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記事 50件
  • 「未熟な国で老いに抗う者たちの煩悩」小林よしのりライジング Vol.136

    2015-06-09 20:50  
    150pt
     わしが若者だった頃、老人の気持ちがわからなかった。
     悟りを開いた、欲望の少ない境地になるのかと思っていた。
     子供が興味を持つ遊びや、子供が欲しがる甘いお菓子など、老人は嫌いで、囲碁や将棋をやったり、酒を飲み、塩辛いものを食うのが老人の嗜みだと思っていた。
     老人の青春は戦時中の苦労話で、好きな歌は演歌と懐メロ、ロックをうるさいと言い、漫画をバカにして、タバコを吸いながら、新聞を読んでいた。
      それが近頃の老人は何だ!?
     NHKの「クローズアップ現代」で「老いて 恋して 結ばれて~超高齢化社会の“男と女”~」というドキュメントをやっていた。
     いま、シニア世代の婚活が活発化しているという。65歳以上で結婚する人は1990年以降、4倍も増加している。結婚相談所には初婚や再婚を希望するシニア男性が殺到しているらしい。
     その男たちが求めるのは年齢差のある女性、つまり40代や30代の女性だという。 なんか厚かましい気がするが、60代半ばの男が「自分が全然年とった気がしない」と言いながら、筋トレして体を鍛え、30代女性との結婚を希望して、子供も作ろうと思って婚活しているのだ。
     ひとことで言えばキモい!
     よくよく見れば、筋トレで体に筋肉がついているのだが、髪を染めている。恐らく白髪のはずだ。そして顔がアップになると、間違いなく老人の顔なのだ。
      人工的にアンチ・エイジングして、年齢を誤魔化している。
     もがいとるな、もがいとるな、老人として~~~~~~~~~と言いたくなるが、なんか不気味なこの男に騙される30代女性が本当にいるのだろうか?
     田原総一郎は2回も妻に先立たれたそうだから気の毒だが、73歳のときの同窓会で、かつて高校の頃のマドンナだった女性を誘い、80代で熱烈な恋愛をしていると告白している。
     田原は外見的にアンチエイジングせずに、80代で恋愛するパワーがあるのだから凄い。これはやっぱり個人的な特殊性だろう。
     そういえば70代の加藤茶が20代の嫁をもらったのが話題になったが、あれは老人には相当うらやましかったのかもしれない。
     だがそれはカネの力だ。カネ目当てで結婚したと言ったら失礼だが、カネ目当てでも70代の男に夢を見させる覚悟があるのなら、それは大した野心だと言わざるを得ない。
     超格差社会で、恋愛バブルが崩壊した今日では、貧しく将来の安定を期待できない同年代の男との結婚生活を望むより、まだ元気な老人にひとときの夢を見させて、遺産を相続して第二の人生を歩んだ方が、幸福になれると計算しても悪いことではない。
     老化した夫の介護が苦痛でなければ、遺産は確実に入って来るのだ。
  • 「ネットシッター事件、問われる選択『個か共同体か?』」小林よしのりライジング Vol.80

    2014-04-01 22:40  
    150pt
     インターネットで依頼したベビーシッターによって、2歳の幼児が死亡した事件について、もっと詳細に書く必要があると思った。
     子供を育てる母親は大変な苦労をしている、シングルマザーなら子育てと仕事の両立がさらに困難だ、いわば社会的弱者である母親を批判してはいけない、という俗情が世間的にはある。
     シングルマザーに対する偏見は10年以上昔の事で、今や離婚は珍しいことではなく、バツイチ・バツニと明るく自称できる時代だ。
     シングルマザーは容易に批判できない「聖域」になっていて、今回のような「 ネットで他人に無警戒に子供を預ける 」という暴挙でさえも、母親への批判よりは、子育て支援の制度不足にのみ、焦点が移されてしまう。
     つまり殺された子供のことは忘れられ、母親が被害者としてしか見られなくなってしまうのだ。そして人々は言う。「 ネットでシッターを探して何が悪い 」と。
     わしには恐るべき居直りだとしか思えないが、そんな総括の仕方では、また同じような犯罪が繰り返され、また子供が犠牲になるだろう。
     幼児を殺した犯人はもちろん第一に責められるべきであり、すでに逮捕された。では母親は反省ゼロでいいのか?
     前回はあえて母親の情報は伏せたが、未だに母親を純粋な被害者だと思い込み、批判を封じる声があるので、今回はあえてこの母親像を詳述したい。マスコミが絶対に報じない事実が見えてくるだろう。
     被害者の横浜市在住の母親(ここでは「A子」としておく)は一体どういう女性だったのか?
     ネットに残っていたプロフ(プロフィール)が2種類確認できたが、3年ほど前のものと見られるプロフでは「龍琥ママ」というハンドルネームで、 金髪の写真が残っている。
     事件後にマスコミの取材を受けていた時の、今どき珍しいケバい金髪の後ろ姿でおおよその見当はついたが、地道な就職先が見つかる雰囲気ではない。
     2人の子供まで金髪に染めているというが、2歳の子を金髪に染めるのは、健康に悪いと思うが?
