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記事 71件
  • 「明治日本を作った男達」小林よしのりライジング Vol.232

    2017-07-18 20:40  
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    『大東亜論』の第3部 『明治日本を作った男達』 が7月24日に発売される(全国発売は26日頃)。
     薩長藩閥政府の専制を倒さんと蜂起した士族たちの武力闘争は、明治10年(1877)西郷隆盛の西南戦争を最後に全て敗れ去り、生き残った者たちは武器を剣から言論に替え、自由民権運動を興していった。
     その自由民権運動興隆の様子を中心に描いたのが『明治日本を作った男達』の物語であり、SAPIO誌の連載に加え、当時各地の民権家たちが作成した 「私擬憲法」 について描き下ろした漫画を収録している。
     これを描くために明治の自由民権運動について調べていくと、知れば知るほど、ある疑問が大きく膨らんできた。
     それは、 「はたして『近代化』とは、民主主義を発展させうるものなのだろうか?」 という疑問だ。
      つい、前近代は「野蛮」であり、そこから次第に「文明化」していって民主主義を学んだかのように思ってしまいがちなのだが、そのイメージは正しいのだろうか?
     明治初めの時代、政府は一刻も早く国を近代化・西洋化しようとして、鹿鳴館などというおかしなものまで作っていたが、そんな都会のごく一部を除き、日本中にはまだほとんど江戸時代と変わらない「前近代」の光景が広がっていた。
      江戸時代には「国民」という概念もなかったろうから、まず人々に「国民」とか「国家」とはどういうものかを理解させるところから始めなければならなかったであろう。
      その上で、これからは国民が政治を担わなければならないのだという意識を持たせ、民主主義というものを理解させるとなると、それはとてつもなく大変な作業だったはずだ。
     しかもそのような啓蒙・教育をしようにも、現在のようなメディアもなかったのだ。
     こんな状態から始めたのでは、民主主義を理解させるのに一世代や二世代くらいの時代の経過は必要じゃないかと、普通なら考えるだろう。
      ところが実際には、西南戦争が終わった翌年にはもう自由民権運動が始まり、民主主義に基づく議会開設の要求が行われている。
      そして『大東亜論』の主人公・頭山満らが所属した筑前共愛会は早くも明治13年(1880)に憲法草案を起草。
      有名な「五日市憲法」も、その翌年に起草されている。
     明治維新からたった十数年。黒船来航から数えても、30年にも満たない。何という早さだ!
     近代化によって野蛮から次第に文明化して、優秀な日本人になっていったわけではない。その素養は、前近代のうちに培われていたのだ。
     江戸時代の末期には、武士の教養はものすごいレベルに達していた。
      武家の子供は、7歳くらいから『大学』『中庸』などを始めとして「四書五経」の素読を始める。
     意味の理解はさておいて、文字を声を出して読みこなしていくことで、まず漢文を自由に読み下し、漢字の知識を増やしていくことができるのだ。
     素読の次は暗誦である。森友学園の幼稚園の教育勅語暗誦のせいで、暗誦そのものの印象がかなり悪くなってしまったが、暗誦は古今東西を問わず、優れた教育方法として取り入れられてきたものだ。
     例えばイギリスで最も繁栄したエリザベス女王の時代の教育は、ラテン語の文章の音読・暗唱を中心としていたというし、フランスでは今でも古典の詩歌を厳しく暗誦させていて、それが美しいフランス語を大切にする風土を形成している。
      武士の子供は素読や暗誦を繰り返すことで、漢語を中心とした豊富な語彙を得て、正しい文法に基づく話し方が出来るようになったのだ。
      そして14,5歳になると読みだけではなく、朱子学に基づいてその意味を教えられ、高度な論理的思考力を身につけていった。
  • 「内閣ぐるみ!強姦犯・山口敬之の無罪放免を許すな」小林よしのりライジング Vol.231

