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記事 7件
  • 「影の総理・今井尚哉を監視せよ」小林よしのりライジング号外

    2017-04-11 12:35  
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     いくら政権やその提灯持ちが「他にも大事なことがある」とか言っても、森友学園疑惑が全く解明されないままでは、それは単なる逃げ口上にすぎず、追及の手を緩めるわけにはいかない。
     現在、疑惑の焦点となっているのは、籠池泰典理事長(当時)が首相夫人付(当時)の谷査恵子に送った要請の手紙と、それに対して谷が返送したFAXである。
     政権は 「谷が個人でやったこと」「ゼロ回答であり、問題はない」 と、苦しい言い訳をしている。
     確かにFAXの一部分だけ抜き出せば「現状ではご希望に沿うことはできない」と、「ゼロ回答」に見えそうな記述もあるが、実態は違う。
     籠池が手紙に書いていた3つの要請がその後どうなったかというと、
    【要請1】定期借地期間を50年に延長した上で、早い時期に買い取りたい。
     →2016年6月の売買契約で実現
    【要請2】土地の賃料を半額にしてほしい。
     →支払額を月額に換算すれば、要請通り
    【要請3】森友学園側が立て替えていた工事費用を支払ってほしい。
     →2016年4月6日に執行
      全ての要請が実行されており、現実には「満額回答」になっているのだ。
      問題は、これが本当に谷査恵子個人でやったことなのか?という点だ。
     そんなことあるわきゃないと即座に常識で思っていたら、やはりそのとおり。元経産省職員の飯塚盛康氏は3月25日、自らの実体験をもとに、Facebookに以下の文章を投稿した。
    「留守電の内容だろうが、郵送の内容だろうが、課長補佐クラスの谷さんは、昭恵夫人と内閣官房のそれなりの役職に、財務省への質問内容と回答について、相談報告しているはずです。なぜなら、それは国家公務員としての最低のルールだからです」
    「一般的に役所は政治家とその秘書からの問い合わせについては、〇政(まるせい)案件と言って、その問い合わせ内容と回答について、かなり上に報告しているはずです」
    「もし、谷さんと財務省の室長との個人でのものだとしたら、まだ予算措置する段階のものを室長は一私人に漏らし、それを知った谷さんが一私人である昭恵夫人に報告し、籠池氏に教えたことになります。
     財務省の室長と谷さんは守秘義務違反、国家公務員法違反になりますよ」
    「3年間、昭恵夫人のために仕事をしてきた谷さんに、全責任を負わせて安倍首相を守ろうとしている昭恵夫人と菅官房長官に対して、元経産省の職員として腸が煮えくり返る思いです」
     また、元総務大臣の片山善博氏も4月2日のTBSテレビ「時事放談」で、若い頃に大臣秘書官を務めた経験から 「秘書や秘書官が勝手に独自行動をすることはまずない」 と断言した。
     一方的に要請の手紙が送り付けられてきても、これをどうしましょうかというお伺いは必ず立てるそうで、たとえ無視する場合でも、無視しろという指示は必ず受けるという。
     さらに同番組で片山氏は、籠池の要請書を見た感想として、注目すべき発言をした。
    「あれを見ますと、谷さんがどういう人か知りませんけれど、彼女ひとりであれを裁ける案件ではないです。おそらく背後に、背後にっていうか、バックアップ体制があるはずです。
    だから、おそらく彼女はそのバックアップ体制のところに、こんなのが来ましたっていう、それは昭恵夫人のところではないところに、官庁のどっかにそれはあるはずですね」
      谷査恵子が「バックアップ体制」に報告を上げ、その「バックアップ体制」の力で森友学園への「満額回答」が実現した。それは昭恵夫人を飛び越えた、官庁のどこかにある。
  • 「官邸の“籠池潰し”で幕引きさせるな!」小林よしのりライジング Vol.216

    2017-03-14 20:30  
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     私は“日教組の牙城”と言われる三重県出身だけれど、通っていたのは国立の学校で、体育館の正面には日の丸が掲揚されており、入学式や卒業式などの式典では当たり前のように『君が代』の斉唱もあった。壇上にあがった校長先生が、まず日の丸に一礼してから演台に立ち、生徒に向き直るという一連の動作も見ているから、あれは自然な「礼儀」のひとつだと受け入れていた。
     しかし、在特会やネトウヨの姿を見てきて、そして今回、この会見を目撃して、やはりこう思うに至った。 「日の丸掲げて主張する奴って、やっぱりおかしいわ……」 。

    ◆これが、安倍晋三首相の強固な支持者の姿だ!
