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記事 3件
  • 「宗教とブラック企業、信頼を破壊するものとは?」小林よしのりライジング Vol.213

    2017-02-22 12:15  
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     女優の清水富美加が、突如すべての仕事を放り出して宗教団体「幸福の科学」に出家してしまい、大騒動になっている。
    「幸福の科学」は清水の所属事務所・レプロエンタテインメントを「ブラック企業」扱いして対決姿勢を露わにしており、週刊文春の取材にも 「自殺事件のあった電通のような体質があるのではないか。悪質なものを事務所に感じました」 と言っている。
     教団広報の主張は、以下のようなものだ。
    ・ 仮面ライダーシリーズに出演中、睡眠時間3時間で1カ月31日働いても月給5万円、ボーナスは支給されなかった。
    ・性的対象にされるのが嫌で拒否していた水着の仕事を無理やりやらされた。
    ・教義に反する「人肉を食べる」シーンのある映画に出演させられた。
     教団広報は記者会見では、こうレプロを非難している。
    「はっきり言って、芸能界にしばしば見られる奴隷契約、そうした雇用、就労関係があったのが大きな点だと思っている」
    「何人も思想の自由、幸福追求の権利が保障され、苦役が禁止されていることは、日本国憲法に保証されている。過密なスケジュール、本人が望まないキャラクター、人を食べる仕事も含まれております。事務所の仕事の振り方が不適切だったのではと思っています」
     だが、レプロ側の言い分は全く異なる。
     同社の本間憲代表取締役社長は、週刊文春の取材にこう話している。
    「五万円という数字がことさらクローズアップされていますが、それ以外の交通費や合宿所の家賃、食事代やレッスン代もすべて会社が負担しています。月五万円の現金支給はお小遣いの側面が大きい。十代の子供にとっては大金です。弊社は所属タレントの教育に強いこだわりを持っています。清水もそうでしたが、まだ中学生くらいの小さなお子さんを預かるわけです。過分なお金をそのくらいの子に持たせるのはトラブルのもとであり、ハングリー精神もなくなってしまう。まだ駆け出しの時代にマネジャーによる送迎はせず電車で通わせるのは、そういう教育理念からです」
     水着の仕事については、週刊文春がこんなレプロ関係者の証言を載せている。
    「もともと前に出たいという子でしたし、最初のオーディションでも彼女は水着審査を勝ち上がったのです。マネジャーにも『売れたい!』と言って、とても前向きに頑張っていました」
     人肉を口にする場面にしても、週刊新潮はこう書いている。
    「関係者への取材を進めると、本人は撮影そのものや映画のプロモーションに関しても、非常に前向きな言動であったということで一貫している。例えば、制作スタッフの一人によれば、イミテーションの腕の切れ端を持ってふざけるなど、撮影を楽しんでいる様子がロケの合間に目撃されていたという」
     だがこれも教団側に言わせれば、「仕事を断ると“干される”という恐怖」のために、「良心や思想信条にかなわない仕事」でも喜んでやっているかのように見せかけていた、ということになってしまうのだ。
     仮面ライダーに出ていた頃の月5万円というのは、まだまだ駆け出しの頃のことで、それはどんなタレントでも同じだそうだ。売れた今では、随分前から車の送迎もついているし、世田谷のマンション込みで年に1000万円以上、他に脱毛エステ代や飲食費などはすべて会社が負担していると、関係者が週刊新潮の取材に答えている。
     芸能事務所は、タレントに先行投資をするものだ。事務所は、タレントが売れるようにと赤字を背負ってでも育てる。その代わりタレントは、売れたら必ず事務所に恩返しをする。そんな信頼関係がなければ、リスクを背負って先行投資などできない。
     レプロでは能年玲奈が独立問題でトラブルになり、本名で芸能活動ができなくなって「のん」に改名し、今も仕事が制限された状態にあるが、これは能年側が世間知らずで、事務所がまだ投資を回収していないのに独立してしまったからだろう。
     清水富美加は、担当して5年になるチーフマネジャーとは姉妹のように仲が良く、二人三脚で仕事に打ち込んでいたという。
     仕事に関しても「マネジャーさんがいいと思うなら、私もいい」と言って全幅の信頼を寄せ、「本当の親以上に親のような存在です」と話していたこともあったという。
     また、レプロに対しても「私、事務所を今の場所からもっと大きなビルに移転させることができるくらい頑張ります」と言っていたという。
     清水とレプロの間には、しっかりした信頼関係があったはずなのだ。
     一方、カルトや一部の新宗教が特定の人物を教団に引き込もうとする際には、まずその人物の家族や共同体における信頼関係の破壊工作を行うものだ。
  • 「『自国第一』は当たり前、グローバリズムもアメリカ第一だった」小林よしのりライジング Vol.210

