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記事 2件
  • 「特報!〈mRNAは数日で分解される〉はウソだった」小林よしのりライジング Vol.426

    2022-02-15 19:25  
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     mRNAワクチン接種推進派は、「体内に入ったmRNAは数日で分解される」として、「だから心配ありません、みなさん接種しましょう」と言い続けてきた。
     ところが、全世界で103億回、42.3億人に2回以上の接種が行われた今、続々と「新しい結果」が発表されている。
     今年1月24日、米国スタンフォード大学病理学教室などの研究者によって、科学誌『Cell』に発表された論文によると(Cell Press)、 ヒトの体内に接種されたスパイク抗原とmRNAは、ワクチン接種後数週間、リンパ節の胚中心に残存している という。
    「胚中心」とは、免疫反応が起きる際に、脾臓やリンパ節などの免疫組織につくられる微小な構造のことで、抗体づくりを担当するB細胞が、増殖したり成長したりする場所だ。
     この研究は、感染者とワクチン接種者のリンパ節を分析し、抗体などがどうなっているのかを血清学的に調査したものである。
     一連の調査報告のなかに、「mRNAワクチン接種後のリンパ節胚中心における、 ワクチンmRNAの検出と、リンパ節胚中心および血液中のスパイク抗原の検出の長期化 について」という項目がある。専門用語を省略し、かみ砕いて内容を要約する。
     ワクチン接種後のmRNAやスパイク抗原、SARS-CoV-2感染後のウイルス抗原の生体内分布、量、持続性は不完全に理解されているが、免疫反応の主要な決定要因であると考えられる。
     2回目のワクチン接種から7~60日後に採取した、接種と同じ側の腋のリンパ節の生体検査で、mRNAの検出を行った。
      ワクチン接種後7、16、37日目のリンパ節の胚中心に集まったワクチンmRNAは、60日目にも、低いがまだ評価できる特異シグナルを検出した (下図)。胚中心の外には、ごくまれにワクチンmRNAの病巣が見られる程度だった。

     
    ※画像中の太字は泉美が補足
     ワクチン未接種者とCOVID-19感染患者については、この検出検査の結果は、陰性であった。
     mRNAワクチン接種者のリンパ節の検査では、スパイク抗原の反応には個人差があったが、2回目接種後16日目に胚中心に豊富なスパイクタンパクを示し、2回目接種後60日目でもスパイク抗原が存在した。スパイク抗原は、胚中心細胞の周囲に網目状に局在していた。
     COVID-19感染患者のリンパ節は、スパイク抗原の量は少なかったが、まれに胚中心が陽性反応を示した。(泉美要約)
    「mRNAは数日で分解される」という推進派の定説は大ウソ で、少なくとも2回目接種後の7、16、37日目まで、脇下のリンパ節でしっかり検出されており、さらに60日目でも、低レベルだが検出されている のだ。
     気持ちが悪いのは、自然にコロナに感染した患者については、このような現象がほとんど起きないということである。
  • 「『特定秘密保護法』を安倍晋三は読めるのか?」小林よしのりライジング Vol.65