     3月10日夕方、森友学園の運営する塚本幼稚園で記者会見が開かれ、キー局ほぼ全社が生中継して待つなか、籠池泰典理事長がカメラの前に登場し、まずは壁に掲げた日の丸に一礼、着席した。
     マイクを握った籠池理事長がぶっちぎりで話しはじめたのは、問題の土地で建設中の小学校開校認可取り下げの報告と、自身の理事長退任、それからマスコミや大阪府に対する恨みつらみの言葉の数々だった。
     記者の質問に対しては、煙にまいて答えないか、一方的な主張を繰り返すか、 「カネと言うな、“お金”と言いなさい! あなたちょっと悪いんじゃないのお!? 眼鏡かけてるけど!」 などと笑いを誘っているとしか思えないキレ方をするばかり。暴露された数々の証拠物件についても「そもそも暴露したのは誰なんだ?」と、強引にピントをずらしていく。
     その上で、小学校建設については、今後も 「あきらめない」「開校の延期」 と、再チャレンジの可能性があることを平然と語った。
      資金集めにさんざん苦慮して、鴻池議員にコンニャクアタックしてまで粘り強く値切ってきた人が、これから何億もの負債を背負うことになるのに、まだ「開校延期」と堂々と言えるその根拠はどこから来ているのか――?
    ●森友学園の愛国教育の結晶 “ネトウヨの現人神” 
     なかでも強力だったのは、会見に同席した 長男の籠池佳茂氏 だった。たびたび質疑応答に割り込んで、記者の質問を妨害しながら強引に発言する様子には、唖然とさせられた。
    「新左翼と共産党と朝日新聞が連動して事態が勃発したんですよ」
    「鴻池事務所の陳情記録が共産党から出てきた。自民党から共産党へ流れたというこのルートもおかしい。なんでそんなズブズブなん?」
    「都構想の時もそうやったでしょ! 自民党、共産党とかの街宣に一緒に乗ったでしょ!」
    「いま質問されたのはどなた? 朝日? 朝日はもういい!」
    「産経さんはおられないんですか!? 産経さんは!!」
     うわあ、すご~い! ネットで見たことあるやつやぁ。
     思わずテンションが上がってしまうほどの、完全なるネトウヨだった。ネット上でしか見たことのないセリフを、まったく正確にコピペして、テレビのなかでよどみなく堂々としゃべっている人がそこにいて、ああ、ネトウヨってやっぱり未確認生命体じゃなく、こうして実在するんだなと妙な感慨を得た。
     お国のために使命感を持って、特攻隊のような気持ちで素晴らしい小学校を作ろうとしている俺たちを妨害するのは、やはり反日勢力・朝日の陰謀なんだ! すべて朝日のせい! 朝日は嘘を書くダメな新聞だ! 慰安婦問題を思い出せ! 売国朝日を排除しろ! 産経よ、勇ましく立ち上がって俺たちを称えてくれ!