    2017-07-11 22:35  
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     私は個人的にレイプは死刑か、無期懲役の代わりに完全去勢がいいと思っている。以前、レイプ被害者の女性たちを取材した時のことが忘れられない。
     ある女性は、会社帰りの夜、自宅マンションのエレベーターに目出し帽の男が走り込んで乗ってきて、ナイフをつきつけられた。一人暮らしの自室に案内させられ、ドアを開けるなり押し込まれて目にガムテープを貼られ、頭から巾着袋のようなものを被せられたという。
     その後、「名前はなんだ」と聞かれて答えると、なんと犯人はその名を親しげに呼びながら、まるで恋人であるかのような口ぶりでささやきながら行為に及んだという。あまりのおぞましさに、聞いているこちらの足が震えてきた。女性は事件後、自宅に一歩も近づけなくなり、精神を患って、会社も辞めたという。
     その後、運良く、事情を知って寄り添ってくれる男性と出会ったが、最初の2年ほどは、手を握られることも恐ろしくて振り払ってしまい、辛抱強く見守らせて悪いことをしたと言っていた。
    「彼がいてくれなかったら、自殺していたと思う」
     うつむきがちにそうつぶやいた姿がいまでも忘れられない。犯人は逮捕されていない。
     また、ある女性は、仲の良かった友人からレイプ被害を受けたという。最初は男女数人のグループで、キャンプに行ったり、お互いの部屋に集まって家飲みしたりする関係だった。ところが、ある日、その中の男から「相談があるので二人で飲もう」と誘われて応じると、突然、つきあってほしいと告白されたという。
     しかし、女性にはほかに好きな男性がいたので断ったところ、男が豹変。執拗に食い下がられて自宅までついてこられ、「俺に恥をかかせるのか」と暴力的に威圧されるので、近所迷惑を恐れて玄関のドアを開けてしまい、力づくの暴行を受けたという。
     被害後、女性は一カ月以上、自分の意思で嗚咽を止められなかったという。抑えても抑えても体の内側から声がわきあがってきて泣きわめいてしまう。仕事をしていても、スーパーで買い物をしていても、なんの前触れもなく突然嗚咽してしまうので、奇怪な目で見られ、外出もできなくなったそうだ。
    「魂が殺されて、泣いているんだと思った」
     話を聞いた時点で、被害からすでに6年経っていたのだが、コーヒーカップを持つ手が小刻みに震えており、まだ傷は癒えていないのではないかと感じた。
     この女性は、被害を訴え出ることはなかった。親友に打ち明けると「訴えると、どんなことをされたのか、細かく聞かれることになるよ」と言われて、これ以上傷つくと自分はどうなってしまうのか、怖くなったという。また、男と二人で会って酒を飲んだこともあり、自分にも非があるように思えてしまったそうだ。
     あまりに悲しい。そして、どちらの女性もレイプによってその後の人生に多大な影響を受けていること、「自分が死んだ」と思わされたこと。この罪の大きさは計り知れない。
    ◆レイプ被害を訴えられる女性は滅多にいない
     今国会は、共謀罪でむちゃくちゃな国会運営がなされる裏側で、 性犯罪の厳罰化を盛り込んだ刑法改正案 が駆け足で議論、可決・成立した。法定刑の下限が懲役3年から5年に、女性の性犯罪者もいるため「強姦」でなく「強制性交等罪」という名称に、そして、被害者の告訴がなくとも起訴できることなどが決まった。
     少しでも厳罰化に進んだのは良いことだが、正直、「強制性交等罪」って、ポリティカル・コレクトネスにこだわりすぎて、被害者の恐怖や絶望や嗚咽が伝わってこない気がする。それに、もっと議論そのものが報じられて、世論が喚起されたほうが良かったのではないかとも思う。
     告訴なしに起訴できるなら、被害者が矢面に立つ必要がなくなり、立件できる数は増えそうだが、そもそも、警察に相談する、その第一歩に激しい苦痛を感じる女性のほうが多いだろうから、法律以外のケア対策が必要だろう。
      内閣府の調査(2014年)によると、異性から暴行を受けた女性のうち、「誰にも相談しなかった」人が67.5%、警察に相談した人は4.3%にとどまる。 被害に遭ったことをひた隠しに生きる女性も多いだろうから、この調査の対象になっていない女性の存在を考えると、泣き寝入りの割合はもっと多いはずだ。
    ◆安倍晋三の提灯:強姦魔・山口敬之
     そんな過酷な現実のなかで、勇気をもって実名と顔を出し、被害を訴えた女性がいる。
     安倍晋三の提灯ライターとして、ワイドショーで政権擁護発言をしていたフリージャーナリストの 山口敬之 から暴行を受けた、詩織さん(28)だ。経緯をご存知の人も多いとおもうが、改めて振り返っておく。
  • 「“国民侮蔑”首相と “一部の”安倍妄信者」小林よしのりライジング Vol.230