    2013-12-10 12:40  
    157pt
    「特定秘密保護法」 は12月6日の参院本会議で可決、成立してしまった。
     安倍政権が何が何でも今国会で成立させようと急いだのは、よく指摘されたとおり、法案の内容がこれ以上国民に知られることを怖れたからだ。反対の世論の拡大を怖れて、一気に片づけてしまった。
     そこには国民はバカであるという「愚民思想」が隠されている。
     そもそも1年前の衆院選でも、今年7月の参院選でも、自民党は 「特定秘密保護法」 など選挙公約として一切挙げてもいなかった。
     それを最優先に、反対を振り切って成立させてしまうこと自体、「白紙委任状」を渡されたとでも思い込んでいるかのような横暴である。
     法律成立まで、産経新聞は報道・言論機関の使命をかなぐり捨てて、秘密保護法賛成の提灯記事を載せまくった。
     一例を挙げると、12月5日付記事では、阿比留瑠比記者が 「特定秘密保護法案」 に反対するメディアを扇情的と決めつけ、菅直人政権時から国民の「知る権利」と民主主義の危機は訪れていたじゃないかと居直っていた。
     確かに平成22年(2010)、尖閣諸島の中国漁船衝突事件のビデオを隠蔽しようとしたのは民主党の菅直人政権であり、このとき国民の「知る権利」と民主主義は危機にあったといえる。
      しかし、だからといって、安倍政権時ならば民主主義を一層崩壊させていいという話にはならない。
    「知る権利」もさらに萎縮させていいという話にはならない。
     自分の非を誤魔化すために、他人の非をあげつらうのは、子供の論法である。
     記事ではさらに、「尖閣ビデオ」の映像を流した元海上保安官・一色正春が法案に賛成する意向を示した上で「 (秘密の指定と解除の)ルールを決めることが大切だ 」と発言、安倍晋三がこの意見を党首討論で紹介したことに触れている。そのルールが「特定秘密保護法」に明確に書かれてないから、今こんなに問題になってるのに、一色は何をボケたことを言ってるんだ?
     今やポジショントークしか出来ない、自称保守ムラの住民に成り果てた人物の発言を首相が国会で使うのだから、悪い冗談だろうと言うしかない。

    「特定秘密保護法」成立翌日、12月7日の産経新聞には「 安倍晋三首相 特定秘密保護を語る 」と題する単独インタビュー記事が載った。もちろん、産経新聞の提灯記事への「ごほうび」だ。
     ここでも安倍は「尖閣ビデオ」の問題を引き合いに出して、こう言っている。
    問題は、誰がどのようなルールで秘密を決めるかであり、衝突映像はそもそも秘密にすべきものではなかった。日本の国益のためにはむしろ、国際社会に示さなければならなかった。(菅政権は)全く誤った、致命的な判断ミスをした。
     安倍は秘密保護法の成立で、しっかりした「秘密のルール」が定められたと自画自賛するが、一体この法のどこに、秘密を決定するルールが記されているというのか!?
    「特定秘密保護法」 の第3条には、「 公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの 」を秘密に指定できるとされている。
      そしてその中身は、指定する者の判断に任されているのだ。
     秘密保護法が成立したって、「その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」と、 その時点での政府 が判断さえすれば、「尖閣ビデオ」も秘密指定できるようになっているではないか!
     民主党政権は確かに「尖閣ビデオ」を秘密にしようとした。それは中国に配慮した悪政だが、その一方で、昭和47年(1972)の沖縄返還を巡る、日米両政府間のいわゆる「 沖縄密約 」の方は、明らかにしようとしていた。
     アメリカではとっくに「密約」の存在を示す文書が機密解除されていたのだが、自民党政権がそれでも長年「存在しない」と言い張ってきた奇妙な秘密である。
     要するに、民主党政権は、
    「 中国・韓国との秘密は守れ、米国との秘密は暴け! 」と言い、
    安倍自民党政権は、
    「 米国との秘密は守れ、中国・韓国との秘密は暴け! 」
     と言っているだけの話なのだ。
     しかも、自民党政権時代でもハト派政権の時はまた違った。
      宮沢喜一内閣が「河野談話」で慰安婦に謝罪した際、実は元慰安婦本人に対する聞き取り調査では、日本政府が謝罪すべき根拠は何一つ出ていなかった。
      それにもかかわらず、「とにかく一度謝罪してくれれば収まる」という韓国政府の甘言による「密約」で謝罪したのであり、謝罪の根拠がないことを証明する元慰安婦の聞き取り調査報告書の内容は長らく「秘密」にされていた。
     つまりこの時の自民党は、「 米国との秘密は守れ、中国・韓国との秘密も守れ! 」だったのだ。
    「特定秘密保護法」 には、秘密指定のルールなど何も明確にされていない。官僚や時の政権によって恣意的に秘密を指定できて、しかもその秘密が、最長60年間も解除されないのである!
     安倍晋三は自分の恣意的なルール運用こそが正しく、それがずっと続いていくと信じているらしい。
     安倍信者の自称保守&ネトウヨは、今後決して政権交代が起こらず、未来永劫安倍政権が続くとでも思っているだろうか? 
     安倍は、「尖閣ビデオ」を一色が流出させた当時のマスコミの論調について、こう言う。