    ……これで約140文字だが、だいたい、主張の要点はこのぐらいのものだ。
     同時に、籠池理事長の教育方針のもと育った子供は、やっぱりこうなってしまうんだな、とも思った。森友学園式教育の結晶、それが、ほとんどネトウヨの現人神としか思えない、籠池佳茂氏の姿なのだった。
     籠池理事長と、この長男佳茂氏の「反日朝日陰謀観」はあまりに強大で、朝日新聞や朝日放送の記者が質問しようとすると、ふたりがかりで「朝日さん? 朝日はだめ!」「朝日は、いいの。朝日は嘘を書く!」「朝日放送もだめ」「朝日は、だめなの!」と畳みかけて話にならなかった。しまいに、苛立った記者から、
    「産経新聞が聞こう! 産経が聞け! 産経が聞け! 産経、聞けっ!!」
    と怒声があがったのには思わず笑ってしまった。
    ●“森友学園の暴力装置”籠池諄子副園長
     この時に、記者会見場の脇からじっと籠池親子の姿を見つめ、時に激しくうなづき、時に顔をゆがめて感情をあらわにしていた人物がいる。
  • 「出会い系と愛国デモ:寂しさに耐えられない人々」小林よしのりライジング Vol.123

    2015-03-03 18:55  
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     2月20日の朝日新聞に「『出会い系』狙われる高齢者」という記事が載っていた。
    「出会い系」の有料メール交換サイトの詐欺的な手口に引っ掛かり、大金を散財してしまうお年寄りが増えているというのだ。
     まずは、記事に載っていた被害者のケースを紹介しよう。
     76歳、無職男性。元証券会社員。
     妻に先立たれ、3人の子供は独立し、東京都内で独り暮らし。
     日中はボランティアなどをやっているが、夜に1人になると時間をもてあまし、パソコンに向かう。
           ↓
     2011年秋、ネットで「車をプレゼントします」という表示をクリック、名前や連絡先を入力してメールを送る。
           ↓
     その翌日から「悩み相談に乗ってください」「会いたいです」などという知らない女性からのメールが大量に届き始める。
           ↓
     興味本位で、女性医師を名乗る相手に「お茶でも飲みませんか」と返信。
     女性の顔写真が届き、自己紹介を交わして会う約束をする。
           ↓
     指定した場所で待つが、現れない。
     メールを送ると「場所を間違えた。ごめんなさい」と返信。
           ↓
     メールは最初の数通は無料だったが、途中からポイントの購入が必要となる。1通あたり50ポイント(50円)。
     やりとりを続けたが結局、はぐらかされるだけに終わる。
           ↓
     他の女性とも似たようなやりとりを繰り返す。
     寂しさのあまりのめりこみ、気づくと朝までメールを送り続けていたことも。
           ↓
     3年間で9つの有料メール交換サイトに登録。
          ↓
     300万円あった貯金は底をつき、年金や火災保険も解約。
     借金を重ね、自宅の電気代やガス代さえ払えなくなる。
     たまたま帰省した娘が異常に気付き、ようやく事態が発覚。
     注ぎ込んだ金額は合計1000万円以上。
     ツッコミどころは満載だが、とにかく「出会い系」といっても実際には出会えやしないのだ。
     他にも「乳がんを患う」という「19歳の女性」とのメールでは、効く薬を調べて伝えたり、「強い意志をもちなさい」と励ましたりしているうち、「母親と一緒に自宅にお礼に行く」と言ってきたので、ケーキを3人分買って待ったが現れなかったという。
     それで無視すると、「見捨てないで」などと繰り返しメールが来て、つい返信してしまい、メール交換は1年以上続いたそうだ。
     もちろん、こんなのサクラに決まっている。送ってきた写真だって、木蘭さんの「H大好き40歳」のケースじゃないが、本人であるはずがない。そもそも、メールの相手が本当に女性だったのかさえ、わかったもんじゃない。
     それでも被害男性は、今もこう言っているんだとか。
    「まさか自分がだまされるとは思わなかった。
     それでも、すべてがウソだったとは今でも信じたくない」
