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記事 5件
  • 「『在日特権』はあるのか?」小林よしのりライジング Vol.108

    2014-11-11 16:05  
    150pt
     数年前までは社会問題の専門用語だった 「ヘイトスピーチ」 だの 「レイシズム」 だのが、今では一般常識的な言葉になってしまった。日本は急速に「美しい国」から遠ざかり、醜悪な国に向かって劣化し続けている。
     8月、安倍首相はヘイトスピーチについて「日本人の誇りを傷つける。しっかり対処しなければならない」と発言。そう言わなければ世界の恥になるから、建て前として言ったのだろう。
    これを受けて自民党は「 ヘイトスピーチ対策等に関する検討プロジェクトチーム 」を設置し、本気かどうかは知らないが、新立法の可能性を視野に入れつつ検討を始めた。
     安倍政権の「コアな支持層」は、ヘイトスピーチが大好きなネトウヨ・レイシストたちじゃなかったっけ?と思っていたら案の定、 安倍の公式ツイッターや自民党のBBS(掲示板)は「大炎上」したという。
     また、元・航空幕僚長、現・ネトウヨ親父の 田母神俊雄 はツイッターで 「ヘイトスピーチの法規制は、保守派を黙らせ、左翼リベラルや外国人を利するだけのものです」「ヘイトスピーチの法規制は、左翼リベラル政治家の有田芳生氏が中心となって推進して来たものです。なぜ保守を名乗る政党が保守派庶民を苦しめ、左翼リベラルや外国人を利することをするのでしょうか。左翼リベラルに媚びるような政策に反対します。左翼に媚びるとろくなことがありません」 と、わけのわからない懸念を表明した。(註・あまりに馬鹿な発言なので、 ウンコ色 にした)
      ヘイトスピーチを禁じたら保守派が黙らせられる?「保守派の主張=ヘイトスピーチ」だったのか!?
     
     そんな中で開かれた自民党プロジェクトチームの初会合では、ネオナチ団体幹部との繋がりを指摘されている高市早苗が 「うるさくて仕事にならないから、国会周辺でのデモ活動も一緒に規制しよう」 (註・ ウンコ色 にした)という趣旨の、異次元に飛躍した意見をぶちかました。
     これなら田母神も心配するには及ばないだろう。むしろ安倍政権下のヘイトスピーチ規制では、ヘイトスピーチのカウンターや、反原発デモなどにまで拡大解釈して網を被せることを警戒しなければならないようだ。
      一方、民主党はヘイトスピーチの街宣活動を規制する独自の法案をまとめ、他の野党にも賛同を呼びかけた上で今国会に提出する方針を固めた。
     この法案には罰則規定はないが、民族の違いなどを理由にした侮辱や嫌がらせなどの差別的な言動を禁止し、国に差別を防止するための基本方針を定めることを義務づけたものだという。
     この民主党案に対しても規制の「拡大解釈」を懸念する声が上っている。とはいえ、一切の規制もせずにヘイトスピーチを封じ込められるのかというと、それはまず無理だろう。
     例えば「ヘイトスピーチを減らす最良の薬は、他人にウンコを投げ付けないと鬱憤晴らしも出来ないような追い詰められた国民を減らすことである」と主張している人がいるが、甘すぎるし現状がわかっていない。
      ヘイトスピーチをやっている者は、必ずしも「追い詰められた国民」とは限らないのだ。
      社会的にはそれなりの生活をしていながらも、個人的なコンプレックスを自力で解消できずに他者への攻撃に転嫁する者もいる。
     また、とにかく差別が好きだという者だっている。たとえ社会から格差が撤廃されたとしても、差別をする者はするのである。
     さらに警戒しなければならないのは、規制に反対するあまりに、在特会(在日特権を許さない市民の会)などの排外主義団体が攻撃対象としている 「 在日特権 」を撤廃すれば、ヘイトスピーチも止んでいくだろうという意見 が出てくることである。
      結論を先に言うが、「在日特権」なるものは、ヘイトスピーチをやるために在特会会長・桜井誠らがでっち上げた、ほぼ100%のデマである!