     週刊文春(4.3)によると、A子は「 生活保護を受給しつつ、キャバクラなどのアルバイトで生活費を稼いできたようだった 」という。
     このプロフの「誕生日」の欄は「旦那さん1993.03.11(18) 嫁さん1991.08.08(20) ちびさん2011.04.22(0.8)」となっている。
      A子が龍琥ちゃんを出産した時は19歳、しかも父親は18歳だったのだ。
     「自慢なこと」の欄には、「 支えてくれて助けてくれる身内がいること 守ってくれて傍にいてくれる家族がいること ほんっと私恵まれました 」と書かれている。
      この時点では支えてくれる身内・家族がいたのだ。
     そして、「好きな男性のタイプ」の欄には、この「旦那さん」に宛てたと思われるメッセージが書かれている。
    \復活/ ki-chan since23.08.15 total=2年4ヶ月
     なんだかんだ色々あったけど やっぱり大好きなんだな
     次はない。許さない。 3人で仲良くやってく
     頑張ってくださいねパパ
     ところがその旦那とはすぐに別れてしまい、乳児を抱えたままキャバクラ勤めを再開したのである。
     とはいえ、A子のブログを見ると2012年12月の時点で 龍琥ちゃんは保育園に入っていることが確認できる。
      しかもA子の実家は近くにあったようで、子供を連れて頻繁に帰っているし、熱を出した時などは、救急病院に連れて行ってもらったりもしている。
     確かに「恵まれました」と言っていい環境だったのである。
     また、この時には別の「旦那」ができていて、「旦那ちゃん…素直に言えなかったけど隣にいてほしかったんです。ありがとうね大好きです」といった記述があり、やがて次男を妊娠している。
     ブログは「りっくんの寝顔ぶちゃ可愛 ママの天使。宝物。」といった具合に、育児は大変だけど子供が可愛くてたまらないといったことが連日書かれていて、一見すると普通の若い子育てママのブログのようにも見える。
     ところが、時々突然怒ってブチキレた記述が出てくる。
      どうやら龍琥ちゃんの親権をめぐってもめていたようで、父親やその家族と思われる人々に対するものすごい罵詈雑言が書かれている。
  • 「やむを得ないからネットでシッター?」小林よしのりライジング Vol.79

    2014-03-25 17:10  
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     埼玉県富士見市のマンションで2歳男児の死体が発見され、この部屋で男児を預かっていた26歳のベビーシッターの男が逮捕された。
     死亡した男児の母親は横浜県磯子区の22歳、無職のシングルマザー。今月14日、2歳の長男と8カ月の次男の二人を預け、16日に引き取ることになっていたが、その日になっても連絡がとれなかったために警察に通報、事件が発覚した。
     死亡した男児は裸にされて口を塞がれたような跡があり、皮膚が変色している部分が数カ所あった。次男も裸にされていて複数のあざのようなものがあり、低体温症になっていて、病院に搬送され入院した。
      母親は子供を預ける10日ほど前から少なくとも7回、男とメールで連絡を取り合ってベビーシッターを依頼したが、男の名字とメールアドレスしか知らなかったという。
     メールだけのやりとりで、しかも男の名字しか知らない。「信用」の二文字を一切考慮せず、我が子を名字しか知らない、本名かどうかもわからない他人に預けられるものだろうか?
    母親は22歳で二児の母、しかもシングルマザーというのが驚くが、ネット依存が普通の世代なのかもしれない。
      母親は以前にもインターネットを通じてベビーシッターを依頼していたが、この時、長男の頬が腫れていたことと背中にあざがあったことがあり、支払いでもトラブルがあったため、利用をやめていた。
     実は逮捕された男は、このトラブルを起こしたベビーシッターと同一人物だった。 ところが男は偽名を名乗り、出迎えにも別人を使いに出していたため、母親は知らずに同じ危険な男に預けていたのだ。
    しかも使いの男は以前に子供を預けたことがあり、問題のなかった人物だったため、安心していたという。
     母親は報道陣の取材に対して「子どもに申しわけない。助けられずに『ごめんね』としかいえないです」と涙を流したという。
     ベビーシッターを利用した理由については、「 経済的な事情で仕事に出る時もあった。お金のこともあって、すぐに預けられる場所がなかった 」と説明している。
     逮捕された男は、「きのうの昼ごろに自分が薬を飲んで寝てしまい、きょうの朝、目が覚めたら死んでしまっていた」と話している。
     男は地元の中学を卒業後、調理師の専門学校に進学、卒業後は調理や運送関係の仕事を転々としたがいずれも長続きせず、昨年11月頃からこのマンションでベビーシッターを始めていた。
      この男はネットの仲介サイトには5つ以上の偽名を使い分け、ウソだらけの経歴を登録していた。
      他にも子供が顔を腫らし、傷を作って戻って来たというケースがあったとか、1~2時間連絡がとれないこともザラだったとか、以前から相当に問題がある人物だったようだ。
     
      ベビーシッターは、国家資格である保育士資格も行政への届け出も必要なく、誰でも開業できる。 そのためにベビーシッターをインターネットで始める事業者も多く、その実態は国も自治体もほとんど把握していない。
     また、 もともとベビーシッターは子供の自宅へ訪問するのが基本 で、外で預かるのは本来のベビーシッターとは「別物」なのだが、法定資格ではないので、これでも「ベビーシッター」を名乗れてしまう。
     この事件について、19日の日本テレビ系『スッキリ!!』で、コメンテーターのタレントで一児の母である大沢あかねは、こんな発言をした。
    「 私は見ず知らずの人に、その人の自宅で預かってもらうっていうことはまず理解できません。(自分が)ベビーシッターさんに預ける時は、必ず信頼できる人の紹介だったり、そのベビーシッターさんに家に来てもらって、5~6回は必ず私も含めてシッティングしてもらうって形でやってます。
     今回2歳と8か月のお子さんを見ず知らずの…2歳と8か月だったら自分の思いも言葉にできない年齢じゃないですか。それを見ず知らずの人に、しかもその人の家で預かってもらうっていうことはやっぱり理解できません 」
     するとネットでは、こんな非難が殺到したという。
    「あなたがちゃんとした人に預けてるのは、お金があるからだよ」
    「5~6回も自分も一緒にシッティングとかそんな余裕のある母はそうはいないぞ」
    「一般人は芸能人みたいに金持ちじゃないんだから預けるしかない場合もある」
    「あなたのようにちゃんとした配偶者もいて、大金持ちでいくらでも預ける相手を選べる人はそうでしょうよ。どうして持たざる者の視点で考えられないのか」
     他にも、この事件で母親側の落ち度を指摘したら、たちまち炎上という事態が相次いでいるらしい。
     わしも、「ゴー宣道場」ブログ17日付で以下のように書いた。
      信頼を担保するものが何もないベビーシッターをネットで見つけて、我が子を預ける母親がいるとは驚きだ。
     馬鹿と言うしかない。
     誘拐犯だったらどうするのだ?
     変質者だったらどうするのだ?
     あまりにも無責任だ。
     ネットの中の他人を信用してはいけない。
     ネットで知り合って、たとえ和気あいあいと話すようになっても、やはり他人だ。
     実は変質者かもしれない。
     実は殺人鬼かもしれない。
     ネットの中の他人との絆なんか信じてはならない。
     ネットのせいで知人と他人の区別がつかなくなっている。
     まったく恐ろしいことだ。
     大沢あかねより過激だから、文句が来るはずだ。ブログやライジングの読者を始め、ゴー宣道場門弟からも反論があった。
      いずれも、働かなくては子供を育てられないシングルマザー、それも若くて収入も少ない母親には、ネット以外の手段がないというものだった。
     子育て経験のある女性からは、幼い子供はよく突然熱を出すし、発熱した子供は保育所では預かってくれず、助けてくれる身内も近くにいないとなると、本当に途方に暮れるので、ベビーシッターに頼りたくなる気持ちはよくわかるという意見が届いていた。
     ネットで見つけるのがダメなら代替案を出せという意見もあった。
      この人たちはネットがなかったら、どうしていたのだろう?