     こんな見え見えのペテンに引っ掛かってしまうほど、老人は寂しくてたまらないのである。
     独り暮らしの高齢者が寂しさを紛らわそうと、パソコンばかりやっているうちに出会い系にハマっている。
     それは、愛国デモに参加している年寄りも同じである。
  • 「ネトウヨ主婦が抱える空虚感の正体」小林よしのりライジング Vol.115

    2015-01-06 18:25  
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     宮沢りえ主演、大島優子好演の映画 『紙の月』 の夫婦関係は、隠してはいるが微温な「男尊女卑」に貫かれていて、夫の妻への侮蔑感覚はまったく無意識である。
     銀行で働き始めた妻が、最初の給料で夫に時計をプレゼントする。だが夫はそれを薄ら笑いを浮かべながら受け取り、外ではめることはしない。
     その後、今度は夫が妻に、平然と高級な時計をプレゼントするのだ。
     妻はそのときに、夫に対する違和感の正体に気づくのだが、この夫の心理を言葉に表すとこうである。
    「 お前の暇つぶしのお遊びの仕事で買ってくれた時計なんか、まあ、あんなものだろう、オモチャだな。恥ずかしくて男が外で腕に巻くモノではないのだよ。 」
    「 男の仕事は女の暇つぶしとは違う。俺が本物の仕事で買ってやる時計は、ほれこういう高級なモノだぜ。俺とお前の社会的ステータスの差がわかったかい?ありがたく頂戴して、腕に巻くがいいよ。 」
    「 ところで俺さまは転勤だ。当然暇つぶしのアルバイトなんか、さっさと辞めて、俺さまについてくるよな。 」
     こういう「 男尊女卑 」は産経新聞や、自称保守の男どもに、脳髄まで浸透していて、確実に無意識になっている感覚である。
     だから彼らは皇統の「男系固執」を主張するのだ。
     日本国の象徴は「男系」でなければならない。それが「男尊女卑」の男どもの信念である。
     その頂点に安倍晋三がいる。
     天皇陛下はそうではない。そういう因習には縛られていない。
     だからわしは尊敬できるのだ。
      驚くべきことに自称保守メディアで活躍する女どもも、また無意識のうちに「男尊女卑」を受け入れる「 準男性 」である。
     そういう女、あるいは妻は、こう反応するだろう。
    「 やっぱり旦那様のくれる時計は高級品や。あたいの安月給で旦那様に時計をプレゼントするなんて、非常識やった。ごめんなはい。男の本気の仕事で買ってもらったこの時計は本物や。ありがたく頂戴いたしますばい。 」
     この卑屈さ!
     これが自称保守論壇で禄を食み、えらそうに男の主張を口真似している馬鹿女どもの深層心理である。
  • 「差別をするための虚構・在日特権」小林よしのりライジング Vol.112

    2014-12-10 11:05  
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     やはり「在特会なんか放っておけ」なんて態度をとっていたら、大変なことになるということがはっきりしてきた。
     今回の衆院選で「次世代の党」(と書くのも恥ずかしいジジィ世代の党)が掲げたマニフェストには 「特別永住制度の見直し」 と 「生活保護制度を日本人に限定し、困窮した外国人には別の制度を設ける」 というのが入っている。
      明らかに在特会らが言う「在日特権の撤廃」に配慮した主張である。
    「次世代の党」が自民党との違いを強調しようとしたら、自民党よりもさらに右旋回するしかない。そうして行きつく先は、 極右排外主義 なのだ。
     いかに泡沫政党とはいえ、政党要件を満たしたれっきとした政党のマニフェストにまで在特会の主張が入り込んでしまったことは、やはり忌々しき事態である。
     自称保守論壇には、在特会やその他のネトウヨが撒き散らす「在日特権」デマが信じられないほど浸透している。
    「新しい歴史教科書をつくる会」理事の藤岡信勝は「在日特権」デマを集めたサイトを引用して 「在日特権について、大変わかりやすい解説に出合いました。ありがとうございました」 とフェイスブックに投稿した。
     その在日特権デマは、
    なぜ日本の長者ベスト40のうち20人が在日コリアンで、ベストテンの中には7人もいるのか?(2012年Forbes)