     これは、ジャーナリスト・ 安田浩一 の 『ネットと愛国』 や、「レイシストをしばき隊」の創設者・ 野間易通 の 『「在日特権」の虚構』 で検証されている。
    「在日特権が存在する」という主張自体が、差別を助長するための事実無根の誹謗中傷なのだ。「在日特権をなくせば差別もなくなる」というのは、「在日特権が存在する」ということを前提にしているわけで、在特会が仕掛けた罠に嵌って差別の片棒を担いでいることに他ならないのである。
     その罠にまんまと引っ掛かったのが大阪市長の 橋下徹 だ。
     橋下は大阪市役所で桜井と罵り合いの公開泥仕合を演じた翌日、維新の党代表として、 在日韓国・朝鮮人らに認められている「 特別永住資格 」について「 通常の外国人と同じような永住者制度に一本化していくことが必要 」と述べ、党として見直しを検討する考えを示した。
     その理由を橋下は「特別扱いは差別を生む」として、在日韓国・朝鮮人への攻撃を抑える狙いもあると説明したが、これこそが在特会のデマに踊らされた主張だったのだ。
    「 特別永住者制度 」とはいわゆる「入管特例法」に基づくものだが、果たしてこれは「特権」なのか?
  • 「保守がいない保守バブル」小林よしのりライジング Vol.105

    2014-10-21 21:40  
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     いつからか政界も言論空間も「保守」が大ブームで、誰も彼もが「保守」を名乗っている。
     わしは既に10年前の2004年9月発売の「わしズム」で「 最近の保守論壇はバブルなのだ 」「 ステレオタイプの言説のたらい回しは強がりオヤジと保守オタクの癒しにしかならない 」と批判しているから、この「保守バブル」はもう10年以上も続いていることになる。
     わしは2001年9・11の同時多発テロを機にいわゆる保守論壇とは手を切り、親米・従米の保守言論人を「 ポチ保守 」と批判したが、その後も、資本の暴走を規制しないグローバリズムの信奉者や、科学力が自然に勝てると盲信する近代合理主義の原発推進派や、挙句の果てには排外主義や人種差別を公然と唱える極右運動集団までが「保守」を自称するようになってしまった。
     中には「靖国神社参拝が保守の条件」などと言い出す者までいるが、そんな定義が成り立つのなら、確かにどんなレイシストだろうと、グローバリズムに日本を売り渡そうとする者だろうと、どんな者でも靖国参拝さえすれば「保守」になれることになってしまうが、そんな馬鹿げた話はない。
     ともかく、 こんな「自称保守」ばかりが蔓延している世の中だから、わしはあえて「わしこそが保守」という立場を演じるしかないのである。
     ちょうどそんな時に、テレビ朝日のワイドショー「モーニングバード」のコーナー「そもそも総研たまペディア」から「 そもそも保守って何を保ち何を守るんですか? 」というテーマで取材を受けた。
     番組は10月16日に放送されたが、なかなかよく出来ていたので、今回はその内容を紹介しつつ「保守とは何か」を考えてみたい。
     政治の世界では戦後、ずっと「 保守 」と「 革新 」の対立と言われてきた。
     最近では「革新」はすっかり影が薄くなって「死語」に近い観さえあるが、それはともかく、「保守」とは何を保守し、「革新」とは何を革新しようとしているのだろうか?