      子供も含む自分の人生はネットと一蓮托生だと決めているのだろうか?
  • 「『アンネの日記』破損事件と日本の右傾化現象」小林よしのりライジング Vol.78

    2014-03-18 14:00  
    154pt
     東京都内の図書館や書店で『アンネの日記』などユダヤ人迫害関連本が相次いで破られた事件で、小平市の 36歳の無職男性 が逮捕された。
     男は被害に遭った杉並区の図書館の防犯カメラにも映っていた。
    『アンネの日記』を破る事件はここ最近発覚したが、男は約1年間にわたって豊島区や杉並区で、執拗に本を破る行為を続けていたという。
     男は破った本の紙片をポケットに隠し、自転車で移動中に捨てたと供述しており、その供述通りの場所から紙片が見つかっており、容疑はほぼ固まりつつある。 
     池袋ジュンク堂書店内で、男は「アシスタントとゴーストライターは違う」と書いたビラを貼った容疑で逮捕されたのだが、その文面も「アンネの日記」はアンネではなく、父親が書いたというデマがあるので、そのことを意味してるのだろう。
     もちろんこのデマはオランダ国立戦時資料研究所とオランダ国立法科学研究所の筆跡鑑定と文書調査を中心とした科学的な検証によって公式に否定されている。
     男のパソコンにはインターネットの接続履歴が残っておらず、消去して証拠隠滅を図った可能性があるらしい。
      さて、この事件で最も重要なことは、自民党の議員や、自称保守派の言論人や、桜チャンネルなどの極右メディアや、ネット右翼の連中が、事件が報じられると忽ち犯人を「在日」「韓国人」「中国人」の組織的謀略と主張していたことである。
     3月14日の産経新聞1面コラム「産経抄」でも、最近、日韓両国が反日宣伝の文脈で、日本の「 右傾化 」の例として『アンネの日記』等の破損事件を挙げていることについて、「 どこがどうつながるのか 」と書いている。
      いや、つながる可能性が大なのだ。
     容疑者が逮捕される前、韓国のハンギョレ新聞は「 在日特権を許さない会(在特会)などが主導する“嫌韓デモ”のように、日本社会の病的な右傾化現象とどんな関係があるのか興味深い 」と論説、他の韓国メディアも在日韓国・朝鮮人排斥を訴える「ヘイトスピーチ」と結びつけて報道した。
     反日に凝り固まった韓国マスコミなんか評価したくはないが、在特会のことまで、よく観察している。
     これに対して在特会広報局は「 当会の活動と『アンネの日記』など被害に遭った図書とでは何ら思想信条的な関係性はありません。また、本事件といわゆる『嫌韓』の動きはまったく無関係であります 」という声明を発表した。
     声明の中で在特会は「 むしろ、世界中の図書館で日本海や竹島関連の図書を損壊している者たちの犯行と見たほうが、より現実的である 」と言っている。
     つまり、 世界中で反日活動を行なっている韓国人の仕業だと言うのだ。
     しかも在特会自身が、何の確証もなくそんな主張をしているくせに、
    「 確証もなく、安易に犯人を当会関係者と推定したり、動機を当会の活動と結びつけることは厳に慎み、良識ある報道を心がけていただけますようお願い申し上げます 」と平然と言ってのけるのだから、その身勝手さにはあきれ果てる。
     再度詳述して触れるが、この事件が報じられると、在特会の見解と歩調を合わせるかのように、 事件は日本人に反ユダヤ主義の浸透があるかのように見せて、日本の国際的なイメージを貶めようとする中国・韓国の謀略だ などという陰謀論が公然と流布された。
     ネット右翼だけではない。自称保守の評論家やジャーナリスト、極右メディアでも反日謀略説が平然と語られ、中国・韓国の謀略機関の仕業だと「確信する」とまで言った馬鹿もいた。
     片山さつき議員や、中山成彬議員までが、韓国の関与をほのめかせていた。
     勝谷誠彦は、こういうときは誰が一番得するかを考えるべきだと言い、これは支那人の組織だった犯行だと言っていた。
     自称保守の極右連中は、誰も彼もが在特会と同レベルの陰謀論を主張したのだ。
     わしだって中韓の反日宣伝に同調したくはないが、残念ながら『アンネの日記』破損事件と、日本国内での「排外主義」は繋がっている。
      そもそも「犯人は在日、韓国人、中国人だ」と、ただちに主張すること自体が、排外主義ではないか! 
