹田が天皇陛下の生前退位を一代限りの特措法で「一発でバシッと解決」などと乱暴な主張を繰り返すのに対して、冒頭で八木が特措法にはっきり反対したので驚いた。
     八木はさすがに憲法学者の矜持は残っていたのか、「特措法では裏口入学と裏口即位になる」ということまで認めたので、竹田はすっかり機先を制せられた形となり、議論が進んでいった。
     今回の「朝ナマ」で特に活躍したのは、先月に引き続き登場した弁護士の萩谷麻衣子さんと、国際政治学者の三浦瑠麗さんである。今回はこの女性二人の発言を中心に、議論をまとめておこう。
     萩谷氏は、皇室典範の改正をせずに、特措法で譲位を実現してしまった場合に生じる問題点を列挙した。
     まず皇室典範第8条には 「皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という」 という規定しかなく、 皇太子殿下が即位した場合には、秋篠宮殿下は「皇太子」にも「皇太弟」でもなく、単に「秋篠宮家の当主」という扱いにしかならない。
     
     そうなると、第11条2項に 「親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる」 とあり、 秋篠宮殿下も悠仁さまもこの対象となるから、皇室を離れることが可能となってしまう。
     
      さらには皇室経済法の内廷費の問題がある。皇室典範を変えなければ秋篠宮家に「内廷費」は出ない。
     これらの点について、皇室典範に付則をつけて皇太子を皇太弟に読み替えるというようなやり方では済まず、 皇室関連法の整合性を取るには皇太子の定義そのものを皇室典範で変えなければ駄目だと説明した。
     
     萩谷麻衣子さん、まったく凄い!
     秋篠宮殿下を「皇太弟」にするなら、典範改正しかなく、特に「内廷費」の問題は大きく、現在、皇太子一家が住む「東宮御所」には秋篠宮家とは比較にならない額の「内廷費」が出ている。
     典範改正をしないまま、秋篠宮殿下を「皇太弟」と見做し、皇太弟としての公務をお願いしておきながら、今のまま「皇族費」でやり繰りして頂くなど、秋篠宮殿下に対しても失礼である。
     さらに、皇太子殿下が即位して天皇になり、愛子さまが皇太子になれないとなると、東宮に勤めていた膨大な職員が首になってしまうのだが、果たしてそんなことが出来るのか?
     愛子さまが皇太子殿下になれば、東宮職が今まで通り必要になるわけだ。
  • 「『医療の発達』に男系男子の出生を期待する愚」小林よしのりライジング Vol.193

    2016-09-20 22:45  
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    「我皇統ノ天壌ト極リナク、綿々継承スル所ノモノハ、妾ノアルヲ以テナラズヤ」
     これは、明治13年の元老院会議録に記載されている義官の発言である。旧皇室典範制定に関する議論のひとつに「天皇の侍妃制」があった。冒頭の言葉のとおり、 「天皇の親族に妾(側室)を加えるべき」 という考え方に収まっていった。
     実際に、側室がなければ成り立たなかった。明治天皇は皇后との間に子がなく、5人の側室との間に10女5男をもうけたが、内10人が乳幼児のうちに脳膜炎で亡くなり、生き残った男子は大正天皇ただひとりだった。
     皇室に限らず、 明治から大正にかけては《出生率》も《乳幼児死亡率》も高い「多産多死」の時代。 旧皇室典範制定に関する皇位継承論争も、あくまで「側室ありき」で、 一般社会にも「お妾」は公然と存在 していた。
      世は昭和から平成と移り、《乳幼児死亡率》は劇的に低くなった。しかし、だからと言ってぽんぽん産んでどんどん育てまくっているというわけではない。同時に《出生率》も下がって「少産少死」の時代 となったのだ。国民のほとんどは、「夫婦と子」の核家族。
     そのうえ、 落語家から歌舞伎役者まで、女遊びを非難されるような国民感情が席巻 している。
     中村橋之助と芸妓の仲まで「不倫」とされたのには、かなり仰天した(三田寛子のよどみない完全無欠のしゃべりっぷりにも仰天したけど)。歌舞伎役者の女遊びがそんなに問題だと思うなら、小林麻央の闘病ブログを「感動ポルノ」として骨の髄までしゃぶりつくすゲスさに乗じて、あらためて市川海老蔵に婚外子がいることを掘り起こして問題視したらどうかと言いたい!
     あきれるところもあるが、これが現代の国民感情なのだから、国民同様に核家族でいらっしゃる現代の皇室においても、もし側室が置かれるなどということになれば、奇異の目で眺める国民が大多数となるだろう。
      皇室に対して「まったく別世界の変わった世界の人々」「大奥みたいなところ」という現実生活と乖離した感覚が持たれるようになり、今上陛下が人生をかけて築き上げられた「象徴天皇像」そのものも崩壊する恐れがある。
    ◆一人の女性から人権をはく奪して「産めるだけ産め、男子を」と言えるのか?
     なによりも大事なのは、 いずれの皇族方も、それぞれ「たまたま女子」「たまたま男子」としてお生まれになった 、ということだ。天皇陛下も、皇太子殿下も、秋篠宮殿下も、悠仁親王殿下も、みなさま「たまたま男子」なのである。
     現状の男系男子限定のまま、 安定的な皇位継承 を実現しようとするなら、いずれ悠仁さまとそのお妃さまに 「皇位継承者はもちろん、新宮も増やしたいので、産めるだけ産んでほしい。男子を」 などと無理な要求を突き付けることになる。やはり、 常識的には、男系男子限定は側室とセットでしか成立させられない、という結論が現実 なのでは?
     しかし、男系男子限定派は 『側室』 という単語が飛び出すなり、即座にこう主張する。
    日本大学法学部教授・百地章氏
    「側室の問題ですが、昔は生まれてすぐに亡くなったと言いますが、医学が進歩すれば立派に生まれる時代なんですから、その問題はありません」
    明治天皇の女系の玄孫で父親の代から生まれも育ちも皇族だったことは一度もない、せいぜい「旧宮家系」ぐらいとしか言えない完全なる一般国民・竹田恒泰氏
    「かつて医学が未発達の時代、出産は危険なものでした。無事に出産を終えたとしても、幼児の死亡率は極めて高く、生まれた子供が成人することは難しいものでした。 そのため、天皇は多くの女性との間にたくさんの子供を儲けることが求められたのです。 その点、現在では医療が発達し、出産の危険性と幼児の死亡率は極端に低くなりましたので、庶系に皇位継承権を与えなくても、皇位継承は可能であると考えられます」
     男系男子限定派なら、誰でも『側室』ボタンを押せばこういうセリフが自動再生される仕組みになっていると思う。
     不気味なのが、両氏とも、 明治の多産多死時代を振り返って、《乳幼児死亡率》は下がったということしか言っておらず、「安定的に男子が生まれる」という根拠はなんら提示していない。