     憲法に対する態度を見ると、「保守」「革新」の定義の混乱ぶりが端的に表れてくる。自民党は憲法を変える、つまり「革新」を目指しているはずなのに、「保守」を自称している。
     一方で旧社会党、現在の社民党などは憲法を守る、つまり「保守」を唱えているはずなのに、「革新」を自称してきたのである。
     東京大学名誉教授の御厨貴氏は、「 少なくとも日本に関して言えば、保守に明確な定義はありません 」と言い切った。
     例えば アメリカの保守は、「 建国の時点のことを守る 」 ということが基本である。アメリカの保守派が銃規制に反対するのも、建国当時に市民が銃を持ち戦った精神に基づいている。
      イギリスの場合は、王に対して貴族階級が反乱を起こし、近代議会政治を始めた時点のことを守るのが基本。 政治は貴族階級が行なうものであり、貴族の利益を一番反映すること、すなわち「 階級社会を守る 」ということがイギリスの保守である。
     つまり、保守とは歴史上のある時点の体制を守るということなのだ。それでは 日本ではいつの時点の体制を守るのが「保守」なのだろうか?
     御厨氏はそれを、「 戦後の占領体制から受益者として登場してきた人たちの利益 」だと言った。
     要するに アメリカとは仲良くして、安全保障をアメリカに任せて、経済中心でやっていくという人たちが、戦後日本では「保守」と呼ばれたのだ。
     そのために 戦後日本では日米安保体制を守ることが「保守政治」と言われ、吉田茂や池田勇人を源流とする政治集団が「保守本流」と言われてきたのである。
     つまり、わしが「 親米ポチ 」と批判する者たちは、この定義によって「保守」を自称しているわけだ。それにしても「敗戦受益者の利益を守るのが保守」とは、あまりにも情けない定義ではないか。
     ところで、番組では安倍晋三の言う「 戦後レジームからの脱却 」とは戦後体制の「革新」という意味であるから、これは保守ではないのではないかという疑問が出ていた。
      だが、安倍晋三の「戦後レジームからの脱却」などは完全に言葉だけであって、有名無実とはこのことである。
      安倍がやっていることはアメリカ依存で経済中心という戦後レジームそのものだから、実際にはこれこそがまさに「戦後保守」なのである。
     しかも、集団的自衛権行使容認によってどこまでもアメリカの戦争の手助けをするようにまでしてしまうというのは、「 戦後レジームの強化・完成 」と言っていいほどの行為ではないか。
     番組ではもう一人、新右翼・一水会最高顧問の鈴木邦男氏にインタビューして、「右翼」と「保守」の関係について聞いていた。
  • 「椎名林檎の『NIPPON』とナショナリズム問題」小林よしのりライジング Vol.90

    2014-06-24 18:45  
    150pt
     サッカー・ワールドカップ、日本は初戦でコートジボワールに敗退、第2戦でギリシャに引き分け、残りはコロンビア戦で、予選グループリーグ突破の可能性はゼロではないとはいえ、「針の穴にラクダを通す」よりも難しい状況らしい。
     わしはサッカーそのものに興味があるわけではないのだが、やはりワールドカップとなれば否応なく「ナショナリズム」の問題が絡んでくるから、その観点からは関心を持たざるを得なくなる。
     ワールドカップで自国を応援するというのは 「ナショナリズム」=「偏頗心」 ではあるのだが、やはり「ナショナリズム」は劣化するし、悪性に転じる傾向が多々あるということは、最近証明されつつある。
     初戦で敗退するとグループリーグ突破が極めて難しくなると当初から言われていたにもかかわらず、これに敗れた直後、渋谷のスクランブル交差点に大挙して押し寄せてハイタッチして騒ぎまくり、痴漢までしていた連中がいたが、この行動はまさに劣化ナショナリズムである。
