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記事 3件
  • 「官邸の“籠池潰し”で幕引きさせるな!」小林よしのりライジング Vol.216

    2017-03-14 20:30  
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     私は“日教組の牙城”と言われる三重県出身だけれど、通っていたのは国立の学校で、体育館の正面には日の丸が掲揚されており、入学式や卒業式などの式典では当たり前のように『君が代』の斉唱もあった。壇上にあがった校長先生が、まず日の丸に一礼してから演台に立ち、生徒に向き直るという一連の動作も見ているから、あれは自然な「礼儀」のひとつだと受け入れていた。
     しかし、在特会やネトウヨの姿を見てきて、そして今回、この会見を目撃して、やはりこう思うに至った。 「日の丸掲げて主張する奴って、やっぱりおかしいわ……」 。

    ◆これが、安倍晋三首相の強固な支持者の姿だ!
     3月10日夕方、森友学園の運営する塚本幼稚園で記者会見が開かれ、キー局ほぼ全社が生中継して待つなか、籠池泰典理事長がカメラの前に登場し、まずは壁に掲げた日の丸に一礼、着席した。
     マイクを握った籠池理事長がぶっちぎりで話しはじめたのは、問題の土地で建設中の小学校開校認可取り下げの報告と、自身の理事長退任、それからマスコミや大阪府に対する恨みつらみの言葉の数々だった。
     記者の質問に対しては、煙にまいて答えないか、一方的な主張を繰り返すか、 「カネと言うな、“お金”と言いなさい! あなたちょっと悪いんじゃないのお!? 眼鏡かけてるけど!」 などと笑いを誘っているとしか思えないキレ方をするばかり。暴露された数々の証拠物件についても「そもそも暴露したのは誰なんだ?」と、強引にピントをずらしていく。
     その上で、小学校建設については、今後も 「あきらめない」「開校の延期」 と、再チャレンジの可能性があることを平然と語った。
      資金集めにさんざん苦慮して、鴻池議員にコンニャクアタックしてまで粘り強く値切ってきた人が、これから何億もの負債を背負うことになるのに、まだ「開校延期」と堂々と言えるその根拠はどこから来ているのか――?
    ●森友学園の愛国教育の結晶 “ネトウヨの現人神” 
     なかでも強力だったのは、会見に同席した 長男の籠池佳茂氏 だった。たびたび質疑応答に割り込んで、記者の質問を妨害しながら強引に発言する様子には、唖然とさせられた。
    「新左翼と共産党と朝日新聞が連動して事態が勃発したんですよ」
    「鴻池事務所の陳情記録が共産党から出てきた。自民党から共産党へ流れたというこのルートもおかしい。なんでそんなズブズブなん?」
    「都構想の時もそうやったでしょ! 自民党、共産党とかの街宣に一緒に乗ったでしょ!」
    「いま質問されたのはどなた? 朝日? 朝日はもういい!」
    「産経さんはおられないんですか!? 産経さんは!!」
     うわあ、すご~い! ネットで見たことあるやつやぁ。
     思わずテンションが上がってしまうほどの、完全なるネトウヨだった。ネット上でしか見たことのないセリフを、まったく正確にコピペして、テレビのなかでよどみなく堂々としゃべっている人がそこにいて、ああ、ネトウヨってやっぱり未確認生命体じゃなく、こうして実在するんだなと妙な感慨を得た。
     お国のために使命感を持って、特攻隊のような気持ちで素晴らしい小学校を作ろうとしている俺たちを妨害するのは、やはり反日勢力・朝日の陰謀なんだ! すべて朝日のせい! 朝日は嘘を書くダメな新聞だ! 慰安婦問題を思い出せ! 売国朝日を排除しろ! 産経よ、勇ましく立ち上がって俺たちを称えてくれ!
    ……これで約140文字だが、だいたい、主張の要点はこのぐらいのものだ。
     同時に、籠池理事長の教育方針のもと育った子供は、やっぱりこうなってしまうんだな、とも思った。森友学園式教育の結晶、それが、ほとんどネトウヨの現人神としか思えない、籠池佳茂氏の姿なのだった。
     籠池理事長と、この長男佳茂氏の「反日朝日陰謀観」はあまりに強大で、朝日新聞や朝日放送の記者が質問しようとすると、ふたりがかりで「朝日さん? 朝日はだめ!」「朝日は、いいの。朝日は嘘を書く!」「朝日放送もだめ」「朝日は、だめなの!」と畳みかけて話にならなかった。しまいに、苛立った記者から、
    「産経新聞が聞こう! 産経が聞け! 産経が聞け! 産経、聞けっ!!」
    と怒声があがったのには思わず笑ってしまった。
    ●“森友学園の暴力装置”籠池諄子副園長
     この時に、記者会見場の脇からじっと籠池親子の姿を見つめ、時に激しくうなづき、時に顔をゆがめて感情をあらわにしていた人物がいる。
  • 「天皇は『Y染色体を入れる器』か?」小林よしのりライジング Vol.192