    まともに税金を払っていれば絶対金は残らないようになっている日本の厳しい税制の中では、在日特権が無ければ資産は作れません。在日の多くが帰化しないのはこれらの特権があるからだと言われています。
    ・・として20人の「在日」長者の名前を列挙しているのだが、その中にはユニクロの柳井正や楽天の三木谷浩史などの名前がずらっと並んでいる。あまりにも幼稚な「在日認定」デマだが、藤岡はこんなもんにまで引っかかってしまうのだ。
     余談だが、藤岡は中国のSMサイトの画像をトリミングして偽のキャプションをつけたブログにもコロッと騙され、フェイスブックに「写真は中国軍にとらえられたチベットの少女です。このあと何が起こるでしょうか。銃殺です」云々と投稿したこともある。
     今や「在特会の主張にも正しいところはある」というのは自称保守論壇のポジション・トークになっているらしい。その典型が雑誌「正論」(自称)1月号に載った評論家・小浜逸郎の文章だ。
     驚いたことに、小浜はこんなことを断言する。
     まず私が知りえた限りでは、在日特権は存在します。その最も顕著なものは、生活保護に関する優遇措置です。一番新しいところで、二〇一四年の厚労省の調査によると、生活保護率は全体平均が千世帯のうち17世帯であるのに対して、在日韓国・朝鮮人は142世帯という突出した数字になっているそうです。約8.4倍ですね。もちろんこの資金は日本国民の税金です。  8.4倍、という数字で錯覚を起こすが、 生活保護受給者の97%は日本人であり、外国人はたった3%。在日韓国・朝鮮人は2%程度に過ぎない。
     さらに「生活保護受給率が日本人の8.4倍」の表現にはトリックがある。
      例えば2011年の生活保護受給率を都道府県別に比べると、最も高いのは北海道で2.94%、低いのは富山県で0.31%。約10倍の開きがある。 このデータから、「北海道民は富山県民の10倍優遇されている。北海道民には生活保護の特権がある!」と言い出すバカがいるだろうか?
      これは貧困率の指標に過ぎない。在日は全体平均と比べて8.4倍優遇されているのではなく、8.4倍貧しい人がいるという数字なのだ!
     また、「もちろんこの資金は日本国民の税金です」というが、 小浜は在日も納税の義務を負っていることを知らないのか!?
     税金だけ収めさせておいて、困窮した際には保護しないとなれば、それこそ差別ではないか! 小浜のような無知識人が言うならまだしも、国会に議席を持つ(次で無くなるかもしれんが)政党が、公約としてこんなことを掲げているというのは恐ろしい話である!!
  • 「『在日特権』はあるのか?」小林よしのりライジング Vol.108

    2014-11-11 16:05  
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     数年前までは社会問題の専門用語だった 「ヘイトスピーチ」 だの 「レイシズム」 だのが、今では一般常識的な言葉になってしまった。日本は急速に「美しい国」から遠ざかり、醜悪な国に向かって劣化し続けている。
     8月、安倍首相はヘイトスピーチについて「日本人の誇りを傷つける。しっかり対処しなければならない」と発言。そう言わなければ世界の恥になるから、建て前として言ったのだろう。
    これを受けて自民党は「 ヘイトスピーチ対策等に関する検討プロジェクトチーム 」を設置し、本気かどうかは知らないが、新立法の可能性を視野に入れつつ検討を始めた。
     安倍政権の「コアな支持層」は、ヘイトスピーチが大好きなネトウヨ・レイシストたちじゃなかったっけ?と思っていたら案の定、 安倍の公式ツイッターや自民党のBBS(掲示板)は「大炎上」したという。
     また、元・航空幕僚長、現・ネトウヨ親父の 田母神俊雄 はツイッターで 「ヘイトスピーチの法規制は、保守派を黙らせ、左翼リベラルや外国人を利するだけのものです」「ヘイトスピーチの法規制は、左翼リベラル政治家の有田芳生氏が中心となって推進して来たものです。なぜ保守を名乗る政党が保守派庶民を苦しめ、左翼リベラルや外国人を利することをするのでしょうか。左翼リベラルに媚びるような政策に反対します。左翼に媚びるとろくなことがありません」 と、わけのわからない懸念を表明した。(註・あまりに馬鹿な発言なので、 ウンコ色 にした)
      ヘイトスピーチを禁じたら保守派が黙らせられる?「保守派の主張=ヘイトスピーチ」だったのか!?