     公に言ってはいけないことがある。関東大震災の直後のように、朝鮮人が井戸に毒を盛ったと言いふらす人間になるか、そのデマを止める人間になるか、それが問われている。
     もう日本の憎韓・反中は病気である。

      そもそも、在特会の主張と反ユダヤ主義は無関係だという在特会広報の声明は大嘘なのである。
      在特会会長の櫻井誠 は昨年、ユダヤ人団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が日本におけるヘイトスピーチを問題視し、在特会を監視するよう主張したことに逆上して「 反ユダヤデモやろうかな 」と表明、イスラエル大使館に抗議文を出し、 ユダヤ人を「中東の朝鮮人」と呼び、敵視と憎悪をエスカレートさせている真最中なのである。
     さらに「 在特会会員・大和真実 」と名乗る人物のツイッター
    https://twitter.com/aikokubakusou
    まとめサイト
    http://matome.naver.jp/odai/2139350819657253801
    には、以下のような発言が氾濫している。
  • 「土下座、おもてなし、へりくだりを考える」小林よしのりライジング Vol.58

    2013-10-15 16:15  
    154pt
    「土下座、おもてなし、へりくだりを考えよう」  「土下座ブーム」だそうだ。
     ドラマ『半沢直樹』の最終回のクライマックス、「100倍返し」達成の土下座シーンは香川照之の演技過剰がほとんどギャグの域に達していたが、46.2%という驚異的な視聴率を記録したという。
     もともと土下座は身分の高い人に対する儀礼であり、謝罪という意味合いはなかったらしい。
    古くは『魏志倭人伝』にまでさかのぼり、「 あるいは蹲(うずくま)り,あるいは跪(ひざまず)き,両手地により恭敬をなす 」と記されているんだそうだ。
     江戸時代の大名行列で平民が土下座していたのも、同じ意味である。もっとも実際には時代劇のように道端に人々が深々と土下座しているということはなく、しゃがむ程度だったらしいが。
     土下座に「謝罪」という意味合いが強くなったのは戦後のことで、NHK『クローズアップ現代』(10月8日)の調べでは、辞書の「土下座」の項に「謝罪」の意味が記されたのは、確認できた限りでは昭和49年(1974)が最初であり、NHKのカメラが土下座による謝罪を写したのは平成8年(1996)、薬害エイズ事件で製薬会社「ミドリ十字」の幹部が被害原告団に対して行なったものが最初だったという。
     奇妙な因縁である。当時わしは「薬害エイズ訴訟を支える会」の代表をやっていて、この時は訴訟の和解を成立させるために製薬会社に「加害責任」を認めさせるべく、大阪のミドリ十字本社前まで行っている。
     ただし人集めに利用されただけで本社の中にも入れなかったので、土下座までさせたというのは後で知り、何とも後味の悪い思いをしたものだ。
     製薬会社にしてみれば、加害責任を認めたという時点で完全に罪を認めたに等しく、その責任は和解条件の中で果たさなければならず、それだけでも十分重いのに、さらにそのうえ土下座を強要され、 その無様な姿を日本中にさらし、家族や社員にも目撃され、ほとんど人間としての尊厳を踏みにじられ、それでも許してもらえずに、その後歴代社長3人が逮捕され、刑事責任を追及されたのである。
     わしはこのことを踏まえて『ゴー宣』で「 心からの謝罪など無意味! 」と描いたこともある。
     ところが21世紀に入ると、何か不祥事があると土下座というシーンを頻繁に見るようになり、「土下座」の価値はどんどん安くなっていった。
     そして今や「 土下座のデフレ・スパイラル 」とでもいうような有様で、必要がなくても客に要求されれば土下座するという事態まで起きている。
      先日は、店員の土下座写真をツイッターに投稿した43歳の女が、強要容疑で逮捕されたという事件があった。
      女は衣料品店で購入した980円のタオルケットに穴が開いていたと抗議に訪れ、返金を求めて受け取った。さらに交通費を要求して拒否され、激怒して店員に土下座を強要したようだ。
     女は勝利宣言のつもりなのか、その写真をわざわざ自分でツイッターに上げ、店員の容姿や名前まで書いたらしい。さらに店員を自宅に呼びつけて、謝罪の念書も書かせている。
     しかしこのツイッターが「炎上」し、この女の氏名や年齢、住所、職業、家族構成、顔写真等々、あらゆる個人情報が調べ上げられてネットにさらされ、ついに逮捕に至ったというわけだ。
     なお「強要罪」とは、相手を脅して義務のないことを無理やりやらせることで、3年以下の懲役になるという。
     この事件がきっかけで、現在の日本社会では「土下座」が日常化しているという実態が各メディアで報じられた。
     テレビの街頭インタビューでは、「土下座を強要された」という体験談が意外なほど多く出てくる。
     「 領収書の宛名の書く位置を間違えたら、お金を投げつけられ『土下座しろ』といわれた 」
     「 職場の管理者をやっていますが、部下の言葉遣いが悪かったということで、客から土下座を強いられた 」
     「 デパートへ勤めていたことがあるので、土下座したことはよくあります。取りあえず謝ろうと 」
      デパートに勤めていれば、土下座はよくあるというのが普通の感覚になっているのが驚きだが、店の側も、謝るのがサービスの一つという風潮があるらしく、これにつけ込んで、クレーマーみたいな人がどんどん増えているようだ。   客という立場を利用して居丈高に無理な要求を押し付け、断られたら罵詈雑言を吐いてもいいというような状況がいま、作られつつある。
     中には土下座を強要された屈辱に耐えきれずに仕事を辞める者や、精神に傷を負う人も出てきている。「人間としての尊厳のある仕事がしたい」という悲痛な声もある。それでもサービス業では「お客様は神様」だと耐え忍んでいるケースが多いようだ。
     「 お客さまは神様です 」
     …というのは歌手の三波春夫が流行らせたフレーズだが、本人がこのフレーズに込めた真意は「 自分は神前で祈るときのように雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な芸が見せられないから、お客様を神様とみて、歌を唄う 」というものだったそうで、三波春夫といえどもマナーの悪い客まで認めていたわけではない。
     それが「クレーマー容認」の言葉のようになっているのは不本意だということで、三波春夫オフィシャルサイトでは本来の意味を説明している。
     http://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html
      しかし実際のところ、「お客様の意向は絶対であり、店の側は客の言うなりにならなければならない」という意味での「お客様は神様」の感覚が日本に蔓延してしまっているのは事実である。