    2016-09-13 22:40  
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     9月11日、「天皇陛下のお気持ちをなぜ叶えないのか?」と題して第58回「ゴー宣道場」を開催した。
     当初の予定にはなかった緊急開催で、先月の関西道場に引き続き天皇陛下の生前退位がテーマである。
     安定的な皇位継承が実現するよう支援することを最重要のテーマとして掲げてきたゴー宣道場としては、事態が切迫しているいまこの問題を出来る限り議論していく以外にない。
     それにしても日本の歴史上、一般国民がこれほどまでに天皇陛下に堂々と盾突くことのできる時代などあっただろうか!?
     天皇陛下の「玉音放送」である8月8日のビデオメッセージで、陛下はお言葉の最後に 「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話ししました」 とおっしゃり、 「国民の理解を得られることを、切に願っています」 と締めくくっておられる。
     あのお言葉は、自らの高齢化による譲位が入り口であり、その出口は皇位の安定的継承を願い、それを国民に託すというものになっている。
     本当なら、これを聞いてすぐにご真意を拝察し、皇室典範を改正して譲位の制度化に向かう以外にないのである。
     ところがこのお言葉を受けても、政府は制度化ではなく「一代限り」の生前退位を、しかも特措法で実現してしまおうとしており、皇室典範には手を付けずに済まそうと目論んでいる。
     そして「保守」を騙る者たちがこれを支持しており、それどころか中には生前退位そのものにも反対し、天皇陛下が間違っていると公然と主張する者までいるのである。
     わしはこういう者たちを「逆賊」と呼ぶ。そもそも彼らはこんなことを天皇陛下に面と向かって言えるのだろうか? そこまでの諫言をするのなら、作法として切腹しなければいけないくらいの大ごとであるのに、彼らは何の覚悟もなく、平気で言ってのけるのだ。
     自称保守派は、天皇は祭祀と国事行為さえしておけばいいと主張し、今上陛下が最も重視してこられた被災地ご訪問などの公務は、もともと必要ないとまで言っている。
      公務は天皇と国民が直接対話していくことであり、昔の天皇でいえば「国見」にあたる。
     古代国家の建設期、天皇は積極的に地方へ行幸(天皇の外出を「行幸」、複数個所を回ることを「巡幸」という)して「国見」をした。
     天皇は国見をしてよい言霊を放つことでよい国になるように祈り、その際に詠んだ国褒めの歌がいくつも残されている。そして、天皇は国見によって支配下の国の様子を知り、在地の主張と服属儀礼を結んだのである。
     近代国家の形成期にも、明治天皇が全国を巡幸し、人々に新たな時代の到来を実感させると共に、地方の民衆を統合して近代国家建設のために効果を上げた。
     そして明治天皇が崩御し、明治神宮が建設される際には、生前の天皇のご厚情に報いようと全国から10万本もの献木が寄付され、15万人ものボランティアが手銭手弁当で上京し、広大な鎮守の森を人手によって造り上げたのである。
     戦後の混乱期にも、昭和天皇が自らのご意思で、国民を慰め、励まし、復興に立ち上がるための勇気を与えるために全国をくまなく巡幸している。この時の天皇と国民の触れ合いは『昭和天皇論』に描いた。
      今上陛下は歴代の天皇の国見に学び、象徴天皇として国民と共にあるという姿を作るためには公務が絶対に必要だとお考えになり、地方巡幸などの公務を増やしてこられたのだ。
     だが自称保守派は天皇が公務として全国に出かけ、国民と触れ合うこと自体に反対している。なぜなら自称保守派の連中は、いつでも自分たちに都合よく天皇を政治利用できるようにしておきたいというのが本音であり、そのために、天皇と国民の間を分断させておきたいのだ。
     だから自称保守派は、天皇が勝手に公務を増やしてしまったのであり、高齢なら減らせばいい、天皇は祭祀と国事行為だけやっておけばいいのだと言うのだ。 
      だがこれは、今上陛下が長年にわたって全身全霊をかけて築いてこられた象徴天皇像を根本から叩き壊そうとしているに等しい。今上陛下の人生を全否定しているに等しいのである!
  • 「安倍政権にとって『河野談話』の見直しは必要か?」小林よしのりライジング Vol.38