    2017-01-31 18:25  
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     アパホテルが客室に南京大虐殺を否定する本を置いているということで騒ぎになり、中国政府は自国内の旅行業者に、アパホテルの利用中止や広告の撤去を要求、観光客にも利用しないよう呼びかけた。
     その本は、ホテルを運営するアパグループの代表・元谷外志雄がペンネームで書いた社会時評エッセイ集で、南京大虐殺を否定する論拠は、わしが『戦争論』で挙げた論拠と同じものが多い。
     だが一方で、同書は支那事変の拡大要因となった様々な事件を全て「コミンテルン(ソビエト共産党の国際組織)の陰謀」としている。
     ただし、わしは「コミンテルン陰謀説」を採ってないから、この点は強調しておく。
     どうやら昨今の自称保守・ネトウヨ界隈では、支那事変も大東亜戦争も、なんでもかんでも「コミンテルンの陰謀」にしてしまうトンデモ歴史観が「正史」として定着してしまっているようで、その知性の劣化は留まるところを知らない。
     とはいえ、たとえアパホテルの南京大虐殺否定論が、「コミンテルン陰謀説」に基づくトンデモレベルのものだったとしても、それに対して中国政府にとやかく言われる筋合いは全くない。
      なぜなら、中国は「日本陰謀説」に基づくデタラメな反日映画・反日ドラマを作りまくり、全国で年がら年中上映・放送しているからだ。
      言わば、中国全土がアパホテルなのである!
      中国政府が国民に「アパホテルを使うな」と言うのなら、日本政府は「中国に観光に行くな」「中国に投資するな」と日本国民に言うべきなのである。
    「自国ファースト」で考えれば、当然そうなる。
     どの国だって「自国ファースト」で考えてるはずなのに、日本だけが「他国ファースト」でモノを考えるから異常なのだ。
     トランプが「アメリカファースト」を掲げてトヨタのメキシコ工場を批判し、アメリカで売る車はアメリカで作れ、アメリカ人の雇用を増やせ、メキシコで作るのなら高い関税をかけるぞと言ったら、トヨタはすぐさま今後5年間で100億ドル(約1兆1000億円)以上をアメリカに投資すると表明。
     その第一弾として、ペンス副大統領の地元であるインディアナ州の工場におよそ6億ドル(約700億円)を投資し、新たに400人を雇用すると発表した。
     これに対して、日本国内でトヨタに同情する声が上がっていることが理解できない。ここは批判の声が上がらなければおかしいだろう。
     なぜトヨタはアメリカの雇用ばかり創出しようとしているのか?
      そんな巨額を投じる体力があるのなら、なぜ日本に工場を作り、日本で関連中小零細企業の従業員までをみんな正社員にして、給料を上げていくような投資をしないのか?
     なぜトヨタは「日本ファースト」で考えないのか?
     何となく、トランプが急に「アメリカファースト」を言い始めたかのようなイメージがあるが、本当は、アメリカはいつだって「アメリカファースト」である。
      そもそも「グローバリズム」も「アメリカファースト」の戦略だ。
  • 「【バングラデシュ事件】ついに日露・大東亜戦争の遺産は食い潰された」小林よしのりライジング Vol.184

    2016-07-12 15:40  
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     バングラデシュの首都ダッカのレストランを過激派組織「イスラム国」のテロリストが襲撃し、日本人7人、イタリア人9人を含む民間人20人を殺害するという大事件が起きた。
     この事件が、大の親日国であったバングラデシュで起きたという意味を、我々はもっと深刻に捉えなければいけない。
     バングラデシュの国旗は緑の地に赤い円というデザインで、日の丸によく似ている。
     
     バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は2014年5月に来日した際の講演でこの国旗について、父親で初代大統領などを務めたシェイク・ムブジル・ラフマンが、1972年の国旗制定時に「日本に魅せられ、日の丸のデザインを取り入れた」ものだと語っている。
     パラオの国旗も青地に黄色の円で日の丸に似ており、元高千穂商科大学教授の故・名越二荒之助(なごし・ふたらのすけ)氏は、講演で日の丸とバングラデシュ、パラオの国旗を「日の丸『三兄弟』」と称し、他の親日国の国旗と併せて次々と広げるパフォーマンスをやっていた。

    (『日本統治論』わしズム2005秋号『ゴー宣EXTRAパトリなきナショナリズム』に収録)
     その名越氏はバングラデシュの国旗について、著書にこう記している。
     私が駐日大使館に国旗の意味を訊ねたら、広報担当官が流暢な日本語で「日本への憧れですよ」と言下に答えた。私が「それは外交辞令ではないか。独立国らしく答えて貰いたい」と言うと、「私の国では国旗の意味を特定していない。解釈は自由なのだ」という。そして、「バングラデシュというのは、“ベンガルの国”という意味である。そのベンガルに世界に誇るべき偉人が三人いる。一人はアジア人で最初にノーベル文学賞を貰った詩聖タゴール(岡倉天心と親交あり、数回来日している)であり、続いてインド独立に命をかけたチャンドラ・ボース、そして極東裁判で正論を貫いたラダビノッド・パル判事だ。この三人はいづれも日本と深い関係にある」と答える。
     同じ解釈をするのは大使館員だけではない。独立した時に日本は早川崇国会議員を団長に、バングラデシュを訪問したことがある。その時建国の父といわれるシェイク・ムジブル・ラーマン首相が、訪問団に同じ趣旨のことを述べたという。このことは同行した田中正明氏の証言でもある。
    (『世界に開かれた昭和の戦争記念館4 大東亜戦争その後』展転社)
     少々話がそれるが、パラオの国旗についても触れておきたい。