      『AKB48論』 の第7章に 「 消費者は権力者ではない 」 という話を描いている。あれはAKB48の握手会に特有の問題ではなく、この消費社会そのものの問題点だ。
     「 モンスター・ペアレント 」という言葉も流行ったが、 この消費社会そのものが、消費するだけで個人の人格が完成していると思い込む馬鹿を育ててしまった。
  • 「世界の原発風刺画は被災者を侮辱したのか?」小林よしのりライジング Vol.55

    2013-09-24 19:35  
    154pt
    「世界の原発風刺画を断固支持する!」   「漫画に必要なのは、風刺と告発の精神である」  手塚治虫は、そう言った。  特にこの言葉を意識していたわけではないが、わしもデビューして37年、気がついてみれば風刺と告発の漫画ばかり描いてきた。  いよいよ今週・9月26日発売の 『AKB48論』 (幻冬舎)も、ひたすら楽しげにAKB48を紹介しているように見えながら、実は「アイドル」を通して現代人の聖性への感覚や、消費者としての感覚、コミュニケーションや共同性の感覚を浮かび上がらせるように描いている。  これもAKB48を通した現代社会の「風刺と告発」の漫画であって、編集者が考えた帯の文句は 「AKB48から現代の諸問題に照射した画期的日本論」 となっている。  本当に威力のある風刺と告発の漫画を描いたら、それは決して万人受けする作品にはならない。必ず見て不快に思う者がいて、反発を始める。それは、描かれたくないことを描かれたと思った者たちである。  フランスの週刊紙「カナール・アンシェネ」は、2020東京オリンピックと東京電力福島第1原発事故を風刺した漫画を2点掲載した。      防護服を着たレポーターが「フクシマのおかげで相撲が五輪種目になりました」と言っている。そして奥には奇形の力士(?)の姿が。      そしてもう1点は、「五輪のプールはもうフクシマに」というタイトルで、防護服を着た人物が2人プールサイドに立ち、手にした放射線測定器からは警告音が鳴っている。  日本国内では、この風刺画が不快だとして反発が広がっているというが、わしはこれを不快とも思わず反発も感じない。やはりこれも、見たくないもの、言われたくないことを描かれたと思った者が反発しているのだ。  菅義偉官房長官は記者会見で「 東日本大震災の被災者の気持ちを傷つけ、汚染水問題について誤った印象を与える不適切な報道で、大変遺憾だ 」と述べ、在仏日本大使館を通じ、カナール・アンシェネ紙に抗議する意向を示した。そしてこの指示を受け、在仏日本大使館の藤原臨時代理大使が同紙のルイマリ・オロ編集長に電話で抗議したと報じられた。   これは、恥ずかしい!!   菅は、日本政府は誇張やデフォルメが身上である「風刺画」に「不適切な報道」と文句つけるほど、文化に対して無理解・無教養であることを国際的に知らせたのである!   しかもあの漫画の風刺対象は被災者ではない。原発事故を収拾できていない東電や、それなのに五輪を招致して喜んでいる日本政府の方である。   その程度のことも読みとれないほど、日本政府は頭が悪いということも、国際的に知られてしまったのだ!   そして、政府が民間の出版物に対して抗議すれば、当然政府が表現の自由の制限・弾圧を目論んでいると捉えられ、日本はたかがこんな漫画ひとつ表現する自由もない国と思われかねない悪印象まで国際的に広めたのである!  これは国辱的行為である。  カナール・アンシェネ紙の編集長はインタビューに対して「 謝罪するつもりはない 」と明言。 「 日本政府の反応に当惑している。問題の本質は東京電力の(汚染水などの)管理能力のなさにあり、怒りを向けるべき先はそちらだ 」「 風刺画をもう1度見たが、災害の被害者を侮辱するものではないと言える。ただし、日本当局と原発を運営する人たちを侮辱するものではある 」と話している。全くの正論である!  さらに編集長は「 フランスでは悲劇をユーモアによって扱うことができるが、日本ではそうではないようだ 」と言い、紙面でも「 集団ハラキリも考えたが、我々に過ちはないのでやめた 」と皮肉ったという。  気になったのは「 大使館から正式の抗議は来ていない。パリの担当官が、福島がどれだけうまくいっているか説明の電話をかけてきただけ 」と言っていることだ。   どうやら在仏日本大使館は、さすがにこんなことで抗議したら恥をかくと判断したらしく、編集長には一応電話してお茶を濁しておいて、政府には「抗議した」と報告したようだ。  やはり外務官僚は優秀だ。バカは政治家にはなれるが、外交官にはなれないのかもしれない。   本当に日本の国の名誉や尊厳を重んじているなら、安倍政権・菅官房長官をこそ批判しなければならないはずだ。  ところがネトウヨ連中は、風刺画の方を非難している。しかも芸のないことに、言うことが韓国に対するヘイトスピーチと全く同じで、「 死ねよ、フランス人 日本から出て行け、ゴキブリフランス人 」だの、「 このド腐れフランスクズ雑誌が存続できないよう、徹底的に叩きのめせ 」だのといったものばっかりである。  しかしフランスは特に反日というわけではない。パリは2024年のオリンピック招致を目指しているから、2020年がヨーロッパではなく日本で開催されることをむしろ喜んでいるほどだ。  この風刺画は反日で描いたのではなく、 チェルノブイリ事故 を経験したフランス人から見れば、当然の反応にすぎないのである。   チェルノブイリ事故以降、脚や目の数が多い奇形の動物が数多く生まれ、そのショッキングな写真はヨーロッパでは大量に報道されて一般常識になっている。   しかしそういう写真は日本では徹底して封印されたため、その事実を知っている人すらほとんどなく(今ではネットでちょっと探せば見れるが)、両国の感覚の差はあまりにも大きい。  ヨーロッパでは原発事故を風刺する際に腕や足が3本とか、目が3つという描写はごく普通なのだ。逆にこれを見てぎょっとする日本人の方が、現実に目を背けた、平和ボケで「お花畑」の甘すぎる認識だと思った方がいい。  実際、今回話題になったカナール・アンシェネだけではなく、こんな風刺画は山ほどあるのだ。        「ここの水は汚染されてるらしいよ」  「え、何だと?!」   もしもチェルノブイリがあるウクライナで、事故の2年後にオリンピックを招致して浮かれ上がっていたら、どう思っただろうか?   おそらく日本人の多くも「異常だ」と思ったはずだ。   日本の国土面積はウクライナの6割程度しかない。そんな狭い国土にチェルノブイリと同じ「レベル7」の事故を起こした原発を抱え、事故の収束の目途も立たないのにオリンピックを招致して浮かれている日本の現状を異常と見る世界の目は、我々が思っているよりもはるかに多いのだ。  海外の風刺画を見て、少しはそれを自覚した方がいい。      これはフランス、ル・モンドに掲載されたもの。  「 フクシマを忘れるための日本のオリンピック 」と書かれている。       これはドイツの風刺画。防護服を着たオリンピックというネタは、とにかく多い。これらの漫画にも菅官房長官は抗議するのだろうか?  「被災者を傷つけた」という批判に対しカナール・アンシェネ紙の編集長は、そのような意図はないとした一方で、 もしそれで被災者が傷つくのなら、日本での購読者が「51人」しかいない同紙の漫画をわざわざ大々的に日本国内で紹介しなければいいのであって、悪いのは日本のメディアだと言っている。 これまた正論で、反論の余地なしである。