    2013-05-21 23:00  
    154pt

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     橋下徹がなぜ突然「慰安婦問題」に関する発言を始めたのかはわからない。  安倍政権の支持率が高すぎて、自らが率いる「日本維新の会」が埋没気味になっていることから、夏の参院選に向け、安倍が歴史認識問題で後退してきたところに目をつけて「右派」の取り込みを狙ったという見方もあるが、この際、動機は問わない。  橋下の発言には杜撰な部分も多々あるし、そもそも先週の「ライジング」の『ゴー宣』で詳述したように、 慰安婦問題で「強制連行はなかった」という議論は、正論ではあるが国内論壇にしか通用せず、国際政治上はマイナスにしかならない「周回遅れの議論」であることも間違いない。  とはいうものの、橋下の子供じみた「蛮勇」にも見える発言が、思いもよらない効果を発揮しているので、このまま退かずに頑張る限りは援護射撃しようと思っていた。  だが慰安婦問題を語る橋下は、しゃべればしゃべるほど、あちこちで論理の綻びが見え、日曜朝の報道番組を見てたら、「慰安婦問題で政府はきちんと謝罪しなければいけない」とも言っていたから、どこまで理解しているのか怪しいし、危なっかしすぎる。まあ、「蛮勇」とはこういうものかもしれないが。   橋下の「蛮勇」的発言は、安倍政権や産経新聞など自称保守派の卑怯さを、白日の下に晒すことになった。  何しろ、以前は橋下と同じようなことを言っていたはずの安倍晋三や稲田朋美や高市早苗など、自称保守の自民党議員たちがたちまち手のひらを返し、はしごを外し始めたのだから、その恥も外聞もない露骨さにはもう笑ってしまう。   とにかく、アメリカが怒るから、怖いのだ!  結局、自称保守派の歴史認識問題なんて、アメリカの目が届いていないところでこそこそっとしか言えない、内弁慶ボーヤの火遊びでしかなかったのだ。アメリカに一言「こらっ!」と言われたら、血相変えて火を消すのだ。   第1次政権時代と同様、安倍晋三が首相になったがために、またしても歴史認識問題は破滅的に悪化していく。  そんなことなら、最初から何も言わないほうがずっとよかったではないか。ヘタレのくせに口先だけで勇ましいことを言いたがって禍根を残すくらいなら、ヘタレらしく分をわきまえて「寝た子を起こすな」「触らぬ神に祟りなし」をモットーとしてほしかったが、もう手遅れである。  産経新聞も、それまで慰安婦とは「公娼制度」があった時代における「商行為」だと主張していたはずだが、それがなかったかのように橋下発言を非難している。  5月15日の社説では、「 慰安婦問題をめぐっては、宮沢喜一内閣当時に根拠もないまま強制連行を認める河野洋平官房長官談話が発表され、公権力による強制があったとの偽りが国内外で独り歩きする原因となった 」と書いている。  その上で、閣僚の稲田朋美、下村博文が、橋下徹を批判したことについて、こう評価するのだ。  「 稲田、下村両氏は自民党内の保守派として河野談話の問題点を厳しく指摘したこともあるが、橋下氏の考えとは相いれないことを示すものといえる 」  自民党議員の慰安婦問題の認識と、橋下の認識は、それほど違っているのだろうか?  さらに、「 裏付けなく発表された談話が、韓国などの反日宣伝を許す要因となっている状況を安倍政権は見直そうとしている。いわれなき批判を払拭すべきだという点は打倒としても、橋下氏の発言が見直しの努力を否定しかねない 」と、まるで橋下の発言のせいで河野談話の見直しが妨げられるかのような批判までしている。  ここで、わしは呆れ果てる事実に気がついた。   産経新聞、そして自称保守派は誰一人、「河野談話」の全文をきちんと読んでおらず、談話に何が書いてあるのかを、一切理解していないのだ!!  この社説でも書いているように、 自称保守派は 河野談話 を必ず「 慰安婦強制連行を認めた談話 」という。それは間違いとまでは言えないが、正確とは言い難い。むしろミスリードと言ったほうがいいくらいだ。  「強制連行」の問題は、「河野談話」全体の中においては瑣末な一部分と言っていい程度のウェイトしかないのである!  ここに河野談話の全文を掲載する。本文860字しかない短いものだが、時間のない人はざっと読み飛ばしてもらってかまわない。なお、読みやすくするために段落ごとに1行開け、それぞれの段落に番号を振った。      慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話                             平成5年8月4日 ①いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。 ②今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。 ③なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。   ④いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。   ⑤われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。   ⑥なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。
     この談話の中で、「 強制連行 」を認めたとされるのは段落②の後半、「慰安婦の募集については」以降の 「強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり」 という部分である。  そして、それを日本の公権力が直接行ったと認めたとされるのは、それに続く 「官憲等が直接これに加担したこともあった」 である。  しかし、こうして解説されて、ようやくこれが「日本国による強制連行」と読めることがわかるといった感じではないか。この部分が修正されたとしても、談話全体の印象はそれほど変わらないはずである。  それよりも、決定的に重大なのは、段落④の最初の部分だ。  「いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」   つまり河野談話では、慰安婦問題の本質とは 「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」 ことにあるとしているのだ。  段落①から③までで述べている、慰安婦の募集、移送、管理等の実態がいかなるものであるにせよ、 「いずれにしても」「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」 ことが問題だと言っているのである!