    2017-07-04 18:40  
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     自民党の歴史的大惨敗、まずは誠におめでとうございます。待望の朗報、まったくもって大慶の至り、祝着至極に存じます。
     東京都議選。実は私の選挙区には民進党の候補者がいなかった。前回落選の民進党候補者が、小池旋風に乗っかって都民ファーストに乗り換えてしまったからだ。
     投票の記載台で思わず顎をつまみながら迷ったが、国会で、生前退位・森友学園・加計学園・共謀罪と必死で戦ってくれた民進党の姿を思うと、“風”に乗ってあっさり鞍替えした人間には、どうも投票する気になれない。
     ほかの候補者は、公明党、共産党、そして自民党の現職2名。選挙期間中、街角で候補者の姿やポスターを見かけても、「自民」と書いてある時点で、その名に目もくれないぐらいの拒絶反応が私にはあった。鉛筆をうろうろとさせた末、共産党候補の名前を書いた。
     天皇陛下に対する共産党の姿勢にはまったく共感しないが、権力の肥大化・私物化・腐敗に関しては的確な言葉で敢然と闘っていると評価しているし、豊洲移転問題で「築地の再整備」を求めているのは共産党だけ。それに、今年前半は『トンデモ見聞録』を書く上で、『赤旗』の報じた情報はずいぶん頼りにさせてもらったから、お礼の意味も込めて一票入れておこうと思った。
     結果、乗り換え都民ファーストがトップ当選、ついで公明党、共産党が当選した。自民党の現職は2名とも圧倒的劣勢で落選だった。
     下村博文・自民党都連会長が、敗戦のコメントとして 「国政の問題などで逆風が吹いたことが、都議選の結果に影響した。候補者に大変申し訳ない」 と語っていたが、その通りだよと思った。
     都議選と言ったって、投票する側の都民は、候補者個人の姿よりも、国政のあまりにひどすぎる顛末のほうを見て、“意思表示”のために投票先を選んだ人がかなり多かったのではないか?
     私の友人は、 「自民党、あんまり調子乗りすぎだから反対票入れて来てやった!」 と憤慨していた。 「豊田真由子なんて氷山の一角だよね。いい加減にしろだよ」 と。告示直前までは、長期間に渡って連日あれだけ「豊洲・築地、どっち?」が報じられていたにも関わらず、実際には判断基準としてかなり優先順位が低かったとも思う。
    「都民=国民の意志」が表出した都議選。投票前日に秋葉原で行われた安倍首相の街頭演説で起きた現象にもよく現れていた。
    ◆「こんな人たち」…安倍首相の国民侮蔑発言
     投票前日の7月1日、安倍首相が秋葉原の「AKBカフェ」前で応援演説に立ち、大勢の聴衆が集まった。
     個人的には、群衆にまぎれて出現した森友学園・籠池のおっちゃんが、安倍首相に向かって
    「ウソついたらアカーン! ウソつくなあー! 本当のことを言えー!」
    「もらったものはもらったと言えー! 100万円渡したら渡したと言えー!」
    とヤジを飛ばす姿にウケてしまったが。
     ただ、籠池のおっちゃん、ほかに抵抗する手段がないのはわかるが、いろんな意味で注目を浴びすぎて危ないから、ああいう場所には不用意に姿を現さないほうがいいんじゃないかと赤の他人ながらハラハラする。報道陣に囲まれた結果、警察官に抱えられて現場から立ち去ったようで、これを「排除された」という言い方をするネットメディアがあったが、人物が人物だけに、事件が起きる前に「保護された」意味合いのほうがはるかに大きいだろう。
     さて、現場には、日の丸の旗を持ったネット系の安倍支援者たちが詰めかけたが、同時に、巨大な 「安倍やめろ」の横断幕 を広げた市民グループが陣取り、 「安倍ヤメロ!」「安倍カエレ!」 の大コールが起きた。
     路上から一般人らが撮影した一連の映像を見ると、自民党陣営のほうから 「自民党青年局」 とプリントされたのぼり旗を持ったスーツ姿の男たちがぞろぞろと歩いてやってきて、街宣車の安倍から「安倍やめろ」の横断幕が見えないよう、旗を広げて覆い隠すように並んだ。横断幕が移動すると、のぼり旗軍団も同じようにぞろぞろと移動してまた視界をふさぐ。
    「安倍やめろ」の文字が安倍の視界に入らないようにしたところで、 「安倍ヤメロ!」 はあたりに響き渡っている。そもそも、のぼり旗で隠そうとする姿そのものが、四方八方からスマホで撮影されてネット上にアップされているのだから、むしろ隠そうとする姿そのものが不信感を増長させる原因になっているとしか思えなかった。
     案の定、応援演説をはじめた安倍は、「安倍ヤメロ!」コールにブチ切れ。街宣車の上から、大合唱の起きているほうを指差して、こう言い放った。
    「憎悪からはなんにも生まれない。相手を誹謗中傷したって、なにも生まれないんです。
      こんな人たちに 、みなさん、私たちは負けるわけにはいかない! 都政を任せるわけにいかないじゃありませんか!」
     一国の首相が、街頭で声をあげる一般市民に向かって、指をさして「こんな人たち」。
  • 「表現の自由と権力の介入」小林よしのりライジング Vol.229