  • 「皇室消滅をもたらす謀反が起こっている」小林よしのりライジング Vol.43

    2013-06-26 00:50  
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     皇位継承問題は、極めて重大な局面に突入している。   以前から「女性宮家創設」を宮内庁長官と前侍従長が共に訴えている以上、これが天皇陛下のご意思であることは明らかだった。  そして男系に固執する自称保守派はそれが決定的に都合の悪いものなので、口を揃えて「陛下のご意思を忖度してはいけない」などと頓珍漢なことを言っていた。  ところがいつの間にやら最近の女性週刊誌等では、女性宮家創設が天皇陛下のご希望であることを当然の前提として書いている。「週刊新潮」も「 女性宮家の創設は両陛下の強いご意向 」と宮内庁の風岡長官が安倍首相に伝えたと報じた。  宮内庁は週刊新潮が報じた風岡長官の発言について「事実無根」と抗議しているが、それは当然である。憲法の制約で皇位継承問題が国会案件とされ、天皇陛下がご意見できないことになっている以上、宮内庁長官が「両陛下の強いご意向」とストレートに言うわけがなく、こんな記事が出たら「事実無根」と言うしかない。  だがそれは「女性宮家創設は陛下のご意思ではない」ということを意味するものではない。風岡長官はストレートな表現は決してしないが、聞けば誰でも「陛下のご意思」と推察できるような官僚一流の言い回しをしたはずである。わしには100%の確信がある。  今や尊皇心のある国民には 「女性宮家創設は両陛下の強いご意向」 という暗黙の了解が進んできた。そしてこれに焦った男系固執派の人物が、無知な一部週刊誌を騙して異常な世論操作を進めている。  その第一弾が週刊新潮6月20日号の「 『雅子妃』不適格で『悠仁親王』即位への道 」という、巻頭7ページにも及ぶ極悪記事だ。  宮内庁が皇室典範改正を安倍内閣に申し入れており、その内容は、皇太子殿下がご即位後、比較的早い時期に退位し、継承順位第2位の秋篠宮殿下も即位を辞退、悠仁親王殿下が即位できるようにするものだというのだ。   これは、雅子妃殿下が皇后になるには「不適格」なので、一足飛びに悠仁さまを天皇にしようというプランであり、しかも天皇陛下はじめ皇太子殿下や秋篠宮殿下もご了承しているとまで、その記事は書いている。   絶対に、ありえない。  本当にこのプラン通り、 本人の意思で「退位」や「即位の辞退」が認められる制度になったら、もし悠仁さまが「即位を辞退する」と言ってしまえばもうオシマイ、日本から天皇が消滅してしまう!!   天皇の存在を極めて不安定にしてしまうようなバカげたプランを宮内庁が提案し、天皇陛下はじめ皇族方が賛成されるなんてことは、1万%ありえないのである!   このヨタ記事には案の定、宮内庁が内閣官房と連名で、文書で正式に「事実無根」として厳重抗議し、訂正を要請した。  風岡宮内庁長官は「 このようなことは一切なく、強い憤りを感じている 」とまで表明し、菅官房長官も「 皇位継承という極めて重要なことがらで国民に重大な誤解を与える恐れがあり、極めて遺憾 」としている。  記事で「提案した」とされた側と「提案を受けた」とされた側の双方が揃って否定したのだから、よほどの証拠を出さない限りデマ確定である。  ところが週刊新潮は翌週6月27日号で、抗議を完全に無視し、記事が真実であるという証明も一切しないまま、前週のヨタ記事の内容をあたかも既成事実のように繰り返す「続報」を載せた。新たな証明がない時点でデマ確定なのに、無視して居直るのだから悪辣この上ない。  一方「週刊ポスト」6月28日号には「 宮内庁内でも議論噴出!『秋篠宮を摂政に』は是か非か 」なる記事が載った。  将来、皇太子殿下が天皇になられる際、皇后となる雅子妃の公務負担を軽減するため、 秋篠宮殿下に摂政に就任していただくべきとする意見が「宮内庁内部や一部の宮家関係者」などの間で出ているというのだ。   これも、絶対にありえない。   これは「 摂政 」とは何なのかを全く知らない不見識者の暴論としか言いようがない。  古代、推古天皇の補佐のために聖徳太子が摂政になったとされるが、それはここで問題となる皇室典範に定められた摂政とは異なる。   摂政とは、天皇陛下が未成年か、もしくは憲法に定められた天皇の国事行為を行えないような心身の状態が長く続く場合に限って置かれる、天皇の代行のことである。  わかりやすい例では、 大正天皇のご病気が重篤になられた際に、皇太子(後の昭和天皇)が摂政に立たれている。   天皇に成り代わり、天皇の役割をほぼ100%代行するのが摂政であり、天皇が健康なのに、皇后が病気だからその負担軽減のために摂政を置くなんてことは絶対にないのだ。  ところがこの記事中で、こんな愚にもつかない意見に対して「いま考えられる最も現実的な選択肢だ」と大賛成のコメントをしている無知な知識人がいる。「神武天皇のY染色体」の信仰を広めた宣教師、八木秀次だ。  八木は秋篠宮・同妃両殿下が海外をご訪問する際も「摂政宮とその妃という立場ならば重みが生まれ」るなんて発言をしているが、 摂政とは「箔をつける」程度のために立てられるものではない!  繰り返すが、摂政を立てるのは、その時の天皇が天皇の役割を果たせない場合に限られる。 皇 太子殿下が天皇に即位したら摂政を立てようというのは、皇太子殿下には天皇の役割を果たす能力がないと言っているのと全く同じであり、これほど不敬な発言はないのである!!  新潮の記事もポストの記事も、皇太子殿下を完全に蔑ろにしているという点で共通している。   皇太子殿下が次代の天皇になられても、ご在位を短期に終わらせるか、形骸化させようと意図しているのである。  高森明勅氏は、これを「 皇位の尊厳に挑む、まさに万死に値する『謀反』 」と断じている。   以前から「天皇陛下のご学友」による「廃太子論」とか、山折哲雄の「退位」勧告とか、その他自称保守・自称尊皇の言論人による「皇太子バッシング」が続いているが、これらもその一環である。   「皇太子バッシング」をやっている者たちは、要するに「 自分は皇太子よりも秋篠宮の方が好きだから、秋篠宮を天皇にしたい 」と言いたいのだ。 自分の好き嫌いで皇位継承者までも決められると思い込んでいる、「国民主権病」の極致である。  今回の週刊新潮のヨタ記事に書かれたような皇室典範改正がもし実現し、本人のご意思で退位や即位辞退が可能になったら、皇太子殿下に「即位辞退」を求める署名活動やデモが起こりかねない。あるいは「皇太子派」と「秋篠宮派」に国民が分断され、激しい対立が起こることだってありうる。  大衆は常に無責任で、小泉構造改革を熱烈に支持した者が、次に民主党への政権交代を支持し、その次に安倍政権を支持し、どんどん社会を不安定にしてしまう。   天皇はそんなポピュリズムを超越した権威を持っていることに決定的な意味がある。これは社会を安定化させ、民主主義の暴走を抑止する、伝統に育まれた大切な智慧なのだ。   ところが今や、保守を自称する者が天皇を自分の好みで決めたいと主張し、天皇の存在までポピュリズムにさらして、歴史に培われた天皇の存在意義を破壊しようとしているのである!  しかも今回は秋篠宮殿下も飛び越して、一気に悠仁親王殿下を即位させようというのだ。わしはそこにもう一つの魂胆を感じる。