     
     そんな中で開かれた自民党プロジェクトチームの初会合では、ネオナチ団体幹部との繋がりを指摘されている高市早苗が 「うるさくて仕事にならないから、国会周辺でのデモ活動も一緒に規制しよう」 (註・ ウンコ色 にした)という趣旨の、異次元に飛躍した意見をぶちかました。
     これなら田母神も心配するには及ばないだろう。むしろ安倍政権下のヘイトスピーチ規制では、ヘイトスピーチのカウンターや、反原発デモなどにまで拡大解釈して網を被せることを警戒しなければならないようだ。
      一方、民主党はヘイトスピーチの街宣活動を規制する独自の法案をまとめ、他の野党にも賛同を呼びかけた上で今国会に提出する方針を固めた。
     この法案には罰則規定はないが、民族の違いなどを理由にした侮辱や嫌がらせなどの差別的な言動を禁止し、国に差別を防止するための基本方針を定めることを義務づけたものだという。
     この民主党案に対しても規制の「拡大解釈」を懸念する声が上っている。とはいえ、一切の規制もせずにヘイトスピーチを封じ込められるのかというと、それはまず無理だろう。
     例えば「ヘイトスピーチを減らす最良の薬は、他人にウンコを投げ付けないと鬱憤晴らしも出来ないような追い詰められた国民を減らすことである」と主張している人がいるが、甘すぎるし現状がわかっていない。
      ヘイトスピーチをやっている者は、必ずしも「追い詰められた国民」とは限らないのだ。
      社会的にはそれなりの生活をしていながらも、個人的なコンプレックスを自力で解消できずに他者への攻撃に転嫁する者もいる。
     また、とにかく差別が好きだという者だっている。たとえ社会から格差が撤廃されたとしても、差別をする者はするのである。
     さらに警戒しなければならないのは、規制に反対するあまりに、在特会(在日特権を許さない市民の会)などの排外主義団体が攻撃対象としている 「 在日特権 」を撤廃すれば、ヘイトスピーチも止んでいくだろうという意見 が出てくることである。
      結論を先に言うが、「在日特権」なるものは、ヘイトスピーチをやるために在特会会長・桜井誠らがでっち上げた、ほぼ100%のデマである!
     これは、ジャーナリスト・ 安田浩一 の 『ネットと愛国』 や、「レイシストをしばき隊」の創設者・ 野間易通 の 『「在日特権」の虚構』 で検証されている。
    「在日特権が存在する」という主張自体が、差別を助長するための事実無根の誹謗中傷なのだ。「在日特権をなくせば差別もなくなる」というのは、「在日特権が存在する」ということを前提にしているわけで、在特会が仕掛けた罠に嵌って差別の片棒を担いでいることに他ならないのである。
     その罠にまんまと引っ掛かったのが大阪市長の 橋下徹 だ。
     橋下は大阪市役所で桜井と罵り合いの公開泥仕合を演じた翌日、維新の党代表として、 在日韓国・朝鮮人らに認められている「 特別永住資格 」について「 通常の外国人と同じような永住者制度に一本化していくことが必要 」と述べ、党として見直しを検討する考えを示した。
     その理由を橋下は「特別扱いは差別を生む」として、在日韓国・朝鮮人への攻撃を抑える狙いもあると説明したが、これこそが在特会のデマに踊らされた主張だったのだ。
    「 特別永住者制度 」とはいわゆる「入管特例法」に基づくものだが、果たしてこれは「特権」なのか?