    2017-06-27 19:05  
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     埼玉県警が、ある漫画家にエロ表現を規制するよう「申し入れ」をしていたという、信じられないような話が報道され、波紋を呼んでいる。
     事の発端は、埼玉県草加市在住の35歳の無職男性が、女子中学生にわいせつ行為をして逮捕された事件である。
     男は「放射能の調査をする」などと言って住居へ侵入しており、その手口について「インターネットで知った漫画作品を模倣した」と供述した。
      そこで県警は、その作者であるロリコンエロ漫画家を訪問し、作品内容が模倣されないようにと要請、漫画家も 「少女が性的被害に遭うような漫画は今後描かない」 と了承したというのだ。
     ただし漫画家本人の弁では報道とはややニュアンスが違い、警察は菓子折りを持ってきて終始低姿勢で、ゆるい雰囲気の中で会話が行われたという。
     そして漫画家は、問題の作品を描いたのは約4年前で、今は描きたいものの興味も変わっているし、犯人がその作品を見て真似たと供述していると聞いては、今後同じようなものを描く気にはならないだろうと答えたそうで、 「『表現の自由が脅かされた』とか『警察の圧力に屈した』とか『前例ができた』といった類の話だとは思ってほしくない」 とコメントしている。
     だがこれは、今回「申し入れ」をした警察官の態度がどうだったかとか、それを受けた漫画家がどう思ったかとかいうことが問題なのではない。
      表現の内容に関して、警察権力が介入してきたこと自体が、大問題なのだ!
     共謀罪に反対した京都大学の高山佳奈子教授は 「表現の自由に対する重大な脅威」「性表現は弾圧されやすいが、同じ理屈ならミステリー小説やホラーなども規制されるべきことになってしまう」 と懸念を表明。
     また、甲南大学法科大学院の園田寿教授は 「そもそも人は何から影響を受けるか分からないし、また行為を行った後で、なぜそのような行為を行ったのかの理由は、後付けでどんな理由でも考えることができる。いわゆる模倣犯がいるのは事実だが、それを防止するために事件報道や出版を控えたり、自粛を(警察が)求めることの方が、国の存立にとってはるかに危ういことである」 とコメントしている。
     そもそも、何らかの犯罪を誘発するような作品は描いてはいけないなどと言われたら、わしは漫画を描けなくなってしまう。
     昭和54年(1979)1月、早稲田大学高等学院1年生の16歳少年が、東京都世田谷区砧の自宅で祖母を金鎚で殴った上で、キリや果物ナイフでメッタ刺しにして惨殺した後、飛び降り自殺した。
     少年は大学ノート40ページにぎっしり書かれた遺書を遺しており、そこには事件を起こした動機を 「エリートをねたむ貧相で無教養で下品で無神経で低能な大衆・劣等生どもが憎いから。そしてこういう馬鹿を1人でも減らすため」 とするなど、自らを「エリート」として、「大衆・劣等生ども」を憎悪する内容が綴られていた。
     衝撃的な事件だったため、その「背景」が色々と取りざたされたが、その中で、 少年が筒井康隆の小説とわしの『東大一直線』を愛読していたことが報じられた。
     それで、わしの影響で少年が殺人をしたかのような言われ方をして、非常に迷惑な思いをしたものだ。
     ちなみにその2年後、わしは『東大一直線』の続編『東大快進撃』で、主人公が父親を金属バットでボコボコに殴りつけるシーンを描いている。これは当時話題となっていた、20歳の予備校生が両親を金属バットで撲殺した事件をモチーフにしているのだが、今だったら確実に「炎上」だ。
     祖母を金槌で殴り殺した少年に影響を与えた漫画で、こんなシーンを描くなんて不謹慎極まりない!と非難轟々になることは必至、いや、それ以前に、編集部が描かせてくれないだろう。
     表現の幅は、昔と比べて確実に狭まっている。
     
     さらに『戦争論』では、より直接的に影響を受け、犯罪に及んだ者がいる。
  • 「グローバリストが共謀罪を望む」小林よしのりライジング Vol.228

    2017-06-20 18:40  
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     安倍政権及び自民党の不祥事一覧は、さすがにみんな食傷気味のようなので、今回は一旦お休みとする。
     と言っても、代わりに書くのも安倍政権における最新で最大の不祥事、共謀罪についてである。
    「共謀罪」法が騙し討ち的な強行採決で成立した翌日・6月16日付朝日新聞社会面に、共謀罪に反対する高山佳奈子・京都大教授と、賛成する井田良(まこと)・中央大院教授の意見が両論併記で載った。
     二人はわしが民進党推薦の参考人として招致された4月25日の衆院法務委員会で、両隣に座っていた人だ。高山教授は共産党推薦、井田教授は公明党推薦の参考人だった。
     高山教授は、組織的テロは現行法で十分対応できると主張している。 予備罪の範囲は広く、共謀共同正犯を組み合わせれば、犯罪の前段階で広範囲の処罰が可能であり、「共謀罪」を作らずにTOC条約(国際組織犯罪防止条約)を締結できた という。
     また、 277の対象犯罪からは、公職選挙法や政治資金規正法などが抜けており、権力にとってだけ都合よく、極めて恣意的にできている ことも指摘している。
     やはりわしは高山教授の主張に納得する。「共謀罪」法は、全く非常識な法である。その目的はテロ対策ではなく、277の対象犯罪について、犯罪が起こらない前に、共謀段階で捕えようというものなのだ。
     そして、 起きてもいない犯罪で捕えるということは、内心の自由を侵食することであり、内心を知るには監視が必要 ということになるのである。
     一方の井田教授が言っていることは、どう見てもデタラメだ。
     井田は 「条文だけ見てあいまいと言う人が多いが、組織的犯罪処罰法の改正という点を認識すべきだ」 と言う。
     これ、本当に法学者?
     どんな事情があろうが、法律の条文が曖昧でいいわけがない。 条文が曖昧であれば、恣意的な運用ができてしまう ではないか!
     井田は、組織的犯罪処罰法が対象とするのは 「指揮命令系統、継続的・反復的な行動」 などがあり 「重大な犯罪の実行」 を目的とする組織的犯罪集団だけで、これは 「諸外国に例を見ないほど十分な縛りだ」 という。
     井田は、国会の論戦を見ていないのだろうか?
     安倍首相は当初、処罰対象について 「組織的犯罪集団に限定されており、一般の人が対象になることはあり得ない」 と強調した。
     ところがその後、金田法相は 「対外的には環境保護や人権保護を標榜していても、それが隠れみのであって、実態として目的が重大な犯罪等の実行にあれば、組織的犯罪集団と認められる」 と答弁。さらに犯罪集団の構成員だけでなく 「周辺者」 も対象だと説明した。
      もう既に、組織的犯罪処罰法の「縛り」は曖昧にされているのだ。
     