  • 「AKB48の『本気(マジ)』を崩壊させたもの」小林よしのりライジング Vol.41

    2013-06-11 22:40  
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     わしは 指原莉乃 のアンチを自認している。  だがなかなか信じてもらえなくて、中森明夫はわしのアンチを「 饅頭こわい 」だと言う。  秘書から聞いたが、小林よしのりは本当は指原が好きなんだと、一部ネット住民も言ってるらしい。  フジテレビの特番で、指原に「ばかやろー」発言をしても、まだ指原との絡みが微笑ましいと言ってる者がいる。  その一方で、アイドルに「ばかやろー」とは何ごとだと怒ってる指原のヲタもいるという。  笑ったのは「 地上波で女の子に暴言を吐いたからもう小林は終わりだ 」とか、「 他局の番組名を出すほど、頭に血が上っていたのか 」などと非難してるネット住民もいるらしい。   申し訳ないが、わしは「テレビの世間」や「新聞の世間」や「ネットの世間」を気にして発言するようなへタレではない!  普段、テレビを目の敵にして、ネットこそが規制のかからない真のメディアだと言っているネット住民が、「 テレビの世間・空気を読めない小林よしのりは終わった 」と非難してるのは滑稽だ。   わしはテレビだろうが、ネットだろうが、本音を言う!   世間の非難など気にしないし、悪人上等である!  フジテレビの特番のコメントのために、会場に居残りさせられている間、小さなモニターでテレビの様子を見ると、どうやらスタジオでは 総選挙の会場に漂う白けた空気を無視して、「 これはお祭りですからね 」という合意形成が行われ、「 おめでとう 」を連発している様子が伝わってきた。  やっと司会者から、会場でぼけ~~~~っと待たされているAKB評論家の面々(わしってそんな変な肩書じゃないけど)に声がかかり、各人が建て前の祝福コメントの態度を崩さず、テレビの世間体に合わせて発言している。  そんなおためごかしを、ぶち壊してやりたくなるのが、わしの性分なのだ。  そして実際に、指原莉乃の謙虚ぶる態度の中にも、嘘が潜んでいることをわしは見抜いていた。  だからわしの不満表明に対して、指原の「 1位は1位なんですいません 」の本音の反論が出現したのだ。  「 1位は1位なんですいません 」という言葉に、どんな本音が隠されているのか?
  • 「いよいよ投票開始!AKB48選抜総選挙☆ゴーマン予想☆」小林よしのりライジング号外

    2013-05-21 09:30  
     現在発売中の 「AKB48総選挙 公式ガイドブック2013」 に、わしの予想表が掲載されているが、残念ながら上位陣のコメントしか載ってない。  33位以下のコメントは載ってなかったので、ここに全コメントを公表することにした。  そろそろNMB・SKE・HKTなどの支店が、本店AKBを脅かす時代が来るべきであり、 渡辺美優紀 と 山本彩 は、3位・4位まで上がって来るべきである。  大阪の人間はケチっぽいから、全国のファンが頑張って入れてほしい。   市川美織 が15位まで上がることはなかろうが、疑似恋愛の対象ばかりに投票するようでは、モテない男の性欲クサさが鼻について、つまらん。  周囲の空気に対して独特の違和感を発散する みおりん が、実は絶え間なく努力を積み重ね、滑舌も良くなって、演技力も増してきて、成長しているということを評価せねばならない。   宮脇咲良 は去年、圏内に入ったが、今年は 兒玉遥 を絶対に入れるべきであり、二人とも飛躍的に伸ばしてやるべきなのだ。  福岡・九州方面のファンはカネ持ってなさそうで心配だ。全国のファンが大量に投票してやってほしい。  それでは全予想順位と、コメントを発表する。
    1位   渡辺麻友  劇場で見て、慈愛に満ちた笑顔の美しさに圧倒され、センターに相応しい実力を持ってることを確信。全メンバーで最も華やかであり、子供の人気も凄い。ヲタ限定ではなく、お茶の間に入り込むメジャー感がある。 2位   大島優子  まゆゆか優子かの葛藤は苦しすぎる。まゆゆに希望を持たせるために優子を2位にしたが、優子センターで再度「ヘビーローテーション」級のヒットを見たいという思いもあるのだ。 3位   渡辺美優紀  「南天のど飴ちゃんやで」の大衆に愛されるキャラと、内面に燃える闘争心、地頭の良さがある。人懐っこい笑顔は人々の警戒心を解き、毛羽立った心を癒してくれる。 4位   山本彩  少しハスキーな声質の良さが大好きだ。目力のある美人、優子にも似た男っぽいダンスと、内面のナイーブさのギャップが萌える。ソロCDを出したら絶対買いたいシンガータイプの子だ! 5位   松井珠理奈  大物の風格があり、美人度も飛躍的に増した。頭の良さも好きだ。このパワフルさは目が離せない。 6位   篠田麻里子  卒業させたくない!AKBのブランドを高めるカッコいい女。 7位   高橋みなみ  責任感の重圧に耐える、けなげな女が萌える。ソロデビュー曲も最高に良かった!毎日繰り返し聞いている。 8位   宮澤佐江  人格の素晴らしさ、明るさ、イケメン、ステキな女性だ。実はわしが佐江ちゃんを好きになった理由は、今描いている『AKB48論』で明らかになる。 9位   小嶋陽菜  卒業させたくない!AKBの誇りである超美人。これで馬鹿だから可愛い。 10位   横山由依  媚びを売るのがヘタで、誠実さやデリカシーを感じる努力家。嫁さんにしたい女だ。 11位   板野友美  わしがAKBに入門できたのは、ともちんの可愛さのおかげでもある。テンション抑え気味のクールさも、声質もいい。 12位   柏木由紀  清純派を卒業して、色っぽさで勝負できる雰囲気になった。ソロの楽曲ももう少し背伸びしたものが聞きたい。ただし、とろろを食う動画はダメ! 13位   松井玲奈  日本的美人の典型。ギンガムチェックみたいなものではなく、美しい幽霊を見たい。わしは写真集も買ったのだから、当然期待している。 14位   梅田彩佳  都会的なカッコイイ美人で、ダンスもカッコイイ。彼女にしてデートしたら楽しいだろう。 15位   市川美織  保護本能を掻き立てるピュアさは№1だ。「千本桜」の演技も良かった。ダンスも入り込んで踊っているし、存在がいつも特殊で、コメディエンヌの素質がある。メロンパンばっかり食ってる生真面目さが泣けてくる。守ってあげたい! 16位   指原莉乃  もうスキャンダルの反省など一切していない。ネタとしか思ってない。HKTの成功で益々調子に乗って危なっかしい。最大の危険人物だ。選抜に入れてやったことを有り難く思え!
