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記事 2件
  • 「グローバリストが共謀罪を望む」小林よしのりライジング Vol.228

    2017-06-20 18:40  
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     安倍政権及び自民党の不祥事一覧は、さすがにみんな食傷気味のようなので、今回は一旦お休みとする。
     と言っても、代わりに書くのも安倍政権における最新で最大の不祥事、共謀罪についてである。
    「共謀罪」法が騙し討ち的な強行採決で成立した翌日・6月16日付朝日新聞社会面に、共謀罪に反対する高山佳奈子・京都大教授と、賛成する井田良(まこと)・中央大院教授の意見が両論併記で載った。
     二人はわしが民進党推薦の参考人として招致された4月25日の衆院法務委員会で、両隣に座っていた人だ。高山教授は共産党推薦、井田教授は公明党推薦の参考人だった。
     高山教授は、組織的テロは現行法で十分対応できると主張している。 予備罪の範囲は広く、共謀共同正犯を組み合わせれば、犯罪の前段階で広範囲の処罰が可能であり、「共謀罪」を作らずにTOC条約(国際組織犯罪防止条約)を締結できた という。
     また、 277の対象犯罪からは、公職選挙法や政治資金規正法などが抜けており、権力にとってだけ都合よく、極めて恣意的にできている ことも指摘している。
     やはりわしは高山教授の主張に納得する。「共謀罪」法は、全く非常識な法である。その目的はテロ対策ではなく、277の対象犯罪について、犯罪が起こらない前に、共謀段階で捕えようというものなのだ。
     そして、 起きてもいない犯罪で捕えるということは、内心の自由を侵食することであり、内心を知るには監視が必要 ということになるのである。
     一方の井田教授が言っていることは、どう見てもデタラメだ。
     井田は 「条文だけ見てあいまいと言う人が多いが、組織的犯罪処罰法の改正という点を認識すべきだ」 と言う。
     これ、本当に法学者?
     どんな事情があろうが、法律の条文が曖昧でいいわけがない。 条文が曖昧であれば、恣意的な運用ができてしまう ではないか!
     井田は、組織的犯罪処罰法が対象とするのは 「指揮命令系統、継続的・反復的な行動」 などがあり 「重大な犯罪の実行」 を目的とする組織的犯罪集団だけで、これは 「諸外国に例を見ないほど十分な縛りだ」 という。
     井田は、国会の論戦を見ていないのだろうか?
     安倍首相は当初、処罰対象について 「組織的犯罪集団に限定されており、一般の人が対象になることはあり得ない」 と強調した。
     ところがその後、金田法相は 「対外的には環境保護や人権保護を標榜していても、それが隠れみのであって、実態として目的が重大な犯罪等の実行にあれば、組織的犯罪集団と認められる」 と答弁。さらに犯罪集団の構成員だけでなく 「周辺者」 も対象だと説明した。
      もう既に、組織的犯罪処罰法の「縛り」は曖昧にされているのだ。
     
    「隠れみのの団体ではないか?本当は犯罪集団ではないか?奴らと関係がある家族・友人ら関係者にも網を張って監視する必要があるな」 と警察が邪推すれば、一般人が監視されることになる。
      現時点でさえ、どう見ても「組織的犯罪集団」ではない者に対して警察が違法な監視活動を行い、問題となった事例が続出している。
  • 「共謀罪は独裁への道」小林よしのりライジング Vol.208

    2017-01-17 20:40  
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     安倍政権が今月20日召集の通常国会で「共謀罪」法案の成立を目指すという。
     共謀罪とは、犯罪計画を話し合うだけで処罰対象となるもので、過去には小泉政権が2003年、2004年、2005年の3回にわたって法案を提出し、いずれも野党や世論の反対によって廃案となっている。
     安倍政権は10年以上前に3度も否定された法案を、何としても通そうとしている。その意図は、しっかり見抜いておかなければならない。
      そもそも日本の刑法は「既遂」、すなわち実際に犯罪が行われ、具体的に被害や危険が生じた場合にのみ処罰を行うのが原則である。
     実行行為に及んだものの「未遂」であれば刑を軽減でき、さらに例外的に殺人や放火などの重大犯罪については、実行行為がなくても準備や計画をしただけで罪となる「予備罪」「準備罪」などの規定がある。
      ところが「共謀罪」は犯罪の実行行為はおろか、準備も具体的計画もなく、ただ犯罪計画を話し合っただけで罪に問えるのであり、これは日本の刑事法体系を根本からひっくり返しかねない暴挙なのだ。
      しかもそれを、懲役・禁固4年以上の600以上にも及ぶ犯罪を対象にする方針らしい。
     そしてさらにいえば、実行行為はおろか、準備も、計画の立案にすらも至らない、 「計画を話し合う」だけで処罰の対象になるということは、要するに「内心で考えていること」が罰せられるということであり、憲法で保障された思想信条の自由に対する侵害となるのである。
     菅官房長官は記者会見で、テロ対策のために「国際組織犯罪防止条約」の締結が必要不可欠で、「共謀罪」法案はそのための法整備だと説明している。
     だがこれは、小泉政権下で3度持ち出され、3度論破された理屈なのだ。
     国連総会で2000年11月に採択された同条約は、マフィア対策のため、国際犯罪が多いマネーロンダリング(資金洗浄)や麻薬の密造・販売を取り締まることを目的としたものである。
     同条約は世界180以上の国が締結しているが、その中で条約締結のために新たに国内法を整備した国があるかという国会質問に対して、政府はノルウェー、ニュージーランド、オーストラリアのたった3か国しか挙げていない。
     そもそも国連では同条約については「締約国の国内法の基本的原則と合致した方法で行う」と説明しており、 実際には現行法のままでも「国際組織犯罪防止条約」には十分対処でき、締結は可能なのだ。
     条約締結のために日本の刑事法体系をひっくり返し、600以上もの犯罪に関わる大幅な法改正となる「共謀罪」が必要という説明は、圧倒的に説得力を欠いている。だからこそ法案は3度も廃案になったのである。