    「隠れみのの団体ではないか?本当は犯罪集団ではないか?奴らと関係がある家族・友人ら関係者にも網を張って監視する必要があるな」 と警察が邪推すれば、一般人が監視されることになる。
      現時点でさえ、どう見ても「組織的犯罪集団」ではない者に対して警察が違法な監視活動を行い、問題となった事例が続出している。
  • 「醜い女性宮家反対運動と有村治子」小林よしのりライジング Vol.227

    2017-06-13 22:10  
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    第36回「醜い女性宮家反対運動と有村治子」  二週間ほど前のことだったか。朝刊をめくると、天皇陛下のカラーのお写真と、4段ぶち抜きぐらいの巨大な文字で「一代限りの特例法」、そのそばに小さめの見出しで「将来の先例となり得る」という文字の踊る特集ページが目に入り、困惑した。
     ほかのメディアでも「退位特例法、天皇陛下一代限り」「一代限り退位」という言葉が溢れかえっている。当初から 「皇室典範の改正VS特例法」 の戦いがあったため、「ついに特例法に決着、一代限りに決定!」というイメージがついたのだと思うが、しかし、この報道は正しくない。
    ■「一代限り」はとっくに撤回されている
     平成29年6月11日の「ゴー宣道場」にゲスト登壇された民進党の馬淵澄夫議員から、時系列を追って非常にわかりやすく語られたが、実際には、 民進党のねばり強い交渉によって、当初「今上陛下一代限りの特例法」を強調していた自民党が大幅に譲歩し、「一代限り」という言葉はとっくに撤回されている のだ。
     議論の経過を経て、自民党の「天皇の退位等についての懇談会」座長の高村正彦副総裁は、こう発言している。
    「誤解を受けないように、今後は『一代限り』という言葉は使わない」
    「『一代限り』というのは語弊がある。将来の天皇の退位を否定しているものではありません」
     それでも強硬に「今上陛下の例外退位」を強調して譲らなかったのは安倍首相。 「ぼくちゃんの周りには、一代限りだと言ってる人のほうが多いもーん!」 と駄々をこねるので、高村副総裁は、現実には恒久制度化を求める世論のほうが大きいのだということを説明し、
    「有識者会議が『一代限り』を強調し過ぎ、将来の天皇は退位できないと誤解された」
    「退位の先例となるニュアンスを出すために『今上』は入れない方がいい」
    と発言し、首相を説得したことも報じられている。 「陛下のご意向を実現する」という意志を強く持った民進党が、特例法でありながらも先例となりうる恒久制度に道筋をつけた のだ。
     しかし、安倍首相のご意向を忖度するメディアは、どうしても「例外性」を強調したがるし、天皇陛下のご意向を忖度するメディアとて、この議論の過程と結論を、きちんと理解できていないのではないか?
     いつまでも「一代限り」という言葉が使われる現状、正確に報道できるメディアがないことで、民進党の努力と活躍を、国民が知るチャンスが損なわれている現状が本当に歯がゆい。
    ■全会一致を目指す女性宮家創設に反対した女性議員
     平成29年6月7日の参議院特別委員会では、厳かな空気のなか、退位に関する特例法案について、共産党ふくめ参加した全議員が賛成して起立し、全会一致で可決された。
     その後、この可決に続いて 「 女性宮家の創設等 について、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることはけいない重要な課題であることに鑑み……」 といった文言を盛り込んだ付帯決議案が読み上げられ、採決の時間になった。当然こちらも全会一致だろうと思いきや、なんとたった一人、反対した人物が現れたのだ。
     残念ながら女性宮家の創設については、「全会一致」ではなく、 「多数をもって決議」 となった。
     
      全会一致を目指す決議案の採決で、ひとり反対して着席している有村治子議員
     採決時、全議員が起立して賛成するなか、ひと際目立つ、白いスーツを着た女性議員が、着席したまま反対に票を投じている。 自民党の有村治子議員 である。
     
     自身のホームページにもPRチラシにも、子供たちに囲まれた写真を多用する有村議員。妊婦のために「マタニティマーク」を広める活動にも尽力したらしい。過去、安倍内閣のもとで、内閣特命担当大臣として少子化対策や男女共同参画に従事したり、女性活躍担当大臣として……なにをしていたのかはわからないが、なにかをしていたようだ。
     記憶に新しいのは、参議院内閣委員会で質問に立ち、NHKの「スクランブル発進が過去最多」というニュースに使われた映像について、 「中国国旗が日の丸の上に配置されていた!」 と言い出した件だ。
     
     その時は、いろんなネトウヨがいるもんだなあと思って眺めていたが、これがやっぱり強固な男系カルト信者だったのだ。
     有村氏は、特例法案に関する特別委員会の次席理事をつとめていたが、女性宮家の創設を盛り込む付帯決議案が現実化した直後、辞任。その理由として発表した文書がひどいのなんの。
  • 「内閣人事局は独裁システムだ」小林よしのりライジング Vol.226