     いまNHKのワールドカップ中継テーマソングとして連日流れている 椎名林檎 の曲 『NIPPON』 の歌詞が物議を醸している。
     ちなみに民放各局のテーマ曲を列挙しておくと、日本テレビがNEWSの『ONE -for the win-』、TBSが関ジャニ∞の『RAGE』とジャニーズが占め、フジテレビは歌劇「アイーダ」の『凱旋行進曲』、テレビ朝日はサラ・ブライトマンの『A Question of Honor』と、従来のサッカー中継のテーマ曲をそのまま使用、そしてテレビ東京は…そもそも中継してるかどうか知らない。
     こうして見ると、NHKの椎名林檎の異色さが際立っている。
     例えば日テレの『ONE -for the win-』は、
    「想いが繋いでくれる
     奇跡は海を越えて
     世界はひとつになる」
    「同じ地球(ほし)に生まれ
     かけがえのない 背番号(きずな)背負う」
    ・・といった穏当な歌詞である。
     だが、これに対して椎名林檎の『NIPPON』の歌詞は
    「 万歳!万歳!日本晴れ 列島草いきれ 天晴 」
    「 さいはて目指して持って来たものは唯一つ
     この地球上で いちばん
     混じり気の無い気高い青 」
    ……と、極端なほどにナショナリズムを煽っている。
     特に「 この地球上でいちばん混じり気の無い気高い青 」というのは、「純血思想」じゃないかと指摘されている。
      日本人が「地球上でいちばん混じり気の無い気高い」民族だなどと言い出したら、これはたちまち排外主義に直結してしまうから、問題視されても無理はない。
     
     椎名林檎は以前、愛車である中古の黄色いメルセデス・ベンツに「ヒトラー」という名をつけ、2000年発売の2ndアルバムに収録された曲『依存症』では歌詞にまで「黄色い車の名は『ヒトラー』」と入れたため、レコード会社が自主規制してその部分を消し、すでに配布していたプロモーション用テープを回収するという騒動になったことがある。
     また、最近ではライブで旭日旗に似た旗を配布したり、イベントで『同期の桜』の歌詞を自筆で書いて展示したりしているらしい。
     今までミュージシャンと言えば「反戦平和」で、きれいごと歌うのが普通と思ってたので、このように躊躇なくナショナリズムを歌える椎名林檎はなかなか面白い。
     だが、椎名林檎の歌詞に思想的な背景を探ってもそれほど意味はない。ミュージシャン、特に椎名林檎のようなタイプは感性だけで歌を作っていて、なるべく刺激的な歌詞を作りたいという思いだけなんだろう。ちなみに椎名林檎が「ヒトラー」の次の愛車につけた名前は「ツベルクリン」だったそうだ。
     いまや「世界はひとつ」だの「同じ地球に生まれ」だのという、サヨク的な歌詞では手垢が付きすぎて、聞き飽きてしまったというのは確かにある。
     それよりは、偏狭なほどにナショナリズムを煽った方が刺激的でカッコイイという空気を、椎名林檎は敏感に捉えたとも言える。
  • 「『アンネの日記』破損事件と日本の右傾化現象」小林よしのりライジング Vol.78

    2014-03-18 14:00  
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     東京都内の図書館や書店で『アンネの日記』などユダヤ人迫害関連本が相次いで破られた事件で、小平市の 36歳の無職男性 が逮捕された。
     男は被害に遭った杉並区の図書館の防犯カメラにも映っていた。
    『アンネの日記』を破る事件はここ最近発覚したが、男は約1年間にわたって豊島区や杉並区で、執拗に本を破る行為を続けていたという。