  • 「安倍晋三は『東京裁判はリンチだ』と主張できるのか?」小林よしのりライジング Vol.37

    2013-05-14 21:00  
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      韓国 の 朴槿惠大統領 は5月8日、米国上下両院合同会議で演説を行い、歴史認識に関して、名指しはしなかったが明らかに日本を念頭に置いて「 過去を誠実に認めなければ明日はない 」と非難した。  ネトウヨや自称保守論壇はもちろんこれに憤慨し、批判を強めている。   米議会調査局 は、安倍首相の歴史認識を「 帝国主義日本の侵略やアジアの犠牲を否定する歴史修正主義にくみしている 」とする公式報告書を提出、米有力紙にも安倍首相の歴史認識を批判する社説が相次いでいる。  ネトウヨや自称保守論壇は、なぜかこれには見て見ぬふりをしている。アメリカには逆らえない「親米ポチ」、へタレの腰抜けだからだ。  彼らは、日米韓の関係がどうなっているのかという現実を一切見ようとしない。  安倍首相は訪米してもオバマ大統領との共同記者会見さえさせてもらえず、散々な冷遇だったのに対し、 朴大統領は米国議会で演説という、破格の厚遇を受けている。  米国政府や議会に対するロビー活動で日本は韓国に負けまくっており、すでに米国と韓国が結託して日本を敵視しているのだ。  しかしネトウヨ・自称保守はその事実を直視できない、したくないのである!  先日テレビで、米国議員への韓国のロビー活動について放送していたが、ロビイストが「慰安婦問題」について説明したら、 米国議員のほうが「慰安婦(comfort women)」という言葉は嫌いだ、あれは「 性奴隷(sex slaves) 」だと言っていた。  米国議員がリップサービスでそう言うほど国際的には「性奴隷」という認識が定着し、「慰安婦」という言葉も許されない状態になってしまっているのだ。  もちろんそんな状況を招いたのは、第一次政権時代の 安倍晋三 だということは、改めて強調しておく。  案の定、今回も安倍はあっさり折れ、5月8日の参院予算委では「 我々は、日本が多大な被害を引き起こし、アジアの人々を苦しめたとの、過去の内閣と同じ認識を共有しております 」と、完全に 村山談話 のラインまで後退してしまった。  同時に安倍は「 侵略の定義は、いわゆる学問的なフィールド(分野)で多様な議論があり、決まったものはない 」とも発言した。  ところがこれすら米国から「懸念」を示され、岸田外相が改めて「 安倍内閣としては歴代内閣の立場を引き継ぐ 」と表明する破目になった。  「侵略の定義はない」ということ自体は、「学問的なフィールド」では正しい。  「慰安婦の強制連行はなかった」も「学問的なフィールド」では正しい。  しかし学問的な正当性を争えるのは、日本国内における議論だけである。   これが「国際政治のフィールド」に出されると、問答無用で「日本は侵略をした!」「慰安婦は性奴隷!」とされてしまうのである。   「国際政治のフィールド」では、「学問的なフィールド」とは全く違う戦い方をしなければならないのに、日本の自称保守は全然それが分かっていない。   安倍晋三に至っては政治家のくせに、「国際政治のフィールド」で「学問的なフィールド」の戦い方が通用すると思っている。  以前「ライジングVol.17」で指摘したが、米国で慰安婦が「性奴隷」として定着してしまう際、安倍のブッシュへの謝罪に加えて決定的な役割を果たしたのが、 日本の自称保守知識人たちがワシントン・ポストに載せた「強制連行はなかった」の一面意見広告である。  これも、「強制連行の有無」の論争が行われていたのは日本国内の論壇だけで、国際政治上では全然違う戦いが行われていることに気づかなかったために起きたのだ。   自称保守派はこの致命的なミスを未だに自覚せず、国内でしか通用しない議論が国際政治の場でも通じると今でも思い込んでいる。  これを東郷和彦氏は「ガラパゴス化」と表現したのだが、ガラパゴス化とは本来、独自の環境で独自の「進化」を遂げることであり、ガラパゴス諸島の美しいイメージ共々、自称保守派の愚かさの形容にはやはりふさわしくない。  自称保守派は単に「 井の中の蛙 」の「 内弁慶 」であり、「進化」も何もあったものではない。  あえてイメージするならば「 下水道の白いワニ 」だろう。ペットの仔ワニが下水道に捨てられ、一切日に当たらないためまっ白になりながら、暖かく栄養豊富な下水の中で巨大に成長しているという都市伝説だ。  外界に出たらたちまち死んでしまうような存在でありながら、引きこもった世界の中だけで吠えまくり、ウヨウヨ徘徊している白いワニの群れ! それこそがネトウヨや自称保守派のイメージにふさわしい。   断言するが、安倍晋三に「 戦後レジームからの脱却 」は絶対できない。  「戦後レジームからの脱却」とは、すなわち米国を始めとする第二次大戦の戦勝国との対決であり、それは「親米」の政治家には無理に決まっているからである。   戦後レジームの原点は「日本は敗戦国」「日本は侵略国」「日本は悪の枢軸国」という認識である。   東京裁判が作り上げた「 中国・韓国は、悪の日本帝国主義による犠牲者であり、これを正義のアメリカが打倒した 」というストーリーを覆さない限り、戦後レジームは変えられないのだ。