    2017-06-06 23:10  
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     平成26年(2014)5月30日の 「内閣人事局設置」 について書いておく。
      内閣人事局の設置により、各省庁に任されていた事務次官以下幹部職員、計600人の人事権が首相官邸に移された。首相の独断で官僚の上層部の人事を左右できるようにしてしまったのだ。
     これは、日本の官僚システムを根底からひっくり返すものだった。
     それまでは、官僚の出世競争や人事の決定は、実力主義と実績主義で極めてフェアに行われてきた。
      ところが今後は、どんなに国民のことを考えて公正中立な仕事をする有能な官僚でも、時の首相に嫌われたら決して出世できないのだ。
      官僚の倫理観は「国民のために」から「官邸のために」へと根本的大転換を遂げた。官僚たちは官邸の意向をビクビクうかがい、安倍晋三が喜ぶ仕事をすることに邁進するようになった。
     その結果として起きたのが森友学園疑獄であり、加計学園疑獄なのである。
     90年代中盤以降、住専破綻、薬害エイズ事件、大蔵省ノーパンしゃぶしゃぶ接待汚職、防衛庁調達本部巨額背任事件など、官僚による不祥事が相次ぎ、これに天下り問題も絡み、官僚バッシングの嵐が吹き荒れた。
     官僚が日本政治を牛耳っているのが諸悪の根源だと主張したカレル・ヴァン・ウォルフレンの『人間を幸福にしない日本というシステム』は30万部のベストセラーになり、「官から民へ」の大合唱が起きた。
     わしは当時からその風潮に疑問を感じていた。官僚さえ叩けば世の中がよくなるなんてわけがなく、これは単なる大衆の破壊衝動ではないかと、『ゴー宣』でも何度か懸念を表明した。
     だがその後も、政治家が官僚の傀儡になってしまうとか、官僚が自分たちの省益を優先した政策を企画立案するとか、「縦割り」の弊害が起きるとかいった、官僚制度のデメリットは事あるごとに指摘された。
     そしてこれらのデメリットを取り除くには、政治家主導で官僚をコントロールして、時の政権の優先課題を政府・官僚が一体となって進められるシステムを作るべきだという理念が唱えられ、それが「内閣人事局」の創設へとつながっていったのだ。
     もっともこの理念は単なるタテマエで、ホンネは最初から、政治家が私利私欲で思いのままに官僚を動かせるような仕組みを作りたかっただけかもしれない。 なぜなら、現在の「内閣人事局」に直接つながる提言を行った懇談会を設置したのが、他ならぬ第一次安倍政権だったからだ。
     第一次安倍内閣が倒れた後、内閣人事局構想は福田内閣、麻生内閣に引き継がれたが、自民党内部からも異論が出されて実現しないまま、民主党に政権交代して構想は一旦頓挫した。
     ところが安倍晋三が政権に復帰すると、あれよあれよという間に内閣人事局は設置されてしまったのだった。
  • 「学問は本人の動機だけの問題だ」小林よしのりライジング Vol.225

    2017-05-23 17:30  
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     精神科医で立教大学教授の香山リカが、著作に 「漫画家の小林よしのりさんと対談したんです (中略) 小林さんは大学を出ていない。それで、学問に対する憎悪のようなものがあるわけです。」 と書いているらしい。読者が報告してくれた。出版社に事実無根と抗議もしてくれたようだ。
     わしは抗議しない。訂正されずにこのまま残る方が面白い。
     わしは普段、名刺を使わないが、一応名刺の肩書きには「漫画家」としか印刷していない。これで相手の「権威主義」のレベルを計ることができる。
     自分を権威づけるには、名刺に「政治評論家」とか、「思想家」とか、「何々研究所 所長」とか書いておく方法もある。だがわしは「漫画家」としか書かない。「たかが漫画家」と思い込む奴の心性を炙り出す効果があるからだ。
     ともかく、香山リカの「漫画家 小林よしのり」に下した精神分析が、明瞭になった。
     わしは大した大学は出てないから(本当はこれを言うと、大学関係者や後輩がショックを受けるから公的な場では言わない)、別に高卒と思われようと、中卒と思われようと構わないが、「大学を出ていない」という決めつけは、なぜ出来たのだろう?
      まさか「漫画家=学歴がない」という思い込みだろうか?
     しかも「大学を出ていない」者には「学問に対する憎悪」があると「診断」するのは、どういう根拠なのか?
     香山リカという人間は、その全てが差別と偏見だけで出来上がっているということだけは、よーくわかる。「リカ100%差別と偏見」だ。
      大学を出ていたら学問が好きで、大学を出てなかったら学問に憎悪を持っているという、ものすごい偏見を香山リカは持っている。
     言っておくが、安倍晋三だって大学出てるんだぞ! 内閣総理大臣とは「行政府の長」であるということも知らず、国会で「私は立法府の長」と発言した、小中学校の社会科レベルの「三権分立」すら知らない安倍晋三でも!
     そもそも香山は「学問」とは何だと思っているのか?
      香山は大学で教わるのが学問だと思っているようだが、それは100%間違いである。学問というものは、義務教育修了程度の国語力さえ身に付けていれば(つまり安倍は無理)、誰に教わる必要もないのだ。
     ソクラテスやプラトンの時代から、古今東西に立派な学者は無数にいる。それを古典で学ぶことができるのであり、自分が何かを知りたいと思った時に、その中から選び取ればいいだけだ。
     わざわざ、いま生きている学者に教わる必要などない。現在存命の学者なんて、香山リカや八木秀次みたいなクソばっかりじゃないか!
      学問に必要なのは、自分の中の動機だけだ。
     人間とは何か、宇宙とは何か、人生とは何か、歴史とは何か、社会とは何か、科学とは何か等々、何か知りたいものができたら、全部独学で学べる。
      学問とは、自分の中に強い疑問や探究心が湧き上がるかどうかだけが問題なのだ。それもなしにいくら大学に行ったところで、学問などできない。
     よく、社会に出てから時間の経過した人が「生涯学習」とか言って大学に入り直したりするが、本人の中に学びたいものがなければ何の意味もない。
  • 「第3次安倍政権&自民党不祥事 2015年(その1)」小林よしのりライジング Vol.224