     男は破った本の紙片をポケットに隠し、自転車で移動中に捨てたと供述しており、その供述通りの場所から紙片が見つかっており、容疑はほぼ固まりつつある。 
     池袋ジュンク堂書店内で、男は「アシスタントとゴーストライターは違う」と書いたビラを貼った容疑で逮捕されたのだが、その文面も「アンネの日記」はアンネではなく、父親が書いたというデマがあるので、そのことを意味してるのだろう。
     もちろんこのデマはオランダ国立戦時資料研究所とオランダ国立法科学研究所の筆跡鑑定と文書調査を中心とした科学的な検証によって公式に否定されている。
     男のパソコンにはインターネットの接続履歴が残っておらず、消去して証拠隠滅を図った可能性があるらしい。
      さて、この事件で最も重要なことは、自民党の議員や、自称保守派の言論人や、桜チャンネルなどの極右メディアや、ネット右翼の連中が、事件が報じられると忽ち犯人を「在日」「韓国人」「中国人」の組織的謀略と主張していたことである。
     3月14日の産経新聞1面コラム「産経抄」でも、最近、日韓両国が反日宣伝の文脈で、日本の「 右傾化 」の例として『アンネの日記』等の破損事件を挙げていることについて、「 どこがどうつながるのか 」と書いている。
      いや、つながる可能性が大なのだ。
     容疑者が逮捕される前、韓国のハンギョレ新聞は「 在日特権を許さない会(在特会)などが主導する“嫌韓デモ”のように、日本社会の病的な右傾化現象とどんな関係があるのか興味深い 」と論説、他の韓国メディアも在日韓国・朝鮮人排斥を訴える「ヘイトスピーチ」と結びつけて報道した。
     反日に凝り固まった韓国マスコミなんか評価したくはないが、在特会のことまで、よく観察している。
     これに対して在特会広報局は「 当会の活動と『アンネの日記』など被害に遭った図書とでは何ら思想信条的な関係性はありません。また、本事件といわゆる『嫌韓』の動きはまったく無関係であります 」という声明を発表した。
     声明の中で在特会は「 むしろ、世界中の図書館で日本海や竹島関連の図書を損壊している者たちの犯行と見たほうが、より現実的である 」と言っている。
     つまり、 世界中で反日活動を行なっている韓国人の仕業だと言うのだ。
     しかも在特会自身が、何の確証もなくそんな主張をしているくせに、
    「 確証もなく、安易に犯人を当会関係者と推定したり、動機を当会の活動と結びつけることは厳に慎み、良識ある報道を心がけていただけますようお願い申し上げます 」と平然と言ってのけるのだから、その身勝手さにはあきれ果てる。
     再度詳述して触れるが、この事件が報じられると、在特会の見解と歩調を合わせるかのように、 事件は日本人に反ユダヤ主義の浸透があるかのように見せて、日本の国際的なイメージを貶めようとする中国・韓国の謀略だ などという陰謀論が公然と流布された。
     ネット右翼だけではない。自称保守の評論家やジャーナリスト、極右メディアでも反日謀略説が平然と語られ、中国・韓国の謀略機関の仕業だと「確信する」とまで言った馬鹿もいた。
     片山さつき議員や、中山成彬議員までが、韓国の関与をほのめかせていた。
     勝谷誠彦は、こういうときは誰が一番得するかを考えるべきだと言い、これは支那人の組織だった犯行だと言っていた。
     自称保守の極右連中は、誰も彼もが在特会と同レベルの陰謀論を主張したのだ。
     わしだって中韓の反日宣伝に同調したくはないが、残念ながら『アンネの日記』破損事件と、日本国内での「排外主義」は繋がっている。
      そもそも「犯人は在日、韓国人、中国人だ」と、ただちに主張すること自体が、排外主義ではないか! 