  • 「皇后陛下、お言葉に込められたご真意」小林よしのりライジング Vol.106

    2014-10-28 21:30  
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     皇后陛下は10月20日に80歳、傘寿のお誕生日を迎えられた。
     お誕生日には毎年、宮内記者会の質問に対するご回答という形で文書によるおことばが発表されるが、今年は例年にも増して深く、重いおことばであった。
     今回は、その中から特に印象に残ったところを挙げておきたい。
     まず驚いたのは、皇后陛下のおことばの中に「A級戦犯」という語が出てきたことだ。「来年戦後70年を迎えることについて今のお気持ちを」という質問へのご回答の中で、こうおっしゃったのである。
     私は、今も終戦後のある日、ラジオを通し、A級戦犯に対する判決の言い渡しを聞いた時の強い恐怖を忘れることが出来ません。まだ中学生で、戦争から敗戦に至る事情や経緯につき知るところは少なく、従ってその時の感情は、戦犯個人個人への憎しみ等であろう筈はなく、恐らくは国と国民という、個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する、身の震うような怖れであったのだと思います。
     わしはいつも「いわゆるA級戦犯」と表記しているが、それはABC級の別を問わず、かつて「戦犯」とされた人々を犯罪人とする根拠は、もはや国内法にも国際法にも存在せず、日本に「戦犯」はいないという主張を込めているからである。
     しかし皇后という立場におられる方が、殊更にそのような主張をなさるわけにはいかないので、「いわゆる」などはつけられない。
     皇后陛下は、あくまでも中学生当時に感じた思いをそのまま述べられる。戦後になってからの感情を記憶に上書きして、当時から彼らを恨み、憎んでいたかのように言う人もよくいるが、そんな都合のいい態度とは全く違う。
     そして皇后陛下が当時お感じになったことは、「 国と国民という,個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する、身の震うような怖れ 」だったというのだ。
     もちろん、皇后陛下はそれ以上のことはおっしゃらない。しかし、わかる人にははっきりわかるはずだ。
    「国と国民という、個人を越えた所のものに責任を負う立場」の最も重い位置におられるのが、天皇陛下であるということを。
     皇后陛下は、靖国神社への合祀もしてはならない極悪人扱いまでされている「A級戦犯」を、天皇陛下にも通じる厳粛な立場を引き受けた人々だったのではないかと暗に匂わせておられるとしか思えない。
     終戦70年を前に、あえてこのようなことをおっしゃったことに驚くばかりである。
     さらに凄かったのは、「皇后さまにとって芸術・文化はどのような意味を持ち、これまでどのようなお気持ちで触れて来られたのでしょうか」という質問に対するお答えで、その中でこうおっしゃっている。
     建造物や絵画、彫刻のように目に見える文化がある一方、ふとした折にこれは文化だ、と思わされる現象のようなものにも興味をひかれます。昭和42年の初めての訪伯の折、それより約60年前、ブラジルのサントス港に着いた日本移民の秩序ある行動と、その後に見えて来た勤勉、正直といった資質が、かの地の人々に、日本人の持つ文化の表れとし、驚きをもって受けとめられていたことを度々耳にしました。  先週号の「ゴー宣」でわしが「保守」すべき日本の「公」の実例として挙げた、東北の大震災の際にも秩序ある行動をする日本人に世界が驚嘆したという話と完全に共通するのだが、注目すべきはその続きである。
     当時、遠く海を渡ったこれらの人々への敬意と感謝を覚えるとともに、異国からの移住者を受け入れ、直ちにその資質に着目し、これを評価する文化をすでに有していた大らかなブラジル国民に対しても、深い敬愛の念を抱いたことでした。   異民族に対しても、その資質に着目し評価する文化を有する、寛容なブラジル国民への深い敬愛の念。
     なぜいまこの時期に、日本国民に対してこういうことを説かれたのか?