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記事 1件
  • 「EU離脱の国民投票の結果は天の配剤である」小林よしのりライジング Vol.183

    2016-07-05 20:15  
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     どこもかしこも、イギリスのEU離脱を非難する論調一色になっている。
     曰く、イギリス人は誰もまさか国民投票で離脱派が勝つとは思いもせず、面白半分で離脱に投票した人たちがいて、みんな後悔している。
     曰く、離脱が決まってからネットの「EUとは?」の検索が飛躍的に伸びた。
     曰く、離脱派は離脱が決まったら公約を撤回し始めた。
     曰く、国民投票のやり直しを求めるオンライン署名が400万を突破した…。
     中には、今後の日本経済にも深刻な影響が及ぶ可能性があると脅す者もいる。例えば6月30日「我々の年金にも影響が…英EU離脱でリーマン級危機!?」と題して放送した、テレビ朝日・羽鳥慎一モーニングショーの「そもそも総研」である。
     同番組では、最悪の場合EU解体によって日本のGDPが2~3%マイナスとなり、平均株価9000円台の可能性もあるといい、そして、株価が下がれば年金積立金の運用にも大幅な損失が出て、大打撃を受けると煽っていた。
      だが、そもそも株価が下がって打撃を受けるのは、EUに進出しているグローバル企業だろう。 それは一般国民の生活にそんなに影響することだろうか?
      日本に中小企業は385万社もあり、日本の全企業数の99.7%を占める。
     だが中小企業庁によれば、下請け企業は製造業で約4万9千社、サービス業で約5万9千社だという。
     ということは、 残りの374万余の中小企業は下請けではなく、グローバル企業の影響を受けてはいないわけだ。 これらの企業が内需で頑張っていけば、EUがどうなろうと、我々庶民の生活には何の影響もない。
      そもそも日本の輸出依存度は11.4%にすぎず、日本は内需で成り立っている国である。それなのに、国の政策がグローバル企業優先になっているのがおかしいのだ。
     また年金の問題は一昨年、安倍政権が株価押し上げと円安促進のために、独立法人GPIFによる年金積立金の運用を、株式に重点をおくように変更したことがそもそもの間違いである
     これについては当時から、年金は確実な運用をするのが当然であって、バクチにぶっ込むなんてもってのほかだと、ゴー宣道場のブログでも再三指摘してきた。
      年金が打撃を受けたなら、それは年金積立金を株に注ぎこんだ安倍政権の責任であって、イギリスのEU離脱のせいに転嫁してはいけない。
     これでは「そもそも総研」も安倍政権に媚び、スポンサーのグローバル企業に媚びているのかと疑念を持ってしまう。
     誰も彼もが、EUは理想であり、成功しなければならないものなのだということを前提にして話をしている。
      だがわしは、ずっと以前からEUは「バベルの塔」だと言い、EUはいずれ崩壊するだろうと言ってきた。
      歴史も文化も経済力もそれぞれに全く異なる国々を、単一の経済共同圏に統合しようという極めて人工的・設計主義的な試みには完全に無理があり、こんなものは破綻するに決まっているのだ。
     今度も予言は当たると、わしは確信している。
     だから、今からEU崩壊に備えて対策を打っておかなければ危ないと警告しているのだ。
      フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッドが言っているように、EUの正体は「ドイツ帝国」である。