     公に言ってはいけないことがある。関東大震災の直後のように、朝鮮人が井戸に毒を盛ったと言いふらす人間になるか、そのデマを止める人間になるか、それが問われている。
     もう日本の憎韓・反中は病気である。

      そもそも、在特会の主張と反ユダヤ主義は無関係だという在特会広報の声明は大嘘なのである。
      在特会会長の櫻井誠 は昨年、ユダヤ人団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が日本におけるヘイトスピーチを問題視し、在特会を監視するよう主張したことに逆上して「 反ユダヤデモやろうかな 」と表明、イスラエル大使館に抗議文を出し、 ユダヤ人を「中東の朝鮮人」と呼び、敵視と憎悪をエスカレートさせている真最中なのである。
     さらに「 在特会会員・大和真実 」と名乗る人物のツイッター
    https://twitter.com/aikokubakusou
    まとめサイト
    http://matome.naver.jp/odai/2139350819657253801
    には、以下のような発言が氾濫している。
  • 「旧皇族を騙る者の宗教活動」小林よしのりライジング Vol.57

    2013-10-08 23:30  
    154pt
    「旧皇族を騙る者の宗教活動」
     竹田恒泰の影響力が最近、急速に増してきているらしい。
     この「ライジング」の読者にとっては、竹田恒泰といえば生まれも育ちも一般国民であるにもかかわらず自身を「旧皇族」と詐称している「ニセ旧皇族」であり、天皇陛下のご意思に逆らう「男系絶対固執派」であることは周知の事実だろうが、残念ながらこのことが一般には浸透していない。
     竹田が主宰する「竹田研究会」は発足5年ほどで全国16カ所に設立され、会員数は現在2万8千人、9月に発売した新書は1週間で8万部が売れたという。
     朝日新聞WEEKLY「AERA」は10月7日号の特集『日本「右傾化」の真実』の筆頭に竹田を取り上げている。
     全国の「竹田研究会」が定期的に行なう竹田の講演会には重々しさも堅苦しさもなく、「お笑い芸人のライブに、雰囲気は近いかもしれない」という。
     竹田の講演は「肩のこらない口調と、漫談家を思わせる巧みな話術」で笑いをとりながら、「天皇は神の子孫です。私たちはみんな、神の子孫なんです」「日本の特徴は、君民一体という点にあるんです」など、天皇の存在を理由として「日本は素晴らしい」と訴えるもので、参加者は「日本人ってすごい、という気持ちになるんです」「竹田先生のお話を聞くと、自己肯定感を覚える」などと言っているそうだ。
     わしも17年前に「新しい歴史教科書をつくる会」を立ち上げた頃は「日本に誇りを持とう」というようなことをシンポジウムや講演会で全国あちこち回って言っていたから、なんだか既視感を覚える。
      だが17年前と現在では、世の中の風潮がまるで違うことを強調しておく。
      あの頃は、日本人が世界で一番劣った民族だ、世界一悪い民族だ、謝罪し続けなければならないのだという自虐史観が蔓延していたから、決してそうではないと訴えなければならない必然性があったのだ。
      そして当時それを訴えることには、ものすごいリスクがあった。ありとあらゆる誹謗中傷、バッシングを受け、マスコミ・出版業界から完全に干されてしまう恐れすらあったのだ。
     一例として、わしが『戦争論』を描いた翌年、「AERA」1999年1月11日号に載った特集「日本の不安」の記事を挙げておこう。
     記事は70年代に大ブームを起こした『ノストラダムスの大予言』の影響で「1999年7月に世界が滅亡する」という「終末願望」を持った人々を延々とレポートし、「ノストラダムス・ブーム」に思春期を直撃された世代にオウム真理教に入信した者が多いことなどを紹介している。
     その上で、若い世代は「イデオロギーのような共同幻想に背を向けてしまった」ために「自分自身の存在を一片の疑いもなく肯定できる確信を失った」と断じ、そのような立つ瀬を失った若者の心理の「補償作用」を果たすのが『ノストラダムスの大予言』のような「破滅的あるいは破壊的なドグマ」(ドグマ=宗教上の教義、もしくは独断的な説)だと決めつける。
     奇妙な記事だ。赤軍派や極左のテロ活動によって、イデオロギー(例えばマルクス主義)によって「自分自身の存在を一片の疑いもなく肯定」する若者の方が危険だということは当時もう証明されていたのだが。
     論理に飛躍がありすぎとしか思えないが、そんな話を長々と続けておいて、最後に突然こんなことを言い出すのだ!
      ノストラダムスの役割は90年代、オウム真理教、尾崎豊、小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」へと連綿と引き継がれている。
     世紀末の団塊ジュニア世代を震撼させる最強のドグマは、ゴーマニズム宣言のマンガ家、小林よしのりが著した『戦争論』だ。
     もう10万光年ワープしたような飛躍っぷりで、全く意味がわからない!