    2017-05-17 12:05  
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     先週に引き続き、安倍政権及び自民党の不祥事を羅列していくが、その前に先週書き漏らした事項で、後で気がついたものや、読者から指摘されたものを挙げておく。
    平成25年(2013)
    【4月】
     13日 安倍、日本テレビ『スッキリ!!』に出演。
    「安倍首相が本当に来てくれちゃいましたSP」 と題し、首相再就任後初の全国放送出演(ローカルは1月13日の「そこまで言って委員会」が初)。
      本来、放送業界では首相の影響力や、偏向報道との批判が起きることを考えて、首相は共同会見しか放送しないのが不文律だった。
     ところが、安倍は第1次政権発足当初からテレビ局や新聞、週刊誌などに話をもちかけて単独出演を始め、第2次政権以降はさらに活発にテレビ単独出演を繰り返した。
     しかも批判的意見や質問をぶつける出演者がいる報道や討論番組ならまだしも、『ミヤネ屋』『笑っていいとも!』『ワイドナショー』など、 タレント扱いして好印象だけを視聴者に与えるワイドショーやバラエティに出演して、政権のプロモーション活動をした。 これは、明らかに放送法違反である。
    【5月】
     24日  マイナンバー法が成立。
     国民にとって必要な制度でも何でもなく、ただ、国が国民の情報を厳格に掌握することで、徴税の強化と社会保障給付の抑制をしようという仕組みであり、 国民を監視する手段にもされかねない。
    【9月】
     5日 官房長官・ 菅義偉 、記者会見で 「福島県においても年間被ばく量は1ミリシーベルトの100分の1以下」 と、大嘘発言。
    平成26年(2014)
    【4月】
     20日 安倍、読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』に出演。
    「私はお国のためなら死ねる」という質問に、「△」の札を上げる。
     パネラーの津川雅彦が「総理になった途端に死ぬ覚悟はできているわけでしょ?」と尋ねるも、 最後まで「死ねる」とは答えずにごまかす。
     こんな腰抜けが靖国参拝しても、英霊は不愉快だろうし、意味はないと思うのだが、どういうわけかネトウヨは安倍の靖国参拝を望む。自分も国のために死ねないからだろう。
    【6月】
     16日 環境相・ 石原伸晃 、福島第一原発事故除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設建設に向けた地元との調整をめぐり、 「最後は金目でしょ」 と発言。
     被災地を軽視する発言と批判され、翌日謝罪。
    【7月】
     1日  集団的自衛権の行使を容認する閣議決定。
     歴代政権が一貫して「違憲」と判断し続け、容認するには憲法改正が必要であるはずの集団的自衛権を、 改憲が困難だからと、一内閣の「閣議決定」で容認してしまった。
     憲政史上最大最悪の禁じ手を使ったとしか言いようがなく、これを以て日本の立憲主義は死んだと言って過言ではない。
     3日 安倍、北朝鮮が拉致被害者の再調査を約束したことを受け、独自制裁の一部解除を発表。
     本来、調査報告を受け取り、中身を吟味した上で初めて一部解除するという方針だったはずなのに、 安倍は北朝鮮が 「かつてない態勢」 で調査に臨むと言っただけで制裁解除を決めてしまった。
      当然ながら北朝鮮は約束を守らず、何一つ引き出せずに制裁だけ緩める結果に。
    【8月】
     6日 安倍、広島平和祈念式典に出席。
     9日 安倍、長崎平和祈念式典に出席。
     広島・長崎ともに式典のスピーチの冒頭部分など、およそ半分が前年のものと酷似していた事が発覚。「コピペで被爆者軽視だ」と批判される。
     9日 衆院議員・ 土屋正忠 が、田上富久長崎市長の平和宣言について、
    「長崎市長は核廃絶について語るから権威があるのだ。集団的自衛権云々という具体的政治課題に言及すれば権威が下がる」
    「政治的選択について語りたいなら長崎市長を辞職して国政に出ることだ」
    とブログで批判。
     だが、平和宣言は市長が単独で起草するものではなく、「集団的自衛権」への言及を求めたのは被爆者協議会会長だった。
     10日 安倍、台風が西日本を縦断して死者・行方不明12名、避難勧告・指示の対象者130万人以上という大災害の中、長野県の別荘で予定通りの夏休み。
  • 「第2次安倍政権&自民党不祥事一覧」小林よしのりライジング Vol.223