     尾崎豊まで悪しき者になっている。
     とにかく『戦争論』が『ノストラダムスの大予言』以上の破壊的・破滅的な狂信的危険思想だということにしたかったようだ。
     そして記事はこんな記述で締めくくられている。
     (『戦争論』を読んで) 日本人であることの誇りを感じられるようになったという女子大生(22)もいる。彼女はいままでに教え込まれた太平洋戦争の知識をまるで信用できなくなっている。
     「アジアの国で無闇に謝り続ける政治家と自分をだぶらせて日本人は恥ずべき存在なのだと思い込んでいたけれど、いまは、たとえ負けたにせよ、あの壮烈な戦争を戦い抜いた日本人の子孫であることになんら恥じ入る理由はないと思いを改めています」
     彼女も『戦争論』を読んですぐ、戦争中のファシズムのプロパガンダをテーマにした大学の夏季集中講座を聴講した。そこで、すべての従軍慰安婦に一刻も早く補償を、と説く講師の言葉に釈然としない疑念に捕らわれたという。
     たとえこの世が終末の予言の通りに滅ばなくても、ノストラダムス的ドグマは肥大する。
      かつては「日本人の誇り」なんて言ったら、『ノストラダムスの大予言』と同じ「破壊的ドグマ」だと言われたのである!!
     それが今ではどうだろう? 同じ「AERA」がほとんど「竹田研究会」の宣伝みたいな記事を載せている! 
     記事にはそこに危険性が孕んでいるかのように書こうとしている意図も見えるのだが、結局はそれができず仕舞いに終わっているのだ。隔世の感とはこのことだ。
     高森明勅氏にこの話をしたら、「 17年前、小林さんや『つくる会』の面々がデタラメな攻撃を受けながら必死に種をまいたものを、いま竹田が何の労も負わずに楽々と収穫しているわけですよ 」と言われた。
     なるほど。そういう構図か。
      現在はもうそれほどの自虐史観はない。今ではテレビで毎日のように、日本の文化は外国人が目を見張るすごいものばかりで、他の国がマネしようとしているといった情報が流れている。
     かつては中国・韓国の批判などもってのほかという強固な空気ができ上がっていたのに、今では中国・韓国には公共性がなく、どこか劣等な国だなんてことは普通の主婦の会話にも出てくるし、週刊誌は韓国批判をすれば売れるという状態だ。
     教育現場にはまだサヨク教師が残っているかもしれないが、もうそんなに影響力はないだろう。
     従来は、自分が社会で正当に評価されていないという不遇感や、自分の将来に対する不安感を持っている人が「右傾化」すると言われてきた。しかし「AERA」の記事に登場している「竹田研究会」の会員は平均より多めの収入があり、特に満たされない思いを抱えているわけではないと言っている。
     さらに「AERA」が1千人規模のアンケートを行なったところ、特に不遇感や将来への不安感を持たない層でも、自国に対して誇りを持っている割合が高いという結果が出たという。
     「AERA」にしてみれば、「右傾化」は不遇感や将来不安のはけ口という結果の方が好都合だっただろうが、データに否定されてしまったのである。
     いまは「日本人の誇り」を言っても攻撃してくる者はなく、みんな納得できて、それが普通の人の感覚だと認識される時代になっている。
     それならわざわざ今さら講演会に「日本の誇り」の話を聞きに行く必要もないはずなのに、竹田の講演を聞いて感激している者が増えているというのは、何とも不可解だ。
     本来、天皇とは何なのかといったことは学校で教えるべきなのに、それが一切行なわれていないから、皇室の話が新鮮に聞こえるというのはわかる。
     しかし、だからといってそれで「研究会に参加すると、みんな笑顔で元気になる」などと言っているのはものすごい違和感を覚える。この空気は一体何なのか?
     この「AERA」には竹田のインタビューも載っている。
     だがここで竹田が言っていることは疑問だらけだ。