    2017-05-09 20:05  
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     なぜ安倍政権の支持率が下がらないのか?
     もちろん北朝鮮や中国の軍事的脅威が、安倍政権を応援しているからである。国民は恐いのだ。恐いから、ナショナリズムの強い政治家に依存したいのであり、その実、アメリカのパパと仲良くしてくれる首相を望むのだ。国民の潜在意識はそういうものだろう。
     安倍政権を支持する理由のトップは常に「他の内閣よりよさそう」であり、ネトウヨはバカの一つ覚えで、安倍政権が何をやらかしても「民進党よりマシ」と言っている。
     だが、本当に安倍政権は他よりマシなのか?
     それを確かめるために今回は、第2次安倍政権が発足してから、政権及び自民党は何をやってきたかを列挙してみよう。
     肩書は全てその当時のものである。
    平成24年(2012)
    【12月】
     26日 第2次安倍晋三内閣発足。
     ただちに野田政権下で進められていた女性宮家創設を白紙に戻す。
    平成25年(2013)
    【1月】
     7日 安倍、読売新聞会長・渡辺恒雄と会食。
     以降、主要メディアのほとんどのトップと会食を繰り返し、癒着関係を作り上げる。
     10日 風岡典之宮内庁長官、定例会見で安倍に対して 「皇室の実態、課題について現状の説明をしたい」 と発言。
      その後、女性宮家創設や生前退位について、内々に天皇陛下のご意向は伝えられていたはずだが、安倍は全て無視し続けた。
     16日 アルジェリアで人質事件発生。 
     ところが安倍がアルジェリアのセラル首相に電話して人命優先の救出活動を求めたのは、18日になってから。その時にはアルジェリア軍による鎮圧作戦がほぼ終了しており、結果、日本人10人が犠牲に。
    【2月】
     21日 安倍、日米首脳会談のため訪米。
     安倍は前年、オバマ大統領との友好関係を強調しようと首相就任前の訪米を無理に打診し、一蹴されていた。
     今回もオバマは首脳会談の開催に難色を示していたが、安倍は何としても韓国大統領に就任した朴槿恵より先にオバマと会談しようと、無理やり頼み込んで実現させた。
     22日  「竹島の日」、選挙公約だった政府式典を行わず、島根県の式典に政務官を派遣したのみ。
     前日に安倍が訪米したのは、その批判を避けるためだったともいわれる。
     23日(日本時間) 安倍、ホワイトハウスでオバマ大統領と首脳会談。
      選挙公約を反故にして、TPP交渉参加の方針を表明。
     無理やりの首脳会談のため、出迎えも夕食会もなし、会談はミーティング・ルームで軽いランチを含めてわずかに1時間30分程度。しかも首脳会談後に共同記者会見が行われないという、外交儀礼上ありえない冷遇を受けた。
     しかし国内にはこれを「外交上の大成果」と宣伝。
    【4月】
     28日 沖縄では 「屈辱の日」 とされる、サンフランシスコ講和条約発効の日に 「主権回復の日記念式典」を開催し、天皇皇后両陛下を出席させる。
      式典では「天皇陛下万歳」の声が上がり、陛下の表情が凍りつく。
    【5月】
     3日 トルコでエルドアン首相と会談。
      原発建設をトップセールスして、三菱重工の受注が確定。 なお、安倍の実兄は三菱商事役員。
     その後、トルコでは電力料金が非常に安いため原発は採算が合わないことが判明。このまま計画が頓挫すれば、三菱重工は巨額の損失を負う。
     同日  安倍、記者会見で憲法96条改正を参院選の公約にすると発言。
     憲法改正発議の要件を、衆参両院の賛成3分の2から2分の1に引き下げるというもので、実現すると憲法の安定性が失われ、立憲主義の破壊につながる。
    【7月】
     29日 副総理・麻生太郎、憲法改正に関する講演で 「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」 と発言。
    【8月】
     7日  安倍、8月15日の靖国参拝見送りを決定。
     しかもそれを発表前に中国に伝達。靖国参拝には中国の事前の「承認」が必要であるかのような状態となる。
     8日  内閣法制局長官に駐仏大使の小松一郎を任命。
     集団的自衛権の行使を違憲とする従来の政府解釈を変更するために、内閣法制局の参事官すら経験したことのない完全に外部の人間を、いきなり長官ポストに抜擢する驚愕人事。
     15日 文科相・下村博文の要請により、 高円宮妃久子殿下が2020年五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席することが決定。
     露骨な皇室の政治利用であり、宮内庁・風岡長官は 「両陛下も案じていらっしゃると感じた」 と異例の発言。
    【9月】
     7日 高円宮妃久子殿下、IOC総会でスピーチ。
     政治利用にならないよう注意を払い、 「皆さまは、本日ここに私がいることを驚いていらっしゃるかと思います。実は、私自身も皆さまと同様に驚いております」 と、暗に批判も交える。
     安倍、IOC総会でプレゼン。
     福島第一原発事故による汚染水について 「状況はコントロールされている」「完全にブロックされている」 と大嘘。日本の国際的信用を失墜させる。